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ダンジョンマスターと魔王
第7話 戦闘開始
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「初めての実戦かぁ」
レナがソルの弟子になってから1週間が経った。
それまで侵入者が来るたびに研修を中断してソルが退治に向かっていたが、今回レナが初めて実戦に出ることになった。
彼女は生活物資から武器防具、さらには罠まで作れる「錬成部屋」で作った鎧を着こみ兜をかぶり、2本の真剣つまりは実戦用である本物の剣を持ってソルと一緒に彼の部屋を出た。
ソルもまた同様のフル装備で戦場へと向かう。
「レナ、これから行われるのは血で血を洗う殺し合いだ。殺されないためには相手を殺すつもりで戦え。そうしないと、自分が殺される」
「それは分かっているつもりです」
『ダンジョンマスターの仕事は冒険者以上に人間の血で汚れている』ソルが何度も何度も彼女に言い聞かせたことだ。
侵入してきた冒険者の位置はダンジョンと感覚を共有しているソルはリアルタイムで把握している。
ダンジョン入り口に最も近い部屋に入ったのを確認した後、ソルとレナも突入する。
相手は戦士、迷宮盗賊、それに僧侶と思われる格好をした3人組。良くある組み合わせだ。ソルとレナ、それに仲間のミノタウロスは3対3のチーム戦に持ち込む。
戦士が最前列に出て迷宮盗賊が側面から機をうかがい、僧侶が後方で支援する。ソルにとって何百回も繰り返し見たお馴染みの光景だ。
迷宮の管理者側も同様で味方のミノタウロスを前面に押し出し、ソルとレナが側面から機をうかがう、という似たような配置だ。
「そこだっ!」
前列にいる戦士はミノタウロスの「当たれば即死」と言っていい大斧の一撃を回避し、カウンターで左腕を斬りつける!
「今だっ!」
そこへ迷宮盗賊が追撃で牛頭の巨人の足を斬る。冒険者側が優勢か? と思った、次の瞬間!
「ぐえっ!」
いつの間にか相手の後列に斬り込んでいたソルが僧侶を仕留めていた。まず回復役を叩くのは戦闘の基本だ。
(!? せ、先生、いつの間に!?)
レナですら認知できないほど「いつの間にか」後列へと切り込んでいるソル。何故気づけなかったのだろう?
「!! 野郎!」
迷宮盗賊が僧侶を倒したソルの方を見る。その直後、その隙をレナが突いた。
動きやすいように革製の防具しか着ていなかった彼にとって、鋼並みの固さを持つ金属製の錬成物質で出来た剣はたやすく防御を破る。鎧ごと胸が切り裂かれて血を吹き出し倒れた。
残りは戦士1人だ。
「まだやるか? 2度とここに来ないというのならパーティメンバーを担いで逃げな。追撃はしないぞ」
「……チッ!」
冒険者はそう言ってまだ息のある迷宮盗賊を担いで出ていった。
僧侶は傷が深かったのもあって、既にこと切れていた。ソルはミノタウロスに死体を置く部屋に持っていくよう指示を出す。
「あの人、死んでしまったんですね……それに、血の臭いがしますね」
「女なら血を見るなんて慣れっこだとは聞いてるけどやはり臭いには慣れてないようだな」
「え、ええ。ここまでの量の血は見たことも無いですし」
戦場に立つのが初めてにしては随分と落ち着いているな、とソルは単純にそう思った。
昔、自分と同じダンジョンマスターだった父親に連れられ仕事場の見学をした時は大量の血やそこから漂ってくる錆びた鉄のような臭い、
それについさっきまで自分と同じだった人間が『人間の形をした肉の塊』となっているのを見てめまいがしたものだ。
この部分も彼女の両親の血が成せる業だろうか?
ソルはつくづく弟子の才能というのを感じていた。凡人である自分が情けなくなるくらいに。
レナがソルの弟子になってから1週間が経った。
それまで侵入者が来るたびに研修を中断してソルが退治に向かっていたが、今回レナが初めて実戦に出ることになった。
彼女は生活物資から武器防具、さらには罠まで作れる「錬成部屋」で作った鎧を着こみ兜をかぶり、2本の真剣つまりは実戦用である本物の剣を持ってソルと一緒に彼の部屋を出た。
ソルもまた同様のフル装備で戦場へと向かう。
「レナ、これから行われるのは血で血を洗う殺し合いだ。殺されないためには相手を殺すつもりで戦え。そうしないと、自分が殺される」
「それは分かっているつもりです」
『ダンジョンマスターの仕事は冒険者以上に人間の血で汚れている』ソルが何度も何度も彼女に言い聞かせたことだ。
侵入してきた冒険者の位置はダンジョンと感覚を共有しているソルはリアルタイムで把握している。
ダンジョン入り口に最も近い部屋に入ったのを確認した後、ソルとレナも突入する。
相手は戦士、迷宮盗賊、それに僧侶と思われる格好をした3人組。良くある組み合わせだ。ソルとレナ、それに仲間のミノタウロスは3対3のチーム戦に持ち込む。
戦士が最前列に出て迷宮盗賊が側面から機をうかがい、僧侶が後方で支援する。ソルにとって何百回も繰り返し見たお馴染みの光景だ。
迷宮の管理者側も同様で味方のミノタウロスを前面に押し出し、ソルとレナが側面から機をうかがう、という似たような配置だ。
「そこだっ!」
前列にいる戦士はミノタウロスの「当たれば即死」と言っていい大斧の一撃を回避し、カウンターで左腕を斬りつける!
「今だっ!」
そこへ迷宮盗賊が追撃で牛頭の巨人の足を斬る。冒険者側が優勢か? と思った、次の瞬間!
「ぐえっ!」
いつの間にか相手の後列に斬り込んでいたソルが僧侶を仕留めていた。まず回復役を叩くのは戦闘の基本だ。
(!? せ、先生、いつの間に!?)
レナですら認知できないほど「いつの間にか」後列へと切り込んでいるソル。何故気づけなかったのだろう?
「!! 野郎!」
迷宮盗賊が僧侶を倒したソルの方を見る。その直後、その隙をレナが突いた。
動きやすいように革製の防具しか着ていなかった彼にとって、鋼並みの固さを持つ金属製の錬成物質で出来た剣はたやすく防御を破る。鎧ごと胸が切り裂かれて血を吹き出し倒れた。
残りは戦士1人だ。
「まだやるか? 2度とここに来ないというのならパーティメンバーを担いで逃げな。追撃はしないぞ」
「……チッ!」
冒険者はそう言ってまだ息のある迷宮盗賊を担いで出ていった。
僧侶は傷が深かったのもあって、既にこと切れていた。ソルはミノタウロスに死体を置く部屋に持っていくよう指示を出す。
「あの人、死んでしまったんですね……それに、血の臭いがしますね」
「女なら血を見るなんて慣れっこだとは聞いてるけどやはり臭いには慣れてないようだな」
「え、ええ。ここまでの量の血は見たことも無いですし」
戦場に立つのが初めてにしては随分と落ち着いているな、とソルは単純にそう思った。
昔、自分と同じダンジョンマスターだった父親に連れられ仕事場の見学をした時は大量の血やそこから漂ってくる錆びた鉄のような臭い、
それについさっきまで自分と同じだった人間が『人間の形をした肉の塊』となっているのを見てめまいがしたものだ。
この部分も彼女の両親の血が成せる業だろうか?
ソルはつくづく弟子の才能というのを感じていた。凡人である自分が情けなくなるくらいに。
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