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20 美肌姫なかぐや姫
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かぐや姫が月に帰ってから数千年——。
月の暮らしにもすっかり飽き、最近は「転職サイト 月ナビ」を見てため息ばかりついていた。
「地球に戻って、もう一回働いてみようかなあ。今度はちゃんと労働ビザ取って」
そうつぶやきながら、かぐや姫は月の公務員職を辞め、地球へUターン就職を果たした。仕事先は——まさかの竹製品メーカー『かぐたけ株式会社』。
「え、履歴書に『竹から生まれました』って……これジョークですか?」
「本当です。証人もいます。おじいさんとおばあさん」
採用担当者が困惑する中、彼女はさらりと天の羽衣をマフラー代わりに巻き、面接室を後にした。
二次面接では、エクセルが使えないことを正直に打ち明けたが、「月ではGoogleスプレッドシートです」と言い訳し、まんまと内定を獲得。
入社初日、かぐや姫は社長室に呼ばれた。
「姫さん、君には特別なプロジェクトを任せたい。我が社の新作——『竹から生まれる美肌エッセンス』の広告塔になってもらいたいんだ」
「……私、竹から生まれたのはいいけど、美肌っていうより発光してるだけですよ?」
「そこがいいんだ! ナチュラルな月光肌!」
こうして、かぐや姫は“月から来た美白モデル”として一躍有名になった。
CMでは「月に帰る前に、あなたもつるん肌♪」とノリノリで歌っていた。
——しかし、人気が出すぎた。
某政府機関にマークされ、「月の技術を地球に持ち込んだ可能性アリ」として調査対象に。
「怪しいですね。『不老不死の薬』を日本に置いていった過去もありますし」
「それ、当時の別れのプレゼントなんですけど……。ちゃんと税関通してないからマズかったですかね」
数ヶ月後、かぐや姫は再び月に強制送還された。
月面の空港で、彼女は同僚にぼやいた。
「結局また帰ってきちゃった。やっぱり地球って、履歴書に“竹から生まれた”って書くと変な目で見られるのよね」
「でも、あんたのCM、こっちでもバズってたわよ。“月より白い、かぐや肌”って」
「ふふ、それはそれで、ちょっと誇らしいわね」
かくして、かぐや姫は月でコスメ事業を立ち上げ、「帰ってきた美肌姫」として再ブレイク。
地球でも、竹林の中で「美白成分抽出中」と書かれた謎の小屋がぽつりと建っているという。
月の暮らしにもすっかり飽き、最近は「転職サイト 月ナビ」を見てため息ばかりついていた。
「地球に戻って、もう一回働いてみようかなあ。今度はちゃんと労働ビザ取って」
そうつぶやきながら、かぐや姫は月の公務員職を辞め、地球へUターン就職を果たした。仕事先は——まさかの竹製品メーカー『かぐたけ株式会社』。
「え、履歴書に『竹から生まれました』って……これジョークですか?」
「本当です。証人もいます。おじいさんとおばあさん」
採用担当者が困惑する中、彼女はさらりと天の羽衣をマフラー代わりに巻き、面接室を後にした。
二次面接では、エクセルが使えないことを正直に打ち明けたが、「月ではGoogleスプレッドシートです」と言い訳し、まんまと内定を獲得。
入社初日、かぐや姫は社長室に呼ばれた。
「姫さん、君には特別なプロジェクトを任せたい。我が社の新作——『竹から生まれる美肌エッセンス』の広告塔になってもらいたいんだ」
「……私、竹から生まれたのはいいけど、美肌っていうより発光してるだけですよ?」
「そこがいいんだ! ナチュラルな月光肌!」
こうして、かぐや姫は“月から来た美白モデル”として一躍有名になった。
CMでは「月に帰る前に、あなたもつるん肌♪」とノリノリで歌っていた。
——しかし、人気が出すぎた。
某政府機関にマークされ、「月の技術を地球に持ち込んだ可能性アリ」として調査対象に。
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「それ、当時の別れのプレゼントなんですけど……。ちゃんと税関通してないからマズかったですかね」
数ヶ月後、かぐや姫は再び月に強制送還された。
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「結局また帰ってきちゃった。やっぱり地球って、履歴書に“竹から生まれた”って書くと変な目で見られるのよね」
「でも、あんたのCM、こっちでもバズってたわよ。“月より白い、かぐや肌”って」
「ふふ、それはそれで、ちょっと誇らしいわね」
かくして、かぐや姫は月でコスメ事業を立ち上げ、「帰ってきた美肌姫」として再ブレイク。
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