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1章:最果て編
5 契約
しおりを挟む一晩明けて最果ての荒野は晴天。陽は天高く昇ってそろそろお昼時の時分。
乾いた空気をじりじりと焼く日差しを感じながら、私は逃げていた。
「――やっぱり自在に飛んでいる」
地上から放たれた蒼炎の矢が飛翔の魔法を使って飛び逃げる私のそばを掠める。何度も何発も、空気を切り裂いて放たれる攻撃を上下左右に振りきって回避する。
空を飛んでいるのは私。
地上から攻撃してるのは、昨日鉢合わせしたあの人。
何が原因でこういう状況になったのか分からない。
だって、途中まではうまくいっていたもん。
塔の外に懺悔室みたいな部屋を造って顔を合わせないようにしてかなり緊張は軽減出来ていた。声も……胸を叩いて肺の空気を無理やり押し出す感じでようやくだったけど、一応喋れた訳で会話は出来てたんだし。
挨拶はした。名前も言った。それから、対人恐怖症って伝えて、直接は無理だけどまた会いたいって言ったところで懺悔室を木っ端微塵にされた。
分からない。怒らせるようなことは何も言ってないししてないと思う。あの人だって、食べ物や水があるから来ること自体は喜んでーみたいなことも言っていた。これってwin-winの関係でしょ? だからなんで突然攻撃してきたのか全然想像がつかない。
あの人は一方的に攻撃するだけで何も言ってこない。目深に外套をかぶっていて表情も見えない。
「これだけ放って一度も当たらないのは歯がゆいですね……」
あの人が攻撃を始めてから初めて声を出した。当たりたくないから全力で逃げているのが気に食わなさそうな不満げな声。
なに。戦えってこと? それが何になるの?
私は戦いたくなんてない。誰かを傷つけるなんてしたくない。
とりあえず力を見せつけないと話が進まないような戦闘狂な人とは絶対に分かり合えないし関わりたくないって思うけど、まさかあの人がそうだったなんて思わないじゃん?
外套の裏からお札みたいなものを取り出して、何かを唱えて次から次に何度も何度も青白い炎を放って攻撃してくる。過激に、次第に巧妙に。
まるで「まだ本来の力の三分の一も出していない」とか言い出しそうな感じで攻撃が激しくなっていく。
単純に迫ってくる炎から逃げていただけなのが、逃げた先にも炎が迫ってくるようになった。
今はほとんど全力で射線から逃げ続けてる。
段々と余裕がなくなってきて、なんでこんなことになってるんだろうってちょっと考えたとき、背中から迫ってくる炎に気づかなくて撃ち落とされた。
「あ、ぐ――!?」
慣性を無視した衝撃で地面に叩きつけられる。どのくらいの高さから落ちた? 三階ぐらい?
身体中が痛い。背中が熱い。骨は折れてないみたいだけど内臓が無事か分からない。
見上げると、あの人が炎を片手に見下ろしていた。
その手が翳される。火が、青白い炎が――
「ぃ、やあああああああああああああああああああああ!?」
「――っ!?」
闇雲に飛翔の魔法を使った。
方向も速度も高さもでたらめに意識して、視界がブレるくらい速く飛んだ。
前を見て、上を見て遠くへって思っていたら何かが腰に引っ掛かっているのに気づいた。
視界の端で茶色の外套が風に飛ばされていくのが見える。
地面を遥か彼方に見下ろして、腰の引っ掛かりの正体が目に映る。
女の子が私の腰にしがみついていた。
キラキラと光って腰まで伸びる金髪。目は青色。水色よりも濃くて青より淡い。肌は不健康そうに少し血色が悪そうな白。ほとんどスポーツブラみたいな上着にホットパンツ。二の腕や太腿のベルトには小さい武器やら道具やらがいっぱい。
それと、先端が尖った耳。
エルフだと思った。
「予想外です……こんな高さは経験が……」
その彼女が、残されたお札で何かしようとする。
「い、や――あっ」
とっさに振り落として、ここが空の上なのを思い出して落ちかけた彼女に手を伸ばす。
思わず振り落とそうとしたのに、まるで私が手を差し伸べることが分かってたように、彼女はすんなりと私の手を掴んでぶら下がった。
お札は、一つ残らず風にさらわれていった。
「ごめ、んなさい!」
「……予想外ではありますが、やっと普通に喋ってくれましたね」
「何言って――っ、つ、え……あれ?」
声が出てる。あれだけ頑張っても出なかった声が、普通に、喋れてる。
胸のドキドキも、いつしか落ち着いている。
助けなきゃって思ったから? なりふり構ってる場合じゃないと思ったから?
怖いって気持ちは消えてないけど……なんか気づいた気がする。
これ、何をどう話していいか分からなくて、うまく出来るか分からなくて、怖いんだ。
だって、逃げるだけなら脇目も振らずに飛んで逃げれば追いつけない。
よくよく考えたら、立ち向かわないといけない理由なんてないんだから。
「どうやらうまくいったみたいですね」
彼女が小さく呟いた声は風の音に掻き消されて聞こえなかった。
「……今言うべきですね」
「なにを……?」
彼女の表情が意を決したように鋭くなる。
「契約しませんか」
「……はい?」
「あなたは私が望むものを持っている。それを分けて欲しいのです。多くは望みません。生きていけるだけの食事、十分に休めるだけの住居。それだけでいい。あなたが造っている住居にはそれが十分にある。代わりに私はあなたの望みを叶えたい。この身を犠牲にするものでなければ、何一つ異を唱えずに従います。だから……その」
言うべきか否か、躊躇うような表情。
しばらくして、意を決したように口を開く。
「正直に言います。行き場のない私を、あなたの傍に置いてはくれませんか?」
「わた、し……何もない、です……よ?」
「望外に魅力的です。あなたの傍で、あなたの許しさえあれば、例えこの世界の全てを敵に回しても後悔はありません」
世界の全てを敵にって……そんな物騒なことは遠慮して欲しいんだけど。
「迷惑は掛けません。不始末があれば叱って下さい。私は人として未熟です……だから、あなたが望む通りに変わっていくことも出来ると思います」
「それ……どういう、意味?」
「それは――っと、その前に下りませんか。腕が、そろそろ、限界、です」
説明が欲しかったけど、顔面蒼白で提案する表情を見て気づいた。
私は飛翔の魔法で重力を無視しているけど、その効果を受けられないこの人は腕一本で大空にしがみついているんだ。
私は今、高層ビルも霞んで見えそうなくらいの高さを飛んでいる。その私にしがみついているこの人は、かなり怖いんじゃないかなって思う。
「あ、うん……」
急いで地上へ下りる。急に加速したから悲鳴が聞こえた気がした。
地面に下りて、私もこの人もその場にへたり込む。
「死ぬかと思った……先に言っておきますが、戦うことが好きな訳でも命知らずな訳でもないですよ。これでも」
その割には無言で襲ってきましたよね。
まだ魔法で補強していなかったから簡単に崩れてしまった懺悔室周辺の壁面を見て軽く引く。
――粉々だ。
全体に響くほどのダメージじゃなかったのはよかったけど、早く修理しないと後で崩れるかもしれない。
「あれは……すみません。お部屋の壁だけ破壊したかったのですが、思ったより脆くて……すみません」
「いえ、いいです……いいんですけど……」
声が出るようになったのは不幸中の幸いか。意思表示が声に伴っていることのありがたさを感じる。
でも、とりあえず、今一番訊いておかなきゃいけないことを問いただす。
「契約……ですか。それって、もう襲わないってこと、ですよね……?」
「はい。契約の有無に関わらず、あなたを害する意思はありません」
「突然右手が疼いたり邪気眼に目覚めたりは……?」
「……? よく分かりませんが突然襲ったりなどしません。信用出来ないのであれば裸に剥いていただいても構いません」
「はだ――いや、それは……ここ外だし……だめ、でしょ……」
いくら人気がないとは言っても外だよ。女の子が裸で外を歩くなんてだめに決まってる。
「ですが武装解除もせずに信用してもらえるとは……いえ、でしたら自分で証明します」
止める間もなく上着もホットパンツも下着も身に着けている何もかもを全部脱ぎ捨ててすっぽんぽん。
控えめな胸以外はスタイルいいなーとか肌綺麗だなーとか意外と身長が低いから年下なのかなーとかちょっと恥ずかしそうにしてるところとか可愛いなーとか女同士なのに見惚れちゃう……じゃなくて!
「服、着てください!」
「では私が何も仕込まないようにあなたが着せて下さい」
「な――何ば言いよっとかね我がは!?」
「……え?」
あ。
ああああああああああああああああああああああああああああ。
この人が意味不明なこと言い出すから方言出たああああああああああああああああああああああ。
やめて見ないでもともと普通に喋るのも無理なのに方言まで隠して喋るなんて突然ハイレベルなこと出来る訳ないじゃん頑張ったよむしろここまでよく頑張ったよ私頑張ったからそんな目で見ないでえええええええええええええええええええええええええ!
「着せてくれないと裸のままですが」
「ああああああああああああもう!うちはどがんすればよかとね!?」
「流石に恥ずかしいですが……裸のままがいいと言うのであれば従います」
「よーなか!うちがよーなかと!着せっけん待っとかんね!」
このままこの人を裸にさせておくと私がSAN値直葬されてしまいそうでもうパニックが頭の中でもうなんかもう……どがんすればよかと?
下着と服を拾って乱暴に着せる。
地面にナイフとか針とか毒々しい色の液体が入った小瓶とか物騒な物が見えたけど気づかないことにする。
……誰かの着替えをするのって初めてだ。
ほとんどスポーツブラみたいな上着を着せて、下着に手を伸ばす。異世界でもパンツが下着なんだ。
するすると足を通してもらってゆっくりとあげていく。
「ひぅ――っん」
「い、痛くした……?」
「いえ。こんなに無防備に誰かに身を委ねるなんて初めてなので……緊張して少し、敏感に」
「へへへんなこえださないで」
「わかりまし――んんっ」
妙に色っぽい声が耳をくすぐって心臓がバクバク。見た目、私より子供なのに。中学生ぐらいなのに。
ようやく着せ終えたときには私の息は上がっていた。
他人の裸なんて初めて生で見た。すごくきれいだった。
って、そんなことはどうでもよくて。
別に何も気にしてないし脱がなくてよかったのになんで脱いだんだろう。
もう襲わないって言ってるんだから心配する必要もないよね。
「それについてはあなたの危機管理能力が問題としか」
「……私、口に出てました?」
「え。いえ。やっぱり無自覚なんですね」
何がだろう。
いちいち質問する気力ももうないよ。
だいたい、契約? それってどういうものなの?
話を聞いてる限りで思いつくのは主従契約だけど、この場合私が主でこの人が従ってことになる?
無理やりみたいでなんか嫌だ。異世界で初めての……いや、初めてはあの怖い人だったっけ――じゃなくて、初めて知り合った人とそんな関係になるのは気が引けるし私が納得しない。
「契約って……無理やり言うこと聞かせるのってなんかやだ……」
「主従ではない契約では将来的にあなたへ反意を抱くかもしれません。そんなことにはならないと思いますが、そうしないことには私が不安を覚えます」
「私の方が不安なんだけど……?」
「いえ。私はあなたの下でなら幸せになれると確信して契約を申し出ています。強い契約で私自身をあなたに縛り付けていないと私が不安なのです」
「それなら逆に私の方を従えた方が早いんじゃないかなって……」
「先ほどの戦いであなたには逆立ちしても勝てないことは分かりました。その気になれば、いつでも私を殺せたでしょう」
「――殺すとか殺さないとかそういうこと言わないで」
「っ……すみません」
簡単に命を奪うなんて……そんなのだめだよ。絶対にだめ。
彼女を見ると「何を当たり前のことを?」って顔をしてる。
この世界がどんなところなのか知らないけど、これだけはちゃんとしておいた方がいいかもしれない。
「殺すのも殺されるのもだめ。私と契約するならそれだけは守って」
「――はい!」
喜色満面の元気な返事。
なんだろう。してやったり、みたいな表情。
って……あれ? これって契約おっけーですよって言ったようなもの?
もしかしなくても、私今おっけー出しちゃった?
「あの、今のって」
「契約に従いこの身、この命、アコ様に捧げ付き従います」
辺りに散乱していた荷物の中から一枚のお札を素早く取り出すと、地面に叩きつけて何か呪文のような言葉を呟き始める。
「え、ちょ――待って!私まだ契約するなんて言ってな――」
「言質は取りました!なんでもしますから傍にいさせて下さい!」
いや――それって別れ話を切り出された恋人のセリフみたいなんですけど!?
じゃなくて、お札から紫色の光が溢れだして地面に魔法陣みたいな模様を描き始めてる。
契約ってこんな一方的に進んでいいの!? 言質って、うっかり口にしただけで束縛しちゃうようなものが契約として成り立つの?!
なんて思っている間に魔法陣があっという間に構築されていく。もう数十秒もかからないかも。
「待っ――分かった契約するから!主従はなし!別のでお願い!」
「でしたら、アコ様がお決めになってください!主従を超える強い関係を!」
「そんなの――」
パッと思いつかない。主従を超える関係? 人付き合いレベル初期値の私に無理難題吹っ掛けすぎじゃないかな!?
迷ってる暇がない。魔法陣はもう完成に近い。考えてる暇がない。
なんでもいいから、主従以外の何か。
浮かばないから仕方ないありったけの魔力を使って無理やり変えるしかない!
「――友達!」
「え?」
「友達契約!何があってもずっと友達!」
「そんな契約はありま――ひゃあ!?」
私のありったけの魔力を受けた魔法陣が彩りを変える。紫から青、緑、黄色と変わって、最終的に赤い色に落ち着く。
破棄するのはもう手遅れだと感じた。このまま押し通すしかない。
「私の初めての相手が主従なんていや!ちゃんと、ちゃんと私とお話してくれる友達じゃないといや!」
せめてもの抵抗にと魔法陣を塗り替えるように魔力を押し付ける。
主従なんていや。この人にはもっと普通の――対等の存在として付き合ってほしい。
「――友達としてお願いしまあああああああああああああああああああああああああああす!」
溢れる光の渦が私と彼女を包み込んで辺りの景色を塗りつぶしていく。
そういえば、
この人の名前なんだっけ?
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