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第5話 不倫された先輩
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(お前ならウソもつかないし裏切らないと確信できた。か)
告白されてから数日、時間が経ち冷静になってきた私は先輩の言葉を吟味する。私に対してウソもつかないし裏切らないから、と言ってきたが何かあったのだろうか?
それに、何をしても怒鳴らないかの保証も欲しい。私は怒鳴り声を聞くだけで頭が真っ白になってしまう位に怖いのだ。
仕事が終わり後は帰るだけとなったころに勇気を出して先輩に話しかけた。
「あの、先輩。この前先輩の家で「お前なら裏切らないと確信できた」って言ってましたよね? 何か女性がらみで裏切られたことでもあったんですか?」
「……」
先輩はしばらく黙った後、語りだした。
「良いだろう。ハルカ、お前になら話してもいい。お前もオレの噂で「前に勤めていた会社で何かトラブルがあった」位は聞いてるだろ? オレは前の職場で、女の上司と付き合ったことがあるんだ」
先輩は話を続ける。私は黙って話を聞いていた。
「上司さんとお付き合いをしていたんですか?」
「そうだ。でもその上司は結婚していたのを隠していて、オレは不倫してしまっていることに気づかずに付き合いをしていたんだ。結局それが彼女の夫にバレたんだが、上司はその責任をオレに全部なすり付けて、自分は被害者だと言い出したんだ。
結局裁判までやったけど負けて賠償金を払うことになったし、会社にもいられなくなった。それから女ってやつは信用できなくなったんだ」
そこまで言うと彼はふぅっと息をつく。
「そしたら何で女嫌いなのに私を好きになったんですか? もしかして「お前なら裏切らないと確信できた」っていうのは……」
「そうだ。お前には悪いがちょっと調べ事をしてお前が未婚で他の男もいないのも分かってるし、オレを裏切ったところで何のメリットもなさそうだからな。だから信じてもいいと思ったんだ」
彼の目は真剣で、嘘をついている雰囲気は無かった。おそらく本当の事なのだろう。
「……あの、私の話も聞いて欲しいんですが、いいですか?」
「いいぞ。お前の話ならいくらでも聞くから」
「私、育った家庭環境が良くなくて、お父さんはお母さんにいつも怒鳴ってばっかりだったの。だからとにかく怒鳴られたくなくて、怒鳴り声を聞いてるだけで頭が真っ白になっちゃうの。
何があっても絶対に怒鳴らないと約束できるのなら、お付き合いをさせていただきたいと思っているのですが……」
「分かった。ただ、オレからも頼みごとがある。オレ以外の男とは付き合わないでくれ」
先輩はあっさり了承してくれた。
「は、はい。分かりました。浮気はしないので安心してください」
「じゃあ今日からよろしくな」
そう言って先輩は私の唇にキスをしてきた。
「先輩……」
「2人きりの時はカケルと呼んでくれ、ハルカ」
「うん。分かりました、カケルさん」
こうして、私とカケル先輩の関係は始まった。
【次回予告】
例え両親が不仲であっても幸せな家庭は築ける。そう証明してやろうと思っていた。
最終話 「結婚は人生の墓場ではなさそうだ。少なくとも私にとっては」
告白されてから数日、時間が経ち冷静になってきた私は先輩の言葉を吟味する。私に対してウソもつかないし裏切らないから、と言ってきたが何かあったのだろうか?
それに、何をしても怒鳴らないかの保証も欲しい。私は怒鳴り声を聞くだけで頭が真っ白になってしまう位に怖いのだ。
仕事が終わり後は帰るだけとなったころに勇気を出して先輩に話しかけた。
「あの、先輩。この前先輩の家で「お前なら裏切らないと確信できた」って言ってましたよね? 何か女性がらみで裏切られたことでもあったんですか?」
「……」
先輩はしばらく黙った後、語りだした。
「良いだろう。ハルカ、お前になら話してもいい。お前もオレの噂で「前に勤めていた会社で何かトラブルがあった」位は聞いてるだろ? オレは前の職場で、女の上司と付き合ったことがあるんだ」
先輩は話を続ける。私は黙って話を聞いていた。
「上司さんとお付き合いをしていたんですか?」
「そうだ。でもその上司は結婚していたのを隠していて、オレは不倫してしまっていることに気づかずに付き合いをしていたんだ。結局それが彼女の夫にバレたんだが、上司はその責任をオレに全部なすり付けて、自分は被害者だと言い出したんだ。
結局裁判までやったけど負けて賠償金を払うことになったし、会社にもいられなくなった。それから女ってやつは信用できなくなったんだ」
そこまで言うと彼はふぅっと息をつく。
「そしたら何で女嫌いなのに私を好きになったんですか? もしかして「お前なら裏切らないと確信できた」っていうのは……」
「そうだ。お前には悪いがちょっと調べ事をしてお前が未婚で他の男もいないのも分かってるし、オレを裏切ったところで何のメリットもなさそうだからな。だから信じてもいいと思ったんだ」
彼の目は真剣で、嘘をついている雰囲気は無かった。おそらく本当の事なのだろう。
「……あの、私の話も聞いて欲しいんですが、いいですか?」
「いいぞ。お前の話ならいくらでも聞くから」
「私、育った家庭環境が良くなくて、お父さんはお母さんにいつも怒鳴ってばっかりだったの。だからとにかく怒鳴られたくなくて、怒鳴り声を聞いてるだけで頭が真っ白になっちゃうの。
何があっても絶対に怒鳴らないと約束できるのなら、お付き合いをさせていただきたいと思っているのですが……」
「分かった。ただ、オレからも頼みごとがある。オレ以外の男とは付き合わないでくれ」
先輩はあっさり了承してくれた。
「は、はい。分かりました。浮気はしないので安心してください」
「じゃあ今日からよろしくな」
そう言って先輩は私の唇にキスをしてきた。
「先輩……」
「2人きりの時はカケルと呼んでくれ、ハルカ」
「うん。分かりました、カケルさん」
こうして、私とカケル先輩の関係は始まった。
【次回予告】
例え両親が不仲であっても幸せな家庭は築ける。そう証明してやろうと思っていた。
最終話 「結婚は人生の墓場ではなさそうだ。少なくとも私にとっては」
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