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お荷物テイマーだけどテンプレ通り最強になってざまぁします
第8話 決戦
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蛮族王一味が逃げ出した後、ナーダは死体をあさっていた。財布を持っているのなら財布ごと抜き出す。
「へへっ、儲け儲け」
あらかたあさり終えた後……
「よし、レーヌ。追いかけるぞ」
「なるほど、追撃か。いいだろう行くぞ、乗れ!」
レーヌはヘルハウンドの姿となりナーダと人間大の大きさになったアイはそれに乗る。
「2人乗りだぞ、重たくないか?」
「大したことないさ。行くぞ!」
ナーダと人間サイズのアイを乗せたレーヌは走って集落を後にした。
翌日……
蛮国ゲルドブの首都、通称「蛮都」と呼ばれる地域。そこへ兵士の一人が報告のため王の間までやってきた。
「お頭! 大変です!」
「ドアホ! 閣下と呼べ! 閣下と! で、何だ?」
報告に来た兵を一喝しつつ蛮王ゲルドブは報告を聞く。
「先日相手にしたナーダとかいう冒険者が蛮都に来ているそうです! いかがいたしましょうか!?」
「ほほぉ。自らここまで来るとは探し出す手間が省けて助かるな。良いだろう、久しぶりに『アレ』を使うとするか。奴を見つけても攻撃はするな。オレ直々にカタを付けてやる」
ゲルドブはそう言うと城のそばにある巨大な倉庫へと足を運ぶ。粘土で出来た地球で言う3メートルはあろうかという人間の形をした巨体。中に人が乗り込んで操る戦闘用ゴーレムが鎮座していた。
ゴーレムが通れるように区画整理された街並みを、巨大な粘土の塊が歩く。そしてリベンジ相手の3人をとらえる。
「また会ったな。アルの奴をぶっ殺したという冒険者とやら!」
「その声、ゲルドブか!?」
ナーダは聞いたことのある声に反応する。
「今度はしくじらねえ。テメェらはもう終わりだ! 終わらせてやる!」
戦闘用ゴーレムに乗り込んだゲルドブが襲い掛かってくる!
レーヌとアイは魔物の姿に戻り、蛮族の王に戦いを挑む。だが粘土で出来たボディは魔物の攻撃による衝撃にも耐え、レーヌの牙や爪による攻撃やアイのこん棒による一撃にもヒビこそ入るが砕けはしない。
「ほほぉ。このボディにヒビを入れるとは大したもんだ。だがまだまだだな!」
ゲルドブが乗ったゴーレムは右腕でレーヌの腹に強烈なパンチを見舞う! 重量の重い粘土の塊で殴られた衝撃は内臓にも及ぶ程の大けがだ。彼女の身体は宙を舞い倒れる。
次いでアイのこん棒のフルスイングに左のパンチで真正面からぶつかり合う! 左手こそ砕けたがこん棒を根元からへし折るほどの強烈なものだった。
彼女がひるんだスキに接近し、スネを思いっきり蹴り飛ばす。巨人の骨すら折れるほどの凄まじい一撃で、彼女も戦闘続行が不可能になる。
「ククク……邪魔者は片付いたようだな」
「へへ。ピンチだね。こういう時は特殊スキルに目覚めて一発逆転すると思うんだが……あれ? 光ってる……関所の時のは見間違いじゃなかったのか?」
ナーダの手の甲に出来たマークが光っていた。足首の部分に出来たマークも光ってる。それを確認した直後、彼は体の軽さを実感する。今なら何でもできそうな気がしてきた。
「良いねぇ良いねぇ。ベタだがこういう展開ではチートスキルに目覚めるのは定番だからなぁ」
ナーダはそう言うとヘルハウンドのごとき脚力で放たれた矢のように駆け、サイクロプスのごとき怪力でゴーレムのボディに強烈な一撃を叩き込む!
「な、なにぃ!?」
粘土で出来たボディが砕け、中にいたゲルドブの姿があらわになる。蛮族王は反撃に出る。ゴーレムの右の拳による鉄拳をナーダに叩き込む!
が、すぐに体勢を整える様子からはケガをしているようには見えない。おそらく魔法が付加された鎧でなかったら致命傷だっただろう。
ナーダは再びゲルドブ目がけて駆ける! 相手は脱出しようとするが間に合わない。ナーダはそこに容赦なく彼の脳天に金属製のメイスの一撃を叩き込む!
それは頭蓋骨が砕けて脳にまで達する深い深い打撃となった。当然致命傷だ。
蛮族王はぐらりと姿勢を崩し、ドサッ。という音とともに倒れ、2度と動くことは無かった。ナーダは、蛮族の王に勝ったのである。
「レーヌ、アイ、大丈夫か?」
「……何とかね」
「いててて……さすがに歩けそうだけど厳しいなぁ」
「これから蛮国の本来の領土である国王陛下にコイツの首を手土産に持っていく。ついてきてくれ」
ナーダは手際よくゲルドブの首を斬り落とし、頭を布で包んで持ち運んだ。
【次回予告】
ハーイ、これで俺ことナーダの冒険はここで終わり! 最後まで読んでくれてありがとうな!。
最終話 「大団円」
「へへっ、儲け儲け」
あらかたあさり終えた後……
「よし、レーヌ。追いかけるぞ」
「なるほど、追撃か。いいだろう行くぞ、乗れ!」
レーヌはヘルハウンドの姿となりナーダと人間大の大きさになったアイはそれに乗る。
「2人乗りだぞ、重たくないか?」
「大したことないさ。行くぞ!」
ナーダと人間サイズのアイを乗せたレーヌは走って集落を後にした。
翌日……
蛮国ゲルドブの首都、通称「蛮都」と呼ばれる地域。そこへ兵士の一人が報告のため王の間までやってきた。
「お頭! 大変です!」
「ドアホ! 閣下と呼べ! 閣下と! で、何だ?」
報告に来た兵を一喝しつつ蛮王ゲルドブは報告を聞く。
「先日相手にしたナーダとかいう冒険者が蛮都に来ているそうです! いかがいたしましょうか!?」
「ほほぉ。自らここまで来るとは探し出す手間が省けて助かるな。良いだろう、久しぶりに『アレ』を使うとするか。奴を見つけても攻撃はするな。オレ直々にカタを付けてやる」
ゲルドブはそう言うと城のそばにある巨大な倉庫へと足を運ぶ。粘土で出来た地球で言う3メートルはあろうかという人間の形をした巨体。中に人が乗り込んで操る戦闘用ゴーレムが鎮座していた。
ゴーレムが通れるように区画整理された街並みを、巨大な粘土の塊が歩く。そしてリベンジ相手の3人をとらえる。
「また会ったな。アルの奴をぶっ殺したという冒険者とやら!」
「その声、ゲルドブか!?」
ナーダは聞いたことのある声に反応する。
「今度はしくじらねえ。テメェらはもう終わりだ! 終わらせてやる!」
戦闘用ゴーレムに乗り込んだゲルドブが襲い掛かってくる!
レーヌとアイは魔物の姿に戻り、蛮族の王に戦いを挑む。だが粘土で出来たボディは魔物の攻撃による衝撃にも耐え、レーヌの牙や爪による攻撃やアイのこん棒による一撃にもヒビこそ入るが砕けはしない。
「ほほぉ。このボディにヒビを入れるとは大したもんだ。だがまだまだだな!」
ゲルドブが乗ったゴーレムは右腕でレーヌの腹に強烈なパンチを見舞う! 重量の重い粘土の塊で殴られた衝撃は内臓にも及ぶ程の大けがだ。彼女の身体は宙を舞い倒れる。
次いでアイのこん棒のフルスイングに左のパンチで真正面からぶつかり合う! 左手こそ砕けたがこん棒を根元からへし折るほどの強烈なものだった。
彼女がひるんだスキに接近し、スネを思いっきり蹴り飛ばす。巨人の骨すら折れるほどの凄まじい一撃で、彼女も戦闘続行が不可能になる。
「ククク……邪魔者は片付いたようだな」
「へへ。ピンチだね。こういう時は特殊スキルに目覚めて一発逆転すると思うんだが……あれ? 光ってる……関所の時のは見間違いじゃなかったのか?」
ナーダの手の甲に出来たマークが光っていた。足首の部分に出来たマークも光ってる。それを確認した直後、彼は体の軽さを実感する。今なら何でもできそうな気がしてきた。
「良いねぇ良いねぇ。ベタだがこういう展開ではチートスキルに目覚めるのは定番だからなぁ」
ナーダはそう言うとヘルハウンドのごとき脚力で放たれた矢のように駆け、サイクロプスのごとき怪力でゴーレムのボディに強烈な一撃を叩き込む!
「な、なにぃ!?」
粘土で出来たボディが砕け、中にいたゲルドブの姿があらわになる。蛮族王は反撃に出る。ゴーレムの右の拳による鉄拳をナーダに叩き込む!
が、すぐに体勢を整える様子からはケガをしているようには見えない。おそらく魔法が付加された鎧でなかったら致命傷だっただろう。
ナーダは再びゲルドブ目がけて駆ける! 相手は脱出しようとするが間に合わない。ナーダはそこに容赦なく彼の脳天に金属製のメイスの一撃を叩き込む!
それは頭蓋骨が砕けて脳にまで達する深い深い打撃となった。当然致命傷だ。
蛮族王はぐらりと姿勢を崩し、ドサッ。という音とともに倒れ、2度と動くことは無かった。ナーダは、蛮族の王に勝ったのである。
「レーヌ、アイ、大丈夫か?」
「……何とかね」
「いててて……さすがに歩けそうだけど厳しいなぁ」
「これから蛮国の本来の領土である国王陛下にコイツの首を手土産に持っていく。ついてきてくれ」
ナーダは手際よくゲルドブの首を斬り落とし、頭を布で包んで持ち運んだ。
【次回予告】
ハーイ、これで俺ことナーダの冒険はここで終わり! 最後まで読んでくれてありがとうな!。
最終話 「大団円」
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