追放→ざまぁwww こんぴれーしょんぱっく ~追放もの短編集めました~

あがつま ゆい

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雨男と砂漠の国 ~超雨男が国から追い出されたけど砂漠の民に拾われて破格の待遇でもてなされる。追い出した祖国は干ばつに苦しんでるけどそんなの知

最終話 革命

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「セレーノの奴、どこまでも国民オレたちを苦しめるつもりらしい。水を隠している上に増税までする始末だ」

「こうなったら武装決起しよう。出来るだけ多くの仲間に伝えて欲しい。日時は……」

 およそ半年続く晴天、というよりは「干ばつ」と言ってもいい位の日差しに国民の怒りは限界を迎えていた。
 加えてセレーノがピオッジャ拉致未遂事件をやらかし、その後始末として支払う賠償金は並大抵のものではなく、そのため臨時の増税をしないとかき集められる額ではなかった。



 セレーノがデラッザ王への謝罪をしてから1週間後。

(……? 何だ?)

 その日の朝、セレーノは直感で何かを感じ取りいつもより早めに目が覚めた。着替えると部下が大慌てで彼の寝室に飛び込んでくる。

「閣下! 国民たちが武装決起して城下に集結しています!」

「!? 何だと!?」



 セレーノがバルコニーから顔を出すとマキ割り用のオノやピッチフォーク、ナタで武装した国民たちが怒りの視線を浴びせてきた。

「出やがったなセレーノ!」

「よくもノコノコとツラを出しやがって!」

 集った国民たちはブーイングを王にぶつける。



 国民は怒っていた。ただでさえひでり続きで今のセレーノの統治に不満がたまる一方。
 それに加え、ピオッジャ拉致未遂事件で砂漠の国デラッザに対する多額の賠償金をねん出するための臨時の増税がトドメであった。

「水をよこせぇ!」

「「「「「水をよこせぇ!!!!!」」」」」

 国民は王に対し怒りの声を叩きつける。

「入り口を全部封鎖しろ! 誰一人入れるんじゃないぞ! それと脱出通路を開けろ! いったん逃げるぞ!」

「どっちももうやってます! 閣下、こちらへ!」

 セレーノは部下に言われるがまま密かに作っておいた脱出通路へと向かう。その途中、城の正門裏手でそれは起きていた。門番を何者かが斬り殺し門を開けようとしていたのだ。



「おいーーーーーーーーーーっ!! お前一体何やってんのか分かってんのかーーーーーーーーーーーっ!?」

「お前の統治はもう終わりだ! お前にはいなくなってくれたほうが国のため国民のためになる! 死ぬがいい!」

 城の兵士の中に裏切者、正確にはセレーノを見捨てた者が何人もいたのだ。彼らはセレーノを倒すために城門を開ける。
 城を囲む国民が暴徒となり、せきを切った水のように大挙して押し寄せる。数で圧倒的に勝る国民を前にしては、王であろうとどうしようもない。

 ナタやマキ割り用の斧で斬られ、ピッチフォークで突かれ、大衆の波に飲み込まれて踏みつぶされる。その結果は踏みつぶされたことによる圧死、あるいは傷による出血多量による失血死とも言われている。



 セレーノが暴徒の津波に飲み込まれてしばし。

ゴロゴロゴロ……
ゴロゴロゴロ……

 空が鳴る。雷の音だ。更に待つこと少し。

ポツリ
ポツリ

 水滴が空から降ってきた……雨だ。



「見ろ! 天も俺たちを祝福してくれているじゃないか! 正義は我にありだ!」

 リーダーの叫びに民衆たちは大喜びであった。

 ソル王国第6代国王、セレーノ。彼は「ひでり男セレーノ」という汚名のもと、ありとあらゆる人間から除け者にされ、誰からも必要とされていない男として生涯を閉じた。



【次回予告】

第4の壁。それは役者と観客の間にある見えない壁。

これは第4の壁をぶっ壊しまくる主人公の「いつものお話」物語。



「お荷物テイマーだけどテンプレ通り最強になってざまぁします」

第1話 「読者が最終的にスカッとするための準備期間なんだから我慢しろってか?」
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