希死念慮の出る男の手記

あがつま ゆい

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メンヘラで悩む本人に向けて

第15話 なぜ死んではいけないのか?

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「なぜ死んではいけないのですか?」

 メンタルをこじらせているとこんな問いかけをしたくなります。
 それに対しては「家族が悲しむ」だの「命は素晴らしく大切なものだからだ」だの「とにかく理由なんてないけど死んじゃだめだ」だの「生きていればそのうちいいことがあるから」だのと芯からずれた答えしか返ってこなくて余計に落ち込むこともあるでしょう。

 個人的に、この問いかけに対しメンタルがこじれた人間にも共感できるように書くとすると、


「死んでしまったらやり直しができないから」


 と答えておきます。

 会社は辞めても次はあります。必ず、必ずあります。
 特に日本人は終身雇用のイメージが今も根強く、現代でも転職に否定的な上司は多いので会社を辞めるなどもってのほか。という意見が多いですが、そんなことないです。

 会社を辞めてもハローワークや店の外に貼り出されてるバイト募集の告知で再就職できますし、何だったら自分で事業を始めてもいいです。
 実際私は3度会社を辞めて3度無職だった時期もありましたし、中には会社をバックレる形で辞めたこともありましたが、それでも普通に再就職出来てこうして生活を送れています。

 なので「ここを辞めたらどんなところでもやっていけないぞ!」という脅しは無視して辞めましょう。実際3度会社を辞めて4社目でやっていけてる人間がここにいますからね(給料は低くて実家住まいじゃないとやってられませんが)。

 ですが「死」だけは……「死」だけは「巻き戻す」ことも「やり直す」ことも「できない」んですよ。
 少なくとも今の医学では「死んでもまた生き返ればいいや」はどんなに大金を積んでも、どんな名医やどんなゴッドハンドの持ち主であろうと、どうしてもできないんです。だから死ぬな、と言えます。

 繰り返しになりますが、死んだら取り返しがつかないんですよ。「死んでもまた生き返ればいいや」だけは少なくとも現代の医学では「絶対に」できないので、死んではいけない。と私は言います。



 それに死後の世界がもしもあったとして、その世界が生きていた時よりつらかったらあなたどうしますか?
 死後の世界を想像するのは非科学的かもしれませんが、もし死後の世界が生きている時よりもつらかったらどうします?

「こんなんじゃ生きてた方がまだマシだったよぉ!」と後悔しても後戻りできないじゃないですか。だってすでに死んでしまった後で、生き返るという選択肢なんて無いのですから。そしたら死ぬのは大損かもしれないじゃないですか。

 会社を辞めてもまだやり直しは効きます。借金を抱えても最悪自己破産でもすれば帳消しにはできます。
 ですが「死」だけはやり直しが効かないんです。しつこいくらいに繰り返しますが「死んじゃったけどまた生き返ればいいか」だけは少なくとも今の医学では絶対にできないのですから。
 だから死ぬな。と言っておきます。



【次回予告】

「自分は生きているだけで他人に生涯迷惑をかけ続けるゴミクズのカスで、死んだほうが世のため人のため地球のためになる」
と思っているあなたへ。
その程度の迷惑なんて誰でも普通にかけます。もっと鈍感になりなさい。

第16話 「それくらい「普通」だ。もっと鈍感になれ」
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