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第28話 遠足④
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ドルトスを一瞥し、その場を去る。周囲の警戒をし、目印を辿って、ガイトス先生の場所へと向かっていると……
「あ、あの…… 助けていただいてありがとうございました…」
女の子が申し訳なさそうに、こちらに向けて頭を下げてきた。
「いや、感謝されるようなことでもないから」
本当にそう思っている。悪いのは、ドルトスであって、君じゃない。上に立つものとして困っている人を助けるのは当然のことだ。その当たり前のことを忘れているドルトスやアンドレス公爵家はもう駄目なのだろう。貴族の悪い部分を寄せ集めたような性格になってしまっている。
「それじゃ私の気が済みません!」
「じゃあ、友達になってよ。僕たちの」
「え? そんなことでいいんですか? もう既にこんなに友達がいらっしゃるのに……」
「僕はね。こう見えても王族なんだ。だから友達が少なくてね」
「へぇ。王族なんですか。ってえーーーーーーーーーーーーー! す、すみません!!! 今すぐにでも土下座します!」
飛び跳ねるように土下座をしようとしたこの子を全力で止める。
「ちょっ。やめてよ!」
「ユーリはそういうの気にされるの嫌がるんだ。そういや名前は?」
「ミヤって言います!」
「じゃあミヤ、今から入口に戻るけどいい?」
「は、はい! 何から何までありがとうございます」
「いいよ、ミヤ。別に気にしなくて。ただ、あいつだけが貴族だとは思わないで欲しい。そこにいるエレンだって貴族なんだから」
「そうですよね。あんな人ばっかりが貴族だったら私はもう無理です!」
「そりゃそうだ。とりあえず入り口に行こうか」
「は、はい!」
僕たちはそれぞれ自己紹介をしながら、入口へと急いだ。
◆
10分ほどかけて入り口に戻ってきた。
「お~い! ユーリなんで戻ってきたんだ?」
「すみません。ガイトス先生。ドルトスの奴が女性に乱暴しようとしていたので、注意してその女生徒を保護してきました」
「はぁ!? まじであいつはくそだ。そう、くそだ。そこで、その見れない子がその子か?」
「は、はい! 私はミヤって言います! Bクラスに在籍しています」
「別クラスの奴はなぁ」
「Aクラスの方に移すこととかできたりしないですか?」
「出来ねぇこともねぇけど、向こうの先生に許可をもらわないといけねぇ。向こうの先生はな。貴族至上主義の先生でな。アンドレス公爵家によって無理やりねじ込まれた先生だ。ちと厳しいことになるぞ?」
「貴族至上主義なんですよね? じゃあ僕が一緒に直談判に行けば大丈夫なんじゃないですか?」
「まぁ、それならいいと思うが、ほんとに良いのか?」
「乗り掛かった舟です。最後まで責任は負いますよ」
「ただ、今は少し立て込んでいる。また、後日ということにしよう。悪いがそれまでミヤちゃんには自宅でゆっくりしてもらうことになりそうだ。ミヤちゃん? 大丈夫か?」
「は、はい! 大丈夫です! あの、ここまでしていただきありがとうございます!」
「いや、上に立つものとして当然の行いをしたまでだよ」
「そうだ。俺は先生なんだからな。頼ってくれ!」
「ありがとうございます!」
何とかなりそうだ。ミヤもこのままBクラスには居たくないだろうからな。しかし、Bクラスは貴族至上主義の先生か。公爵家ともなると学園も無下にはできないものなんだろうな。近いうちに何とかしないとな。とにかく、ミヤの問題は何とかなりそうだ。
「じゃあミヤ、救護室のところまで行っててくれ! 俺はユーリたちと話があるからな」
「分かりました!」
話? なんかさっき立て込んでるって言ってたな。その関係かな?
「ユーリ、少し頼みたいことがある」
「なんですか?」
「今森の中では少々厄介なことが起こっているんだ。ゴブリンたちは基本3人程のグループで行動するんだが、生徒たちの報告によると、5~6人に増えているようだ。もしかしたら何か異常が起きているのかもしれない。ゴブリン共を倒すのに手こずるグループがいるかもしれない。だから、見つけた時は助けてやってくれ。それと、奥地の調査も並行して頼む。お前たちは強いが、油断はするな。常に警戒してくれ。頼めるか?」
「分かりました。何か異常事態があれば、合図で呼べばいいのですね?」
「あぁ、そうだ。俺は引き続きここで指揮を執る。Bクラスの先生は使い物にならなそうだからな。だが、もし危険なことがあればすぐに知らせてこい。俺が救援に向かう」
「分かりました。先生もがんばってください!」
ゴブリンのグループ行動か。最悪の事態は、統率者がいることだ。ゴブリンであれば、ロード、キング、エンペラーが挙げられる。強さはロード、キング、エンペラーの順だ。ロードであれば全然問題はない。僕たちだけで容易に対処できるだろう。しかし、キングやエンペラーとなると話は変わってくる。
キングは街一つを滅ぼせると言われ、エンペラーは国一つを滅ぼせるとまで言われている。それはゴブリン全体に知性が備わるためである。そして、エンペラーであれば複数のキング個体を使役できるため、統率力は計り知れない。
そして、何より恐ろしいのがゴブリンの繁殖力である。女性を拉致し、孕ませることで知られている。もし計画的に繁殖が行われているとしたら、戦力は計り知れないだろう。
注意してかかろう。
◆◆◆◆◆◆◆◆
アレクシオール王国周辺地図を、「第12話 あれから5年が経って.......」に追加致しました。ここにも貼っておきます。
「あ、あの…… 助けていただいてありがとうございました…」
女の子が申し訳なさそうに、こちらに向けて頭を下げてきた。
「いや、感謝されるようなことでもないから」
本当にそう思っている。悪いのは、ドルトスであって、君じゃない。上に立つものとして困っている人を助けるのは当然のことだ。その当たり前のことを忘れているドルトスやアンドレス公爵家はもう駄目なのだろう。貴族の悪い部分を寄せ集めたような性格になってしまっている。
「それじゃ私の気が済みません!」
「じゃあ、友達になってよ。僕たちの」
「え? そんなことでいいんですか? もう既にこんなに友達がいらっしゃるのに……」
「僕はね。こう見えても王族なんだ。だから友達が少なくてね」
「へぇ。王族なんですか。ってえーーーーーーーーーーーーー! す、すみません!!! 今すぐにでも土下座します!」
飛び跳ねるように土下座をしようとしたこの子を全力で止める。
「ちょっ。やめてよ!」
「ユーリはそういうの気にされるの嫌がるんだ。そういや名前は?」
「ミヤって言います!」
「じゃあミヤ、今から入口に戻るけどいい?」
「は、はい! 何から何までありがとうございます」
「いいよ、ミヤ。別に気にしなくて。ただ、あいつだけが貴族だとは思わないで欲しい。そこにいるエレンだって貴族なんだから」
「そうですよね。あんな人ばっかりが貴族だったら私はもう無理です!」
「そりゃそうだ。とりあえず入り口に行こうか」
「は、はい!」
僕たちはそれぞれ自己紹介をしながら、入口へと急いだ。
◆
10分ほどかけて入り口に戻ってきた。
「お~い! ユーリなんで戻ってきたんだ?」
「すみません。ガイトス先生。ドルトスの奴が女性に乱暴しようとしていたので、注意してその女生徒を保護してきました」
「はぁ!? まじであいつはくそだ。そう、くそだ。そこで、その見れない子がその子か?」
「は、はい! 私はミヤって言います! Bクラスに在籍しています」
「別クラスの奴はなぁ」
「Aクラスの方に移すこととかできたりしないですか?」
「出来ねぇこともねぇけど、向こうの先生に許可をもらわないといけねぇ。向こうの先生はな。貴族至上主義の先生でな。アンドレス公爵家によって無理やりねじ込まれた先生だ。ちと厳しいことになるぞ?」
「貴族至上主義なんですよね? じゃあ僕が一緒に直談判に行けば大丈夫なんじゃないですか?」
「まぁ、それならいいと思うが、ほんとに良いのか?」
「乗り掛かった舟です。最後まで責任は負いますよ」
「ただ、今は少し立て込んでいる。また、後日ということにしよう。悪いがそれまでミヤちゃんには自宅でゆっくりしてもらうことになりそうだ。ミヤちゃん? 大丈夫か?」
「は、はい! 大丈夫です! あの、ここまでしていただきありがとうございます!」
「いや、上に立つものとして当然の行いをしたまでだよ」
「そうだ。俺は先生なんだからな。頼ってくれ!」
「ありがとうございます!」
何とかなりそうだ。ミヤもこのままBクラスには居たくないだろうからな。しかし、Bクラスは貴族至上主義の先生か。公爵家ともなると学園も無下にはできないものなんだろうな。近いうちに何とかしないとな。とにかく、ミヤの問題は何とかなりそうだ。
「じゃあミヤ、救護室のところまで行っててくれ! 俺はユーリたちと話があるからな」
「分かりました!」
話? なんかさっき立て込んでるって言ってたな。その関係かな?
「ユーリ、少し頼みたいことがある」
「なんですか?」
「今森の中では少々厄介なことが起こっているんだ。ゴブリンたちは基本3人程のグループで行動するんだが、生徒たちの報告によると、5~6人に増えているようだ。もしかしたら何か異常が起きているのかもしれない。ゴブリン共を倒すのに手こずるグループがいるかもしれない。だから、見つけた時は助けてやってくれ。それと、奥地の調査も並行して頼む。お前たちは強いが、油断はするな。常に警戒してくれ。頼めるか?」
「分かりました。何か異常事態があれば、合図で呼べばいいのですね?」
「あぁ、そうだ。俺は引き続きここで指揮を執る。Bクラスの先生は使い物にならなそうだからな。だが、もし危険なことがあればすぐに知らせてこい。俺が救援に向かう」
「分かりました。先生もがんばってください!」
ゴブリンのグループ行動か。最悪の事態は、統率者がいることだ。ゴブリンであれば、ロード、キング、エンペラーが挙げられる。強さはロード、キング、エンペラーの順だ。ロードであれば全然問題はない。僕たちだけで容易に対処できるだろう。しかし、キングやエンペラーとなると話は変わってくる。
キングは街一つを滅ぼせると言われ、エンペラーは国一つを滅ぼせるとまで言われている。それはゴブリン全体に知性が備わるためである。そして、エンペラーであれば複数のキング個体を使役できるため、統率力は計り知れない。
そして、何より恐ろしいのがゴブリンの繁殖力である。女性を拉致し、孕ませることで知られている。もし計画的に繁殖が行われているとしたら、戦力は計り知れないだろう。
注意してかかろう。
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