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 ―――――第1部―――――

2話「“男女”なら、気付かれたんだろうな。」㉕

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「………プレゼント、さ。」



そのまま、





「…ちゃんと…あげてないから…


 ……何か…やるよ……。」





良太へ、囁き。









「……俺にできることなら…


 …何でも、してやる。」







茶色い瞳を、上目に見て。







「…誕生日なんだから…


 少しくらい…




 ……たが、外しても、

  いいんじゃ…ないか…?」







瞳の奥まで、見つめられながら、

唇を、動かす。












 そうすると、

良太は、口角を上げて。





「………じゃあ…」






良太の


もう片方の手が、


俺の手を、取って。






 両の掌を、合わせ。


 指を絡めて、握ってきた。








 「…………キスしていい?」


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