異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第五章〜私達兄妹は冒険者になります〜

5-43 助かった命...(助けられた命)

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 私とお兄ちゃんは周りに集まった人達にそれぞれ声をかけられた。
中には涙ぐむ人もいて私達馬本当に申し訳ない事をしたんだなぁーと反省した。
しかし、後悔はしていない。

どうやらかなり心配をかけていた様だったので自分達に起こった出来事を周りの人達を落ち着かせながら話をしていく。

パーティーメンバーは私がひたすら泣き叫んでいた所までは記憶があったのでそのあとの事からの話をすることに。

そうでなくても私が泣き叫んでいたと聞いて一人顔色が険しくなった人が居るので...。
誰とは言わないけどね...。
そう...誰...とはね...。

私とお兄ちゃんは出来事をなるべくかいつまんで話をすることにしたんだけど...。

まず私があまりに泣き叫ぶのでみかねた【時の大聖霊 オリジン】とこの世界の【神様】がやってきたこと。

そんでもって私のお願いを叶えるために皆の時を止めて過去に戻ってきたこと。

過去に戻りあの露店街での一連の出来事の後の状況を見てきたこと。

本来死ぬはずだった人を助けてきたことを結局包み隠さずに全て話をした私とお兄ちゃん。

私とお兄ちゃんからの話を聞いて皆は最初は半信半疑だった。

【大聖霊】はともかく神様の存在までは信じられなかったからだ。

皆、神様を信仰しているが実在するとは思っていないみたい。

その気持ちは分からんでもないが実際に存在するからなぁーと思いながらも話を進めていった。

ただ一人ドラしゃんだけが不服そうな表情をしていたのが印象的だったが...とりあえずそこはみなかった事にして話を続けた。

「だから、本来死ぬはずだった露店街で知り合ったあのお兄さんを助けたの。」

「でもよ?遺体はあったし夢でもみたんじゃないか?」

私の言葉にアサくん達はそう答える。

夢なんかじゃない。
過去で食べたご飯の味も覚えているし、微妙にお腹も満たされてるし...とは言えず、ちゃんと助けたとしか私は言えなかった。

私のあまりにも必死さにどうしたものかとアサくん達が困り果てていた時だった。

『お嬢様の言う事は間違いありません。
実は遺体と思われていたものは土人形でした。ギルドで遺体を解体しようした時に本来の姿...土へと戻りましたから。
その為私はギルドへと呼ばれましたしね。
 一応ギルドマスターと話し合って口裏を合わせてもらったんです。
あの露店の男は死んではいません。
事情を説明して今はロドムカに預けてあります。』

ドラしゃんの言葉にパーティーメンバー皆は唖然とする。

側にいたギルマス達も複雑な表情を浮かべて頷いている。

やっぱり過去は変える事ができたのだと思った瞬間...また私の両目からは涙が溢れてきた。

それを見たドラしゃんは大パニックに。

なんとか泣き止み今後の事について話し合う事にした。

死んだはずの人間が実は生きてます...って言うのも色々まずいので、彼にはそのまま死んだ事にした。

しかし生きているので、別の名前を与えて新たな人生をプレゼントする事にしたのだった。

ドラしゃん経由で詳しい話をしてもらうとだ、どうやらあのお兄さんには故郷に年老いた両親が居るそうだ。

しかもお兄さんは一人子。

もし自分が死んだなんて事が知れたら両親はあとを追いかねないというのだ。

それは困るので、またまたドラしゃん経由でお兄さんのご両親に連絡してもらい事情を説明する事にした。

お兄さんの両親探しは簡単だったが...。
その後が大変だったみたい。
話を何回もしても...なかなか理解してくれないのだとか...。

それどころか...ガチで後を追って死のうとまでするのだから本当に大変で。

やもえずロドじぃーちゃんに協力してもらいお兄さんを引き合わせて説明して...ようやく理解してもらったのだという。

そしてロドじぃーちゃんがお兄さんの両親にある提案をしたそうだ。

「あなたたちの息子は身の安全を守る為に死んだままにしてある。
でないと本当に殺されかねないからな。でだ。
こいつにはこれから別の名前で人生を歩んで貰う。だが、お前さん達の事が心配と言うのでな、お前さん達にも協力してもらうがいいよな?
まず、俺たちの住んでいる街に移住してもらう。そこでこいつと生活をして貰う。
ただし、こいつは"死んだ息子の代わり"としてだ。
歳格好も同じで"身寄りがない"こいつの親代わりとしてだ。どうだ?」

ロドじぃーちゃんの提案にお兄さんの両親は泣いて喜んだそうだ。

話が纏まったその日のうちに私達の街へとお引越しを済ませていた。

『今はあの男はファリブと名乗っています。彼のご両親もその名前に馴染んでくれてます。ですから問題なく過ごされてよ。
 ファリブとその両親からお嬢様に伝言を預かってます。
助けて頂きありがとうございます。
またあったら美味しい食べ物をたらふくご馳走するとの事ですよ。』

ドラしゃんの言葉を聞いて私はドラしゃんにしがみ付いた。

「良かった。ありがとう。ありがとう。」

私はドラしゃんにしがみ付いたままそうひたすら繰り返して呟いた。

ドラしゃんは特に何も言わずに私の頭を優しく撫でてくれた。

お兄ちゃん以外の人達はいまいち状況が掴めていないらしく不思議そうな顔をしていた。

お兄ちゃんはドラしゃんにしがみ付いている私に対してそっと声をかけてくれた。

「良かったね。リン。」

「うん。良かった。」

私とお兄ちゃんはそう言って笑いあったが...。

『良いですか。お嬢様、アキラ様。この様な無茶は金輪際禁止です!!下手しら死んでたかも知れませんからね!!』

優しく撫でてくれているドラしゃんからは想像もしたくないぐらい怖い声が...。

これはガチの様子なので私とお兄ちゃんはドラしゃんの顔を見ずに素直にわかりましたと返事をした。









リン:
お兄さん助かって良かった。

アキラ:
そうだね。

リン:
食べ物も美味しかったし。それが、また食べるなんてほんとラッキーだわ。

アキラ:
えっ?!そこ?

リン:
だって!美味しいものは美味しいのよ!
あの美味しいのが食べれないなんて...ヤダ!!

アキラ:
えー...。
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