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畑チームはどうした

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 アチュチュとパイチェの会話

「あなたたちが来てから狩りの効率が格段にあがりました。感謝しています」

「にゃー」

「お婆さまの話では、デスパンサーに会ったら味方に被害が及ばないように味方の逆方向に逃げてから死ねと言われていましたが⋯⋯ふふふ、こんなにかわいくて愛着が湧くとは思いもしませんでしたよ」

「にゃー」

「そういえば、ウィップさんとパイチェさんではどちらのほうが強いんですか?」

「にゃー」

「失礼しました。みんなで力を合わせて使徒様のために頑張ればいいんですよね」

「にゃー」

「しかし気になるのは初めて出会った時のあなたたちの怪我です。あの真っ赤な熊にやられたわけではないのですよね?」

「⋯⋯ぐるるるる」

「デスパンサー2頭を負傷させるほどの存在ですか。間違っても使徒様に近づけるわけにはいきません。狩りに出た際にも何か痕跡がないか注意して探すようにアシェラ様に進言しましょう」

「にゃー」

「ところで、わたしにはデスパンサーの言葉は分からないのですが、あなたたちはわたしの言葉が理解できるのですよね? いつかわたしも理解出来る様になったら、ガールトークでもしてみたいものです」

「にゃー」


 アシェラとメイドチームリーダーの会話

「アシェラ様、先日の使徒様のご活躍は凄かったそうですね」

「ええ。50頭を超える暴走雄羊の群れでしたが、48頭は使徒様が瞬殺していましたね」

「48頭を瞬殺ですか? それは凄まじいですね。 いったいどうやって?」

「あなは使徒様の武器を知っていますか?」

「ええ。いつも料理の時に使う包丁ですよね」

「その包丁を、今回は大型チョッパーナイフの形にして、ぶった斬りでした」

「チョッパーナイフ?」

「骨の付いたままの肉を切ったり、硬い魚の頭の骨を切ったりするのに使う包丁だそうです」

「それは⋯⋯雄羊たちも愚かなことをしたと悔やんだことでしょうね」

「包丁も確かに凄いですが、いちばん凄いのは使徒様ご自身でしょうね。魔物も魔獣も一瞬で急所を見抜き、冷静に一撃で仕留めてしまいます」

「そんなに凄い戦士には、正直見えないんですけどね」

「わたしもですよ。でも、あの強さはお婆さまより遥かに上です。竜や魔王でも軽くあしらうのではないでしょうか」

「使徒様はそんなことはされないと思いますよ」

「そうですね。心穏やかに過ごしていただけるよう、よりいっそう精進するとしましょう」

「はい!」
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