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九章
夜明け前の逃走劇
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やけくそで扉の真横の壁に立ち、息を呑んだ。
その瞬間、すごい勢いで扉が開き、真っ黒い影が部屋に突入してきた。
反射的に悲鳴をあげそうになり、両手で口を覆う。
私は丁度、開いた扉の陰に隠れた状態だ。
何も見えないが、その男が部屋を歩き回り、ベッドや、窓を確認するような音が聞こえる。
生きた心地がせず、目を固く閉じ、気配を消すことだけに集中した。
すぐに、足音は部屋から消え、今度は階段を駆け下りる音がした。
あの男は、私が窓から逃げたと思ったのだろう。
今すぐ、ここを出なくては!
フォレオも、他のアンカール人も私の巻き添えにしてはならない。
もう躊躇っている時間はない。
黄色いカバーの絵本を、お守り代わりに胸の内ポケットに入れる。
私はすぐに部屋を出て、廊下の反対側のバスルームに移動し、そこの窓を開けた。昨晩、宿屋の裏側にあたるこの窓の下に、厩舎があるのを見た。窓から身を乗り出し、注意深く厩舎の屋根に降りると、大きな木を伝い、厩舎の扉の前に飛び降りた。
文字通り、泥棒紛いのことをしている自分が信じられないが、他に、選択肢は無い。
こうなったら、もう、馬を失敬して逃げる!
お散歩程度にしか乗りこなせない初心者だが、そんなこと言っている場合じゃない。
迷う時間もないため、すぐに厩舎の中に入ってみたが、馬はたったの一頭しかいなかった。選ぶ手間も省けたことをいいことに、柵を開けようとして、そこで重大な問題にぶち当たる。
つぶらな黒い瞳の茶色の馬が、見知らぬ私の顔を眺めていた。
しまった!
完全な裸馬だ!
鞍がないのは当然、頭路さえもつけていない。
当たり前だ。
厩舎で休んでいる馬なんだから、素っ裸に決まっている。
裸馬に乗れるはずが無い!
大きな判断ミスに唖然とする。
同時に、宿屋内に灯りがついて、騒々しくなったのに気づく。
ともかくここを離れようと厩舎を飛び出した。
もう、自分の足で逃げるしか無い。
街のどこかに隠れようと走り出したら、宿屋の前に、黒い馬が一頭、ぽつんと立っているのに気がつき、足を止めた。まだ真っ暗なので、黒い馬が闇に溶けて見落とすところだった。
さっき、部屋に突入してきた男が乗っていた馬に違いない。
考えるより早く体が動き、馬に走り寄ると、私はなんとかその背によじ上った。鞭がないので、記憶に従い、見よう見まねで手鞭を入れてみると、ぼんやりしていたらしい馬が驚いたのか、大きく首を振り上げ嘶くと、すぐに駆け出した。
しょっぱなからものすごい勢いで街へ飛び出す馬。
早いっ!
これ、やっぱり、軍馬?!
ガクガク揺れる馬の首に必死でしがみつきながら、パニックに陥る。
どこに向かえばいいのかも分からない。
馬は狂ったように、暗闇の中を駆ける。
いつまで振り落とされずにしがみついていられるだろううか。
上下に激しく揺れる馬にしがみつきながら、暗く静かな街中を一人で暴走する。
夜明け前で、どこにも人が居ないのがせめてもの救いだ。真っ昼間だったら、誰かにぶつかっていたかもしれない。
馬は、山の方へと全速力で突っ走って行く。
精一杯の力で馬にしがみついていたが、腕も痺れだし、そう長くは堪えられないのは確かだった。
上り坂を走る馬のスピードが若干落ちて来た気がして、どこかで馬から下りたほうがいいと考える。
あの男はきっと、自分の馬が無くて宿屋で足止めを喰らっているだろうし、人里から離れ、山奥まで入って迷子になるのも危険だ。空腹の熊なんかに遭遇したら命は無い。
振り落とされる前に、どこか、安全な場所で馬を止めよう。
馬にしがみつきながら辺りに目を走らせていて、後方から別の馬が追ってくるのに気がつき仰天する。まだ距離は十分にあるとはいえ、私が追跡されているのは間違いないようだ。
もう、見つかったのか!
馬が嘶いたせいで、気づかれてしまったに違いない。
あの男の馬を失敬したのに、すぐに代わりの馬を調達したなんて!
執念深い追っ手に恐怖を覚え、血の気が引く。
お願い、もっと早く走って!
私の願いが通じているのか、馬はどんどん山の奥へ駆けていく。やがて、水が激しく打ち付ける轟音が聞こえてきて、この先に大きな滝があるのだと気がついた。馬は暗闇でもちゃんと見えているのだろうが、時折月光の差し込む木々の隙間が見えるくらいの視界の悪さ。まさかとは思うが、馬がちゃんと見えておらず、一緒に滝に落ちたりしないだろうかと怖くなってくる。
滝の轟音がさらに近づくと同時に、山道を駆け上がる馬のスピードが落ちてきた。
しがみついている腕も限界になり、感覚が消え始めている。
もう、馬はダメだ!
後ろを振り返ると、追っ手との距離がさらに縮まっていた。
落馬し骨折なんてしたら絶体絶命。
ここで馬から下り、山中に駆け込み自力で追っ手を撒くしかないと、苦渋の決断をする。
思い切り手綱を引き、大きく仰け反って停止した馬から転げ落ちるように下りると、私は山道を外れ、一目散に滝の音のする方へと走った。恐怖とパニックで足がもつれて今にも転びそうになりながら、薄暗い中を右へ左へと走る。時々、小枝が顔に当たったり、髪に引っかかったりしながらも、必死で先へと進む。
激しい水流の巨大な滝が突然視界に現れ、自分が崖っぷちに辿り着いたことに気がつき、慌てて立ち止まる。
月明かりに照らされ、銀色の水しぶきをあげる、ど迫力の滝。ここだけ、冷凍庫に入ったような冷気に包まれていた。
さすがにここから滝壺に飛び降りるわけにはいかないと焦っていると、滝の轟音に混じり、後方から叫び声が聞こえた。ハッとして振り返ると、暗闇の向こうからまたその声が聞こえた。
まだ、追って来ている!
あいつも、馬を下りたらしい。
なんてしつこいのだ!
急いで崖っぷちから離れ、滝の裏の方へと続く木々の茂みへと駆け込んだ。
もう、どっちに走ればいいのかわからない。
こんな暗いのに、私の姿が見えるなんて、あの男はフクロウ並みの視力をもっているのか。
滝の轟音に紛れ、時折聞こえる男の叫び声に、絶望しそうになった。
もうすぐ国境というところで、こんな危機に曝されるなんて、運が悪すぎる。
もう、足の感覚が無くなりかけ、呼吸もままならないくらい、疲れ果てていた。
それでもなんとか先へと走っていたが、木の根っこに躓いて転びかけ、その時、後方から腕を掴まれた。背後まで追いつかれていたことに気づいていなかった私は、心臓が止まるほど驚いて、絶叫した。
「……イヤッ!」
掴まれた腕を引っぱり、空いている手で男を押し退けようと必死でもがく。手に当たった男の顔の、ざらざらした髭の感触に、ぞわっと恐怖に震え上がる。
「イヤ!やめてっ!」
その腕の中から這い出ようと渾身の力で身をよじると、がっちり後ろから羽交い締めにされる。まるで、柔道の押え込み技をかけられたように、完全に動きを封じられてしまう。
こんな、男の格好をしている私に後ろから襲いかかるとは、尋常な捕まえ方じゃない!
普通なら、縄で腕を縛るとかするだろうに!
もしかして追っ手じゃなくて、年下男好きの変態?
更に恐怖におののいた時、滝の轟音に紛れ、男の声が聞こえた。
一瞬、心臓が止まった気がした。
今、名前を呼ばれた?
しかも、聞き慣れた声だった気がする。
空耳?
「……セイラ」
耳元で、今度ははっきりと聞こえた。
低く、掠れたその声に、頭の中が真っ白になる。
ここにいるはずがない人の声。
止まりかけた心臓が、今度は、ドッキンドッキンと激しく鼓動し始めた。
嘘……
まさか。
緊張と動揺で全身に震えが走る。
私は恐る恐る、自分を羽交い締めにしているその男を振り返った。
その瞬間、すごい勢いで扉が開き、真っ黒い影が部屋に突入してきた。
反射的に悲鳴をあげそうになり、両手で口を覆う。
私は丁度、開いた扉の陰に隠れた状態だ。
何も見えないが、その男が部屋を歩き回り、ベッドや、窓を確認するような音が聞こえる。
生きた心地がせず、目を固く閉じ、気配を消すことだけに集中した。
すぐに、足音は部屋から消え、今度は階段を駆け下りる音がした。
あの男は、私が窓から逃げたと思ったのだろう。
今すぐ、ここを出なくては!
フォレオも、他のアンカール人も私の巻き添えにしてはならない。
もう躊躇っている時間はない。
黄色いカバーの絵本を、お守り代わりに胸の内ポケットに入れる。
私はすぐに部屋を出て、廊下の反対側のバスルームに移動し、そこの窓を開けた。昨晩、宿屋の裏側にあたるこの窓の下に、厩舎があるのを見た。窓から身を乗り出し、注意深く厩舎の屋根に降りると、大きな木を伝い、厩舎の扉の前に飛び降りた。
文字通り、泥棒紛いのことをしている自分が信じられないが、他に、選択肢は無い。
こうなったら、もう、馬を失敬して逃げる!
お散歩程度にしか乗りこなせない初心者だが、そんなこと言っている場合じゃない。
迷う時間もないため、すぐに厩舎の中に入ってみたが、馬はたったの一頭しかいなかった。選ぶ手間も省けたことをいいことに、柵を開けようとして、そこで重大な問題にぶち当たる。
つぶらな黒い瞳の茶色の馬が、見知らぬ私の顔を眺めていた。
しまった!
完全な裸馬だ!
鞍がないのは当然、頭路さえもつけていない。
当たり前だ。
厩舎で休んでいる馬なんだから、素っ裸に決まっている。
裸馬に乗れるはずが無い!
大きな判断ミスに唖然とする。
同時に、宿屋内に灯りがついて、騒々しくなったのに気づく。
ともかくここを離れようと厩舎を飛び出した。
もう、自分の足で逃げるしか無い。
街のどこかに隠れようと走り出したら、宿屋の前に、黒い馬が一頭、ぽつんと立っているのに気がつき、足を止めた。まだ真っ暗なので、黒い馬が闇に溶けて見落とすところだった。
さっき、部屋に突入してきた男が乗っていた馬に違いない。
考えるより早く体が動き、馬に走り寄ると、私はなんとかその背によじ上った。鞭がないので、記憶に従い、見よう見まねで手鞭を入れてみると、ぼんやりしていたらしい馬が驚いたのか、大きく首を振り上げ嘶くと、すぐに駆け出した。
しょっぱなからものすごい勢いで街へ飛び出す馬。
早いっ!
これ、やっぱり、軍馬?!
ガクガク揺れる馬の首に必死でしがみつきながら、パニックに陥る。
どこに向かえばいいのかも分からない。
馬は狂ったように、暗闇の中を駆ける。
いつまで振り落とされずにしがみついていられるだろううか。
上下に激しく揺れる馬にしがみつきながら、暗く静かな街中を一人で暴走する。
夜明け前で、どこにも人が居ないのがせめてもの救いだ。真っ昼間だったら、誰かにぶつかっていたかもしれない。
馬は、山の方へと全速力で突っ走って行く。
精一杯の力で馬にしがみついていたが、腕も痺れだし、そう長くは堪えられないのは確かだった。
上り坂を走る馬のスピードが若干落ちて来た気がして、どこかで馬から下りたほうがいいと考える。
あの男はきっと、自分の馬が無くて宿屋で足止めを喰らっているだろうし、人里から離れ、山奥まで入って迷子になるのも危険だ。空腹の熊なんかに遭遇したら命は無い。
振り落とされる前に、どこか、安全な場所で馬を止めよう。
馬にしがみつきながら辺りに目を走らせていて、後方から別の馬が追ってくるのに気がつき仰天する。まだ距離は十分にあるとはいえ、私が追跡されているのは間違いないようだ。
もう、見つかったのか!
馬が嘶いたせいで、気づかれてしまったに違いない。
あの男の馬を失敬したのに、すぐに代わりの馬を調達したなんて!
執念深い追っ手に恐怖を覚え、血の気が引く。
お願い、もっと早く走って!
私の願いが通じているのか、馬はどんどん山の奥へ駆けていく。やがて、水が激しく打ち付ける轟音が聞こえてきて、この先に大きな滝があるのだと気がついた。馬は暗闇でもちゃんと見えているのだろうが、時折月光の差し込む木々の隙間が見えるくらいの視界の悪さ。まさかとは思うが、馬がちゃんと見えておらず、一緒に滝に落ちたりしないだろうかと怖くなってくる。
滝の轟音がさらに近づくと同時に、山道を駆け上がる馬のスピードが落ちてきた。
しがみついている腕も限界になり、感覚が消え始めている。
もう、馬はダメだ!
後ろを振り返ると、追っ手との距離がさらに縮まっていた。
落馬し骨折なんてしたら絶体絶命。
ここで馬から下り、山中に駆け込み自力で追っ手を撒くしかないと、苦渋の決断をする。
思い切り手綱を引き、大きく仰け反って停止した馬から転げ落ちるように下りると、私は山道を外れ、一目散に滝の音のする方へと走った。恐怖とパニックで足がもつれて今にも転びそうになりながら、薄暗い中を右へ左へと走る。時々、小枝が顔に当たったり、髪に引っかかったりしながらも、必死で先へと進む。
激しい水流の巨大な滝が突然視界に現れ、自分が崖っぷちに辿り着いたことに気がつき、慌てて立ち止まる。
月明かりに照らされ、銀色の水しぶきをあげる、ど迫力の滝。ここだけ、冷凍庫に入ったような冷気に包まれていた。
さすがにここから滝壺に飛び降りるわけにはいかないと焦っていると、滝の轟音に混じり、後方から叫び声が聞こえた。ハッとして振り返ると、暗闇の向こうからまたその声が聞こえた。
まだ、追って来ている!
あいつも、馬を下りたらしい。
なんてしつこいのだ!
急いで崖っぷちから離れ、滝の裏の方へと続く木々の茂みへと駆け込んだ。
もう、どっちに走ればいいのかわからない。
こんな暗いのに、私の姿が見えるなんて、あの男はフクロウ並みの視力をもっているのか。
滝の轟音に紛れ、時折聞こえる男の叫び声に、絶望しそうになった。
もうすぐ国境というところで、こんな危機に曝されるなんて、運が悪すぎる。
もう、足の感覚が無くなりかけ、呼吸もままならないくらい、疲れ果てていた。
それでもなんとか先へと走っていたが、木の根っこに躓いて転びかけ、その時、後方から腕を掴まれた。背後まで追いつかれていたことに気づいていなかった私は、心臓が止まるほど驚いて、絶叫した。
「……イヤッ!」
掴まれた腕を引っぱり、空いている手で男を押し退けようと必死でもがく。手に当たった男の顔の、ざらざらした髭の感触に、ぞわっと恐怖に震え上がる。
「イヤ!やめてっ!」
その腕の中から這い出ようと渾身の力で身をよじると、がっちり後ろから羽交い締めにされる。まるで、柔道の押え込み技をかけられたように、完全に動きを封じられてしまう。
こんな、男の格好をしている私に後ろから襲いかかるとは、尋常な捕まえ方じゃない!
普通なら、縄で腕を縛るとかするだろうに!
もしかして追っ手じゃなくて、年下男好きの変態?
更に恐怖におののいた時、滝の轟音に紛れ、男の声が聞こえた。
一瞬、心臓が止まった気がした。
今、名前を呼ばれた?
しかも、聞き慣れた声だった気がする。
空耳?
「……セイラ」
耳元で、今度ははっきりと聞こえた。
低く、掠れたその声に、頭の中が真っ白になる。
ここにいるはずがない人の声。
止まりかけた心臓が、今度は、ドッキンドッキンと激しく鼓動し始めた。
嘘……
まさか。
緊張と動揺で全身に震えが走る。
私は恐る恐る、自分を羽交い締めにしているその男を振り返った。
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