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#177 手切れ金を使い切った結果
しおりを挟む「もう限界。あなたは一生働かないつもりでしょ。はい、これ手切れ金。100万円。さようなら!」
そう言って母は俺を家から追い出した。
33歳無職歴8年、通称ニート。
部屋に鳴り響くのはスマホのアラームと、冷蔵庫のうなる音だけだった。
しかし、100万円。これはつまり、「最後のチャンス」ってことじゃないか?
1日目。
とりあえず、一番やりたかったことをやろうと、俺は秋葉原に突撃。
ゲーミングPC、ウルトラワイドモニター、最新のVRゴーグルを爆買い。35万円が吹っ飛んだ。帰ってきて開封の儀。至福。
2日目。
今度は「夢」を買おうと決めた。幼い頃、俺は宇宙飛行士になりたかったのだ。そこで、筑波宇宙センターの見学ツアーを予約し、タクシーで茨城まで行った。VIPコースを選んだため、ガイドさんがずっと付きっきり。宇宙食セットとTシャツも購入。総額32万円。
夜、ビジネスホテルでひとり星空を眺めながら思った。「俺、ちょっと生きてる気がする……!」
3日目。
残金を握りしめ、俺はなぜか「カレー屋を開く!」と決意していた。
近所のスナック跡地を訪ね、
「3日間限定の間借り営業させてください!」
と交渉。
店主は「面白いじゃない」と快諾。
即席で「ニートカレー」を作成。
秘密の隠し味は、絶望と希望。
SNSで「人生どん底カレー」として話題に。
まさかの行列。完売御礼。なんと、3日目だけで8万円の売上!
そして帰宅。
親父「……お前、なんかやったのか?」
俺「うん、ちょっと人生を始めてみた」
その日から、俺の部屋の扉に貼られた「引きこもり中」の張り紙は、「準備中」に変わった。
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