僕が”僕”じゃなかったら

パれっと

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 ―――――結―――――

10話「君への気持ちは、“恋”じゃない。」(62)

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 劇の本番のとき。


あっくんを見ていたら、




また、




キスしたくなって。










  …キス


  してしまった。










…キスなんて、


 “友達” にやることじゃ、ないのに。









その後も、


あっくんを見ると。



自然と、


唇に、目が行ってしまって。





あのときの感触を、

思い出して、しまって。













 …また、







  …もっと、






    キスしたい。






 って、


 …思って、しまっていた。


















 それから、

 あっくんの部屋に行って。



自分の、

こんな、変な気持ちを、話したら、


気持ち悪がらずに、聞いてくれて。







…キスされて。





その、



さらさらして、


肉球よりも柔らかい、


あっくんの、唇の、感触に。





…何も




考えられなくなって。






身体が、



勝手に、動いて。










…もっと、





自分が知らない、



あっくんの感触を、知りたくて。





もっと、


もっと、と、



求めて。







どこを触れても、


すごく、


気持ち良くて。





そうして。


気付けば、




あっくんを、押し倒していた。


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