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第二章 ~少女期~
極楽の番人、帝釈天
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「それで、人の子は大丈夫だったのかい?」
スカートのような裾の長い白い衣服を身に纏った、女性のようなしなやかな四肢をした男性こと、帝釈天はゆったりとした椅子に腰を下ろしてそう訊ねる。
右手の人差し指と中指の間には、麟が飛ばした手紙が挟まれヒラヒラと弄ばれていた。
ヤタが極楽を訊ねてきていたのは、幽世に殺到している魂たちの概算数の報告のためだ。その報告に来て早々、そう問いかけられ思わず怪訝な顔を浮かべてしまう。
「……はい。無事に保護出来ました」
じっと見据えるヤタの冷ややかな視線を受けながらも、帝釈天はニコニコと微笑んでいるだけで動じる様子は見られない。
帝釈天は手にしていたその手紙をくしゃりと手の中で丸めると、すぐそばに控えていた従者の手に手渡す。
「ご苦労だったね。それにしても、その子の現世での様子は凄かったみたいだねぇ? 次から次へ人間の魂が押しかけて幽世も大変だろう? 麒麟も苦労が絶えないよねぇ?」
ヤタの表情がピクッと僅かに動き、握り締めていた手を固く握り込む。
彼は帝釈天の事が最初からあまり好きではない。どちらかと言えば避けて通りたい人物だった。帝釈天のこの粘着質な物言いがヤタにはどうにも合わない。神経を逆なで、いちいち鼻に付くような物言いばかりをする話し方に、こめかみに血管が浮き上がる。それでも、ここで騒ぎを起こすことは出来ない為ぐっと堪えた。
「……そこにおいては、我々の管理不足です」
「そう。これは怠慢だよ。麒麟は甘過ぎるし優し過ぎる。それに加えて部下の失態。君たちのおかげでこちらまで面倒なことになってるんだ。もう少ししっかりしてくれないと困るよ」
ヤタは、許可が下りるならばすぐにでも掴みかかってしまいそうになる衝動を堪えるのが精一杯だった。同時に、早くこのネチネチとした話から解放されたいと思う。
そんなヤタの様子をまるで楽しんでいるかのような帝釈天は、口元に笑みを浮かべて話を続ける。
「いいかい? 極楽浄土とは言え、皆楽をしているだとか全員が優しいだとか思わない方がいい。地獄だろうと極楽だろうと、最終的に魂たちが辿り着くのは輪廻転生。新しい命さ。その新しい命を与えるに相応しい魂を磨き育てるのが我々の仕事だと言う事を忘れたわけじゃないだろう? もうすでに手一杯だと言うのに、これ以上余計な仕事を増やさないでくれ」
彼の言いたいことは分かる。帝釈天が言っている事が間違いではないだけに、腹立たしい気持ちも否めなかった。
「肝に銘じ、麒麟様にもお伝え致します」
「あぁ、そうしてくれ。しばらくの間幽世は騒がしいだろうが、無事に落ち着くことを願っているよ」
「はい。失礼します」
唸るかのように低い声で手短に答えると、ヤタはくるりと踵を返し一歩足を踏み出す。
一刻も早くこの場から立ち去ろうとする背中に、帝釈天は再び声をかけた。
「あぁ、そうだ。あと一つあるんだけど……」
思いがけず呼び止められ、ヤタは露骨なほどに不機嫌な顔で振り返る。その顔を見て一瞬目を丸くした帝釈天だが、すぐにニンマリとほくそえんだ。
意地悪なのか、彼の表情からは性根の悪さが出ている。
「そんな顔して、やだねぇ。あれか、麒麟が優し過ぎるからお付きのガラが悪くなるんだろうな」
「……ご用件は何ですか」
いかにも噛みつきそうな勢いで聞き返したヤタに、帝釈天はひょいと肩をすぼませた。
これ以上からかうと痛い目をみそうだ。そう思ったのか、帝釈天は先ほども迄の表情はどこへやらすっと真顔になり八咫烏を見据える。
「麒麟が拾って来た人の子のことだ」
「ひなの……?」
「ふぅん。ひなって言うんだ? まぁそれはともかく。この間閻魔とも話をしたんだけど、その子……もしかすると半妖じゃないのか?」
「……え?」
その言葉に、ヤタは眉間の皺を深めた。
帝釈天は「あぁ」と短く呟くと手をパタパタと横に振る。そして腕を組み、椅子の背もたれに深くもたれ掛かる。
「半妖は言い過ぎかな。どちらかと言えば小半。人の世界の言語で言うならクォーターってところか。まぁつまり、その子には少なからずあやかしの血が混ざっているんじゃないかと思うんだが」
「それは、どこからの情報ですか……?」
思いがけないところからの情報に、ヤタは食いついた。
その様子に帝釈天は今度ばかりは驚いたように目を丸くする。
「あれ? 八咫烏、君知らない訳ないだろう? 少し前に幽世から逃げ出したあやかしがいただろう?」
「それは……存じています。他ならぬ、麒麟様の寵愛を受けていた者ですから……」
八咫烏はぎゅっと拳を握り締める。
この世界で言えばほんの数日前の事だ。麟の傍にいつも近くにいて、彼がどの傍目よりも目にかけていた一人の女性のあやかしがいた。そのあやかしは、現世でかなり徳の高い魂を宿したあやかしだったのもまだ記憶に新しい。
慈愛に満ちた優しさと、朗らかな笑顔が素晴らしい女性だったのをハッキリと記憶している。その麟と彼女との睦まじい様子を近くで見ていたのが八咫烏だったのは言うまでもない。
「そう。そのあやかしだ。そのあやかしは麒麟の寵愛を受けていながら、その麒麟の目さえも搔い潜り上手い事現世にもぐりこんだ。こちら側からすると“逆神隠し”にあったって言う事になるのかな」
麒麟の寵愛を一身に受けていた彼女が、なぜ突然姿をくらましたのか誰も知らない。そしてそれが原因で普段取り乱すことがない麟がとても取り乱していたことを覚えている。
『八咫烏、頼む。彼女を……彼女を連れ戻してくれ!』
完全に取り乱し、そう言って縋ってきたのはあの時が初めてだった。
八咫烏は麟の神使でもある為に、彼の命には逆らえない。だから頻繁に現世の扉を抜け、偵察に出ていたのだ。
「そのあやかしは化けるのが大層上手いそうじゃないか。その力を使って現世に雲隠れし、果ては人間とまぐわい、その子供の子供が今君たちが連れて来た子じゃないか、ってね。でなければあんな力持ってるはずが無いんだ」
帝釈天の言葉一つ一つはとても信憑性が高い。
ヤタ自身も気付かなかった、その可能性に思わず視線が下がる。いや、ともすれば麒麟はその事に気付いているのかもしれない……。
「まぁ、どちらにせよ忠告はしておくよ。幽世に住む住民たちは、我々番人とその神使を除いて等しく生まれ変わらなければならない。一人の元人間に入れ込み、本業を忘れるような事だけはないよう、よくよく麒麟には伝えておいてくれ」
「……御意」
ヤタはじろりと睨み見てから一礼すると帝釈天のいる広間を後にした。
「おお、怖いねぇ……。まぁ、あれぐらい気性が荒いのが傍にいないと、麒麟を守ることは難しいかもしれないな」
帝釈天は椅子の肘置きに肘をついて、ふぅっとため息を吐く。
「麒麟よ。本当は気付いてるんだろう? お前が連れて来たその子のこと……。その子の秘めている力は、ここにいてもよく分かった。あれは間違いなく、《あいつの力と同じ》だと言う事がね……」
目を細め、帝釈天は遠く澄んだ空の青を見つめた。
スカートのような裾の長い白い衣服を身に纏った、女性のようなしなやかな四肢をした男性こと、帝釈天はゆったりとした椅子に腰を下ろしてそう訊ねる。
右手の人差し指と中指の間には、麟が飛ばした手紙が挟まれヒラヒラと弄ばれていた。
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「……はい。無事に保護出来ました」
じっと見据えるヤタの冷ややかな視線を受けながらも、帝釈天はニコニコと微笑んでいるだけで動じる様子は見られない。
帝釈天は手にしていたその手紙をくしゃりと手の中で丸めると、すぐそばに控えていた従者の手に手渡す。
「ご苦労だったね。それにしても、その子の現世での様子は凄かったみたいだねぇ? 次から次へ人間の魂が押しかけて幽世も大変だろう? 麒麟も苦労が絶えないよねぇ?」
ヤタの表情がピクッと僅かに動き、握り締めていた手を固く握り込む。
彼は帝釈天の事が最初からあまり好きではない。どちらかと言えば避けて通りたい人物だった。帝釈天のこの粘着質な物言いがヤタにはどうにも合わない。神経を逆なで、いちいち鼻に付くような物言いばかりをする話し方に、こめかみに血管が浮き上がる。それでも、ここで騒ぎを起こすことは出来ない為ぐっと堪えた。
「……そこにおいては、我々の管理不足です」
「そう。これは怠慢だよ。麒麟は甘過ぎるし優し過ぎる。それに加えて部下の失態。君たちのおかげでこちらまで面倒なことになってるんだ。もう少ししっかりしてくれないと困るよ」
ヤタは、許可が下りるならばすぐにでも掴みかかってしまいそうになる衝動を堪えるのが精一杯だった。同時に、早くこのネチネチとした話から解放されたいと思う。
そんなヤタの様子をまるで楽しんでいるかのような帝釈天は、口元に笑みを浮かべて話を続ける。
「いいかい? 極楽浄土とは言え、皆楽をしているだとか全員が優しいだとか思わない方がいい。地獄だろうと極楽だろうと、最終的に魂たちが辿り着くのは輪廻転生。新しい命さ。その新しい命を与えるに相応しい魂を磨き育てるのが我々の仕事だと言う事を忘れたわけじゃないだろう? もうすでに手一杯だと言うのに、これ以上余計な仕事を増やさないでくれ」
彼の言いたいことは分かる。帝釈天が言っている事が間違いではないだけに、腹立たしい気持ちも否めなかった。
「肝に銘じ、麒麟様にもお伝え致します」
「あぁ、そうしてくれ。しばらくの間幽世は騒がしいだろうが、無事に落ち着くことを願っているよ」
「はい。失礼します」
唸るかのように低い声で手短に答えると、ヤタはくるりと踵を返し一歩足を踏み出す。
一刻も早くこの場から立ち去ろうとする背中に、帝釈天は再び声をかけた。
「あぁ、そうだ。あと一つあるんだけど……」
思いがけず呼び止められ、ヤタは露骨なほどに不機嫌な顔で振り返る。その顔を見て一瞬目を丸くした帝釈天だが、すぐにニンマリとほくそえんだ。
意地悪なのか、彼の表情からは性根の悪さが出ている。
「そんな顔して、やだねぇ。あれか、麒麟が優し過ぎるからお付きのガラが悪くなるんだろうな」
「……ご用件は何ですか」
いかにも噛みつきそうな勢いで聞き返したヤタに、帝釈天はひょいと肩をすぼませた。
これ以上からかうと痛い目をみそうだ。そう思ったのか、帝釈天は先ほども迄の表情はどこへやらすっと真顔になり八咫烏を見据える。
「麒麟が拾って来た人の子のことだ」
「ひなの……?」
「ふぅん。ひなって言うんだ? まぁそれはともかく。この間閻魔とも話をしたんだけど、その子……もしかすると半妖じゃないのか?」
「……え?」
その言葉に、ヤタは眉間の皺を深めた。
帝釈天は「あぁ」と短く呟くと手をパタパタと横に振る。そして腕を組み、椅子の背もたれに深くもたれ掛かる。
「半妖は言い過ぎかな。どちらかと言えば小半。人の世界の言語で言うならクォーターってところか。まぁつまり、その子には少なからずあやかしの血が混ざっているんじゃないかと思うんだが」
「それは、どこからの情報ですか……?」
思いがけないところからの情報に、ヤタは食いついた。
その様子に帝釈天は今度ばかりは驚いたように目を丸くする。
「あれ? 八咫烏、君知らない訳ないだろう? 少し前に幽世から逃げ出したあやかしがいただろう?」
「それは……存じています。他ならぬ、麒麟様の寵愛を受けていた者ですから……」
八咫烏はぎゅっと拳を握り締める。
この世界で言えばほんの数日前の事だ。麟の傍にいつも近くにいて、彼がどの傍目よりも目にかけていた一人の女性のあやかしがいた。そのあやかしは、現世でかなり徳の高い魂を宿したあやかしだったのもまだ記憶に新しい。
慈愛に満ちた優しさと、朗らかな笑顔が素晴らしい女性だったのをハッキリと記憶している。その麟と彼女との睦まじい様子を近くで見ていたのが八咫烏だったのは言うまでもない。
「そう。そのあやかしだ。そのあやかしは麒麟の寵愛を受けていながら、その麒麟の目さえも搔い潜り上手い事現世にもぐりこんだ。こちら側からすると“逆神隠し”にあったって言う事になるのかな」
麒麟の寵愛を一身に受けていた彼女が、なぜ突然姿をくらましたのか誰も知らない。そしてそれが原因で普段取り乱すことがない麟がとても取り乱していたことを覚えている。
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