僕が”僕”じゃなかったら

パれっと

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 ―――――承【2】―――――

6話「『同性だから付き合わない』のは、“当たり前”。」㊶

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俺、は、

良太から、紙袋へと


目を
落とす。





「……開けて、いいか?」

尋ねると、

「うん。」

良太の
穏やかな声が返され。



ガサリと、中を開け、

 緑色のペンケースが、出てきた。


「あっくんの今のやつ、
 中学のときから使ってるから、
 もう替え時かなって思ったんだけど…
 どうかな?」


俺は、穏やかな声を聞きながら、


「………ああ。」

ペンケースを、



胸の辺りで、

そっと、両手で包む。




「……大事に…する。

 ………ありがとう。」



小さく言うと、

良太は、
目を細めて笑った。





「……じゃあ…

 さっき桜からもらった
 ストラップ、
 これに付けるか…。」


「……
 え?
 何そのもやしっぽいの。」


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