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SS No.3 桜見のころ
ひと昔のキオクを思い出して
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百合子は、芳夫・美香といっしょに雑談をしながら食事をした。
たわいのない親子としての話、学校や職場での話に及んだ。
さて、時刻は一一と一五を示す頃。
百合子たちは、美香特製のお弁当と和菓子を食べ終えた。
それとともに、
「お母さん、ありがとう。いつものお母さんのお弁当もおいしいけど、このお弁当ほどおいしいものはないと思うわ。」
百合子は、美香に対して満足げな表情で弁当についていい評価をした。
彼女は、ミシスランの三ツ星レストランの食事をしたばかりのお客を思わせる様子だった。
「百合子、ほめてくれてありがとう。」
美香は、これまた照れ臭げに頬をピンクに染め、大人しい眼差しで百合子に言葉をかえした。
続けて、
「ねぇ、お父さん。せっかく、小金井に来たのだから、おじいちゃんのお墓にいってきてもいいかな?」
百合子は、目線を右側にうつし、やさしくもうったえかける目で芳夫に求めてきた。
「百合子、行っていいぞ。」
芳夫は、気前のいい父親らしい表情で彼女からの求めに応じることにした。
よって、百合子は美香たちと一旦別れ、養祖父の墓参りにいくことにした。
百合子は、美香から線香・ライターをかりうけた後、広場を発った。
百合子は、さくらのふぶきが舞い、やまぶき・たんぽぽなどの花が映える小金井公園の桜並木をなだめつつ、五日市街道脇に掛かる橋を過ぎ、清らかな水の流れが美しい玉川上水の南側の土手を三鷹の方向に向けて歩いた。
さて、彼女は、玉川上水沿いを三鷹方面に少し進んだ先にある墓地に向かっていた。
その途中、
「やまざくらを見ていると、心洗われるようだ。まるで、館山での獣の戦いが幻だったかのように思えるわ。」
百合子は、ヤマザクラが競うようにして咲き誇る玉川上水沿いの桜並木で足を止め、うっとりと魅了された様子を見せていた。
「そういえば、私って向こう、アマツホシの世界にいたとき、妹やいとこたちがいて、一緒に桜木の下で遊んでいた気がする。たしか、トヨタマと誰だったかな?今になって名前が思い出せないわ。」
百合子は、何か思いに更ける様子で桜を見つめ、地球に来る前のすばる王朝のタキリ姫だった時や遊び相手の記憶を一部ひきだしていた。
すると、
「タキリ姉様、お久しぶりです。」
どこからともなく、天上の方向より百合子に呼びかける声がした。
声は、女の子のものでパンのようにやわらかくしっとりとしており、語り方は百合子に似ていた。
「あなたは、誰かしら?私のことを知っているのなら、いますぐ姿を表して!!」
百合子は、それを耳にするなり、四方八方あらゆる方角に顔を動かして警戒し、少し強くて聞き取りやすい声で女の子に対して呼びかけた。
百合子の呼びかけに応ずるように、声の主が桜木の幹陰より現れ、その姿を見せた。
声の主は、百合子と同じ天女であった。
その天女は、タキリ姫でいる時の百合子と色違いの緑色の冠・首飾り・着衣などの出で立ちであり、細くくびれた部分にまかれた細い腰帯は、すばる王朝の王女であることを示す蜜柑色であった。
また、姿や語りかたは親友の茜にうりふたつであり、異なる点としては、髪が濃茶色、色白の肌、緑色の瞳、手に持つ弓矢くらいだった。
「あれ、茜ちゃん。どうして、ここに?」
百合子は、緑色の天女を見るなり、親友の茜だと認識した。
彼女は、その顔をみて、まさにはっと驚いた様子でいた。
たわいのない親子としての話、学校や職場での話に及んだ。
さて、時刻は一一と一五を示す頃。
百合子たちは、美香特製のお弁当と和菓子を食べ終えた。
それとともに、
「お母さん、ありがとう。いつものお母さんのお弁当もおいしいけど、このお弁当ほどおいしいものはないと思うわ。」
百合子は、美香に対して満足げな表情で弁当についていい評価をした。
彼女は、ミシスランの三ツ星レストランの食事をしたばかりのお客を思わせる様子だった。
「百合子、ほめてくれてありがとう。」
美香は、これまた照れ臭げに頬をピンクに染め、大人しい眼差しで百合子に言葉をかえした。
続けて、
「ねぇ、お父さん。せっかく、小金井に来たのだから、おじいちゃんのお墓にいってきてもいいかな?」
百合子は、目線を右側にうつし、やさしくもうったえかける目で芳夫に求めてきた。
「百合子、行っていいぞ。」
芳夫は、気前のいい父親らしい表情で彼女からの求めに応じることにした。
よって、百合子は美香たちと一旦別れ、養祖父の墓参りにいくことにした。
百合子は、美香から線香・ライターをかりうけた後、広場を発った。
百合子は、さくらのふぶきが舞い、やまぶき・たんぽぽなどの花が映える小金井公園の桜並木をなだめつつ、五日市街道脇に掛かる橋を過ぎ、清らかな水の流れが美しい玉川上水の南側の土手を三鷹の方向に向けて歩いた。
さて、彼女は、玉川上水沿いを三鷹方面に少し進んだ先にある墓地に向かっていた。
その途中、
「やまざくらを見ていると、心洗われるようだ。まるで、館山での獣の戦いが幻だったかのように思えるわ。」
百合子は、ヤマザクラが競うようにして咲き誇る玉川上水沿いの桜並木で足を止め、うっとりと魅了された様子を見せていた。
「そういえば、私って向こう、アマツホシの世界にいたとき、妹やいとこたちがいて、一緒に桜木の下で遊んでいた気がする。たしか、トヨタマと誰だったかな?今になって名前が思い出せないわ。」
百合子は、何か思いに更ける様子で桜を見つめ、地球に来る前のすばる王朝のタキリ姫だった時や遊び相手の記憶を一部ひきだしていた。
すると、
「タキリ姉様、お久しぶりです。」
どこからともなく、天上の方向より百合子に呼びかける声がした。
声は、女の子のものでパンのようにやわらかくしっとりとしており、語り方は百合子に似ていた。
「あなたは、誰かしら?私のことを知っているのなら、いますぐ姿を表して!!」
百合子は、それを耳にするなり、四方八方あらゆる方角に顔を動かして警戒し、少し強くて聞き取りやすい声で女の子に対して呼びかけた。
百合子の呼びかけに応ずるように、声の主が桜木の幹陰より現れ、その姿を見せた。
声の主は、百合子と同じ天女であった。
その天女は、タキリ姫でいる時の百合子と色違いの緑色の冠・首飾り・着衣などの出で立ちであり、細くくびれた部分にまかれた細い腰帯は、すばる王朝の王女であることを示す蜜柑色であった。
また、姿や語りかたは親友の茜にうりふたつであり、異なる点としては、髪が濃茶色、色白の肌、緑色の瞳、手に持つ弓矢くらいだった。
「あれ、茜ちゃん。どうして、ここに?」
百合子は、緑色の天女を見るなり、親友の茜だと認識した。
彼女は、その顔をみて、まさにはっと驚いた様子でいた。
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