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第36話 呪殺王デニス
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風呂に入るためにデニスは脱衣場で服を脱ぎだした。
服の下からは18歳という今が最盛期だといえるがっしりとした筋肉が付き、腹も6つに割れた引き締まった肉体があらわになった。
その全身には……肉体をキャンバスとして、呪術としての呪いの言葉が入れ墨でびっしりと書き込まれていた。
物心つく前からデニスの身体には呪術が仕込まれていた。
暗殺者が日常的に軽い毒を飲んで抵抗性をつけるのと同様、まだ赤子だった彼の身体には顔から足にかけて「致死量ギリギリの呪術」が込められていた。
それで得られた呪いの力で一般的に「呪われた装備品」と呼ばれ忌み嫌われている物を自在に扱い、また本人の持つ呪力で相手を圧殺する。
そのために呪術による呪力に耐え、一説には同じように呪術を仕込まれた100人以上の孤児の中からただ1人だけ生き延びたデニスは養子としてアランドル王家に迎えられ、
「呪いを力に変える兵器」として彼は「見た目は人間で、言葉をしゃべる兵器」として育てられてきた。
「……」
脱衣場に置かれた鏡に映る自分の肉体を、正確に言えば呪いの力が刻まれた刺青を見て、良い感想と悪い感想を同時に抱く。
この呪術のせいで彼は「呪殺王」という不名誉なあだ名をつけられて、一部の人間を除いては恐れられ、嫌われ、憎しみさえ抱かれるようになった。
王位を継いだ3年前から襲撃された回数は多すぎて数えきれない程あり、それ以下の嫌がらせはそれこそ毎日のように受けていた。
だがそれと同時に呪術による呪力に耐えられたからこそアランドル王家に養子として入ることが許され、
今ではアランドル王家の血を引く唯一の生き残りであるロロムの後見人として、彼が成人するまでは王座に座ることができるようになった。
おそらくはただの平民の子供であろう彼が王にまで上り詰めることができたのもまた、呪術の力のおかげだった。
そういう意味では呪術と言うのはデニスにとっては「大いなる不幸」であると同時に「大いなる幸運」でもあった。
と同時に、自分を捨てた両親がいるとしたら自分を捨てたからこそ王になれた。ので彼らを完全に許すわけではなかったが、その点を執拗に責めるつもりもなかった。
デニスは人頭税が払えない、あるいは口減らしのため孤児院に捨てられた孤児であった。
本当の親は一体だれなのか? それは分からない。というか彼と両親とのつながりを示すものが何もなかったので、調べようがなかった。
一応名乗り出るものはいたが全員詐欺師であり、現在でもどこで何をしているのかは分からない。
彼は見慣れた自分の姿を改めて確認した後、浴槽へと向かう。
男湯は時間ごとにデニス、兵士、城仕えの従者、と職業ごとに入れる時間が分けられていた。
同時に20人は入れる大浴槽が1つ、デン! と設置され、人数分を裁ける数の洗い場が設けられていた。
デニスは1人で入る分にはかなり広い浴槽に身体を沈めた。
「ふぅー」
彼は沸かしたての1番風呂に入れるだけあってお湯は適温で、アカや抜けた髪の毛なども一切混ざってない清潔なものだ。
カレンはメイドの手で身体を洗ってもらっているが、彼は1人だ。呪術が刻まれた身体は、できればあまり見せたくないのだろう。
普段着は腹の部分を見せる構造になっていたが、それは腹の所には刺青が彫られていなかったので、そこだけは見せてもいいと思ったからだ。
「ロロムが成人するまであと10年か……頑張らないとな」
ロロムはアランドル王家の血を引く最後の1人であり、彼の後見人になればこのアランドル王家が自分のものとなる。
そんな「ゲスの塊が服を着て歩いているような連中」を見ていたデニスは「政治について何も分からない幼い子供を自分の権力のためだけに利用するんじゃねぇ!」という
怒りと決意のもと、散々嫌がらせを受けているのも関わらず今でも王を続けている。少なくともロロムが成人して正式に王位を継ぐまでは王をやり続けるつもりだ。
「……まぁ休みの間は何も起きてほしくないけどなぁ」
とはいえ、明日から数日間カレンとロロムと一緒に家族旅行に出かける予定である。しかもカレンが行きたいと言っていた温泉地だ。
最後に行ったのはオババ様と一緒に行った2年前だろうか? 昔に比べればもう少しにぎわっているだろうから、彼はそれを楽しみにしていた。
服の下からは18歳という今が最盛期だといえるがっしりとした筋肉が付き、腹も6つに割れた引き締まった肉体があらわになった。
その全身には……肉体をキャンバスとして、呪術としての呪いの言葉が入れ墨でびっしりと書き込まれていた。
物心つく前からデニスの身体には呪術が仕込まれていた。
暗殺者が日常的に軽い毒を飲んで抵抗性をつけるのと同様、まだ赤子だった彼の身体には顔から足にかけて「致死量ギリギリの呪術」が込められていた。
それで得られた呪いの力で一般的に「呪われた装備品」と呼ばれ忌み嫌われている物を自在に扱い、また本人の持つ呪力で相手を圧殺する。
そのために呪術による呪力に耐え、一説には同じように呪術を仕込まれた100人以上の孤児の中からただ1人だけ生き延びたデニスは養子としてアランドル王家に迎えられ、
「呪いを力に変える兵器」として彼は「見た目は人間で、言葉をしゃべる兵器」として育てられてきた。
「……」
脱衣場に置かれた鏡に映る自分の肉体を、正確に言えば呪いの力が刻まれた刺青を見て、良い感想と悪い感想を同時に抱く。
この呪術のせいで彼は「呪殺王」という不名誉なあだ名をつけられて、一部の人間を除いては恐れられ、嫌われ、憎しみさえ抱かれるようになった。
王位を継いだ3年前から襲撃された回数は多すぎて数えきれない程あり、それ以下の嫌がらせはそれこそ毎日のように受けていた。
だがそれと同時に呪術による呪力に耐えられたからこそアランドル王家に養子として入ることが許され、
今ではアランドル王家の血を引く唯一の生き残りであるロロムの後見人として、彼が成人するまでは王座に座ることができるようになった。
おそらくはただの平民の子供であろう彼が王にまで上り詰めることができたのもまた、呪術の力のおかげだった。
そういう意味では呪術と言うのはデニスにとっては「大いなる不幸」であると同時に「大いなる幸運」でもあった。
と同時に、自分を捨てた両親がいるとしたら自分を捨てたからこそ王になれた。ので彼らを完全に許すわけではなかったが、その点を執拗に責めるつもりもなかった。
デニスは人頭税が払えない、あるいは口減らしのため孤児院に捨てられた孤児であった。
本当の親は一体だれなのか? それは分からない。というか彼と両親とのつながりを示すものが何もなかったので、調べようがなかった。
一応名乗り出るものはいたが全員詐欺師であり、現在でもどこで何をしているのかは分からない。
彼は見慣れた自分の姿を改めて確認した後、浴槽へと向かう。
男湯は時間ごとにデニス、兵士、城仕えの従者、と職業ごとに入れる時間が分けられていた。
同時に20人は入れる大浴槽が1つ、デン! と設置され、人数分を裁ける数の洗い場が設けられていた。
デニスは1人で入る分にはかなり広い浴槽に身体を沈めた。
「ふぅー」
彼は沸かしたての1番風呂に入れるだけあってお湯は適温で、アカや抜けた髪の毛なども一切混ざってない清潔なものだ。
カレンはメイドの手で身体を洗ってもらっているが、彼は1人だ。呪術が刻まれた身体は、できればあまり見せたくないのだろう。
普段着は腹の部分を見せる構造になっていたが、それは腹の所には刺青が彫られていなかったので、そこだけは見せてもいいと思ったからだ。
「ロロムが成人するまであと10年か……頑張らないとな」
ロロムはアランドル王家の血を引く最後の1人であり、彼の後見人になればこのアランドル王家が自分のものとなる。
そんな「ゲスの塊が服を着て歩いているような連中」を見ていたデニスは「政治について何も分からない幼い子供を自分の権力のためだけに利用するんじゃねぇ!」という
怒りと決意のもと、散々嫌がらせを受けているのも関わらず今でも王を続けている。少なくともロロムが成人して正式に王位を継ぐまでは王をやり続けるつもりだ。
「……まぁ休みの間は何も起きてほしくないけどなぁ」
とはいえ、明日から数日間カレンとロロムと一緒に家族旅行に出かける予定である。しかもカレンが行きたいと言っていた温泉地だ。
最後に行ったのはオババ様と一緒に行った2年前だろうか? 昔に比べればもう少しにぎわっているだろうから、彼はそれを楽しみにしていた。
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