sandwich

水市 宇和香

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bed

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 快感が走った。
 気持ちいい。
「ンあ……あ、っ」
 遠くから断片的に声が聞こえる。快感と同じタイミングで。
(あれ、なんで……?)
 瞼がひくひくした。あ、もう朝か。起きなくちゃ。身をよじろうとしたら、快感の波が大きくなる。
「あ……ッ!」
 一瞬の悲鳴で完全に目が覚めた。今の声が自分のものだったと認識して、反射的に下肢へ目をやる。やっぱり。
 僕のズボンとトランクスはずり下げられ、アレを中心に白い液が飛び散っていた。背後から伸びる手にも。
 僕は抱き込まれながら、射精していたのだ。
(またか……)
 何日かに一度は必ず、こんなことがある。こちらに背を向けて寝てるオレンジ頭は皐月だ。ということは、今日後ろにいるのは優士だ。気づかれないように腕を外そうとしたら、きつく抱きしめられた。
「優士……どいて」
「まだ起きる時間じゃないよ」
 寝起き特有のかすれた声。耳元で囁かれると、この状況とあいまって妙な空気になる。友だちなのに。
「ふふ、身体ならあとで拭くから。ね?」
 身体を拭くって台詞がなんだか直接的な気がして恥ずかしい。何も言えずに身を縮こまらせていたら、皐月がこちらを向いた。
「今何時だよ……」
 低血圧の皐月は不機嫌そのもの。そのくせ二度寝しないで、僕の出した白いソレを指で掬いとってペロリと舐める。
「薄……」
 そんなことしないで、言わないで。そう言えたらいいのに。関係が崩れるのが怖くて、僕は口ごもる。
 部屋に充満する独特の臭いが恥ずかしい。顔をしかめた僕のそばに、皐月が寄ってくる。キングサイズのベッドでも、男三人が横になればそんなに余裕はない。なのにギュギュッと詰めてくるものだから、皐月のスウェットに精液をつけてしまった。
「あ、ごめん……」
 ぬぐい取ろうと伸ばした手を掴まれる。引き寄せられて頬にキス。優士には、乳首の周りを丸くなぞられた。
「んあっ……!」
「感じてんのか?」
「かわいい」
 皐月のもう片方の手は、お尻を撫でる。
 二人がかりで女の子にするように身体をいじられて、僕は悲しくなってくる。二人はモテるから、こういうこと、よくシてたのかもしれないけど。僕は二人にされるまで経験したことなかったんだ。アイドルみたいに売れてしまったから、女の子と遊べなくなったのはわかる。でも、だからって二人の性欲のはけ口に身体を使われるなんて。
 ううん、性欲ってことでもないのかもしれない。ストレス発散のために、冗談で僕の身体をいじってるだけなのかも。どっちにしても、僕は男で友だちなのに。
 一緒のベッドで寝ることさえなくなれば、二人はまた、ただの友だちに戻ってくれるんだよね?
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