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それぞれの仕事 後編

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お次は畑チームの仕事内容について。

 以前はシムルグ印の畑と普通の畑とがそれぞれ5面ずつだったが、数回の収穫を経てとくに問題なしと判断して今ではシムルグ印が15面に普通の畑が5面と、作付面積は倍増している。

 シムルグ肥料のおかけで成長も早いので、収穫量はもっと遥かに多い。

 畑メンバーと俺とで話あって、植える作物を考えてはいるけれどまだまだ品種は少ない。

 近場で野生で実っている野菜はおそらくほとんどうちの畑で栽培可能になっていると思うので、あとはよそから手に入れてくるしかない。

 欲しいものはいろいろあるが、やはり米はなんとかして入手したい。

 白いご飯があれば丼ものも出来るし、野菜や肉を使った寿司だって出来る。

 ああ、でもそうすると今の畑チームだけでたんぼも見るのは難しいか⋯⋯人手の問題はどうにもならない。

 森チームの様子。

 デスパンサーのウィップ、パイチェ、フルスタの中から2頭を連れて狩りに行くのが最近のスタイル。

 ちなみに残りの1頭は屋敷に残って畑チームやメイドチームの護衛をしている。

 まだ小さいフルスタも張り切って働いているみたいで、ひとり(1頭)で火魔法で角うさぎや口裂け鹿を狩れるようになったらしい。

 ちなみにシムルグはデスパンサーもハイエルフもまだひとりでは無理。

 基本的にはデスパンサーが獲物を誘導してきて、待ち伏せしていたハイエルフが弓や魔法でしとめるスタイル。

 成功率はなかなか高いみたいだが、弓で仕留めると毛皮の使える部位が少ないのが難点といえば難点かな。

 とにかく森チームにいちばん頼みたいのは怪我をせず無事に帰ってきてもらうこと。それがいちばん大事。

 うちに来た当初はアシェラ以外のハイエルフの強さは似たり寄ったりだったが、今は森チームのメンバーは他のメンバーにだいぶ差を付けているようだ。

 最後に俺の仕事。

 まず、森チームが取ってきた肉や木の実を解体加工して日持ちするようにする。畑チームの野菜類も同様だ。

 昼食の支度は手伝い程度。メイドチームが自分たちで工夫して考えた料理が昼食には出されるからだが、味はまあ⋯⋯まだ改善の余地は大きいな。

 各チームを見回って問題が無いか確認。何かあれば都度手助けしたり助言したりしている。

 夕飯の準備は俺がメイン。人数が多いからなかなか大変だけどメイドチームに手伝ってもらいなんとかこなしている。

 技術は目で盗めなんて言わず、何でも教えることにしている。料理文化が違いすぎて見るだけでは分からないことが多すぎるからな。

 そして今は料理の研究中だ。

 創造神の爺さんと約束した究極の料理を作ること。至高の料理だったか? とにかく、俺がこの世界で過ごす理由のひとつだ。

 地球の料理とこの世界の料理。それらをうまく組み合わせて昇華させることが出来るだろうか。

 難しいが、料理人としてのやりがいを感じる。

「使徒様! 雄羊が大群でこちらに向かってきています!」

 やれやれ。今度はどう料理してくれようか。
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