不幸続きの俺は人を辞めることになりました!

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第十一話 ユウナ 後編

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自己紹介を終え席に着くと後ろの席に座る生徒から声を掛けられた。

「淡白な感じだったけど、なかなか良い自己紹介だったぜ!特に先生のくだりがよかった!あんなの普通の生徒じゃ言えないもんな!」

俺にそう声を掛けてきたのは金髪の男子生徒だった。

「ありがとう、えーと・・?」

「あ、悪い、悪い!俺の名前はアレク・ロサ、気軽にアレクって呼んでくれ!」

「わかったよ、アレク」

「それと俺もヤマトって呼んでいいか?」

「もちろん」

「それじゃあそうさせてもらうぜ」

金髪の男子生徒、もといアレクの風貌には少しばかり懐かしさを感じた。

金髪をオールバックにした髪型に、耳にはピアス。
手には大きめの指輪が数種類身につけられており、制服もワイシャツは第二ボタンまで外し、ネクタイも閉めていなかった。

俺はその様な姿をした学生を地球にいた頃、よく目にしていた。

決して、俺がしていた訳ではない。

「それにしても、Sクラスの奴が来るって聞いたからどんな化け物だろうかと思ったけど見た感じ普通の奴で良かったぜ」

ここで一つSクラスについて説明したいと思う。
先ず、この学校ノルニル学園では、各学年に8つのクラスが設けられている。
と言ってもこのクラスというのは自分達の勉強する教室の事ではなく、成績の階級の事で、一番上がSクラス、その次がA、その次がBとアルファベット順になっており、Gクラスまでが存在する。

実際に勉強する為のクラスは各学年、10クラス存在し、俺は一年一組で勉強することになった。

ちなみに、クラス分けは成績によるものらしく、同じクラスにいる生徒はみんな同じ位の成績だそうだ。

ただし、Sクラスは例外である。

「そうか?俺の知ってるSクラスは一人は普通ではないけど、一人は普通の人だと思うけど」

リリアはともかく、ルナは普通だと思う。

ユウナに関してはまだ全然知らないから言及はしない。

「ああ、そう言えば転校して来るのは私達の知り合いだってあいつら言ってたな」

「まさか、あいつら俺の事クラスのみんなに話してたのか?」

「いや、全員にって訳じゃないけど、一週間前からずーっと、その話ばっかりしてたからな。流石に耳に入って来るよ」

「その時どんな事言ってた?」

「あんまり詳しくは聞かなかったが、なんでも素手で龍のブレスをかき消す事が出来るってのは聞いたな」

そこだけ聞いたらそれは化け物をイメージするわな。

つーか、おかしいと思ったんだよ。
転校生が来たって言うのにやたら反応が薄いし、
あえてみんなのリアクションをあげると言うなら、
「あれ?」みたいな感じだったし。

俺的にはもっと騒いでもらいたかったな~
まぁ、自慢できる顔じゃないから無理だけど。

おっと、話が逸れたな。

「それで、Sクラスのイメージはみんな化け物みたいな感じなの?」

「まぁ、化け物って言うと語弊があるけどよ、少なからずそうだな」

まあ、確かにあの二人は驚くほど優秀だからな。

「今この組には合計で7人のSクラスがいて、そいつらは大体とんでもない実力を持ってるんだよ。おまけにルナとリリア、それとユウナとエリサは実力だけじゃなく学力もあるから非の打ち所がないって所だな」

また、エリサって人以外は知り合いって所が複雑な所だよ。

「他の3人だって学力は軒並み高いし戦闘力も言わずもがなって感じだな。まあ、どのみちヤマトは全員と戦うだろうから嫌でも実力が見れるぜ!」

「出来れば願い下げしたい所だね・・」

「無理だろうけどな!」

「だよなぁ・・・」

そんな話をしていると、授業開始のチャイムが鳴った。

「お、長~い長~い授業時間が始まるぜ」

「そうだな」

俺は教科書を出すために机に視線を向けるとそこには見知らぬ封筒が置いてあった。

「・・・・いつの間に」

「お?どうした?」

「いや、なんでもないぞ」

「そうか?なら良いけど・・・なんか必要なもんがあったら言ってくれよ!」

「おう、ありがとう」

俺はとりあえず封筒の中身を確認した。

『放課後図書室で待っています。ーーユウナ』

手紙の内容は実にシンプルな物だったが、それと同時に疑問が浮かび上がった。

いつ置いたのだろうか?

俺は何故呼び出されたのか?

この呼び出しは怖い系なのか?それとも青春系なのか?

そんな事を考えながら俺は手紙を封筒にしまっていた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

時間は飛んで放課後

ルナとリリアには帰りに寄る所があると言い、先に帰ってもらった。

あの時のルナとリリアの怪訝な顔は少しばかり心にくるものがあった。

そして現在、俺は図書室の前に立っている。
ドアの窓越しに見た感じ、あまり利用している人はいないようだった。

そして俺は少しばかり震える手で図書室のドアを開けた。
図書室は思いの外広く、おそらく教室二つ分の大きさだと思われる。

俺は周囲を見渡していると、見覚えのある女の子を見つけた。
俺は念のため確認を取る。

「ユウナさん・・・だよね?」

「・・はい・・・来てくれて・・・・ありがとう」

ユウナは本を読んでいたようだったが俺が呼び掛けると本を読むのをやめて、顔を上げてそう答えた。

「・・・・あの・・・・今日呼んだのはですね」

「?」

「・・・・・一つ・・・確認をしたくて」

「確認?別に構わないけど・・・どんな事?」

このあいだの図書館での事だろうか?
それとも別の何か?

「・・・・・・あの・・・名字の方を・・」

「名字?それならカンザキだよ」

どうしたんだろ?突然?

「・・・・・・・やっぱり」

「やっぱりって?」

「・・・少し・・お話をしても良いですか?」

「もちろん」

元よりそのつもりです。

「・・・・私には今、家族が居ません」

あれ?重い話かな?

「・・・理由は・・・ある事件がきっかけです」

「事件?」

「・・・はい・・・その事件は家族三人が・・・犯人に・・・・殺害されました」

「・・・・」

「・・・私の家族は元々・・・四人暮らしだったんですよ」

「・・四人暮らしか」

「・・・はい・・それでその事件は・・・一人だけ・・無事だったんです」

・・・・それは残された遺族が気の毒だな、

「・・・・その子は・・・中学3年生でした」

・・・え?

「・・・私の聞いた話では・・・その子もまた・・一年後に・・・亡くなったそうです」

「嘘・・だろ?」

「・・・・その子・・・いえ・・私の兄さんの名は
 ーーーー神崎大和」

「・・・・そして私の名前はーーーー神崎優奈」

「優奈・・・?」

俺は無意識にその名前を復唱する。

「本当に・・・兄さん・・だったんですね・・・」

優奈の目から次第に涙が流れて行く

「お前・・・どうして・・・この世界に・・・?」

「・・・うっ・・う・・兄さんこそ・・」

放課後の図書室

異世界で再開を果たした兄妹は、人目を気にせずにその場で泣いていた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

普段、俺たちの夕飯はだだっ広い食堂を四人で使って食べていたのだが、今日は五人で食べていた。

「もーう、最初はびっくりしたんですよ!てっきり、ヤマトさんがユウナちゃんを誘拐してきたのかと思いました!」

「私も同じくです」

「待て待て、俺はそんな事をする奴に見えるのか?」

「「いや、無理そうですね」」

「どういう意味だ!!」

無理そうってなんだ!!度胸的な意味でか?
そんな度胸こっちから願い下げだけどね!

「フフ・・面白いですね」

「おお!ユウナちゃんの笑顔、可愛い!」

「リリア的には前髪をちょっと上げてくれるとポイント高いですね」

「ごめんね・・それはまだ・・無理」

「そうですか、それでは気長に待たせて頂きますね」

「それにしても驚きですよ!ヤマトさんとユウナちゃんが兄妹だったなんて!しかも異世界の!」

家に帰ってから俺は俺と優奈の事を全てルナとリリアに話した。

俺たちが兄妹だという事。
地球からきた事。
そして、使い魔の本当の名前を。

「ごめんよ、ルナ、リリア。騙すような真似して・・・本当にすまないと思ってる」

「いいんですよ、過ぎてしまった事ですし、それにヤマトさんは私達に正直に話してくれました。私はそれで満足です!リリアはどうですか?」

「ルナ様と同意見ですね。ちゃんと謝罪をしているので問題ないです」

「二人とも、ありがとう」

この二人には本当に感謝しきれないな。
それと癪だが、こいつにも感謝しないとな。

「スクルド、ありがとう。」

「イイのよ♪神様の仕事は導く事だから☆」

それはおそらく担当の神様がいたと思うよ。

「それにしても、どうしてそんな事件を起こす奴がいるんですかね?そんな事をする奴が私の領土に現れるものなら直ちに処罰しにいきますよ!」

「それに関しては俺も気になるな。俺が死ぬ前にまだ犯人は捕まってなかったし」

「・・まだ・・捕まってなかったんだ」

あの事件はかなり証拠も出ている筈なのに一年経っても犯人が捕まってない状況だったからな、おそらく今でも捕まってないんじゃないかな。

「そこんとこどうなんだ?スクルド?」

「うーんとね、話してもいいんだけど・・今日はやめとこ?結構シンドイ話になるから」

スクルドが普通のトーンで話す時は真面目な時だから本当にきつめの話なんだろう。
一体あの事件に何があったんだろうか?

「いずれこの話は時期が来たら私からするから、それまで待ってて♪」

「ああ、わかった」

「それと私、お姉ちゃん達からちょっと呼ばれてるから今日はあっち戻るから☆バイバーイ♪」

そう言うとスクルドはその場から転移し、消えた。

あいつ、最近居なかったのは今日の為かと思ったけどどうやら違うみたいだな。

まあ、いずれ話してくれるとの事だから今は気にしないでおこう。

「さてと、そろそろ部屋に戻ろうかな?」

ルナも席から立ち上がり食器を片付け始める。

「ユウナちゃん泊まってくでしょ?」

「いい・・の?」

「もちろん!それじゃあリリアに部屋まで案内してもらってね!」

「お願いします・・・リリアちゃん」

「はい、お任せ下さい。それとルナ様、食器は重ねてそのままにしておいて下さい」

「うん!わかった」

リリアはユウナを連れて食堂から出て行った。

「俺も部屋に戻ろうかな」

俺は部屋に戻るまでの帰り道、ふと疑問に思ったことがあった。

「そう言えば、なんでユウナは俺たちと同い年なんだ?」

俺の質問に答えなど帰ってくるはずはなかった。

「まあ、また今度スクルドに聞くか、」

そして、俺は一人部屋に戻って言った。
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