13 / 67
閃きと見切りで異世界を征服する ~ロ〇サガステータスでほぼ最強だけど魔族のステータスなので人間だけど魔族の味方をします~
第5話 気持ちいいわコレ
しおりを挟む
「……またやられたか!」
魔族の侵攻で人類の領土と29人の勇者は数を減らす一方。既に9人が散華している。
人類をまとめ上げる連合軍首脳陣には頭を痛める毎日が続く。頼みの綱である勇者はあと20名、それも大半がまだ訓練を要する未熟な者たちだ。
「大丈夫。俺がいます」
首脳陣に混じって勇者代表として参加していた宮本が名乗り出る。
「ミヤモト……やってくれるか!」
「ええやります。勇者として最善を尽くします」
召喚された勇者の中でトップの成績を残し、なおかつ戦に出ても生還している期待のエースが自信ありげに宣言する。
「お前ばかり働かせてすまない……でも、もうお前だけが頼りなんだ。必ず生きて帰ってきてくれ」
「承知しました。必ずや大義を果たして見せます」
フォルセネス国陥落から1ヶ月。早くも隣国を制圧するために魔族軍が動いた。やはり今回の戦も3倍以上の兵力差があり、一方的な試合で終わるのは誰もが目に見えていた。
「ハァーア、めんどくせえな。人類ってどうしてこう、往生際が悪いんだろうなぁ? さっさと降伏しちまった方が良いのにどーしてまた徹底抗戦するんだか」
「まったくだ。どう考えたって挽回のチャンスは無いってのによくやるぜ。俺にはよくわからん」
ここ2~3年の人類と魔族との戦争は兵力差などで戦う前から魔族側が「勝って当然」な物ばかりなため、正直前線の兵はだれていた。
そんな「だれた」兵相手でも負ける戦しかできない人類は既に「崖っぷち」どころか「崖から突き落とされて空中を落下している」状態だった。
あとは遅かれ早かれ滅亡を待つばかりの人類。その切り札である勇者と、魔族に伝わる予言の子。2人が戦場を介して交わった。
「また会ったな、宮本!」
「ククク……会いたかったぜワタル。ぶっちゃけあの時は油断してた。正直、お前の事を舐めてかかってたよ。今度はしくじらねえ……全力でブッ潰してやるぜ!!」
宮本が襲い掛かってくる!
「かえんぎり!」
彼が炎をまとった刀身でワタルを斬りつける、その瞬間!
ピコーン!
ワタルの頭に電球が灯る。
「かえんぎりを見切った!」
ワタルは鮮やかな動きで宮本の「かえんぎり」を回避する。
「!? な、何だ!?」
ダメージを与えることができなかった……偶然か? 宮本は再度魔力を込めて剣に炎を宿らせる。
「かえんぎり!」
再び宮本はワタルを斬りつけるが、再び彼は回避してしまい、かすりもしない。
「くそっ! ならば……」
宮本は秘策を繰り出す。
「メタルぎり!」
メタル製の魔物や、金属製の鎧を着た兵士にも致命傷を与える強烈な一撃が放たれる。が……
ピコーン!
ワタルの頭に再度電球が灯る。
「メタルぎりを見切った!」
これで3度目。ワタルは見事な動きであっさりと回避してみせた。そしてそこから流れるような動きでジャンプして宮本を斬りつけた……『強撃』だ。
慌てて勇者は防御の態勢をとるがその防御をムリヤリこじ開けられ、致命傷ではないが左腕が使えなくなる程の重傷を負う。
次いで『重鉄』製の大剣で宮本の胴体に向かって横に薙ぐとアクセル全開で走行中の車にぶつかりはね飛ばされたかのように彼の体が宙を舞い、地面を転がり大の字になる。
重たい何かで殴られたような衝撃で、体の感覚に違和感を抱いている。
「!? 何が、起こっているんだ!? なぜ攻撃が当たらないんだ!?」
「冥土の土産に教えてやる。こいつは『見切り』だ。1度見切りさえすればどんな技でも相手の技を100%の確率で回避できる。今さっきかえんぎりとメタルぎりは完全に見切った。何度出してこようが俺には通じない」
そう言いながらワタルは宮本の顔面を全体重をかけて踏む。
「まずは話し合いするために立って話をしようか? 立てよ」
「テ、テメェ! 足をどけろ!」
「はぁ~? 何言ってんのかさっぱり分かりませんね~? もっと大きな声で言ってもらわないと」
「足をどけろっつってんのが分かんねえのか殺すぞボケ!」
「うるせえ黙れ! 耳障りだ!」
ワタルは宮本の顔面を思いっきりる蹴りつけ、再び踏む。
最高だ。
圧倒的な力で弱者をいいようにいたぶるのは最高にキモチイイ。それも長年の恨みつらみをぶつけるとなおの事最高だ。もちろんやったことはないがヘロインをキメてもここまでの快楽は無いだろう。
「いや~楽しいわ。これってメチャクチャ楽しい。お前がハマる理由分かるぜ。うん、楽しくて楽しくてたまんないわ」
本当に、心の底から楽しんでいるのであろう。うっとりとした表情を浮かべながらワタルは宮本を見つめる。
「楽しいか?」
「はい?」
「俺をいじめて楽しいか?」
「いじめ? そんなことはやらないさ。いじめなんてやったらお前と同類になっちまうじゃねえか。お前にされた事に対する借りを返してるだけだよ……『利子をたっぷりと』つけてな」
そう言ってワタルは宮本の顔面を踏みつつ彼の足目がけて思いっきり剣を振り下ろす。
ボキィ! という鈍い音と共に宮本の右足が『人体の構造上絶対に曲がらない箇所』が『不気味な方向に』曲がり、激痛に思わず彼は叫ぶ。
「ンン~。実にNICEな叫び声だな。心にしみでスカッとするぜ」
「ハァハァ……クソッ! 今回は貸しにしとくからな!」
宮本はポケットから握りこぶし大の青い石を取り出し、地面にたたきつけて割る。その瞬間、彼の姿がフッと消えた。
「……この石、まさかあの時の?」
ワタルは残された破片を見てふと気づく。以前シェラハに助けてもらった時、彼女はこれよりもずっと小さいが似ている石を使って、魔都まで瞬間移動した事があった。
おそらく魔族と比べれば魔力の低い人間にも扱えるように改良したものだろう。
「……逃げられたか。まぁいい。またブチのめせばいいだけか」
ワタルは戦線に復帰し戦いを再開した。
【次回予告】
命だけは助かった宮本。だが逆に言えば『命しか』助からなかった。自信、プライド。
そのほかありとあらゆる精神的な優位性をズタズタに引き裂かれ、宮本は復讐の鬼という次元に収まらない、もはや復讐することしか脳に無い悲しい生き物へと堕ちていた。
第6話 「復讐しか頭にない悲しい生き物」
魔族の侵攻で人類の領土と29人の勇者は数を減らす一方。既に9人が散華している。
人類をまとめ上げる連合軍首脳陣には頭を痛める毎日が続く。頼みの綱である勇者はあと20名、それも大半がまだ訓練を要する未熟な者たちだ。
「大丈夫。俺がいます」
首脳陣に混じって勇者代表として参加していた宮本が名乗り出る。
「ミヤモト……やってくれるか!」
「ええやります。勇者として最善を尽くします」
召喚された勇者の中でトップの成績を残し、なおかつ戦に出ても生還している期待のエースが自信ありげに宣言する。
「お前ばかり働かせてすまない……でも、もうお前だけが頼りなんだ。必ず生きて帰ってきてくれ」
「承知しました。必ずや大義を果たして見せます」
フォルセネス国陥落から1ヶ月。早くも隣国を制圧するために魔族軍が動いた。やはり今回の戦も3倍以上の兵力差があり、一方的な試合で終わるのは誰もが目に見えていた。
「ハァーア、めんどくせえな。人類ってどうしてこう、往生際が悪いんだろうなぁ? さっさと降伏しちまった方が良いのにどーしてまた徹底抗戦するんだか」
「まったくだ。どう考えたって挽回のチャンスは無いってのによくやるぜ。俺にはよくわからん」
ここ2~3年の人類と魔族との戦争は兵力差などで戦う前から魔族側が「勝って当然」な物ばかりなため、正直前線の兵はだれていた。
そんな「だれた」兵相手でも負ける戦しかできない人類は既に「崖っぷち」どころか「崖から突き落とされて空中を落下している」状態だった。
あとは遅かれ早かれ滅亡を待つばかりの人類。その切り札である勇者と、魔族に伝わる予言の子。2人が戦場を介して交わった。
「また会ったな、宮本!」
「ククク……会いたかったぜワタル。ぶっちゃけあの時は油断してた。正直、お前の事を舐めてかかってたよ。今度はしくじらねえ……全力でブッ潰してやるぜ!!」
宮本が襲い掛かってくる!
「かえんぎり!」
彼が炎をまとった刀身でワタルを斬りつける、その瞬間!
ピコーン!
ワタルの頭に電球が灯る。
「かえんぎりを見切った!」
ワタルは鮮やかな動きで宮本の「かえんぎり」を回避する。
「!? な、何だ!?」
ダメージを与えることができなかった……偶然か? 宮本は再度魔力を込めて剣に炎を宿らせる。
「かえんぎり!」
再び宮本はワタルを斬りつけるが、再び彼は回避してしまい、かすりもしない。
「くそっ! ならば……」
宮本は秘策を繰り出す。
「メタルぎり!」
メタル製の魔物や、金属製の鎧を着た兵士にも致命傷を与える強烈な一撃が放たれる。が……
ピコーン!
ワタルの頭に再度電球が灯る。
「メタルぎりを見切った!」
これで3度目。ワタルは見事な動きであっさりと回避してみせた。そしてそこから流れるような動きでジャンプして宮本を斬りつけた……『強撃』だ。
慌てて勇者は防御の態勢をとるがその防御をムリヤリこじ開けられ、致命傷ではないが左腕が使えなくなる程の重傷を負う。
次いで『重鉄』製の大剣で宮本の胴体に向かって横に薙ぐとアクセル全開で走行中の車にぶつかりはね飛ばされたかのように彼の体が宙を舞い、地面を転がり大の字になる。
重たい何かで殴られたような衝撃で、体の感覚に違和感を抱いている。
「!? 何が、起こっているんだ!? なぜ攻撃が当たらないんだ!?」
「冥土の土産に教えてやる。こいつは『見切り』だ。1度見切りさえすればどんな技でも相手の技を100%の確率で回避できる。今さっきかえんぎりとメタルぎりは完全に見切った。何度出してこようが俺には通じない」
そう言いながらワタルは宮本の顔面を全体重をかけて踏む。
「まずは話し合いするために立って話をしようか? 立てよ」
「テ、テメェ! 足をどけろ!」
「はぁ~? 何言ってんのかさっぱり分かりませんね~? もっと大きな声で言ってもらわないと」
「足をどけろっつってんのが分かんねえのか殺すぞボケ!」
「うるせえ黙れ! 耳障りだ!」
ワタルは宮本の顔面を思いっきりる蹴りつけ、再び踏む。
最高だ。
圧倒的な力で弱者をいいようにいたぶるのは最高にキモチイイ。それも長年の恨みつらみをぶつけるとなおの事最高だ。もちろんやったことはないがヘロインをキメてもここまでの快楽は無いだろう。
「いや~楽しいわ。これってメチャクチャ楽しい。お前がハマる理由分かるぜ。うん、楽しくて楽しくてたまんないわ」
本当に、心の底から楽しんでいるのであろう。うっとりとした表情を浮かべながらワタルは宮本を見つめる。
「楽しいか?」
「はい?」
「俺をいじめて楽しいか?」
「いじめ? そんなことはやらないさ。いじめなんてやったらお前と同類になっちまうじゃねえか。お前にされた事に対する借りを返してるだけだよ……『利子をたっぷりと』つけてな」
そう言ってワタルは宮本の顔面を踏みつつ彼の足目がけて思いっきり剣を振り下ろす。
ボキィ! という鈍い音と共に宮本の右足が『人体の構造上絶対に曲がらない箇所』が『不気味な方向に』曲がり、激痛に思わず彼は叫ぶ。
「ンン~。実にNICEな叫び声だな。心にしみでスカッとするぜ」
「ハァハァ……クソッ! 今回は貸しにしとくからな!」
宮本はポケットから握りこぶし大の青い石を取り出し、地面にたたきつけて割る。その瞬間、彼の姿がフッと消えた。
「……この石、まさかあの時の?」
ワタルは残された破片を見てふと気づく。以前シェラハに助けてもらった時、彼女はこれよりもずっと小さいが似ている石を使って、魔都まで瞬間移動した事があった。
おそらく魔族と比べれば魔力の低い人間にも扱えるように改良したものだろう。
「……逃げられたか。まぁいい。またブチのめせばいいだけか」
ワタルは戦線に復帰し戦いを再開した。
【次回予告】
命だけは助かった宮本。だが逆に言えば『命しか』助からなかった。自信、プライド。
そのほかありとあらゆる精神的な優位性をズタズタに引き裂かれ、宮本は復讐の鬼という次元に収まらない、もはや復讐することしか脳に無い悲しい生き物へと堕ちていた。
第6話 「復讐しか頭にない悲しい生き物」
0
あなたにおすすめの小説
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
この国を護ってきた私が、なぜ婚約破棄されなければいけないの?
柊
ファンタジー
ルミドール聖王国第一王子アルベリク・ダランディールに、「聖女としてふさわしくない」と言われ、同時に婚約破棄されてしまった聖女ヴィアナ。失意のどん底に落ち込むヴィアナだったが、第二王子マリクに「この国を出よう」と誘われ、そのまま求婚される。それを受け入れたヴィアナは聖女聖人が確認されたことのないテレンツィアへと向かうが……。
※複数のサイトに投稿しています。
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる