58 / 127
富国強兵
第58話 誘拐事件発生
しおりを挟む
それは夏の暑さが引き始め、朝夕は秋の気配が感じられるようになったころであった。
「止まれ!」
見回りをしていたナタルと部下の兵士が見慣れない1頭立ての馬車を見つけて止めさせる。
「入国の目的は何だ?」
「ええ。何でもここは魔物が住んでる国だそうじゃないですか。そんな国本当にあるのかとこの目で見てみたくなりまして。まぁ、さっそくオーガが兵士として働いてるところを見れたんですけどね。あとは……仕事があればなと」
「へー、分かった。邪魔して悪かったな」
ナタルは馬車の前からどいて職務質問を終える。彼らはそのまま馬車に乗って去っていった。
「妙だな」
馬車を見送りつつナタルがぼそりと呟いた。
ハシバ国は国土の広さこそあるが人口密度はまだまだ低く、隣接する都市国家シューヴァルに比べれば技術や文化レベルでは見劣りする国だ。そこへ小型とはいえ馬車を持っているほどには稼ぎのある冒険者たちが仕事のために来る理由が見当たらない。
仕事を探しているのならシューヴァルの方が稼ぎのいい仕事が見つかるはず。
怪しい。
「ケーナ、ちょっと頼みがある。なに簡単な事さ……」
ナタルは近くにいた兵士に用件を伝える。
その頃……
「ふう。今日はこんなところかな」
オヒシバが順調に育っている野菜を前にそう漏らす。このままいけばもうすぐ収穫できる所まで来ている。
彼が率いるマンドレイク達は順調に育っていた。球根から育った親類や友人たちは全員成人し、人間たちによる「狩り」以前の生活を取り戻した。
さらに彼らは結婚して子供も「発芽」し、子育ての真っ最中であった。
「パパー。お仕事終わったー?」
「ああ。今日はもう終わりだ。遊んでやるよ」
「わーい!」
畑で野菜の世話を終えて子供と一緒に帰ろうとしたオヒシバの前に馬車が停まる。
「いたぞ!」
「おお! すげえ! 本当にマンドレイクがいたぜ!」
「!? な、何なんですかあなたた……」
冒険者たちは出会っていきなりオヒシバの腹を思いっきり殴る。オヒシバは気を失いその場に崩れ落ちた。
「ハッハー。ゲットだぜぇ。噂に聞いてたけど本当にマンドレイクがいるなんてなぁ」
「シューヴァルにいる商人や錬金術師どもに売ったらぼろ儲けだな」
「オイお前ら! これを見ろ! 子供までいるぜ!」
「ヒュー! 大収穫だな! 仕事が終わったら一杯やろうぜ! 豪勢にな!」
獲らぬタヌキの皮算用は楽しいが、実際に獲ったタヌキの皮算用はもっと楽しいし、予想外の収穫があればさらに楽しい。
思わぬ収穫に浮かれていたが、馬車を見つけた兵士に犯行現場を目撃されてしまう。
「オイお前ら! 何をやってる!?」
「チッ! おい! 行くぞ!」
冒険者の一人が合図すると馬車が急発進する!
こうなると兵士側にはなすすべがない。彼らを振り切って馬車が突っ走っていった。
「もう少しだ! このまま突っ切るぞ!」
国境の城壁までもうすぐ、と来たところでざっと見て10名以上の兵士で作ったパルチザンによる槍衾が待ち構える! ナタルがもしもの時のために兵を集めていたのだ。
「なっ!」
「馬鹿っ! 止まれ止まれ止まれ!」
慌てて馬車を停止させる。冒険者たちが周囲を見ると、馬車をぐるりと囲むように15人の兵士たちが武器を構えていた。
「抵抗するなら容赦しない! 大人しく出てくれば痛い目にあわなくて済むぞ! 出て来い!」
「クソッ!」
ナタルが降伏するよう促す。それに応えるかのように後ろ手を組んだ冒険者たちが馬車の中から降りてきた。
「これで全員か?」
「ああ、俺達は3人パーティだ」
「お前らはコイツらと馬車を見張ってくれ。それと誰かもう2人俺について来い、中に入るぞ!」
ナタルは流れるように的確な指示を出し、馬車の中へと突入する。冒険者たちは正直に白状したのか、中には人間の気配は無い。
「むぐー! むぐぐぐー!」
代わりに声が聞こえる。荷台を見るとさるぐつわをかまされて声が出ないように縛り上げられたオヒシバとその子供が載せられていた。
「オヒシバ!」
「怖かっただろ! もう大丈夫だ!」
「むぐぐ……ぷはぁ! ありがとうございます。助かりました!」
「うええええええん! こわかったよおおおお!」
オヒシバもその子供も無事なようだ。最悪な事態を避けられたのを見て、彼らは安堵した。
「はいはい分かりました。俺達が悪うございました。でもどうせ窃盗未遂程度なんだろ?」
「バカ言うな! ここのマンドレイク達は立派な国民として登録されてるんだぞ!? 窃盗なんてもんじゃないぞ、拉致未遂だからな! もし加工でもしたら殺人も視野に入るところだったんだぞ! 未遂で済んでよかったと思え!」
王の前に引きずり出されてもなお、悪びれない冒険者たちをナタルは一喝する。
そんな罪の意識の無い犯罪者たちに王は審判を下した。
「今回の件において、我が国民の拉致未遂という重罪である事、加えて本人達に反省している様子が無い事から極めて悪質な行為である。まず、馬車と馬は没収する。そして10000ゴールドの罰金、ならびに10日間の奉仕労働を刑罰として科す!」
事が起きた時の対処として以前から作っていたシューヴァルの法律を参考にして作ったハシバ国法に従い、冒険者たちに判決を下した。
判決を下した後、ナタルがマコトと話をする。
「いつかは起きると思ってたが本当に来るとはなぁ」
「閣下、兵の見回りを強化いたしましょう。マンドレイクの居住区は特に重点的にすべきです。またこのような事件が起きるでしょうし、それに今回は何とか未遂で済みましたが最悪の場合というのも考えられます」
「そうだな。出来れば翌日にシフトに関して相談したい。あと水際で止められるように城壁の人員を増やそう。それと、お前の功績を給料に反映する」
「ありがとうございます。では見回りに行ってきます」
ナタルは去っていった
国として大きくなると当然もめ事も増えてくる。マコトの目が届かないところには裁判所を設置し、処理に当たらせている。こういったことも日常になってくるのだろうか? マコトは少し不安を抱いていた。
【次回予告】
「エルフのように執念深い」
寿命の違いが生み出した悲しい言葉だ。
それを何とかするためにマコトは策を練っていた。
第59話 「エルフのように執念深い」
「止まれ!」
見回りをしていたナタルと部下の兵士が見慣れない1頭立ての馬車を見つけて止めさせる。
「入国の目的は何だ?」
「ええ。何でもここは魔物が住んでる国だそうじゃないですか。そんな国本当にあるのかとこの目で見てみたくなりまして。まぁ、さっそくオーガが兵士として働いてるところを見れたんですけどね。あとは……仕事があればなと」
「へー、分かった。邪魔して悪かったな」
ナタルは馬車の前からどいて職務質問を終える。彼らはそのまま馬車に乗って去っていった。
「妙だな」
馬車を見送りつつナタルがぼそりと呟いた。
ハシバ国は国土の広さこそあるが人口密度はまだまだ低く、隣接する都市国家シューヴァルに比べれば技術や文化レベルでは見劣りする国だ。そこへ小型とはいえ馬車を持っているほどには稼ぎのある冒険者たちが仕事のために来る理由が見当たらない。
仕事を探しているのならシューヴァルの方が稼ぎのいい仕事が見つかるはず。
怪しい。
「ケーナ、ちょっと頼みがある。なに簡単な事さ……」
ナタルは近くにいた兵士に用件を伝える。
その頃……
「ふう。今日はこんなところかな」
オヒシバが順調に育っている野菜を前にそう漏らす。このままいけばもうすぐ収穫できる所まで来ている。
彼が率いるマンドレイク達は順調に育っていた。球根から育った親類や友人たちは全員成人し、人間たちによる「狩り」以前の生活を取り戻した。
さらに彼らは結婚して子供も「発芽」し、子育ての真っ最中であった。
「パパー。お仕事終わったー?」
「ああ。今日はもう終わりだ。遊んでやるよ」
「わーい!」
畑で野菜の世話を終えて子供と一緒に帰ろうとしたオヒシバの前に馬車が停まる。
「いたぞ!」
「おお! すげえ! 本当にマンドレイクがいたぜ!」
「!? な、何なんですかあなたた……」
冒険者たちは出会っていきなりオヒシバの腹を思いっきり殴る。オヒシバは気を失いその場に崩れ落ちた。
「ハッハー。ゲットだぜぇ。噂に聞いてたけど本当にマンドレイクがいるなんてなぁ」
「シューヴァルにいる商人や錬金術師どもに売ったらぼろ儲けだな」
「オイお前ら! これを見ろ! 子供までいるぜ!」
「ヒュー! 大収穫だな! 仕事が終わったら一杯やろうぜ! 豪勢にな!」
獲らぬタヌキの皮算用は楽しいが、実際に獲ったタヌキの皮算用はもっと楽しいし、予想外の収穫があればさらに楽しい。
思わぬ収穫に浮かれていたが、馬車を見つけた兵士に犯行現場を目撃されてしまう。
「オイお前ら! 何をやってる!?」
「チッ! おい! 行くぞ!」
冒険者の一人が合図すると馬車が急発進する!
こうなると兵士側にはなすすべがない。彼らを振り切って馬車が突っ走っていった。
「もう少しだ! このまま突っ切るぞ!」
国境の城壁までもうすぐ、と来たところでざっと見て10名以上の兵士で作ったパルチザンによる槍衾が待ち構える! ナタルがもしもの時のために兵を集めていたのだ。
「なっ!」
「馬鹿っ! 止まれ止まれ止まれ!」
慌てて馬車を停止させる。冒険者たちが周囲を見ると、馬車をぐるりと囲むように15人の兵士たちが武器を構えていた。
「抵抗するなら容赦しない! 大人しく出てくれば痛い目にあわなくて済むぞ! 出て来い!」
「クソッ!」
ナタルが降伏するよう促す。それに応えるかのように後ろ手を組んだ冒険者たちが馬車の中から降りてきた。
「これで全員か?」
「ああ、俺達は3人パーティだ」
「お前らはコイツらと馬車を見張ってくれ。それと誰かもう2人俺について来い、中に入るぞ!」
ナタルは流れるように的確な指示を出し、馬車の中へと突入する。冒険者たちは正直に白状したのか、中には人間の気配は無い。
「むぐー! むぐぐぐー!」
代わりに声が聞こえる。荷台を見るとさるぐつわをかまされて声が出ないように縛り上げられたオヒシバとその子供が載せられていた。
「オヒシバ!」
「怖かっただろ! もう大丈夫だ!」
「むぐぐ……ぷはぁ! ありがとうございます。助かりました!」
「うええええええん! こわかったよおおおお!」
オヒシバもその子供も無事なようだ。最悪な事態を避けられたのを見て、彼らは安堵した。
「はいはい分かりました。俺達が悪うございました。でもどうせ窃盗未遂程度なんだろ?」
「バカ言うな! ここのマンドレイク達は立派な国民として登録されてるんだぞ!? 窃盗なんてもんじゃないぞ、拉致未遂だからな! もし加工でもしたら殺人も視野に入るところだったんだぞ! 未遂で済んでよかったと思え!」
王の前に引きずり出されてもなお、悪びれない冒険者たちをナタルは一喝する。
そんな罪の意識の無い犯罪者たちに王は審判を下した。
「今回の件において、我が国民の拉致未遂という重罪である事、加えて本人達に反省している様子が無い事から極めて悪質な行為である。まず、馬車と馬は没収する。そして10000ゴールドの罰金、ならびに10日間の奉仕労働を刑罰として科す!」
事が起きた時の対処として以前から作っていたシューヴァルの法律を参考にして作ったハシバ国法に従い、冒険者たちに判決を下した。
判決を下した後、ナタルがマコトと話をする。
「いつかは起きると思ってたが本当に来るとはなぁ」
「閣下、兵の見回りを強化いたしましょう。マンドレイクの居住区は特に重点的にすべきです。またこのような事件が起きるでしょうし、それに今回は何とか未遂で済みましたが最悪の場合というのも考えられます」
「そうだな。出来れば翌日にシフトに関して相談したい。あと水際で止められるように城壁の人員を増やそう。それと、お前の功績を給料に反映する」
「ありがとうございます。では見回りに行ってきます」
ナタルは去っていった
国として大きくなると当然もめ事も増えてくる。マコトの目が届かないところには裁判所を設置し、処理に当たらせている。こういったことも日常になってくるのだろうか? マコトは少し不安を抱いていた。
【次回予告】
「エルフのように執念深い」
寿命の違いが生み出した悲しい言葉だ。
それを何とかするためにマコトは策を練っていた。
第59話 「エルフのように執念深い」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる