44 / 67
勇者パーティを追放されたらツイてツイてツキまくり!? 「超爆運」スキルが無敵すぎる!
第7話 フォルトゥーナの兄、運の無い一生に終止符を打つ
しおりを挟む
「ほぉ、クリタケの煮つけか。ちょうどいいや、晩飯はコイツと野菜のスープにでもするか」
季節は秋……キノコが良く採れる季節だ。市場には旬のキノコが数多く出回っている。
「明日からテント生活か。どうしてこうなっちまったんだろうな」
フォルトゥーナの兄はそうぼやく。
賢者と別れ、人員を募集するもお眼鏡にかなう人材は来ない。収入も激減して貧乏暮らし真っただ中を1人で冒険者活動を行っていたのだ。
宿に備え付けのかまどを借りて夕食を自炊して食べ、眠りについたフォルトゥーナの兄。その身に異変が起こる。
グゴギュルルル……
急に腹に激しい痛みが走り、彼は飛び起きる。時刻は真夜中、草木も眠る時間帯だ。
「!? な、何だ!? と、とにかくヤバい!」
彼はトイレに駆け込むと下痢便サウンドを鳴らしながらしばらくの間こもった。
猛毒キノコ「ニガクリタケ」
食用キノコであるクリタケにそっくりで、さらには同じ木から生えることもある。そのためクリタケと「見た目で」判別するのは極めて難しい「猛毒の」キノコだ。
その毒性は量にもよるが人間1人を殺すには十分な程で、誤って食べてしまうと激しい下痢やおう吐、さらには痙攣が起こりやがて意識を失い死んでしまうという。
ただ、ニガクリタケはその名の通り「かなり苦い」味で、普通はそれで判別することも可能なのだが、煮つけにされるなどして煮汁の味がしみ込んだらその判断は難しくなる。
今回彼は「クリタケ」と間違えられて煮つけにされ流通してしまった「ニガクリタケ」を買って食べてしまったのだ。
「!? な、何だ!? 身体が……」
次いで襲ったのは舌のしびれと体の痙攣……彼は直感で死を悟る。
(まずい! このままでは本当に死んでしまうかもしれん!)
便器から立ち上がるが、そのまま意識を失い倒れてしまい、2度と目覚めることは無かった。もちろん今は真夜中、誰もが眠りについている時。彼に気づくものなどいなかった。
翌朝……朝1でトイレに向かった宿屋の客が死体を見つけたことから宿屋開業以来の大騒ぎが始まって、何人もの兵士が早朝からやってきて事件の捜査が始まった。
「下痢におう吐、それに彼は昨夜キノコの煮つけらしきものを食べていたという他の客からの証言、となると……クリタケと間違って流通したニガクリタケを食べたという線が濃いな」
兵士たちが死人が出た事件を捜査していた。彼らは昨日の市場のごく一部に「煮つけにされたニガクリタケ」が「クリタケの煮つけ」と間違えられて流通してしまった事は既に把握していた。
おそらく、そこから流れてしまったニガクリタケを誤って食べて死んでしまったのだろう。というのが彼らがたどりついた事件の真相だ。
「兵士さん、もしかして殺人事件じゃないですよね!? そんなことになったらもう商売ができなくなってしまうんですけど!」
「奥さん、安心してください。事件性は薄くて今のところは「不幸な事故」という線が濃いですね」
「そ、そうですか。良かった」
その後の捜査で煮つけにされたニガクリタケを間違って売っていた店で彼は問題の商品を買っていた事が判明し、改めて「彼はクリタケと誤ってニガクリタケを食べて死んだ」という結論が出された。
彼は旅人だったのもあってか墓地の隅にある無縁人の墓にひっそりと埋葬されたという。
【次回予告】
順調に旅を続けるフォルトゥーナ。そこへ「客」が来る。
最終話 「合流」
季節は秋……キノコが良く採れる季節だ。市場には旬のキノコが数多く出回っている。
「明日からテント生活か。どうしてこうなっちまったんだろうな」
フォルトゥーナの兄はそうぼやく。
賢者と別れ、人員を募集するもお眼鏡にかなう人材は来ない。収入も激減して貧乏暮らし真っただ中を1人で冒険者活動を行っていたのだ。
宿に備え付けのかまどを借りて夕食を自炊して食べ、眠りについたフォルトゥーナの兄。その身に異変が起こる。
グゴギュルルル……
急に腹に激しい痛みが走り、彼は飛び起きる。時刻は真夜中、草木も眠る時間帯だ。
「!? な、何だ!? と、とにかくヤバい!」
彼はトイレに駆け込むと下痢便サウンドを鳴らしながらしばらくの間こもった。
猛毒キノコ「ニガクリタケ」
食用キノコであるクリタケにそっくりで、さらには同じ木から生えることもある。そのためクリタケと「見た目で」判別するのは極めて難しい「猛毒の」キノコだ。
その毒性は量にもよるが人間1人を殺すには十分な程で、誤って食べてしまうと激しい下痢やおう吐、さらには痙攣が起こりやがて意識を失い死んでしまうという。
ただ、ニガクリタケはその名の通り「かなり苦い」味で、普通はそれで判別することも可能なのだが、煮つけにされるなどして煮汁の味がしみ込んだらその判断は難しくなる。
今回彼は「クリタケ」と間違えられて煮つけにされ流通してしまった「ニガクリタケ」を買って食べてしまったのだ。
「!? な、何だ!? 身体が……」
次いで襲ったのは舌のしびれと体の痙攣……彼は直感で死を悟る。
(まずい! このままでは本当に死んでしまうかもしれん!)
便器から立ち上がるが、そのまま意識を失い倒れてしまい、2度と目覚めることは無かった。もちろん今は真夜中、誰もが眠りについている時。彼に気づくものなどいなかった。
翌朝……朝1でトイレに向かった宿屋の客が死体を見つけたことから宿屋開業以来の大騒ぎが始まって、何人もの兵士が早朝からやってきて事件の捜査が始まった。
「下痢におう吐、それに彼は昨夜キノコの煮つけらしきものを食べていたという他の客からの証言、となると……クリタケと間違って流通したニガクリタケを食べたという線が濃いな」
兵士たちが死人が出た事件を捜査していた。彼らは昨日の市場のごく一部に「煮つけにされたニガクリタケ」が「クリタケの煮つけ」と間違えられて流通してしまった事は既に把握していた。
おそらく、そこから流れてしまったニガクリタケを誤って食べて死んでしまったのだろう。というのが彼らがたどりついた事件の真相だ。
「兵士さん、もしかして殺人事件じゃないですよね!? そんなことになったらもう商売ができなくなってしまうんですけど!」
「奥さん、安心してください。事件性は薄くて今のところは「不幸な事故」という線が濃いですね」
「そ、そうですか。良かった」
その後の捜査で煮つけにされたニガクリタケを間違って売っていた店で彼は問題の商品を買っていた事が判明し、改めて「彼はクリタケと誤ってニガクリタケを食べて死んだ」という結論が出された。
彼は旅人だったのもあってか墓地の隅にある無縁人の墓にひっそりと埋葬されたという。
【次回予告】
順調に旅を続けるフォルトゥーナ。そこへ「客」が来る。
最終話 「合流」
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
欠席魔の公爵令嬢、冤罪断罪も欠席す 〜メイリーン戦記〜
水戸直樹
ファンタジー
王太子との婚約――それは、彼に恋したからでも、権力のためでもなかった。
魔王乱立の時代。
王も公爵も外征に出ている王都で、公爵令嬢メイリーンは“地味な婚約者”として王城に現れる。
だが、王太子は初顔合わせに現れなかった。
にもかかわらず、記録に残ったのは「公爵令嬢の欠席」。
抗議はしない。
訂正もしない。
ただ一つ、欠席という事実だけを積み上げていく。
――それが、誰にとっての不合格なのか。
まだ、誰も気づいていない。
欠席から始まる、静かなるファンタジー戦記。
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
役立たずと追放された聖女は、第二の人生で薬師として静かに輝く
腐ったバナナ
ファンタジー
「お前は役立たずだ」
――そう言われ、聖女カリナは宮廷から追放された。
癒やしの力は弱く、誰からも冷遇され続けた日々。
居場所を失った彼女は、静かな田舎の村へ向かう。
しかしそこで出会ったのは、病に苦しむ人々、薬草を必要とする生活、そして彼女をまっすぐ信じてくれる村人たちだった。
小さな治療を重ねるうちに、カリナは“ただの役立たず”ではなく「薬師」としての価値を見いだしていく。
暗算参謀は王国を追放される――戦わずして勝ち続けた男の失脚譚――
まさき
ファンタジー
現代日本から異世界へ転生した主人公。
彼に与えられた唯一の能力は、瞬時にあらゆる数値を弾き出す「暗算」だった。
剣も魔法も使えない。
だが確率と戦略を読み解くことで、王国の戦を幾度も勝利へ導いていく。
やがて王国の戦略顧問として絶大な信頼を得るが、
完璧すぎる功績は貴族の嫉妬を招き、巧妙な罠により不正の罪を着せられてしまう。
証明できぬ潔白。
国の安定を優先した王の裁定。
そして彼は、王国を追放される。
それでも彼は怒らない。
数字は嘘をつかないと知っているからだ。
戦わずして勝ち続けた参謀が、国を去るその日までを描く、
知略と静かな誇りの異世界戦略譚。
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる