僕が”僕”じゃなかったら

パれっと

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 ―――――起―――――

3話「どうすれば、あなたの“1番”になれますか?」㊱

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 そして、
 その日になって。

おばあちゃん家に行った
お母さんと別れて。

私は、
どこへ行く用事もないから、

あの、
小さな公園に、行った。

…そこは、
知り合いに会わないってことを、
よく、知っていたから。







 ベンチに座って、
足をぶらぶらしながら、

…お母さんとの待ち合わせまで、
まだ大分あるな。
なんて、
ぼんやり、考えていたとき。








  「…小春?」


 
 後ろから、
 呼ばれて。



 その声に、


 体が、固まった。

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