僕が”僕”じゃなかったら

パれっと

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 ―――――起―――――

3話「どうすれば、あなたの“1番”になれますか?」㉝ー虐ー

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その、
仲良くしていた女の子が、

急に
私を、無視するようになった。


それに、呼応するみたいに、
同じグループで仲良くしていた
他の子も、

他のグループの子も、

私を、無視して。


その女の子は、私を、
視界に入れないようにして、
部活でも、私を、
空気みたいに扱った。


ラリーとかのペアの練習も、
私が話しかけようとしても、
みんなで、気付かないふりをして。

人数が偶数のときも、
「余っちゃったから入れてー」
と、3人になって、練習を始めて、

私は
どうしていいか、わからなくなって、
1人黙って、立って。


廊下とかで、ばったり会うと、
通りすがりに、その女の子に、
舌打ちされるようになって。


でも、
そんないじめに、参加していない子もいて、

そういう子と話していると、
その女の子は、
私と話していた子を、
手招きして呼んで、

「何であいつと喋ってんの」
って、
私にも聞こえる声で、言って。


トークアプリでも、
グループを退会させられて。


トイレで個室に入っているとき、
その女の子達のグループの、話し声が、
聞こえたときがあって、

「小春って、
 いつもへらへらしてるよね」
「男子に媚び売っててキモいんだけど。
 マジ男好きだよね」
なんて声が、
トイレの中で、響いて。



そんな、日が、続いて。


…本当に、


………辛くて。


たまらなく、




…怖かった。

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