27 / 43
第27話 遠足③
しおりを挟む
少し森へ入ると、もう既に後ろも森で、目印をつけて行かないと迷いそうなぐらいだった。森に入る際の注意点はすべてトールから聞いた。どうやら小さい頃から冒険に付き添っていたようで知識はばっちりだ。
「トールはすごいね」
「いや、そんなにすごくはないよ。プロの冒険者の人は魔物の気配を読んだりできるんだから」
「へぇー。そうなんだぁ」
そんなたわいのない話をしていると、近くで誰かの声がした。
「ギャハハハッ」
「やめてください!」
「いいじゃないか。別に」
「やめて、ください」
この声は!?
「ユーリ君。この声って」
「あぁ、まずいかもしれない!」
「ユーリ様! 急ぎましょう!」
「なんだなんだ!? ユーリ状況を教えてくれ!」
「ドルトスだ!」
「なっ!!!!!!! あいつまたやらかしてるのか。ここは魔物もいる森だぞ!!!」
「そんな奴は許すわけにはいかねぇ。早く連れて行ってくれユーリ」
皆この行動の異常さに気づいてすぐさま行動に移す。ミルトも黙ってはいるが、怒っているのが分かるほどには顔が歪んでいた。
数分走ると、ドルトスとその取り巻き、そして、言い寄られている女の子の姿が目に入ってきた。
「おい! ドルトス!」
「誰だ!」
「俺だ。ユーリだ」
「ゆ、ユーリだと!? なんでお前がここに」
「今回は合同演習だ。知らされているはずだろう?」
「あ、あぁ。し、知っているぞ」
「それでお前は今何をしようとしていたんだ?」
「いや、何もしようとしていない!」
「じゃあその手は何だ。女性は嫌がっているようにみえるが?」
「ちょっと可愛がってあげようとしただけだ。お前もそんなことはままあるだろ?」
「それが公爵家の行いか? 見損なった。お前はセシリアだけでなくそこの女性までも手中に納めようとした。しかも強引に。それは上流階級の者がするべき行いではない」
「なぜだ? 父上も同じようにしているぞ? 俺たちは選ばれたものだ」
「とにかく、魔物のいる森ではそのようなことをするな。魔物が寄ってきてもお前らの力じゃ対処できない。そして、その女性は俺たちで保護する」
「ふざけるな! こいつはBクラスのモノだ。お前が関与していい問題じゃない。」
その言葉が発せられるやいなや、ドルトスの耳元を矢が通りすぎ、木に深く突き刺さった。
「お、おい! 何をする。俺様は公爵家だぞ! その行動は許されない!」
「ユーリ、僕はこいつが許せない」
ミルトがふつふつと怒りを募らせている。しっかりとぎりぎりを狙ったものだろうが、当たれば大問題となる。そのことも分かったうえでミルトは放ったのだ。
「ミルト、落ち着け。さすがに怪我をさせると面倒だ。おい! ドルトスがその態度なら、こちらは武力行使も辞さないぞ。早く女の子を渡せ」
「ちっ、仕方ない。おい! お前。今度会ったら許さないからな」
「す、すみません!!!!!!!」
涙を目にためながら最後の力を振り絞り僕たちの方へ走ってくる。相当怖かったのだろう。そりゃそうだ。自分より身分の高い人から言い寄られたら断ることなどできないだろう。良く断ったと思う。その勇気を称えたいところだが、今はこの子の安全が優先だ。
「とにかく大声で騒いだりするな。誰でもわかる常識だ。分かったか?」
「何を恐れているんだ? ハハハッ。こりゃたまげた。王族のくせに恐れ戦いているとは」
「まぁいい」
ドルトスの態度がデカくなったように感じた。
とりあえず、今はこんな奴に構ってはいられない。できるだけ早くガイトス先生のもとへ届けることだけを考えよう。この子は正常な状態ではないから、演習はできるような状況ではないだろう。
「トールはすごいね」
「いや、そんなにすごくはないよ。プロの冒険者の人は魔物の気配を読んだりできるんだから」
「へぇー。そうなんだぁ」
そんなたわいのない話をしていると、近くで誰かの声がした。
「ギャハハハッ」
「やめてください!」
「いいじゃないか。別に」
「やめて、ください」
この声は!?
「ユーリ君。この声って」
「あぁ、まずいかもしれない!」
「ユーリ様! 急ぎましょう!」
「なんだなんだ!? ユーリ状況を教えてくれ!」
「ドルトスだ!」
「なっ!!!!!!! あいつまたやらかしてるのか。ここは魔物もいる森だぞ!!!」
「そんな奴は許すわけにはいかねぇ。早く連れて行ってくれユーリ」
皆この行動の異常さに気づいてすぐさま行動に移す。ミルトも黙ってはいるが、怒っているのが分かるほどには顔が歪んでいた。
数分走ると、ドルトスとその取り巻き、そして、言い寄られている女の子の姿が目に入ってきた。
「おい! ドルトス!」
「誰だ!」
「俺だ。ユーリだ」
「ゆ、ユーリだと!? なんでお前がここに」
「今回は合同演習だ。知らされているはずだろう?」
「あ、あぁ。し、知っているぞ」
「それでお前は今何をしようとしていたんだ?」
「いや、何もしようとしていない!」
「じゃあその手は何だ。女性は嫌がっているようにみえるが?」
「ちょっと可愛がってあげようとしただけだ。お前もそんなことはままあるだろ?」
「それが公爵家の行いか? 見損なった。お前はセシリアだけでなくそこの女性までも手中に納めようとした。しかも強引に。それは上流階級の者がするべき行いではない」
「なぜだ? 父上も同じようにしているぞ? 俺たちは選ばれたものだ」
「とにかく、魔物のいる森ではそのようなことをするな。魔物が寄ってきてもお前らの力じゃ対処できない。そして、その女性は俺たちで保護する」
「ふざけるな! こいつはBクラスのモノだ。お前が関与していい問題じゃない。」
その言葉が発せられるやいなや、ドルトスの耳元を矢が通りすぎ、木に深く突き刺さった。
「お、おい! 何をする。俺様は公爵家だぞ! その行動は許されない!」
「ユーリ、僕はこいつが許せない」
ミルトがふつふつと怒りを募らせている。しっかりとぎりぎりを狙ったものだろうが、当たれば大問題となる。そのことも分かったうえでミルトは放ったのだ。
「ミルト、落ち着け。さすがに怪我をさせると面倒だ。おい! ドルトスがその態度なら、こちらは武力行使も辞さないぞ。早く女の子を渡せ」
「ちっ、仕方ない。おい! お前。今度会ったら許さないからな」
「す、すみません!!!!!!!」
涙を目にためながら最後の力を振り絞り僕たちの方へ走ってくる。相当怖かったのだろう。そりゃそうだ。自分より身分の高い人から言い寄られたら断ることなどできないだろう。良く断ったと思う。その勇気を称えたいところだが、今はこの子の安全が優先だ。
「とにかく大声で騒いだりするな。誰でもわかる常識だ。分かったか?」
「何を恐れているんだ? ハハハッ。こりゃたまげた。王族のくせに恐れ戦いているとは」
「まぁいい」
ドルトスの態度がデカくなったように感じた。
とりあえず、今はこんな奴に構ってはいられない。できるだけ早くガイトス先生のもとへ届けることだけを考えよう。この子は正常な状態ではないから、演習はできるような状況ではないだろう。
1
あなたにおすすめの小説
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる