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I'm home
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テレビを見てたら、ふと良い匂い。振り返れば、カウンターキッチンの向こうで優士がフライパンの蓋を持ち上げていた。
「今日はチキンのトマト煮だよ」
「わあっ、やったあ!」
「ふふ、そろそろ皐月起こしてきてくれる?」
「わかった!」
トマトソースの香りに否が応にも期待が高まる。こないだ食べたいって言ったの覚えててくれたんだ、楽しみだなあ!
ワクワクしながら立ち上がれば、「もー起きた」って声がする。大きく伸びをしながら、皐月がベッドから身を起こしていた。このマンションはワンルームだから、良い香りが皐月にも届いたんだろう。ボクサーパンツ一丁でそのへんに脱ぎ捨てられたスウェットを着始めるのを見届けて、二度寝はないと確信。
「何か手伝えることないかな?」
ローテーブルの上を片づけながら、優士に声をかける。
「それじゃあ、ご飯よそってくれる?」
「うん」
「テレビの真似して、バターライス作ってみたんだ」
「ほんとだ! 炊飯器で作れるんだねぇっすごい!」
キッチンに入って、茶碗を出す。優士が犬、皐月が猫、僕がリスの絵のやつだ。(ここに越して来るとき優士が買ったんだよ……優士の趣味って……はは)
バターライスとサラダを運ぶあいだに、優士はスープとチキンを盛りつけ終えた。
「優士が料理当番の日って、お店でご飯食べてるみたい」
「大げさだよ」
(全然大げさじゃないのに!)
僕や皐月の場合、和洋中ばらばらになったり焼くだけだったりしてしまう。だけど優士は煮物も蒸すのもうまいんだ!
「へーうまそう」
リビングにやって来た皐月が、バターライスのマッシュルームをつまんだ。
「あーっまだだめだよ」
「少しくらいいいだろ」
「そう言って人のぶんまで食べちゃうんだから」
「皐月、テレビは8チャンにしておいて」
「あぁ? 6だろ」
わいわい。一緒に暮らすようになってから毎日にぎやかで楽しい。みんな同じ部屋だから、自然と会話が増えるし。
でも、なんでだか二人が怒るから言えないけど、それでも僕は、本当は一人暮らしがしたい。それが無理ならせめて一人部屋が欲しいんだ。じゃないときっと、僕らの関係が変になる。
「今日はチキンのトマト煮だよ」
「わあっ、やったあ!」
「ふふ、そろそろ皐月起こしてきてくれる?」
「わかった!」
トマトソースの香りに否が応にも期待が高まる。こないだ食べたいって言ったの覚えててくれたんだ、楽しみだなあ!
ワクワクしながら立ち上がれば、「もー起きた」って声がする。大きく伸びをしながら、皐月がベッドから身を起こしていた。このマンションはワンルームだから、良い香りが皐月にも届いたんだろう。ボクサーパンツ一丁でそのへんに脱ぎ捨てられたスウェットを着始めるのを見届けて、二度寝はないと確信。
「何か手伝えることないかな?」
ローテーブルの上を片づけながら、優士に声をかける。
「それじゃあ、ご飯よそってくれる?」
「うん」
「テレビの真似して、バターライス作ってみたんだ」
「ほんとだ! 炊飯器で作れるんだねぇっすごい!」
キッチンに入って、茶碗を出す。優士が犬、皐月が猫、僕がリスの絵のやつだ。(ここに越して来るとき優士が買ったんだよ……優士の趣味って……はは)
バターライスとサラダを運ぶあいだに、優士はスープとチキンを盛りつけ終えた。
「優士が料理当番の日って、お店でご飯食べてるみたい」
「大げさだよ」
(全然大げさじゃないのに!)
僕や皐月の場合、和洋中ばらばらになったり焼くだけだったりしてしまう。だけど優士は煮物も蒸すのもうまいんだ!
「へーうまそう」
リビングにやって来た皐月が、バターライスのマッシュルームをつまんだ。
「あーっまだだめだよ」
「少しくらいいいだろ」
「そう言って人のぶんまで食べちゃうんだから」
「皐月、テレビは8チャンにしておいて」
「あぁ? 6だろ」
わいわい。一緒に暮らすようになってから毎日にぎやかで楽しい。みんな同じ部屋だから、自然と会話が増えるし。
でも、なんでだか二人が怒るから言えないけど、それでも僕は、本当は一人暮らしがしたい。それが無理ならせめて一人部屋が欲しいんだ。じゃないときっと、僕らの関係が変になる。
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