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 ―――――第2部―――――

3話「君のものに、なりたい。」(57)ー声ー

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【凪碧視点】










唇を、


手で、防がれて。









 「……できない。」


















  「… セックスは、できない。 」














そう、良太の口から、



くろい言葉が、落とされた。














自分は、



良太の頬から、手を離し。





俯いて。



真下へ、
目を、落として。




















「………………………… “男” だから?」











喉から


掠れる音が、漏れた。


















「………俺…が、






   …… “女” …じゃ…


    …ない……から……?」












「…女じゃないから……





  ………抱けないの……?」











落ちていく、

自分の中の、声と、一緒に、






涙が、こぼれて。
















「…………こは…る…とは……


 ……………した……くせ……に………」







止まらずに、

どんどん、

自分の脚に、落ちる。











 すると





 ふわりと、

 頭に、
 良太の掌が載るのを、感じて。









  「……違うよ。」







 良太の声が、降ってくる。


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