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ダンジョンマスターと魔王
第20話 ダンジョンへの侵入者
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「先生、召喚部屋で試しに2回程召喚してみたんですけどこの子達が呼び出されたんです」
レナの報告に先生であるソルはやって来るが……。
「レ、レナ……そいつか?」
「ええそうです。召喚部屋でモンスターを召喚したら出てきたんです」
レナはダンジョンを守るために「幻獣界」から住人を召喚して使役する「召喚部屋」を使って試しに2体幻獣を召喚することにしたのだが、その結果がこれだ。
背は人間より少し大きく、細かな鱗に覆われた全身とトカゲのような顔、手足の爪に口の牙は鉄の鎧すら「いともあっけなく」切り裂く後ろ足2本で立つ「怪物」ドラゴン。
召喚獣の中でも最も強く、最も希少なもので、ソルでさえ実物を見るのは初めて、ましてや2体並んでいる光景は見た事はなかった。
余程召喚主が強くなければそもそも召喚出来ず、仮にできても扱いこなせずにロクに命令も聞かないのだが、それすらクリアー出来ていた。
「……試しに召喚した結果が、これか?」
「ええそうです。ドラちゃんとゴンちゃんって名付けました。どんな感じですか?」
「……完全に俺を超えてるな。俺でさえこいつを召喚するのは無理だ」
「へぇ、そういうものなんですか? 特に難しい事をやった覚えはないんですけど。そう言えば傷を負った召喚獣が消えるんですけど、あれって何ですか?」
「……分かった。教えるよ」
ダンジョンに出て来る召喚獣は致命傷を負うと消える。それは「幻獣界から召喚された召喚獣」はいわゆる「魂だけの状態」でこの世界にやってくるため、
マナ結晶同様にダンジョンで採れる資源である「エーテル」を使って肉体を作ってやる必要があるのだ。
だから身体が致命傷を負うとエーテルで出来た肉体を放棄して魂だけの状態になるので「致命傷を負うと光とともに消える」ように見えるのだ。
先生は弟子にそう教えていた時……。
「!!」
ソルとレナはダンジョンと感覚を共有しているため、侵入者が来たことに気づく。
「6人組か……俺たちも行くぞ。レナ、ついてこい!」
「はい! 分かりました先生!」
2人とドラゴン達はソルの個室から抜け出し、冒険者の居る部屋へと向かった。
「ぐえっ!」
レイラ姉妹と組んだパーティの戦士が、ミノタウロスの大斧の一撃を右肩に食らい、血を吹き出しながら倒れる。
「しっかりしてください!」
イリーナは倒れた仲間の傷を懸命に癒す。幸い傷口からの出血は止まり、最悪の事態だけは避けられそうだ。
彼女が治療をしている時に、部屋の扉が開きソルとレナ、そして彼女が召喚したドラゴンが入って来る。
「!! ソルだ! ダンジョンマスターのソル=デイブレイクだ!」
冒険者たちは親玉の登場にざわめく。だがレイラは冷静だ。
「貴様がソル=デイブレイクか! 魔王は私の親の仇なんだよ! 死んでもらう!」
「待て! 俺はお前の父親を殺した覚えはないぞ! それに俺は魔王じゃない!」
「魔王もダンジョンマスターも同類だろ? だからダンジョンマスターと魔王を絶滅させれば結果的に仇を取った、って事になる。
『無理が通れば道理が引っ込む』って言うしね! 覚悟するんだな!」
レイラが「手や指を守る」ためではなく「格闘家が攻撃するために作られた」鉄製の手甲をはめて襲い掛かって来る!
それに対しソルはレイラに剣先を向けて対応する。
拳や足技を使う格闘家はリーチこそ狭いが一度踏み込めば手数の多さで相手を圧倒できるのが強みだ。
だから接近させないために剣で突くような動きが効果的なのだ。
「くっ!」
(コイツ、かなり戦闘に慣れてるな)
とはいえ、それで対処できるのはあくまで1対1の時くらい。冒険者は6名、対してダンジョンマスター側はソル、レナ、ドラゴン2匹、ミノタウロスの5名。
数の差はしばしば質を跳ね返すほどの威力を持つ。
一緒にダンジョンへ来た戦士がレイラを援護し、ソルとの戦いを「2対1」に持ち込む。
「オラッ!」
戦士が踏み込んで持っていたハンマーで打撃をくわえる。ソルが身に着けていたチェインメイルでは若干、あくまで若干ではあるが相性が悪い相手。
腹に食らって衝撃が走る。が、耐えられる程度の物。魔王とも戦える実力を持つソルにとってはこの程度の攻撃は良くある事だ。
打撃を食らったのにひるまない彼の反撃で相手は首筋を斬られてしまう。動脈から激しい出血が噴き出る。イリーナといえど治療は出来ない致命傷だ。
「ハアッ!」
しかしレイラがソルに付け入るスキは出来た。彼女は相手の顔面目掛けて拳を振るう。口に当たって歯こそ折れなかったが有効な打撃だ。
「アイスボール!」
それを見たレナが氷魔法でソルを助ける。片手で戦いながらだったため全力は出せなかったが、それでも妨害の役には立つレベルの氷塊がレイラに叩きつけられる。
「ぐっ!」
ソルは氷塊を食らってバランスを崩した彼女に思いっきり蹴りをくわえる。もたついていたのもあって彼女の身体は冷たい土の床の上に倒れた。
「さすがダンジョンマスターなだけあるな。本気を出させてもらうぞ!」
レイラは起き上がり、構える。
『火鼠の構え』
レナの報告に先生であるソルはやって来るが……。
「レ、レナ……そいつか?」
「ええそうです。召喚部屋でモンスターを召喚したら出てきたんです」
レナはダンジョンを守るために「幻獣界」から住人を召喚して使役する「召喚部屋」を使って試しに2体幻獣を召喚することにしたのだが、その結果がこれだ。
背は人間より少し大きく、細かな鱗に覆われた全身とトカゲのような顔、手足の爪に口の牙は鉄の鎧すら「いともあっけなく」切り裂く後ろ足2本で立つ「怪物」ドラゴン。
召喚獣の中でも最も強く、最も希少なもので、ソルでさえ実物を見るのは初めて、ましてや2体並んでいる光景は見た事はなかった。
余程召喚主が強くなければそもそも召喚出来ず、仮にできても扱いこなせずにロクに命令も聞かないのだが、それすらクリアー出来ていた。
「……試しに召喚した結果が、これか?」
「ええそうです。ドラちゃんとゴンちゃんって名付けました。どんな感じですか?」
「……完全に俺を超えてるな。俺でさえこいつを召喚するのは無理だ」
「へぇ、そういうものなんですか? 特に難しい事をやった覚えはないんですけど。そう言えば傷を負った召喚獣が消えるんですけど、あれって何ですか?」
「……分かった。教えるよ」
ダンジョンに出て来る召喚獣は致命傷を負うと消える。それは「幻獣界から召喚された召喚獣」はいわゆる「魂だけの状態」でこの世界にやってくるため、
マナ結晶同様にダンジョンで採れる資源である「エーテル」を使って肉体を作ってやる必要があるのだ。
だから身体が致命傷を負うとエーテルで出来た肉体を放棄して魂だけの状態になるので「致命傷を負うと光とともに消える」ように見えるのだ。
先生は弟子にそう教えていた時……。
「!!」
ソルとレナはダンジョンと感覚を共有しているため、侵入者が来たことに気づく。
「6人組か……俺たちも行くぞ。レナ、ついてこい!」
「はい! 分かりました先生!」
2人とドラゴン達はソルの個室から抜け出し、冒険者の居る部屋へと向かった。
「ぐえっ!」
レイラ姉妹と組んだパーティの戦士が、ミノタウロスの大斧の一撃を右肩に食らい、血を吹き出しながら倒れる。
「しっかりしてください!」
イリーナは倒れた仲間の傷を懸命に癒す。幸い傷口からの出血は止まり、最悪の事態だけは避けられそうだ。
彼女が治療をしている時に、部屋の扉が開きソルとレナ、そして彼女が召喚したドラゴンが入って来る。
「!! ソルだ! ダンジョンマスターのソル=デイブレイクだ!」
冒険者たちは親玉の登場にざわめく。だがレイラは冷静だ。
「貴様がソル=デイブレイクか! 魔王は私の親の仇なんだよ! 死んでもらう!」
「待て! 俺はお前の父親を殺した覚えはないぞ! それに俺は魔王じゃない!」
「魔王もダンジョンマスターも同類だろ? だからダンジョンマスターと魔王を絶滅させれば結果的に仇を取った、って事になる。
『無理が通れば道理が引っ込む』って言うしね! 覚悟するんだな!」
レイラが「手や指を守る」ためではなく「格闘家が攻撃するために作られた」鉄製の手甲をはめて襲い掛かって来る!
それに対しソルはレイラに剣先を向けて対応する。
拳や足技を使う格闘家はリーチこそ狭いが一度踏み込めば手数の多さで相手を圧倒できるのが強みだ。
だから接近させないために剣で突くような動きが効果的なのだ。
「くっ!」
(コイツ、かなり戦闘に慣れてるな)
とはいえ、それで対処できるのはあくまで1対1の時くらい。冒険者は6名、対してダンジョンマスター側はソル、レナ、ドラゴン2匹、ミノタウロスの5名。
数の差はしばしば質を跳ね返すほどの威力を持つ。
一緒にダンジョンへ来た戦士がレイラを援護し、ソルとの戦いを「2対1」に持ち込む。
「オラッ!」
戦士が踏み込んで持っていたハンマーで打撃をくわえる。ソルが身に着けていたチェインメイルでは若干、あくまで若干ではあるが相性が悪い相手。
腹に食らって衝撃が走る。が、耐えられる程度の物。魔王とも戦える実力を持つソルにとってはこの程度の攻撃は良くある事だ。
打撃を食らったのにひるまない彼の反撃で相手は首筋を斬られてしまう。動脈から激しい出血が噴き出る。イリーナといえど治療は出来ない致命傷だ。
「ハアッ!」
しかしレイラがソルに付け入るスキは出来た。彼女は相手の顔面目掛けて拳を振るう。口に当たって歯こそ折れなかったが有効な打撃だ。
「アイスボール!」
それを見たレナが氷魔法でソルを助ける。片手で戦いながらだったため全力は出せなかったが、それでも妨害の役には立つレベルの氷塊がレイラに叩きつけられる。
「ぐっ!」
ソルは氷塊を食らってバランスを崩した彼女に思いっきり蹴りをくわえる。もたついていたのもあって彼女の身体は冷たい土の床の上に倒れた。
「さすがダンジョンマスターなだけあるな。本気を出させてもらうぞ!」
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