乙女ゲームのモブ令嬢に転生したので、カメラ片手に聖地巡礼しようと思います。

見丘ユタ

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12.カメラが……ない?!①

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 そうして迎えた夏の長期休暇目前。

 私は浮かれていた。

 全寮制の学校の夏休み。それすなわち、帰郷組が多くなる……!

 学内の多くの学生は休暇期間のほとんどを実家で過ごす。
 しかし、生徒会メンバーのメインキャラたちは数日実家に帰るだけで、休暇中も学内に留まるのだ。

 一般生徒がいない……ということは、いつでもどこでも聖地巡礼ができ、周りの目を気にせずイベントを堪能できるということ……!

 そりゃカメラのメンテナンスに力も入るってもんですよ。

 鼻歌を歌いながらカメラを拭くわたしを見て、洗濯を終えたリアがため息をついた。

 ──そう、わたしは浮かれていたのだ。







「リア、ここに置いてあったカメラ、知らない?」

 お風呂上がり、わたしはいよいよ明日に迫った夏休みの準備をすべく、カメラの最終調整をしようとしていた。

 が、入浴前に机の上に出していたはずのカメラが見当たらない。

「さぁ、知りませんよ?」と言いながら、リアは西日差す窓のカーテンを閉めた。

「おかしいなぁ……たしかに置いたはずなんだけど」
「ケースの中は見ました?」
「見たけどなかったのよね」

 わたしはかがんでテーブルの下をのぞく。何もないどころか、ちりひとつほこりひとつない。さすがリア。仕事がたしかだ。

「あら……?」

 その彼女が、きょろきょろとあたりを見回している。珍しい。何か探し物だろうか。

「お嬢様、失礼ですが……下着をお召し替え忘れてはない、ですよね?」
「ええ。というかリアがいつもコルセットつけるの手伝ってくれるし、お風呂前は汗で濡れてたから替え忘れは絶対ないわ」
「……ですよね……」

 心なしかリアの顔が青い。

「下着がどうしたの?」
「…………無いんです……お嬢様がきょう、着てらした下着が」

 ………………。

 ……いやいや、まさかそんな。
 いくら女子寮といっても貴族が通う学院。王族もいるからセキュリティもばっちり。まさか前世みたいな下着泥棒や盗撮野郎がそんな簡単に出るはずが……。

 ……無いとも言い切れないか。わたしこの1年、ほぼ盗撮しかしてないわ。うん、わたしが一番怪しい人物だった。

「……と……とりあえず、探してみましょ。変なところに置いただけかもしれないし」
「そ、そうですね」
「わたしはこっちを探してみるわ」
「では私は逆側から」

 それぞれの持ち場を探し始め──そしてすぐに気づいた。

「あ…………」
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