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勇者パーティを追放されたらツイてツイてツキまくり!? 「超爆運」スキルが無敵すぎる!

最終話 合流

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「えっと……フォルトゥーナさんで間違いないですか?」

「え、ええ。そうですけど」

 朝になって部屋に入ってきて声をかけてきた宿屋の女将に彼は素直に応じる。

「あなたに会いたい人たちが入り口で待っているそうよ」

「そうですか、分かりました。その人たちに少し待ってくれと伝えてくれませんかね?」

 彼は細かい身だしなみを整えるため少し待って欲しいと頼んだ。



 少し経って宿泊していた部屋を離れ、入口へと向かう途中彼は考える。「人たち」って事なら1人ではないらしい。誰だろう? と思いながらフォルトゥーナは入り口まで行くと……

「あ! もしかしてみんなは!」

「ようフォルトゥーナ! 久しぶりだな」

 フォルトゥーナの目には兄と共に旅をしていたメンバーの姿が飛び込んでくる。彼がパーティを追い出された翌日、彼の兄のパーティを抜けた元メンバーの3人だった。



「やっと追いついたぜ。行き違いばっかりだったからこのまま会えないんじゃないかと心配してたところだったぞ」

「聞いた話じゃずいぶんと活躍しているそうね。魔王を捕まえたとか一国の姫君の病気を治したとかの話は聞いてるわよ」

 追いついた仲間は明るい声でそう話しかけてくる。フォルトゥーナの兄のパーティにいた時には彼の顔を立てるために決してしなかった表情だ。



「ははっ、そうか。でも運が良かっただけだよ? まぁいいや、ところで兄貴はどうしてる?」

「知らん。お前が追い出された翌日の朝にみんなパーティを抜けたんだよ。今頃どこで何をしているのかは分かんないけどA級冒険者だから多分それなりに活躍してんじゃねえの?」

「え!? パーティ抜けちゃったの!?」

 そうか、だから兄はいないのか。フォルトゥーナはなぜ兄がいなかったのか不思議だったがその理由が分かった。



「というわけだ。今日からまた一緒に冒険しようぜ。良いだろ?」

「わかった。じゃあ一緒に行こう! ところでパーティリーダーは誰にしようか?」

「そんなの決まってるじゃないか」

 仲間の1人がそう言うと3人は一斉にフォルトゥーナを指さす。

「今日からお前がリーダーだ」

「……」



 身内から急に指名されたフォルトゥーナは「お前がリーダーだ」と言われてもピンと来ない顔をしている。

「良いの? 兄貴がやってるところを見てただけなんだけど」

「構わないさ。元リーダーの双子の弟なんだろ? パーティの指揮だって出来るんじゃないの?
 俺たち3人ともリーダーなんてやったことないから、どっちみちお前の下でやろうとあらかじめ決めていたんだ。構わないだろ?」

「……よしわかった。じゃあ俺が今日からリーダーだ。よろしくな」

 フォルトゥーナは決心してリーダーになることにした。
 後の世、彼らは「世界にはびこる魔王を9人も討伐した伝説の勇者パーティ」として歴史に名を刻むことになる、その始まりの物語である。



【次回予告】

 雨が年中多く降る以外はいたって普通の国、ソル王国。そこに外交官として長年勤めていた男、ピオッジャ=コレルリが突如外交官を解任、そして国外追放処分を言い渡される。
 その理由たるや「雨男だから」というムチャクチャなものであった。

「雨男と砂漠の国 ~超雨男が国から追い出されたけど砂漠の民に拾われて雨無双。追い出した祖国は干ばつに苦しんでるけどそんなの知るか~」

第1話 「雨男追い出される」
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