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あ、私このままじゃ結婚できない気がしてきた
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私の名前は坂上涼子28歳。独身で弁護士をやっている。
私は今、非常にムカついている。
コンビニの書籍売場の前でイチャついている高校生カップルにだ。
コイツら扶養されてる癖に28年間頑張ってきた私より幸せになっているとはどういう事なんだ。
しかも、頑張っても報われない可哀想な私の楽しみである恋愛小説「チューリップと薔薇」の最新刊を買う邪魔までするとは。
弁護士としての地位や名声や財力を持ってしてもこんな高校生カップルに私は踏みにじられるというのか!
すると急に肩を叩かれてビクッとなる。
「はっ」
振り向くとウチの弁護士事務所の所長だった。
「坂上、またリア充睨みつけてるのか?恐ろしいな」
「織田所長!に、睨みつけてなんかいないですよ。考え事してただけですよ」
「最近の法律は巧みだからな。捕まらないように気を付けろよ。ははは」
そう言うと織田所長はタバコを買ってコンビニを出て行った。
織田所長の年は確か43。奥さんと二人の子供が居て弁護士事務所の所長で趣味はサーフィンという非の打ち所の無いリア充だ。
それに比べて私は片思いはあっても付き合った事はない。自分で言うのもなんだが、子供の頃から優秀だった。勉強だけでなくバスケで県ベスト4までいった部のキャプテンもしていた。
弁護士としても優秀でどんな酷い状況でも無罪や執行猶予を勝ち取ってきた。優秀な弁護士には自然と悪くて金持ちの奴からの依頼が集まる。
そして今では悪徳女弁護士なんて呼ばれるようになった。私は依頼された仕事を一生懸命こなしてきただけなのに。頑張れば頑張るほど悪徳女弁護士としてのレベルが上がっていくのだ。
子供の頃は大人になれば誰でも結婚できるものだと思っていた。弁護士になれば誰からも感謝されるものだと思っていた。
なのに今は彼氏すら出来ず悪徳弁護士と呼ばれているこの状況。
そんな事を考えていたら高校生カップルがコンビニを出て行ったので恋愛小説「チューリップと薔薇」の最新刊と弁当とお茶を買ってため息をつきながらコンビニを出る。
すると曲がり角で若い男性とぶつかりそうになるが、バスケで培った経験により頭より体が反応する。腰を落としスライドステップ。ギリギリかわす。
ああ、普通はあそこでぶつかって倒れてヒールが折れたり弁当がひっくり返ったりして、相手がすみませんと言いながら恋に発展していくんだろうな、と思いながら歩いていると男性が話しかけてくる。
「スカートに穴空いてますよ」
手で確認すると確かに破れている。
「あわわわわわ」
スライドステップした時に腰を落として足を開いたからだろう。
とりあえず壁に背中をつけ誰からも見えないようにする。
男性が
「すみません。僕とぶつかりそうになったのを避けて破れちゃったんですよね。大丈夫ですか?」
と声をかけてくる。
長身でややイケメン。年は30代前半といったところ。優しそうな顔をしている。
とりあえず
「大丈夫です」
といってみたもののどうしたものか。
「良かったら僕のジャケット使ってください」
と着ているジャケットを脱いで渡される。
着てみると、なるほど長身の男性のジャケットを羽織ると私のお尻まで隠してくれるようだ。
「ありがとうございます」
と言い男性の左手を見る。
やっぱり薬指に指輪がある。30代でこういう気遣いができる男性はだいたい結婚している。
ああ、この人もリア充か、この人が独身だったら良かったのになぁ。こんな運命的な出会い方もなかなかないと思うし。
あれ?数年に一度くらいしかないこのシチュエーションを既婚男性に使ってしまったのか?次はいつ来るんだ?来年?再来年は私はもう30歳になってるぞ。
じゃあこのリア充は私の貴重なミラクルを無駄撃ちさせたのか。恨めしいな。帰ったら奥さんに「困ってる女性がいたから助けたんだぜ」みたいな事を言うんだろうな。くぅぅ、、
「はっ!」
我に帰る。危ない、助けてくれた善良なリア充になんて事を考えるんだ私。落ち着け私。落ち着け私。
私は気持ちを切り替えて
「ありがとうございました。本当に助かりました」
と、愛想笑いをしながら言った。
その後、事務所に戻って仕事してマンションに帰ったのは23時。一人暮らしの部屋は冷え切っていて寂しさと孤独を感じる。
お風呂から出て見ないテレビをつけっぱなしにしながらベッドに入り恋愛小説「チューリップと薔薇」の最新刊を読み始める。眠くなったら寝て、朝6時半に起きて仕事に行く。
あ、私このままじゃ結婚できない気がしてきた。
私は今、非常にムカついている。
コンビニの書籍売場の前でイチャついている高校生カップルにだ。
コイツら扶養されてる癖に28年間頑張ってきた私より幸せになっているとはどういう事なんだ。
しかも、頑張っても報われない可哀想な私の楽しみである恋愛小説「チューリップと薔薇」の最新刊を買う邪魔までするとは。
弁護士としての地位や名声や財力を持ってしてもこんな高校生カップルに私は踏みにじられるというのか!
すると急に肩を叩かれてビクッとなる。
「はっ」
振り向くとウチの弁護士事務所の所長だった。
「坂上、またリア充睨みつけてるのか?恐ろしいな」
「織田所長!に、睨みつけてなんかいないですよ。考え事してただけですよ」
「最近の法律は巧みだからな。捕まらないように気を付けろよ。ははは」
そう言うと織田所長はタバコを買ってコンビニを出て行った。
織田所長の年は確か43。奥さんと二人の子供が居て弁護士事務所の所長で趣味はサーフィンという非の打ち所の無いリア充だ。
それに比べて私は片思いはあっても付き合った事はない。自分で言うのもなんだが、子供の頃から優秀だった。勉強だけでなくバスケで県ベスト4までいった部のキャプテンもしていた。
弁護士としても優秀でどんな酷い状況でも無罪や執行猶予を勝ち取ってきた。優秀な弁護士には自然と悪くて金持ちの奴からの依頼が集まる。
そして今では悪徳女弁護士なんて呼ばれるようになった。私は依頼された仕事を一生懸命こなしてきただけなのに。頑張れば頑張るほど悪徳女弁護士としてのレベルが上がっていくのだ。
子供の頃は大人になれば誰でも結婚できるものだと思っていた。弁護士になれば誰からも感謝されるものだと思っていた。
なのに今は彼氏すら出来ず悪徳弁護士と呼ばれているこの状況。
そんな事を考えていたら高校生カップルがコンビニを出て行ったので恋愛小説「チューリップと薔薇」の最新刊と弁当とお茶を買ってため息をつきながらコンビニを出る。
すると曲がり角で若い男性とぶつかりそうになるが、バスケで培った経験により頭より体が反応する。腰を落としスライドステップ。ギリギリかわす。
ああ、普通はあそこでぶつかって倒れてヒールが折れたり弁当がひっくり返ったりして、相手がすみませんと言いながら恋に発展していくんだろうな、と思いながら歩いていると男性が話しかけてくる。
「スカートに穴空いてますよ」
手で確認すると確かに破れている。
「あわわわわわ」
スライドステップした時に腰を落として足を開いたからだろう。
とりあえず壁に背中をつけ誰からも見えないようにする。
男性が
「すみません。僕とぶつかりそうになったのを避けて破れちゃったんですよね。大丈夫ですか?」
と声をかけてくる。
長身でややイケメン。年は30代前半といったところ。優しそうな顔をしている。
とりあえず
「大丈夫です」
といってみたもののどうしたものか。
「良かったら僕のジャケット使ってください」
と着ているジャケットを脱いで渡される。
着てみると、なるほど長身の男性のジャケットを羽織ると私のお尻まで隠してくれるようだ。
「ありがとうございます」
と言い男性の左手を見る。
やっぱり薬指に指輪がある。30代でこういう気遣いができる男性はだいたい結婚している。
ああ、この人もリア充か、この人が独身だったら良かったのになぁ。こんな運命的な出会い方もなかなかないと思うし。
あれ?数年に一度くらいしかないこのシチュエーションを既婚男性に使ってしまったのか?次はいつ来るんだ?来年?再来年は私はもう30歳になってるぞ。
じゃあこのリア充は私の貴重なミラクルを無駄撃ちさせたのか。恨めしいな。帰ったら奥さんに「困ってる女性がいたから助けたんだぜ」みたいな事を言うんだろうな。くぅぅ、、
「はっ!」
我に帰る。危ない、助けてくれた善良なリア充になんて事を考えるんだ私。落ち着け私。落ち着け私。
私は気持ちを切り替えて
「ありがとうございました。本当に助かりました」
と、愛想笑いをしながら言った。
その後、事務所に戻って仕事してマンションに帰ったのは23時。一人暮らしの部屋は冷え切っていて寂しさと孤独を感じる。
お風呂から出て見ないテレビをつけっぱなしにしながらベッドに入り恋愛小説「チューリップと薔薇」の最新刊を読み始める。眠くなったら寝て、朝6時半に起きて仕事に行く。
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