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第六章 学園編 ──白銀の婚約者──
第297話 何でも斬れる男
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眞学の森の端は、昼間だというのに薄暗かった。
高く伸びた古木が陽光を遮り、地面にはまだらな光と影が落ちている。
遠くでは学生たちのざわめきがかすかに聞こえるが、ここまで来ると、風が葉を揺らす音の方がよほど大きい。
その木立の陰に背を預けるようにして、一人の男が立っていた。
ザキ・クローバー。
片耳に揺れる、小ぶりな銀のピアス。その中央に埋め込まれた黒い宝石が、淡く明滅している。
「──そう、やいやい言いなや。」
ザキは肩をすくめ、わざとらしく困った顔を作った。
「予選通過第3位やで? 上出来やろ? 俺、よう頑張った方ちゃう?」
軽い調子。冗談めいた笑み。
だが、その細い目の奥は、笑っていない。
ピアスの宝石から、低く歪んだ声が響く。
『逆だ!!』
怒号が、直接脳に叩き込まれる。
『やり過ぎだと言っている!! お前といい、ディオニス達と言い……あそこまで力を見せる必要は無かった筈だ!!』
ザキは「うわ、こわ」と小声で呟き、耳を指でほじる仕草をした。
「しゃーないやろ。何やっけ、あのー……性格悪いどっかの皇子サマ。ザイード、やったっけ?」
木の幹をトントンと踵で蹴りながら、軽く言う。
「彼、思うたよりも強敵やったんよ。ちょっと本気出さんと、逆に怪しまれるやろ?」
『確かに! ザイード・ジュナザーンとの会敵は想定外ではあったが!!』
声はさらに荒れる。
『お前ならもっと上手く立ち回れた筈だ! 特に、最後の“神器”の解放……! あそこで、アレを見せる必要は無かった筈だッ!!』
その言葉に、ザキの指が止まった。
ピアスに触れていた手が、ぴたりと静止する。
(ま、そら言われるわな)
視線が、地面に落ちる。
(確かに、アレはやり過ぎやったからね)
一瞬だけ、予選会の光景が脳裏に蘇る。
刹那の抜刀。
観客席を震わせた、あの一閃。
ザキは、観念した様に小さく息を吐く。
「はいはい、えろぅすんませんでした。今後気ぃつけますぅ」
わざと語尾を伸ばし、軽く謝る。
その声音に、本気の反省は一欠片も含まれていない。
『──本当に分かっているんだろうな』
今度は低く、冷たい声。
『いよいよ本戦まで時間も無い。お前に注目が集まり過ぎては、なすべき事も為せなくなるぞ』
ザキは、ふっと笑った。
「それは心配あらへんよ」
森の奥へ視線を向ける。
「方向性は多少変わった様やけど、ラグナは今、アルドくんにご執心や。俺の方には目ぇ向いとらんよ」
『なら良いが……』
一拍。
『だが、アルド・ラクシズとラグナの関係性が変化した事が、我らの計画にどう響くか分からんぞ』
ザキは肩を回しながら、鼻で笑う。
「ま、険悪さは消えたみたいやけど、別にまだ仲良しこよし言う訳やないし。問題無いやろ」
そして、少しだけ声のトーンが落ちる。
「それより……アルドくんはやっぱり、ラグナと同等以上の化け物やったわ」
木漏れ日の下、細い目がゆっくりと細まる。
「あの力を利用せん手はあれへん。本戦では……なんとか漁夫の利を狙いところやね」
宝石が一瞬だけ、鈍く黒く濁った。
『──こちらでも、可能な限り、細工はしてみる』
声は冷徹だ。
『だが、あまり過度な期待はするな。
──とにかく、我々はラグナの抹殺という目的を共にする同志だ。私に無断で、あまり無茶はしてくれるなよ』
通信が、切れる。
森に静寂が戻る。
ザキは、ゆっくりとピアスに触れた。
宝石の光が完全に消える。
その瞬間、彼の表情から、軽薄な笑みがすっと消えた。
(同志……なぁ)
細い目が、冷たくなる。
(利用するだけ利用して、万が一の時には尻尾切りするつもりが見え見えやね)
口元が、わずかに歪む。
(ま、利用してるのは俺の方も同じやし。おあいこやけどな)
小さく息を吐く。
森の湿った空気が、肺を満たす。
(だが、真面目な話……)
視線が、ゆっくりと腰へ落ちる。
そこには、愛剣──羽々斬。
鞘の上から、そっと柄を撫でる。
(場合によっちゃあ、ラグナだけやなく……アルドくんとも、やり合わなあかんケースも想定しとかな)
アルドの姿が、脳裏に浮かぶ。
予選会。
体術だけでラグナに肉薄したあの動き。
無駄のない踏み込み。
重心の低さ。
マリーダ教授を圧倒した、信じられない身のこなし。
あれは、ただの天才ではない。
“戦場に生きる者”の動きだった。
ザキの肩が、ぶるりと震える。
武者震いだ。
自分の口角が、自然と上がっていることに気付く。
「──あかんなぁ」
小さく、苦笑する。
「ラグナへの復讐以外の心は、全部捨てたはずやってんけど……」
羽々斬の柄を、きゅっと握る。
「俺にもまだ、“強敵と戦いたい”いう、剣士としての心が……ほんの少しだけ、残っとるみたいやね」
その声は、静かだ。
だが、その奥底には熱がある。
復讐とは違う、純粋な闘志。
刹那。
ドゴォォォン!!
森の奥から、地面を震わせるような轟音が響いた。
葉がざわりと揺れ、鳥が一斉に飛び立つ。
ザキは、ゆっくりと顔を上げた。
「──いやいや、誰やねん」
呆れたように笑う。
「こんなタイミングで、大学構内でケンカおっ始めてるアホは」
もう一度、低い爆発音。
ザキの目が、わずかに細まる。
そして、にやりと笑った。
「──ちょうどええ」
羽々斬の鞘を、軽く叩く。
「腕が……剣が疼いとったとこやねん」
一歩、踏み出す。
落ち葉が、かさりと鳴る。
「いっちょ、混ぜてもらうとしよか」
呑気な声音とは裏腹に。
その背中からは、剣士としての鋭い気配が静かに滲み出ていた。
森の奥へ。
ザキ・クローバーは、静かに歩みを進めていく。
戦いの匂いを、愉しむように。
────────────────────
時間は現在へと戻る。
眞学の森の奥、折れた木々と抉れた地面が、生々しい戦闘の痕跡を晒していた。土煙がまだ完全には収まらず、焦げた匂いと血の匂いが湿った空気に混じっている。
その中心に、ひときわ異様な“何か”が立っていた。
アルド・ラクシズ──に、見える。
だが、違う。
全身の皮膚に、黒い筋が血管のように浮かび上がり、じわじわと脈動している。
胸元には、白い蛇がとぐろを巻くような紋様。蛇の頭が、ちょうど心臓の位置に食い込むように刻まれていた。
その姿を、ザキは数歩離れた位置から見据えていた。
(アルドくん……?)
細い目が、わずかに細まる。
(いや、気配が全然別物や)
空気が重い。粘つくような魔力が、森全体を覆っている。
(それに、あの黒い筋と白い蛇の紋様……)
思考が、一瞬で過去へ跳ぶ。
ダンジョン・サバイバル、50階層。
暴走したマリーダ教授の姿。
(あれと同じ状態やん)
一瞬の観察で、結論に至る。
アルドではない。
“似せられているだけ”だ。
その背後で、荒い呼吸音がした。
「あ、あんたは、確か……!」
振り向けば、乾流星が目を見開いている。額に汗を浮かべ、大剣を構えたまま。
「予選会3位の……ザキ・クローバー……!?」
その隣で、一条雷人も静かに息を整えながら視線を向ける。冷静を装ってはいるが、その眼差しには確かな緊張があった。
ザキは肩をすくめ、軽く手を挙げた。
「はいはい。おおきに、ご苦労さん。」
視線は偽アルドから逸らさないまま。
「君ぃらは、確か……異世界から来たっちゅう、特別編入生の子ぉらやんな?」
口調はいつも通り、軽い。
だが内心では、歯車が高速で回転していた。
(特別編入生の子らは、アルドくんとこの預かりやったはず……)
視線を、さりげなく二人の立ち位置へと走らせる。
(どういう状況や?これ)
その瞬間。
「貴様……!」
低く、押し殺したような怒声が響いた。
偽アルドが、ゆっくりと顔を上げる。
瞳の奥に宿るのは、アルドには無い、濁った憎悪。
「貴様はッ!? ザキ・クローバー……!?」
黒い筋が、どくり、と脈打つ。
「余の脚を落とした恨み……忘れてはおらぬぞッ!!」
ザキは、片眉を上げた。
「……は?」
間の抜けた声。
「脚落としたて、そんな物騒な……」
首を傾げる。
だが、次の瞬間。
(その喋り方……)
思考が繋がる。
「君ぃ、ひょっとして……ザイード皇子か?」
その名に、偽アルドの口元が歪んだ。
「気付くのが遅いわッ!」
黒い魔力が、ばちばちと空気を焦がす。
流星が慌てて叫ぶ。
「おいアンタ! 気ぃつけろ!! そいつ、黒い魔力に包まれて、アルドさんのコスプレして暴れ出したんだ!」
「……え? 何て?」
ザキが、わざとらしく聞き返す。
緊迫した空気の中、その間の抜けたリアクションが逆に不気味だった。
雷人が、冷静な声で補足する。
「──お察しの通り、そこにいるのはザイード・ジュナザーン皇子です」
視線は偽アルドから外さない。
「大学構内で学生を襲っていたので僕たちが止めましたが……どういう理屈かは分からない。アルドさんの姿に変身し、さらに暴れ回っているところです」
短く、的確な説明。
ザキは、ふっと笑った。
「説明ありがとうなぁ」
小さく肩を揺らす。
「ま、聞いてもよぉ分からんかったけども」
雷人が、かすかにため息をつく。
「でしょうね。僕も自分で言っていて、まだ全ては飲み込めていませんので」
そのやり取りの間も、偽アルドの魔力は膨れ上がっている。
怒りで震える瞳。
ザキは、ゆっくりと視線を向け直した。
「よう分からんけども……一つだけ分かった事はあるわ」
一歩、踏み出す。
「──あっこにおるのは、アルドくん本人やなくて」
口角が、にやりと上がる。
「あのバカ皇子が、アルドくんそっくりに変身した姿、いう事やね?」
流星が頷きながら叫ぶ。
「ああ、そんな感じだ! だけどよ……!」
歯を食いしばる。
「そいつ、動きや頑丈さもアルドさんをコピーしたみてぇになってるんだ!」
その言葉に。
ザキの細い目が、ぴくりと震えた。
(──つまり)
ゆっくりと、思考が整理される。
(中身はあのドブカス皇子のまま……ガワと力だけ、アルドくんそっくりになっとる言う事やんな)
沈黙。そして、にぃ、と口の端が吊り上がる。
「──なら」
腰の剣に、自然と手が伸びる。
「遠慮なく斬ってもうても良さそうやな」
重心が、すっと落ちる。
足の裏が地面を掴む。
「ええやん」
呼吸が、静かに整う。
「オモロいやん」
居合い抜きの構え。
鞘に収まったままの羽々斬が、わずかに震える。
ザキは、視線だけで雷人と流星を見た。
「特別編入生の君ぃら」
軽い声。
だが、その奥に鋭さが宿る。
「助太刀、いるか?」
流星が、一瞬戸惑う。
「えっ!?」
その一瞬で、雷人の思考は回転する。
(今のこの状況を打破するには……彼の力も借りるべきだ)
冷静な瞳が、決断する。
「助かります」
短く、しかし迷いなく。
ザキは、にっと笑った。
「よっしゃ」
肩を鳴らす。
「ほな、このアルドくんの偽物」
目が、細くなる。
「いっちょシバいたろか」
偽アルド──ザイードが、吼える。
「やってみろォ!! ザキ・クローバーッッ!!」
ドゥン!!
黒い魔力が爆発的に噴き上がり、地面の土が弾け飛ぶ。
白い蛇の紋様が、ぎらりと光る。
森の空気が、張り詰める。
対峙する三人と、一体。
その中心で、ザキは微動だにしない。
唇の端に、わずかな笑みを浮かべたまま。
まるで──
この状況を、楽しんでいるかのように。
◇◆◇
ザキは、視線をほんのわずかだけ後方へ流した。
一条雷人。
乾流星。
ザキは2人の名は知らない。
片や電磁を操る冷静な理系。
片や炎を振るう直情型。
(2人とも、“神器使い”やな……)
構えの重心、呼吸の整え方、間合いの取り方。
(それも、相当な使い手や)
それでも。
視線はすぐに、目の前の“アルド”へ戻る。
黒い筋が脈打つその肉体には、炎も雷も傷一つ刻まれていない。
(にも関わらず、偽アルドくんは無傷……)
喉の奥で、小さく笑う。
(相当タフな相手と考えた方が良さそうやね)
次の瞬間。
ドンッ!!
地面が爆ぜる。
土煙が上がったかと思った刹那には、もう姿がない。
「──ッ!?」
空気が歪む。
瞬きの間、偽アルドは、ザキの懐にいた。
低い姿勢。地を這うような踏み込み。
雷人が叫ぶ。
「危ないッ!!」
遅い。
黒い筋の浮かぶ脚が、鋭く振り抜かれる。
ザキの顔面へ、迷いなく放たれた蹴り。
風圧だけで、頬の皮膚が裂ける。
ザキは反射的に上体を捻った。
鼻先をかすめる衝撃。
頬から、ぴたりと赤い線が走る。
血が一筋、顎を伝う。
その一瞬の間。
ザキの細い目が、見開かれていた。
(これが……)
頬を裂いた風圧を、肌で感じる。
(偽物とはいえ、アルドくんの蹴り……)
ぞくり、と背筋が震える。
(たまらんな……!)
武者震い。
恐怖ではない。
その隙を逃さない。
「俺も加勢するぜッ!!」
流星が地を蹴り、跳躍する。
大剣──"気炎万丈"が、灼熱を纏って横薙ぎに振るわれる。
「──“炎盤”ッ!!」
斬撃の軌跡から、炎の円盤が生まれる。
キィィィン!!
鋸のように回転する火輪が、いくつも宙に浮かび、ブーメランの軌道を描く。
ザキを器用に避けながら、偽アルドへと殺到。
同時に。
雷人が低く身を沈め、左手に握った鉄のベアリング弾へ電力を込める。
パリッ、と青白い火花が散る。
「──"電磁投射連弾《ローレンツ・バレット》"ッ!!」
ドドドドドッ!!
磁力を纏った弾丸が一直線に放たれる。
炎と電撃。
空間を埋め尽くす二重の殺意。
ザキは、その連携を横目で捉える。
(この子ぉらのスキルは……炎と電気か……!)
回転する火輪の軌道制御。
磁力弾の加速精度。
(──汎用性の高い、ええ能力やね)
ほんの少し、羨ましそうに笑う。
(俺のんとは大違いや)
爆炎が炸裂する。
電磁弾が肉を穿つはずの音。
轟音の中、土煙が晴れた。
そこに立っていたのは──
無傷の“アルド”。
黒い筋が、より濃く脈動している。
「無駄だと言うのが……」
低く、歪んだ声。
「分からんかッ!?」
地面の土を、鷲掴みにする。
次の瞬間。
バラバラッ!!
散弾のように土と石が放たれる。
流星と雷人が、咄嗟に武器でガード。
バチバチバチッ!!
金属と魔力がぶつかり、火花が散る。
だが、完全には防ぎきれない。
石片が腕を裂き、砂が足を削る。
「ぐあっ!?」
「クッ……やはり、ダメージが通らない……ッ!?」
二人が着地し、膝をつく。
息が荒い。
ザキは、その攻防を静かに見ていた。
(今の攻撃……)
炎の円盤と電磁投射弾。
あれは普通の相手なら、一瞬で戦闘不能だ。
(並の相手なら、即退場レベルの威力やったのになぁ……)
視線を偽アルドへ戻す。
黒い筋は、より深く浮かび上がっている。
(どうも、この偽アルドくん……)
唇が、ゆっくりと吊り上がる。
(耐久性が並やないみたいやね)
そして。
(──俺向きの相手やん)
その笑みに気付いたのか。
偽アルドが、ぎり、と歯を食いしばる。
「──貴様……」
怒りに染まった目。
「何がおかしいッ!? ザキ・クローバーッ!!」
流星と雷人に止めを刺そうとしていた身体が、方向を変える。
一直線に、ザキへ。
ザキは、軽く手を上げた。
「2人とも、ちょい下がっとき」
声音は、いつもの調子。
だが目は、獣のように鋭い。
「ここは俺に任せときや」
深く、腰を落とす。
居合い抜きの構え。
鞘に収まった羽々斬。
流星が叫ぶ。
「で、でも……!」
雷人も、片膝をつきながら息を呑む。
偽アルドが狂気の笑みを浮かべる。
「砕け散るがいいッッ!! ザキ・クローバーッッ!!」
拳が振り下ろされる。
重力を叩き潰すような軌道。
空気が裂ける。
その瞬間。
ザキの声が、静かに響いた。
「──三葉流居合術・一式……」
ほんの一瞬。
呼吸が止まる。
「"不動閃"……!」
キンッ──
音は、ほとんど無かった。
鞘から刀が解き放たれた時間は、瞬きにも満たない。
次の瞬間。
ザキと偽アルドが、交差する。
時間が、わずかに遅れる。
そして。
パァン!!
偽アルドの突き出した右腕に、何本もの赤い筋が走る。
一拍遅れて、鮮血が弾けた。
「な、何ィィィィーーッ!?!?」
絶叫。
黒い筋の上に、はっきりと刻まれた斬痕。
血が噴き出し、地面を染める。
流星が、呆然と呟く。
「に……偽物とはいえ、アルドさんを……」
雷人が続ける。
「斬った……!? それも、ただの居合い抜きで……ッ!?」
偽アルドは、信じられないものを見るように、自分の腕を見つめる。
黒い筋がざわめく。
ザキは、ゆっくりと振り返った。
細い目を、さらに細める。
「すまんなぁ」
にぃ、と笑う。
「俺の居合いは、何でも斬れんねん」
鞘に、静かに刀を収める。
キンッ、と澄んだ音。
「“そういうスキル”やからね」
森に、再び静寂が落ちる。
ただ、偽アルドの腕から滴る血だけが、ぽたり、ぽたりと音を立てていた。
高く伸びた古木が陽光を遮り、地面にはまだらな光と影が落ちている。
遠くでは学生たちのざわめきがかすかに聞こえるが、ここまで来ると、風が葉を揺らす音の方がよほど大きい。
その木立の陰に背を預けるようにして、一人の男が立っていた。
ザキ・クローバー。
片耳に揺れる、小ぶりな銀のピアス。その中央に埋め込まれた黒い宝石が、淡く明滅している。
「──そう、やいやい言いなや。」
ザキは肩をすくめ、わざとらしく困った顔を作った。
「予選通過第3位やで? 上出来やろ? 俺、よう頑張った方ちゃう?」
軽い調子。冗談めいた笑み。
だが、その細い目の奥は、笑っていない。
ピアスの宝石から、低く歪んだ声が響く。
『逆だ!!』
怒号が、直接脳に叩き込まれる。
『やり過ぎだと言っている!! お前といい、ディオニス達と言い……あそこまで力を見せる必要は無かった筈だ!!』
ザキは「うわ、こわ」と小声で呟き、耳を指でほじる仕草をした。
「しゃーないやろ。何やっけ、あのー……性格悪いどっかの皇子サマ。ザイード、やったっけ?」
木の幹をトントンと踵で蹴りながら、軽く言う。
「彼、思うたよりも強敵やったんよ。ちょっと本気出さんと、逆に怪しまれるやろ?」
『確かに! ザイード・ジュナザーンとの会敵は想定外ではあったが!!』
声はさらに荒れる。
『お前ならもっと上手く立ち回れた筈だ! 特に、最後の“神器”の解放……! あそこで、アレを見せる必要は無かった筈だッ!!』
その言葉に、ザキの指が止まった。
ピアスに触れていた手が、ぴたりと静止する。
(ま、そら言われるわな)
視線が、地面に落ちる。
(確かに、アレはやり過ぎやったからね)
一瞬だけ、予選会の光景が脳裏に蘇る。
刹那の抜刀。
観客席を震わせた、あの一閃。
ザキは、観念した様に小さく息を吐く。
「はいはい、えろぅすんませんでした。今後気ぃつけますぅ」
わざと語尾を伸ばし、軽く謝る。
その声音に、本気の反省は一欠片も含まれていない。
『──本当に分かっているんだろうな』
今度は低く、冷たい声。
『いよいよ本戦まで時間も無い。お前に注目が集まり過ぎては、なすべき事も為せなくなるぞ』
ザキは、ふっと笑った。
「それは心配あらへんよ」
森の奥へ視線を向ける。
「方向性は多少変わった様やけど、ラグナは今、アルドくんにご執心や。俺の方には目ぇ向いとらんよ」
『なら良いが……』
一拍。
『だが、アルド・ラクシズとラグナの関係性が変化した事が、我らの計画にどう響くか分からんぞ』
ザキは肩を回しながら、鼻で笑う。
「ま、険悪さは消えたみたいやけど、別にまだ仲良しこよし言う訳やないし。問題無いやろ」
そして、少しだけ声のトーンが落ちる。
「それより……アルドくんはやっぱり、ラグナと同等以上の化け物やったわ」
木漏れ日の下、細い目がゆっくりと細まる。
「あの力を利用せん手はあれへん。本戦では……なんとか漁夫の利を狙いところやね」
宝石が一瞬だけ、鈍く黒く濁った。
『──こちらでも、可能な限り、細工はしてみる』
声は冷徹だ。
『だが、あまり過度な期待はするな。
──とにかく、我々はラグナの抹殺という目的を共にする同志だ。私に無断で、あまり無茶はしてくれるなよ』
通信が、切れる。
森に静寂が戻る。
ザキは、ゆっくりとピアスに触れた。
宝石の光が完全に消える。
その瞬間、彼の表情から、軽薄な笑みがすっと消えた。
(同志……なぁ)
細い目が、冷たくなる。
(利用するだけ利用して、万が一の時には尻尾切りするつもりが見え見えやね)
口元が、わずかに歪む。
(ま、利用してるのは俺の方も同じやし。おあいこやけどな)
小さく息を吐く。
森の湿った空気が、肺を満たす。
(だが、真面目な話……)
視線が、ゆっくりと腰へ落ちる。
そこには、愛剣──羽々斬。
鞘の上から、そっと柄を撫でる。
(場合によっちゃあ、ラグナだけやなく……アルドくんとも、やり合わなあかんケースも想定しとかな)
アルドの姿が、脳裏に浮かぶ。
予選会。
体術だけでラグナに肉薄したあの動き。
無駄のない踏み込み。
重心の低さ。
マリーダ教授を圧倒した、信じられない身のこなし。
あれは、ただの天才ではない。
“戦場に生きる者”の動きだった。
ザキの肩が、ぶるりと震える。
武者震いだ。
自分の口角が、自然と上がっていることに気付く。
「──あかんなぁ」
小さく、苦笑する。
「ラグナへの復讐以外の心は、全部捨てたはずやってんけど……」
羽々斬の柄を、きゅっと握る。
「俺にもまだ、“強敵と戦いたい”いう、剣士としての心が……ほんの少しだけ、残っとるみたいやね」
その声は、静かだ。
だが、その奥底には熱がある。
復讐とは違う、純粋な闘志。
刹那。
ドゴォォォン!!
森の奥から、地面を震わせるような轟音が響いた。
葉がざわりと揺れ、鳥が一斉に飛び立つ。
ザキは、ゆっくりと顔を上げた。
「──いやいや、誰やねん」
呆れたように笑う。
「こんなタイミングで、大学構内でケンカおっ始めてるアホは」
もう一度、低い爆発音。
ザキの目が、わずかに細まる。
そして、にやりと笑った。
「──ちょうどええ」
羽々斬の鞘を、軽く叩く。
「腕が……剣が疼いとったとこやねん」
一歩、踏み出す。
落ち葉が、かさりと鳴る。
「いっちょ、混ぜてもらうとしよか」
呑気な声音とは裏腹に。
その背中からは、剣士としての鋭い気配が静かに滲み出ていた。
森の奥へ。
ザキ・クローバーは、静かに歩みを進めていく。
戦いの匂いを、愉しむように。
────────────────────
時間は現在へと戻る。
眞学の森の奥、折れた木々と抉れた地面が、生々しい戦闘の痕跡を晒していた。土煙がまだ完全には収まらず、焦げた匂いと血の匂いが湿った空気に混じっている。
その中心に、ひときわ異様な“何か”が立っていた。
アルド・ラクシズ──に、見える。
だが、違う。
全身の皮膚に、黒い筋が血管のように浮かび上がり、じわじわと脈動している。
胸元には、白い蛇がとぐろを巻くような紋様。蛇の頭が、ちょうど心臓の位置に食い込むように刻まれていた。
その姿を、ザキは数歩離れた位置から見据えていた。
(アルドくん……?)
細い目が、わずかに細まる。
(いや、気配が全然別物や)
空気が重い。粘つくような魔力が、森全体を覆っている。
(それに、あの黒い筋と白い蛇の紋様……)
思考が、一瞬で過去へ跳ぶ。
ダンジョン・サバイバル、50階層。
暴走したマリーダ教授の姿。
(あれと同じ状態やん)
一瞬の観察で、結論に至る。
アルドではない。
“似せられているだけ”だ。
その背後で、荒い呼吸音がした。
「あ、あんたは、確か……!」
振り向けば、乾流星が目を見開いている。額に汗を浮かべ、大剣を構えたまま。
「予選会3位の……ザキ・クローバー……!?」
その隣で、一条雷人も静かに息を整えながら視線を向ける。冷静を装ってはいるが、その眼差しには確かな緊張があった。
ザキは肩をすくめ、軽く手を挙げた。
「はいはい。おおきに、ご苦労さん。」
視線は偽アルドから逸らさないまま。
「君ぃらは、確か……異世界から来たっちゅう、特別編入生の子ぉらやんな?」
口調はいつも通り、軽い。
だが内心では、歯車が高速で回転していた。
(特別編入生の子らは、アルドくんとこの預かりやったはず……)
視線を、さりげなく二人の立ち位置へと走らせる。
(どういう状況や?これ)
その瞬間。
「貴様……!」
低く、押し殺したような怒声が響いた。
偽アルドが、ゆっくりと顔を上げる。
瞳の奥に宿るのは、アルドには無い、濁った憎悪。
「貴様はッ!? ザキ・クローバー……!?」
黒い筋が、どくり、と脈打つ。
「余の脚を落とした恨み……忘れてはおらぬぞッ!!」
ザキは、片眉を上げた。
「……は?」
間の抜けた声。
「脚落としたて、そんな物騒な……」
首を傾げる。
だが、次の瞬間。
(その喋り方……)
思考が繋がる。
「君ぃ、ひょっとして……ザイード皇子か?」
その名に、偽アルドの口元が歪んだ。
「気付くのが遅いわッ!」
黒い魔力が、ばちばちと空気を焦がす。
流星が慌てて叫ぶ。
「おいアンタ! 気ぃつけろ!! そいつ、黒い魔力に包まれて、アルドさんのコスプレして暴れ出したんだ!」
「……え? 何て?」
ザキが、わざとらしく聞き返す。
緊迫した空気の中、その間の抜けたリアクションが逆に不気味だった。
雷人が、冷静な声で補足する。
「──お察しの通り、そこにいるのはザイード・ジュナザーン皇子です」
視線は偽アルドから外さない。
「大学構内で学生を襲っていたので僕たちが止めましたが……どういう理屈かは分からない。アルドさんの姿に変身し、さらに暴れ回っているところです」
短く、的確な説明。
ザキは、ふっと笑った。
「説明ありがとうなぁ」
小さく肩を揺らす。
「ま、聞いてもよぉ分からんかったけども」
雷人が、かすかにため息をつく。
「でしょうね。僕も自分で言っていて、まだ全ては飲み込めていませんので」
そのやり取りの間も、偽アルドの魔力は膨れ上がっている。
怒りで震える瞳。
ザキは、ゆっくりと視線を向け直した。
「よう分からんけども……一つだけ分かった事はあるわ」
一歩、踏み出す。
「──あっこにおるのは、アルドくん本人やなくて」
口角が、にやりと上がる。
「あのバカ皇子が、アルドくんそっくりに変身した姿、いう事やね?」
流星が頷きながら叫ぶ。
「ああ、そんな感じだ! だけどよ……!」
歯を食いしばる。
「そいつ、動きや頑丈さもアルドさんをコピーしたみてぇになってるんだ!」
その言葉に。
ザキの細い目が、ぴくりと震えた。
(──つまり)
ゆっくりと、思考が整理される。
(中身はあのドブカス皇子のまま……ガワと力だけ、アルドくんそっくりになっとる言う事やんな)
沈黙。そして、にぃ、と口の端が吊り上がる。
「──なら」
腰の剣に、自然と手が伸びる。
「遠慮なく斬ってもうても良さそうやな」
重心が、すっと落ちる。
足の裏が地面を掴む。
「ええやん」
呼吸が、静かに整う。
「オモロいやん」
居合い抜きの構え。
鞘に収まったままの羽々斬が、わずかに震える。
ザキは、視線だけで雷人と流星を見た。
「特別編入生の君ぃら」
軽い声。
だが、その奥に鋭さが宿る。
「助太刀、いるか?」
流星が、一瞬戸惑う。
「えっ!?」
その一瞬で、雷人の思考は回転する。
(今のこの状況を打破するには……彼の力も借りるべきだ)
冷静な瞳が、決断する。
「助かります」
短く、しかし迷いなく。
ザキは、にっと笑った。
「よっしゃ」
肩を鳴らす。
「ほな、このアルドくんの偽物」
目が、細くなる。
「いっちょシバいたろか」
偽アルド──ザイードが、吼える。
「やってみろォ!! ザキ・クローバーッッ!!」
ドゥン!!
黒い魔力が爆発的に噴き上がり、地面の土が弾け飛ぶ。
白い蛇の紋様が、ぎらりと光る。
森の空気が、張り詰める。
対峙する三人と、一体。
その中心で、ザキは微動だにしない。
唇の端に、わずかな笑みを浮かべたまま。
まるで──
この状況を、楽しんでいるかのように。
◇◆◇
ザキは、視線をほんのわずかだけ後方へ流した。
一条雷人。
乾流星。
ザキは2人の名は知らない。
片や電磁を操る冷静な理系。
片や炎を振るう直情型。
(2人とも、“神器使い”やな……)
構えの重心、呼吸の整え方、間合いの取り方。
(それも、相当な使い手や)
それでも。
視線はすぐに、目の前の“アルド”へ戻る。
黒い筋が脈打つその肉体には、炎も雷も傷一つ刻まれていない。
(にも関わらず、偽アルドくんは無傷……)
喉の奥で、小さく笑う。
(相当タフな相手と考えた方が良さそうやね)
次の瞬間。
ドンッ!!
地面が爆ぜる。
土煙が上がったかと思った刹那には、もう姿がない。
「──ッ!?」
空気が歪む。
瞬きの間、偽アルドは、ザキの懐にいた。
低い姿勢。地を這うような踏み込み。
雷人が叫ぶ。
「危ないッ!!」
遅い。
黒い筋の浮かぶ脚が、鋭く振り抜かれる。
ザキの顔面へ、迷いなく放たれた蹴り。
風圧だけで、頬の皮膚が裂ける。
ザキは反射的に上体を捻った。
鼻先をかすめる衝撃。
頬から、ぴたりと赤い線が走る。
血が一筋、顎を伝う。
その一瞬の間。
ザキの細い目が、見開かれていた。
(これが……)
頬を裂いた風圧を、肌で感じる。
(偽物とはいえ、アルドくんの蹴り……)
ぞくり、と背筋が震える。
(たまらんな……!)
武者震い。
恐怖ではない。
その隙を逃さない。
「俺も加勢するぜッ!!」
流星が地を蹴り、跳躍する。
大剣──"気炎万丈"が、灼熱を纏って横薙ぎに振るわれる。
「──“炎盤”ッ!!」
斬撃の軌跡から、炎の円盤が生まれる。
キィィィン!!
鋸のように回転する火輪が、いくつも宙に浮かび、ブーメランの軌道を描く。
ザキを器用に避けながら、偽アルドへと殺到。
同時に。
雷人が低く身を沈め、左手に握った鉄のベアリング弾へ電力を込める。
パリッ、と青白い火花が散る。
「──"電磁投射連弾《ローレンツ・バレット》"ッ!!」
ドドドドドッ!!
磁力を纏った弾丸が一直線に放たれる。
炎と電撃。
空間を埋め尽くす二重の殺意。
ザキは、その連携を横目で捉える。
(この子ぉらのスキルは……炎と電気か……!)
回転する火輪の軌道制御。
磁力弾の加速精度。
(──汎用性の高い、ええ能力やね)
ほんの少し、羨ましそうに笑う。
(俺のんとは大違いや)
爆炎が炸裂する。
電磁弾が肉を穿つはずの音。
轟音の中、土煙が晴れた。
そこに立っていたのは──
無傷の“アルド”。
黒い筋が、より濃く脈動している。
「無駄だと言うのが……」
低く、歪んだ声。
「分からんかッ!?」
地面の土を、鷲掴みにする。
次の瞬間。
バラバラッ!!
散弾のように土と石が放たれる。
流星と雷人が、咄嗟に武器でガード。
バチバチバチッ!!
金属と魔力がぶつかり、火花が散る。
だが、完全には防ぎきれない。
石片が腕を裂き、砂が足を削る。
「ぐあっ!?」
「クッ……やはり、ダメージが通らない……ッ!?」
二人が着地し、膝をつく。
息が荒い。
ザキは、その攻防を静かに見ていた。
(今の攻撃……)
炎の円盤と電磁投射弾。
あれは普通の相手なら、一瞬で戦闘不能だ。
(並の相手なら、即退場レベルの威力やったのになぁ……)
視線を偽アルドへ戻す。
黒い筋は、より深く浮かび上がっている。
(どうも、この偽アルドくん……)
唇が、ゆっくりと吊り上がる。
(耐久性が並やないみたいやね)
そして。
(──俺向きの相手やん)
その笑みに気付いたのか。
偽アルドが、ぎり、と歯を食いしばる。
「──貴様……」
怒りに染まった目。
「何がおかしいッ!? ザキ・クローバーッ!!」
流星と雷人に止めを刺そうとしていた身体が、方向を変える。
一直線に、ザキへ。
ザキは、軽く手を上げた。
「2人とも、ちょい下がっとき」
声音は、いつもの調子。
だが目は、獣のように鋭い。
「ここは俺に任せときや」
深く、腰を落とす。
居合い抜きの構え。
鞘に収まった羽々斬。
流星が叫ぶ。
「で、でも……!」
雷人も、片膝をつきながら息を呑む。
偽アルドが狂気の笑みを浮かべる。
「砕け散るがいいッッ!! ザキ・クローバーッッ!!」
拳が振り下ろされる。
重力を叩き潰すような軌道。
空気が裂ける。
その瞬間。
ザキの声が、静かに響いた。
「──三葉流居合術・一式……」
ほんの一瞬。
呼吸が止まる。
「"不動閃"……!」
キンッ──
音は、ほとんど無かった。
鞘から刀が解き放たれた時間は、瞬きにも満たない。
次の瞬間。
ザキと偽アルドが、交差する。
時間が、わずかに遅れる。
そして。
パァン!!
偽アルドの突き出した右腕に、何本もの赤い筋が走る。
一拍遅れて、鮮血が弾けた。
「な、何ィィィィーーッ!?!?」
絶叫。
黒い筋の上に、はっきりと刻まれた斬痕。
血が噴き出し、地面を染める。
流星が、呆然と呟く。
「に……偽物とはいえ、アルドさんを……」
雷人が続ける。
「斬った……!? それも、ただの居合い抜きで……ッ!?」
偽アルドは、信じられないものを見るように、自分の腕を見つめる。
黒い筋がざわめく。
ザキは、ゆっくりと振り返った。
細い目を、さらに細める。
「すまんなぁ」
にぃ、と笑う。
「俺の居合いは、何でも斬れんねん」
鞘に、静かに刀を収める。
キンッ、と澄んだ音。
「“そういうスキル”やからね」
森に、再び静寂が落ちる。
ただ、偽アルドの腕から滴る血だけが、ぽたり、ぽたりと音を立てていた。
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