全マシ。チートを貰った俺の領地経営勇者伝 -いつかはもふもふの国-

のみかん

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『勇者伝』編

第166話『奴隷の購入代1500万ゴールド』

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「そ、そもそもどうしてあなたがここにいるのよっ!」

 フランソワが萎縮モードからすぐ立ち直ってシルバリオンに反発する。
 さっきもそうだったが、ひょっとして彼女は切り替えの早さに定評があるのでは……?
 なんとなくそう思った。

「だから言ったであろう? こやつらが――」

「じゃなくて、何でニコルコにいるのかって話! あなたは共和国の人間でしょッ!」

「それは我輩がヒョロイカ様に仕官したからだ。パーティを辞めた後、国に帰るのも何か違うと思ってな」

「パーティを辞めた後……? さてはシルバリオン、あんた領主に何か吹き込んだのね!」

「あっ! そうか! だからハスミが捕まったのか! 非の打ち所のないハスミが嫌われるなんておかしいと思ったんだ!」

「ええっ? パーティから追い出されたことを逆恨みして、ハスミさんのことを悪し様に語ったってことですか!?」

 共和国のアホどもは思いついた可能性をまるで事実のように言い出し糾弾し始めた。

 いや、まったく聞き捨てならないことばかり抜かす連中だぜ。

「シルバリオンは関係ねえよ」

 俺は『黙れ』と言った後で『ドン!』と机を叩いた。
 日本に古来より伝わる必殺技の一つ ――『黙れドン』―― である。
 必殺技の効果はあったようで、共和国パーティの連中は口をつぐんだ。

 先日、ハスミが俺に弓を向けて牢に入れられたと聞いたとき、シルバリオンはとても悲しそうな目をしていたのだ。

 逆恨みだなんて、彼はそんなみみっちいことを考えるジジイじゃない。

「お前らとこれ以上話をしても意味がないな。頭がおかしくなりそうだわ」

「なんですって!」

「失礼な!」

「無礼ですよ!」

 さえずる声はスルー。

「金がなくて食料の確保が難しいなら苗や農具を援助してやる。衣類なんかも最低限のものは支給してもいい。けど、永続しては行なわない」

「それじゃ貯蓄が底をついたら彼女たちはどうやって生きていけばいいの!?」

 普通に働いて暮らせばいいと思うよ。

「横暴だ! ハスミと同じ勇者とは思えねえぜッ! 弱者を見捨てるのか!?」

「彼女たちは自由なんです! 権力者の指図は受けないわ!」

 まったく支援しないとは言ってないんだが……。
 自立できるよう手助けする範疇に留めるって話なのに。
 そういうところは全然頭に入っていないのか?

 あと、助けは求めるのに指図は受けないってどういう立場なんだよ。

「あくまで、お前たちはハスミの意思を引き継ぐというんだな?」

 俺は最後通牒のように確認する。
 もう十分受け止めてやったと思う。
 だからそろそろいいよねってことで。

「当然よ!」

「当たり前だ!」

「そうです!」

 力強く答える共和国の一行。
 彼女たちは揃って精力漲った表情をしていた。
 恐らく、ひとつの思想に大勢で邁進する一体感が彼らにバイタリティを与えているのだろう。

 ならば、最後まで貫いてもらおうではないか。


「じゃ――昨日、ハスミが奴隷商人から買った奴隷の購入代1500万ゴールド。俺が立て替えてあるから意思を継いだお前らが払ってくれよな?」


「「「えっ……?」」」


 フランソワたちの顔から表情が消えた。


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