追放→ざまぁwww こんぴれーしょんぱっく ~追放もの短編集めました~

あがつま ゆい

文字の大きさ
47 / 67
雨男と砂漠の国 ~超雨男が国から追い出されたけど砂漠の民に拾われて破格の待遇でもてなされる。追い出した祖国は干ばつに苦しんでるけどそんなの知

第1話 雨男追い出される

しおりを挟む
 ソル王国と呼ばれるとある王国の朝……いつも通りの曇り空の下、今日も昨日と変わらない1日が始まろうとしていた。だがその日は彼にとってはいつもとは違っていた。

「ピオッジャ=コレルリ、ただいま参りました。閣下直々のご命令とは何事でしょうか?」

 ソル王国の淡い青色の髪をした外交官、ピオッジャ=コレルリが黄金色の目と髪をしたソル王国の王、セレーノに呼ばれやってきた。その内容とは……。

「ピオッジャ=コレルリ……本日をもってお前の外交官としての任を解くと同時に、国外追放処分を科す!」

 任を解く……つまりは、クビだ。おまけに国外への追放処分……一体どういう事だ!? ピオッジャには意味が全く分からなかった。

「セレーノ閣下! 私は18歳の頃から外交官として10年、この国のために仕えてきました! それを何の落ち度もなくなぜそのような仕打ちを!?」

「ふーむ、いいだろう。じゃあ教えてやろう! なぜおまえを追放するのかをな!」

 王、セレーノは統計がかかれた羊皮紙をピオッジャ目がけて突き出す。そこには天候に関する記録と、ピオッジャの活動記録が書かれていた。



「ここ10年ほどの統計をとったら王都が晴れたのはお前が外交のために国を離れた時だけだ! それ以外は全部曇りか雨! それにお前が他国に寄った地域の天気は必ず雨になる! 全部お前のせいだ!」

「!! この曇りや雨は私のせいだと言いたいんですか!? バカバカしいですよ! そんな話! そんな理由で私を追放するんですか!?」

「じゃあ聞くがピオッジャ、お前は太陽を見たことがあるか? 雲のスキマから見えるなんてものじゃなくて、光輝く太陽を見たことがあるのか!?」

「話で聞いたことはありますが……」

「それ見ろやっぱりだ! お前は30年近く生きてるくせに太陽を見たことが無いんだろ!? それがお前のせいで雨が降る最大の理由だ。
 30近くにもなって太陽を見たことがないなんて言えるのは雨男であるお前にしか言えない事だ!

 みんな迷惑してるんだよ! 雨雲を呼ぶお前の事に! お前さえいなければ子供たちは外で遊べるし、母親たちは洗濯ができる! それに「雨都」という不名誉な名前も返上できる! お前さえいなくなればな」



 ピオッジャが仕える国、ソル王国の首都はここ30年ほど雨や曇りの日々が続いていて太陽は滅多に顔を出さない。そのため最近は「雨都」とあだ名で呼ばれるほどだ。
 おかげで水には不自由しないが多すぎる雨に国民は嫌な顔をしているのは事実だ。国民はここ十数年洗濯物を外で干したことがない。とも言われている。

「セレーノ閣下、私から最後のご注進です。我々家臣は王の影であり、王が望むままに形を変えます。王が暴君なら家臣もそうなり、王が配下を思いやるなら忠臣になります。
 私を追放するというセレーノ閣下のご決断、曲げるつもりはないのですか?」 

「無いね、そんなの。これっぽちもだ。これはもう決定事項なんだ。お前は要らねえんだよ! 手切れ金を渡すからこの国から出ていけ!」

「……ハァ」

 ピオッジャは上司であるセレーノ王の判断に深い深いため息をついた。これ以上は何を話しても無駄だと悟り、退職金という名の手切れ金を受け取って城を後にした。



 ピオッジャが「雨都」を離れてしばし……雨がやみ、雲が晴れ久しぶりに太陽が顔をのぞかせた。

「ホラ見ろ! 晴れたじゃないか! 久しぶりの青空だ!」

 久しぶりの太陽に国民たちは心を躍らせていた。

 ソル王国第6代国王セレーノ。彼は後の世「ひでり王セレーノ」と呼ばれ、ソル王国の建国以来最悪の暗君あんくんとして国の歴史にその名が残ってしまうことになるのだが、この時の彼はそれを知らない。



【次回予告】

ソル王国を国外退去処分で追い出されたピオッジャ。彼の事を「国王よりも重要な人物」と位置付ける集団がいた。
彼らはピオッジャがソル王国を離れたところを狙って接触する。

第2話 「捨てる神あれば拾う神あり」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

欠席魔の公爵令嬢、冤罪断罪も欠席す 〜メイリーン戦記〜

水戸直樹
ファンタジー
王太子との婚約――それは、彼に恋したからでも、権力のためでもなかった。 魔王乱立の時代。 王も公爵も外征に出ている王都で、公爵令嬢メイリーンは“地味な婚約者”として王城に現れる。 だが、王太子は初顔合わせに現れなかった。 にもかかわらず、記録に残ったのは「公爵令嬢の欠席」。 抗議はしない。 訂正もしない。 ただ一つ、欠席という事実だけを積み上げていく。 ――それが、誰にとっての不合格なのか。 まだ、誰も気づいていない。 欠席から始まる、静かなるファンタジー戦記。

公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌

招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」 毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。 彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。 そして…。

役立たずと追放された聖女は、第二の人生で薬師として静かに輝く

腐ったバナナ
ファンタジー
「お前は役立たずだ」 ――そう言われ、聖女カリナは宮廷から追放された。 癒やしの力は弱く、誰からも冷遇され続けた日々。 居場所を失った彼女は、静かな田舎の村へ向かう。 しかしそこで出会ったのは、病に苦しむ人々、薬草を必要とする生活、そして彼女をまっすぐ信じてくれる村人たちだった。 小さな治療を重ねるうちに、カリナは“ただの役立たず”ではなく「薬師」としての価値を見いだしていく。

暗算参謀は王国を追放される――戦わずして勝ち続けた男の失脚譚――

まさき
ファンタジー
現代日本から異世界へ転生した主人公。 彼に与えられた唯一の能力は、瞬時にあらゆる数値を弾き出す「暗算」だった。 剣も魔法も使えない。 だが確率と戦略を読み解くことで、王国の戦を幾度も勝利へ導いていく。 やがて王国の戦略顧問として絶大な信頼を得るが、 完璧すぎる功績は貴族の嫉妬を招き、巧妙な罠により不正の罪を着せられてしまう。 証明できぬ潔白。 国の安定を優先した王の裁定。 そして彼は、王国を追放される。 それでも彼は怒らない。 数字は嘘をつかないと知っているからだ。 戦わずして勝ち続けた参謀が、国を去るその日までを描く、 知略と静かな誇りの異世界戦略譚。

辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~

香木陽灯
恋愛
 「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」  実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。  「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」  「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」  二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。 ※ふんわり設定です。 ※他サイトにも掲載中です。

処理中です...