不幸続きの俺は人を辞めることになりました!

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第六話 召喚

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濃密だった転生初日は終わり、2日目を迎えた。

学校に通う為の手続きには一週間はかかるらしいので、俺はこの一週間で出来る限りの世界に関する知識を身につける為に今日は図書館に行こうとしていたのだが、

「ヤマトさーん!起きてますか?」

「おう、起きてるぞ」

「お話があるので部屋に入っても大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だ」

「では失礼します」

そう言い、部屋に入って来たのは制服を着たルナだった。

「へぇ~、ブレザーなのか~」

「はい!うちの学校は男女ともにブレザーですよ」

「似合ってるね」

「へへ♪・・・ありがとうございます♪」

昨日着ていた女戦士風の装備も地球じゃ見れないから新鮮で良かったけど、

ブレザーも安心感があっていいね!

・・・・何言ってんだ俺は

「あ、お話の内容なんですけどね!」

「今日はまたギルドの方に行ってください!」

ギルド?もしかして今日から仕事始めんの?

俺は今日、仕事よりも図書館で情報収集の方が重要なんだけど・・

もしかして、部屋を貸す以上は今すぐ金を家に収めろってことか?

「えーと、どうしてかな?」

「学校に関係することらしいです!」

良かった~、今すぐ働けとかじゃなくて。

「あ~、なら仕方がないか」

「それと学校がある日は夕方まで帰って来ませんので、代わりにリリアが付いててくれます」

「あいわかった」

「それじゃあ私はもう家を出る時間なので行きますね!」

「おう、いってら~」

「はい!いってきます!」

それじゃあ俺も出掛ける支度をするかな?



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「いや~、またここに来ることになろうとは!」

「あの家で暮らす以上はかなりの頻度で来ることになりますよ」

俺達は現在、迷いの森に居ます。

それもギルドに向かう道中です。

どうやらルナの家は迷いの森を超えた先に建てられているようで、ピークスに行くには毎回迷いの森を通り抜けなくてはならないようです。

「それにしても、ルナもそうだったけど、なんで二人とも道が分かるの?俺からしたら同じ木にしか見えないんだけど」

「それは、あれですよ・・・メイドだからです」

「ルナはメイドじゃないんだけど」

「ルナ様は直感だと思います」

「直感でここが抜けられるの?!」

「まあ、もちろん冗談です」

「冗談だったの!!」

「それはそうですよ、何せここはどんな人でも迷う森、迷いの森なんですから」

「え?それじゃあおかしいじゃないか、俺とルナは昨日抜けられたぜ」

「ええ、そうでしょうね」

「おそらく誰でも抜ける事は出来ますよ」

「この森の特性を知っていれば」

「この森の特性?」

「はい、この森の抜け方はとても簡単なんですよ」

「なんせ直進していれば抜けられますから」

「この地図を見てください」

そういいリリアはポケットから地図を取り出す

「これが迷いの森です」

リリアが指を指した場所を見てみるとそこには森を分断するように一本道が引かれていた。

「ほんとだ・・・マジで一本道だよ・・・」

「これはどういう事?」

「魔物の仕業です」

「魔物?」

「はい、これは魔物による幻影ですね」

「ヤマト様は既にここの魔物とは戦っていらっしゃいますよね?」

「ああ、戦ったぞ」

「ここの敵はどうでした?」

どうだったかな・・・龍の事はよく覚えてるんだけど
何せ他の敵は弱かったからな~

「あんまし手応えがなかったかな」

「だと思います」

「しかしそれはこの森でもそこそこの実力を持つ魔物なんですよ」

「では、それよりも弱い魔物達はどう生き物を捕食すると思いますか?」

「・・・・幻影を見せて迷わせた挙句、衰弱したところを襲うってことか?」

「ええ、その通りです」

「だからここを通るときは幻影に耐性がない限りは絶対に迷った様な錯覚を起こしますね」

「なので、ここの森はどんなに進む先に木があっても、真っ直ぐ進んで下さい」

「それが私とルナ様が抜けられる理由です」

なるほどな、

だからどんなに通り抜けられる人がいても名前が迷いの森なのか。

今だって大木の中を歩いている様に見えるもんな

「さあ、もう少しで着きますよ」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「遅かったなヤマト」

「おはようございます、フレアさん」

迷いの森を抜け、ピークスの町に入ろうとすると、門のフレアさんが待っていた。

「お久しぶりですね、マスター」

「数ヶ月ぶりか?久しぶりだなリリア」

「たまにはルナと依頼でも受けたらどうだ?」

「そうですね・・・仕事の方に余裕があったら受けたいと思います」

「そうか!そのときは高難易度の依頼を用意してやるよ」

「有難迷惑ですよ」

「ハハッ、そう言うなって!」


「さて、とりあえず今日やる事を説明するかな」

フレアさんは一旦世間話に区切りを付ける。

そういえば一つ気になる事があった。

「何でフレアさんは門の前で待ってたんですか?」

もしかしてマリアさんの怒りがまだ収まってないとか?

「ああ、それは今日やる事に関係するんだ」

「決してマリアが恐いからって訳じゃないぞ」

マリアさんやっぱりまだ怒ってるんだ。

だって人を氷漬けにするんだよ?

しかも、一回死ねって言って。

一日で収まるわけがないよ

「それでな、今日やる事ってのは・・・使い魔の召喚だ!」

「使い魔の召喚ですか?」

「ああ、見た所お前はまだ使い魔と契約してないみたいだからな。本来学校で行われるんだが、もう既にその行事は終わっていてな、だから入学前にやっておいて欲しいんだってよ」

やっぱりいるんだな、使い魔って。

正直学校に行ってからやらされると思ってたから嫌だなって思ってたんだ。

だって、そう言うのって春先の行事でしょ?

昨日ルナに聞いたけどもうそろそろ新学期が始まってから一ヶ月くらい経つって言ってたし。

間違いなく見せ物だもんな。

「とりあえず、今から場所移動するからついて来い」

こうして俺達はピークスの町を3㎞程離れたところに移動した。

「ここならもう平気だろ」

「魔法陣書くからそこで見てろ」

そう言ってフレアさんは近くの木の棒を拾い地面に模様を書き始めた。

「え?そんな簡単な感じでいいんですか?」

「ああ、別にチョークでも色付きの砂でも決められた魔法陣の模様になってればいいんだ」

「そういうもんなんですか」

「ああ、だってほら、2+2と1+3の答えが4みたいに途中の式が違ってても答えが同じなら結果は一緒って事だよ」

要するに魔法陣は答えで、書くための道具なんかは数式ってことか?

「・・・よし、これでいいだろう」

フレアさんによって書かれた魔法陣は人が五人ほど中に入りそうな大きなものだった。

「よし、それじゃあ早速召喚に移るとするか」

「とりあえず、ヤマトは魔法陣の真ん中に行ってくれ」

「了解です」

俺は言われた通りに魔法陣の真ん中に移動する。

魔法陣に一歩足を踏み入れた瞬間、

今までその存在に気づくことの出来なかった体中を覆い尽くすように纏わりつく何かが吸い込まれていくのがわかった。

「じゃあ、次にその魔法陣の真ん中で血を垂らしてくれ」

「ヤマト様、これを使ってください」

そう言ってリリアは小さなナイフをこちらに投げてきた。

「サンキューな」

そして投げられたナイフを俺はキャッチする。

刃の部分をガッチリと・・・

俺の右手からはどんどんと血が流れてくる。

その血はそのまま魔法陣に垂れていった。

「おいおい、血を垂らせとは言ったが、何もそこまでしなくていいんだぜ」

「そうですよ、物事には限度という物があります」

「うん・・・そうだよね、一滴で良かったよね・・・」

いや、だってやってみたかったんだよ・・・

素手で刃物をカッコ良くキャッチするやつ。

でも、やっぱり無理だったね・・・

だってリリアの投げたナイフすごい回転してんだもん。

あの子絶対わかってて投げたよ。

だって、普通なら人の体目掛けて投げないでしょ、

俺の中じゃメイドはSっぽいイメージだけど

これで完全に確立した気がするよ・・・

「さあ、ヤマト!後はお前が呼び出すだけだ!『サモン』って唱えればいい」

俺が結構どうでもいい事を考えている間にも魔法陣の変化は起こっていた。

最初は淡く発光していたのだが、今では眩しいくらいに発光している。

そしてその光は徐々に強くなっていき、もう既に足元が見えないくらいになっている。

「さあ、出てこい!・・・・・サモン!!」

俺がサモンと唱えた瞬間。

「うおっ!?」

俺は魔法陣の外に叩き出された。

「何があった?!ヤマト!」

フレアさんが慌てて駆け寄ってくる。

「どうしたもこうしたもないわよ!」

しかし、それに対する答えは別の誰かが答えた。

「全く!魔法陣の真上に立つとかどんな神経してんの?」

「普通はさ!魔法陣の真ん中から出てきたりするじゃん!」

「なのにそこを塞ぐってどんな教育受けてんの?」

「裁判起こすわよ!!」

俺とフレアさんは突然の出来事に硬直する。

そんな中、リリアは口を押さえて笑っていた。

「あれ?・・・・使い魔って魔法陣の真ん中から出るんだっけ?」

フレアさんが聞き捨てならない事をポツリと呟く。

しかし今の俺にはそんなことはどうでも良かった。

なんでよりにもよって・・・お前なんだよ?

「お・・お前はもしかして・・・タイムか?」

「お!やっぱりそうだったか!」

「君の持つ魂は独特だからね!間違えるわけないよ」

「私は君の召喚に応じ、参上した」

「あの時は、時の女神タイムなんて名乗ったけど、本当は違くて」

「我が名は時の女神タイム改め、運命の女神スクルド」

「未来を司る女神様だ!」
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