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祓い屋
しおりを挟む「先生お邪魔してマース」
「朝から何の用だ⋯水流園」
水流園さん⋯?誰だろう。初めて聞く名前だ。
「何の用って分かりきってるでしょ?」
「昨日の夜、あかりに似た霊力が突然現れたってことで話題になってるんだよね」
「それで、ここまで来たんですか?」
「そうそう、ていうか湊久しぶりだね~♪元気だった?」
「元気ですよ。」
おじい様と湊くんの知り合い⋯?
少し気になった私は薄目を開けて男の人の顔を見ようとした。
「ていうか、起きてるよね?この子」
一瞬息が止まりそうになった、心臓がバクバクなっている。
寝たフリしてたのバレたかな?
「こはく、もう体調は大丈夫か?」
あ、バレてた。
『うん、もう大丈夫。体がちょっとダルいぐらい』
私は上体を起こした。自室ではなく別の畳の部屋に寝かされていた
「おはよ♪」
「君があかりの娘?」
『え、あ、はい』
(誰だろうこの人......)
初めて見る人だ。
青みがかった白色の髪に、サファイアみたいな濃い青の透き通った瞳の男の人。
どことなく目鼻立ちが湊くんと似ている気がする。
「僕は水流園 蓮、君のお母さんの同級生だった。ヨロシク~」
『月出こはくです⋯よろしくお願いします』
「で、本題に入るんだけど...」
さっきまでの、のんびりとした雰囲気から一変して、真剣な表情を浮かべるので、私は少し緊張して身構えてしまった。
「祓い屋の学校に入学する気ない?」
『祓い屋⋯⋯?』
なんでだろう、『祓い屋』という言葉に妙に心を惹かれる。
「⋯⋯先生もしかして祓い屋の事とか教えてないの?」
おじい様が水流園さんから目を逸らす。
「湊説明してあげて」
「⋯昨日こはくちゃんの首を絞めた女いたでしょ?」
『うん』
「あれが妖怪、霊力がない普通の人には見えなくて人間に災厄をもたらす存在。」
「その妖怪を退治するのが祓い屋、まぁ稀に悪霊とか怨念も祓ったりするけど大体は妖怪を相手にしてる」
『あぁ、これだ』と思った。今私は中学3年生で、早く進路を決めてそれに向けて勉強をしなければならない。
でも、私は自分の進路を決めれずにいた。やりたいことが特に見つからなかったのだ。今まで少し興味を持つことぐらいならあったが、どれも何となくしっくり来なかった。
けれど、今回のは違う。直感的に私に1番あっているのは祓い屋だと思った。
もっと、知りたい!祓い屋について
『そうなんだ。災厄って例えばどういうの?』
「人間を殺したり食べたり、呪ったり」
『人間を殺す......』
私は昨日の女に首を絞められた感覚を思い出した。
『湊くんって祓い屋なの?』
「そうだよ」
『昨日の、手から水を出したりとか女の人に巻きついてた鎖ってなんだったの?』
「あれは、霊術っていって妖怪を祓う術だよ。祓い屋によって使う霊術は違う」
「俺の場合は鎖と体内の水分を操る霊術」
(だから昨日手から水が出てきたのか)
湊くんの話を聞いて、私の中で昨日あった出来事の点と点が繋がった。
『妖怪の腕が捻れたのも湊くんの霊術?』
「いや、それは俺のじゃない...」
「捻れた?先生捻の霊術って」
「⋯その先は言わなくていい」
「水流園私はこの子を、祓い屋の学校に入学させるつもりも祓い屋にさせるつもりもない」
「は?それ本気ですか?こんなに才能があるのに」
「これ以上話すつもりは無い、帰れ。」
「先生、よく考えて⋯」
「私の言ったことが聞こえなかったのか?帰れと言ったんだ」
部屋の空気を緊張させる凄みのある声でおじい様は言った。
おじい様は貫禄があって威圧感を感じさせる人だけど、いつも穏やかで優しかった。こんな有無を言わさない態度は初めて見た
おじい様は襖を開け、この部屋から出ていこうとする
「先生。今日ここに来たのは、あかりが先生宛に書いた手紙を見つけたからです」
その言葉で、おじい様の動きがピタリと止まった。
水流園さんが手紙を取り出し、おじい様に渡した。おじい様は手紙を受け取るとその場で手紙を読み始めた。
部屋には妙な緊張感が走っている。
1、2分手紙を静かに読み続けていたおじい様が声を発した。
「こはく、祓い屋は危険で厳しい仕事だ。命を落とす危険だってある」
「それを加味して聞くが、祓い屋になりたいか?」
────────────────────
太陽を喰らう月【余談】
水流園 蓮と流川 湊は、腹違いの兄弟で年齢は20歳差です。
水流園の外見は青みがかった白い髪(ほとんど白)に濃い青の瞳
湊は白い髪に黒い瞳
どちらも外見から浮世離れしたような印象を感じさせます。イケメンです。
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