転生しても引き籠っていたら魔王にされました

天束あいれ

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1章:最果て編

20 熱照

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 陽は高く砂塵舞い上がる晴天。
 王国側から最果てを監視するための砦、その関所に三〇〇名もの王国軍の兵士が隊列を組んでいた。
 その中心には最果ての荒野を踏破するための物資を運ぶ隊商が複数。どれも兵站に関わる重要なポジションにある中、一つだけ趣の違う馬車が紛れている。
 女物の服、取り扱いにさほど筋力を要しない武器、そして数種類の弓と矢の束。
 どれもが兵士に支給される品質には満たない市販されている物品だった。

「暑い。いや、熱いと言ってもいいねこれは。火山地帯でもないのにね」

 その馬車を点検しながら、レウネス・クラード=イル=ハーネスは暑さに文句をつけていた。
 いつもと装飾過多な装いとは違い、実用性一辺倒の旅装に身を包んで水筒や食料、万一の保険としての魔術刻印紙スクロールを念入りに確認している。
 既に厚手の旅装は汗でびっしょりで。

 それもこれも、あの共和国の勇者の無茶ぶりのせい。

「……本当にいるのかね。そんな奴が」

 初めに聞かされた妄想話、それから改めて正式に出された依頼、その後さらに補足説明を受けたレウネスは、しかし欠片も納得など出来ていない。
 共和国の勇者が既に“七光”を見つけていたという話。
 そして、災厄の魔物も同時に復活しているという話。

 商談をまとめている内は敢えて触れなかったが、『災厄の魔物が復活していたとして、なぜ君は生きているんだね?』という疑問はあった。
 五体満足ではないことが物語っている。災厄の魔物との戦闘で四肢を失ったとすれば、確実に呪いを受けていなければおかしいのだ。それも解呪など到底不可能な深度の呪い。確実に死に至り、そして死を伸ばす苦痛を凝縮したような呪いである遅死の祝福を。
 『助かったんだよ。助かるはずのない呪いを受けた俺が。誰のおかげかは言わなくても分かるだろう。どうだ、説得力あるか?』とはよく言ったものだとレウネスは溜め息を吐く。
 仮定に仮説を重ねた末に出された議論のように全てにおいて信憑性がない話だ。“七光”を見つけたことも、災厄の魔物が復活したという話も、何故アレスティアが生きているのかという説明も、何一つ明らかにしていない。
 そもそも説明が下手なのだよ君は、と呆れた部分は非情に大きい。
 恐らく王国の勇者であれば理路整然と何が起きて、誰がいて、どのようなことをして、結果どうなったのかを説明する。不明な点も明確に不明だとするだろう。予測や推測を極力排して事実だけを述べるだろう。妄想なんて入り込む余地などない。
 理解も納得もしないが意図は分かる。分かるが故に自分の中で話を咀嚼しきれずに暗澹たる思いに晒されているだけで。
 つまりは、レウネス自身が未だに信じられないのだ。いくら妄想の話だと大部分を誤魔化す意図があったとて、説明がただ下手なだけであったとして、それをそうと理解していたとて。
 いや、もしかすると説明はちゃんと出来るのかもしれない。理解できないレベルにまで誤魔化す意図が膨らんだだけで。

「まあいいけどね……現に動いた兵士はたったの三〇〇。名のある将も、勇者すらも出さない時点で王国も信じちゃいない。大方長いこと放逐されている災厄の魔物を一応確認しておくかぐらいのつもりだろう。この分だと“七光”の話は……していないだろうね」

 派遣されたのは一兵卒。これではただの遠足だ、と溜め息を吐いた。行先の環境は過酷極まりないのだが。

「レウネス様、支度が整いました」
「もう一度整えておけ。最果てはその辺の砂漠や荒野とは違う。不安を抱けない愚か者から脱落するぞ」
「は、はい!」

 不平不満その他諸々の不快感を拭いながらレウネスは唯一連れてきた部下に厳しい目で諭す。
 それなりに若い部下だが指示はよく聞き機転も効く。
 何より体力がある。いざとなったときに最も実直に身を守ってくれるのは強い肉体だ。
 レウネス自身、暇をつぶすように荷物や装備のチェックを何度も何度もしたが、体力だけはどうにも仕方ないと諦めている。だから連れてきた。
 主に横に太い体形のせいだが。

 その若い部下の両肩に手をつく。
 座って装備の確認をしていた身体が一瞬びくっとする。

「本来なら、僕一人だった。ああ、手は止めなくていいよ」

 若者は突然絡まれたことに驚きつつも、作業の手はそのままに傾聴する。

「説明した通り極秘ではないが守秘義務が非常に求められる案件だ。可能なら僕一人で済ませたかった。だが行先は見ての通り……最果てだ。残念なことに僕は一人で最果てを踏破出来ると思うほど自惚れられない。自惚れた人間は死ぬからだ」

 未だ空かぬ関所の鉄扉を見ながら、若者は息を呑む。

「秘密というのはそれを知る人間が増える程に秘密ではなくなる。人の口には鍵を掛けられないからだ。だから君一人だけを連れてきた。若く、強く、賢い君を」

 若者は言葉の一つ一つを咀嚼する。その意味が、期待が、己に向けられた主からの信用であると理解して胸が高まる。

「安全を考慮して断ってもよかった。だが、もしこれが……僕の想定した妄想通りであるならば、恐らく今後起きるだろう王国の騒動に対して先手を打つことが出来る。馬鹿な話と切り捨ててしまうべきではなかったかもしれない事態の、ね」

 ゴクリと、若者は再び息を呑む。

「君は若い。僕の後を継ぐことになるファリネスには補佐が必要だ。強く、賢く、あらゆる苦難を打ち負かすだけの力を持った補佐が。言いたいことは分かるね?」

 それはつまり、出世の確約。

「共に超えようじゃないか。この遠征を。君は成長を。僕は民の未来を背負って。馬鹿な話だったと笑うかどうかは……その後決めよう」
「――出立だ! 門を開けろ!」

 兵士の声で関所の鉄扉が開かれる。
 レウネスも覚悟を決める。
 若者も不安を拭えない表情の中に期待を抱きながら点検していた装備を身に着ける。

「蛇が出るか龍が出るか。この僕が直々に、それも最果ての荒野に出向かなければいけないような案件に巻き込んだ以上はとんでもないものを見せてくれるんだろうね、アレスティア」

 恐らく共和国に帰還しているであろう勇者に文句を言いながら、レウネスは馬車に乗り込んでいく。



   ************************



 暑い。とにかく暑い。
 ほんの数日で最果ての荒野はまるで赤道直下の砂漠みたいな暑さに見舞われた。砂漠も赤道も行ったことないから想像だけど。
 この世界に四季があるのかどうかは分からないけど、たぶん夏……じゃないんだよね。流石に急激に変化しすぎ。

「最果てはマナの影響がかなり薄い土地ですので環境もひどく不安定なんです」

 とはアリアちゃんの説明。飛翔フライの魔法で飛んで庭園上部に屋根を作る作業をしながら答えてくれた。作り置きしてあった石材をいい感じに組み上げてくれている。
 私は風を起こして庭園の空調係をしてる。だって籠るんだもんこの暑さ。換気の悪さがそもそもの原因なんだけど。後で窓つけよ。

「本格的に気温が上昇するのはもう少し先の話です。今回のは“吹き上げ”と呼ばれる気流の影響だと思います」
「吹き上げ?」
「最果ては南北に長く続く半島です。大きな山脈もなく西から吹く風はそのまま東へ抜けていくことになりますが、西方に位置する火山地帯の影響で上昇気流に巻き上げられた結果無風状態になる時期があるんです」
「へえ。それで一時的にすっごく暑くなるんだ。っていうか上昇気流だけで偏西風を巻き上げるってどんな火山活動なんだろう……」
「原因は他にもありますよ。そしてこの時期の最果ては局所的に砂塵は巻き起こりますが地表を冷ます程の風は流れません。おかげで最果ての上昇気流がそのまま滞るのでほとんど唯一の雨期でもあるわけなんですが……」
「そもそも水がないね」
「はい。滅多に降りません。吹き上げで纏まった雨雲が辛うじて残れば望みがある程度ですね。それも不安定なマナのせいで散らされてしまいますが」
「ダムすら作る意味がないね……じゃあ水ってすっごく貴重なんだ」
「最果てにおいては殺してでも奪い取る、の筆頭ですね」
「後で“ご自由にお飲みください”の看板でも作っておこうかな……いきなり襲われたら困るし……」
「アコは文字が……いえ、それなら後でやっておきますね」
「うん、お願い」

 マナも薄ければ地理的な問題も劣悪。そりゃこんなところに誰も住もうなんて思わないね。

「でも、おかげで一つだけ強みがあります」
「どんな?」
「誰も必要としない。だから土地という点では自由です」
「そうだね。現に私も好き勝手やっちゃってるし」
「アコ、これは予言なのですが」
「うん?」
「恐らくこれから人は集まってきます。これだけ環境が厳しい最果ての荒野で生きていくための全てがここには揃っていますから」
「うーん……地面の中に隠しちゃう?」
「地殻変動も頻繁に起こるので地中はオススメできないですね」
「じゃあ壁を作っちゃおう。でっかいの」
「それも必要ですが……早急に必要になるものが別にあると思うんです」
「食べ物もお水も住むところもある……なんだろ」
「法です」
「あー……」
「少なくともこの生活はアコがいないと成り立ちません。ですが、アコがいるだけでこの最果てはどこまでも開拓出来る土地になります。人手は絶望的に足りませんが時間さえかければ町一つ作ることも可能です」
「待って。私に町長になれって話?」
「いえ、国王です」
「スケールがおっきい! え、やだよ?」
「だと思いました。ちなみに話はしましたけど私も嫌です。今で十分満足ですしアコと離れたくないので」

 国王……せめて村長……いや、室長ぐらいかな?
 スケールが国までいくと流石に無理かな……メンタルが絶対もたない。人前に出るのは想像出来ないしたぶん普通に能力的にも無理。そこまで成長出来る自信がない。

「アコー、形は出来ましたが閉じても大丈夫ですか?」

 悩んでいるとアリアちゃんが天井を完成させていた。
 本当はガラス張りにしたかったけど背に腹は代えられない。だって暑いもん。

「閉じちゃってー」

 ゆっくりと、アリアちゃんの物音一つしない精密な操作で天井が取りつけられる。
 密封するタイプじゃなくてキャンプファイヤーの枠みたいに交互に隙間を空けてある感じで出入口と通風孔を兼用してる。
 ワープの目処が立つまでいったん普通の出入り口も作った方がいいかな。わざわざ飛ぶのも手間だしね。

「どうですか」
「おっけーだと思う」

 アリアちゃんはもう飛翔フライの魔法をマスターしちゃったと言っても過言じゃないね。うんうん。

 あとは私の方で風の通り道を魔法でいい感じに設定して……空調よし。

「……ちょっとはマシかな?」
「涼しくはないですが死ぬほど暑くはないですね」

 まだまだ全然暑いんだけどすぐさま熱中症になる危険性は回避出来た、かな?

 さて、それでは。

「こっちの問題も解決しなきゃ……だね」

 まるで生気を感じさせないような気怠さを煮詰めたような動作で果物に噛り付いているシリウスさんを見る。
 ステータスを覗いて魔力もだいぶ戻っているのは確認したんだけど、最初に会ったときみたいな禍々しい姿には戻っていない。
 およそ人間に近い姿。栄養状態はすごく悪そうな血色だけど。

「……何を解決するというのだ」

 ポツリとこぼした言葉にももはや生気はない。
 精神的な栄養状態も悪い。それもだいぶ、かなり。
 私がやり過ぎたとかそういう話じゃなくて、別の問題がシリウスさんを追い込んでる。

「揺り籠はとうに壊れ魔王様の魔力すら感じ取れない……あまつさえ同族の所在すらも知覚出来ない……魔族は滅びたのか?」
「全滅はしていないと思いますが」

 答えたのはアリアちゃん。

「魔族が表立って活動出来るような時代ではなくなったのは確実です。人間の勇者は代替わりして健在で、教会の威光もあまねく世界に広まっています。ちょっとでも姿を見せればすぐに囲まれて滅ぼされてしまうのは明白です」
「……完全に、負けたのか」
「一部は生き残っていると思いますよ。あなたが生きているのが証拠になるかと」
「では……終わりだな。俺の揺り籠は数度ともたなかった。“四天宮”ならともかく他の奴等はもう……」
「見つかってしまえば、お終いでしょう。ほぼ確実に」
「他の“四天宮”はどうした」
「勇者が討伐したと聞いています。或いは教会が封印を」
「……絶望は憤怒すら殺すのだな」

 シリウスさんが静かに果物を持っていた手をだらりと下ろす。
 空いた手で顔を抑えて天井を仰ぐ。

「……アリアちゃん」

 私はシリウスさんに聞こえないように小声で呼び掛ける。

「どうしました、アコ」
「……つまり、どういうこと?」

 そう。私は歴史を全く知らない。全く状況が分からない。

「あ……魔族は遠い昔に大敗を喫しました。多くを滅ぼされ、幹部も討ち取られ、魔王ですら確実に滅ぼすために封印の中で力を削がれ続けています。その敗北は全滅と言っていいほどに。それが千年前のことです。それからも淘汰は続いて、現代において魔族が確認される事例は皆無と言っていいと思います。少なくとも市井の民が遭遇する可能性は無いと言ってしまえる程度に」
「シリウスさん以外に生き残ってる魔族の人はもういないってこと?」
「一部の特殊な事例を除いて、魔族が生存している可能性は考慮する必要すらないという判断を下す程には。文字通りの意味では全滅はしていないとは思いますが、数学者ですら『ゼロでいいだろう』と言ってしまうような絶望的な状況です。そもそも彼自身、復活したことが望外の幸運だったのではないでしょうか」
「…………」
「率直に言って私は今この瞬間にも彼に殺意を向けて当然の筈なんですが……世界中に仲間が一人もいない状況というのはいったいどんな気持ちになるんでしょうか」

 辛い。
 他に形容する言葉は要らないと思う。
 辛い。
 それが、たぶん無限にのしかかってくる。

 分からない。そんな気持ちは知らないから。言葉で言い表せないぐらい辛いってことしか想像出来ない。

「脅威という意味では……単純な戦闘力すら失っている彼は、もう人間の敵には成り得ません。慈悲深い教会であれば捨て置くこともあるかもしれません。もう終わっているんです。魔族は」
「…………」
「アコ、考えないでください。アコは優しすぎます」
「でも……」
「言い方を変えます。彼に救いはありません。心でも、罪でも。それでも苦痛を取り除こうとするなら……その方法はアコが一番取りたくない結果です」
「それ、は……」
「アコには彼をにしてあげることは出来ない。ですよね?」
「……っ」
「一旦出ましょう、アコ。落ち着いた方がいいです」
「……うん」

 アリアちゃんの魔力が私を包む。
 ふわりと浮いて、天井へと向かう。

 分からない。何も分からない。
 頭の中がぐるぐると色んな思いが混ざって、何も考えられない。
 身体も石になったみたいに重い。手も動かせない。

 分からないよ。

 何も、何も分からない。

 私はどうしたいのか、どうするべきなのか、何も、何一つ分からない。

 教えてくれる人がいるかも分からない。いないのかな。

 いるとしたらその人はどんな人生を歩んで来たんだろう。

 想像なんか出来ないだろうなあ。

 ……分かんないね。

「…………」

 静かに天井を仰いでいるシリウスさんを置いて、アリアちゃんに連れられて庭園を出る。

 降り注ぐ日差しは暑いはずなのに、身体は冷え切ったみたいに感じてる。

 心が寒いよ……すごく……。


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みんなの感想(14件)

みかん
2023.04.18 みかん

これからアリアとまこがどうゆう風になるのかすごく楽しみすぎる

解除
伊予二名
2020.02.02 伊予二名

ああ、うん。この主人公さんの性質は正しく魔王ですね。凄く、素質ある。

解除
すばほた
2020.01.31 すばほた

更新待ってました。続きを楽しみにしています。

解除

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