5 / 8
異世界で【俺は】歌姫を目指す!
しおりを挟む
「あの方は誰? エミリアの知り合い?」
「知りません」
店の前には豪華な馬車が横付けされてる。おかげで野次馬が群れて来た。俺は逃げたのにあいつは追って来たのだ。知らん顔するのも限界がある。そこは騒ぎを聞きつけてベラがやってきた。ベラはジュベールの顔を見るなり驚きをあらわにする。まぁ、当たり前か。
「な、何で、ジュベール王子がここに?」
小声でそっと耳打ちしてきた。王子だと知れたらもう大騒ぎでは済まないかもしれないからな。
「わからない」
「エミリア。おかわり頼んでも良いかな」
能天気な王子はカツレツのおかわりをしてきた。王子もよほどカツレツは気に入った様子だ。
「何人前食うんだよ」
「いやぁ、凄く美味しいよ。いつもは食の細いロアンもペロリだ」
ロアンとは濡れた様な瞳をしている美少年だ。恥ずかしそうに下を向いて口元を拭っている。
「それは良かった」
「今は旅の途中なんだ。出来ればお弁当にカツサンドも頼みたいのだが・・・」
「カツを食べたいのはお前達だけじゃ無いんだよ!」
「そうか。残念だな・・・」
「だ、大丈夫です。食材は十分にありますから・・・」
「そうか。無理言ってすまないね。これで足りるかな」
テーブルの上に従者が金貨を大量に置いた。その多さにみんなの目の色が変わる。
「こ、こ、こんなに・・・」
「できれば今夜泊まれる場所も紹介してもらえると嬉しいのですが・・・」
「はい、かしこまりました。お任せ下さい」
お金に目がくらんだベラとステイシーは二つ返事で了承した。全く、これだから平民は・・・人の事は言えないけど。
「それより、どこかへ行かれるのですか?」
「ああ。近く叔母上の誕生日会があるので」
「叔母上様とは?」
「テネール王国のアシアナ王妃なんだけど・・・」
「まあ! それはそれは・・・」
さすが王子。親族も王族なのか。
「叔母上は歌が好きでね。いつも何人かの歌手を招待するのだが・・・」
そう言って俺を見た。見るんじゃ無い!
「エミリアの歌を聴かせたいと思っていたんだ」
「!」
そう言いながら、俺に近づいてきた。
「初めてエミリアの歌を聴いた時に思ったんだ。エミリアの歌を叔母上に聞かせてみたいってね」
そう言うと特上の笑みを浮かべた。
「王子様・・・」
「なんてお優しい・・・」
俺は騙されないからな!
「はぁ~~?」
「だから、王子について行って叔母上様に歌を聴かせてあげたら良いんじゃないの? 叔母上様もきっとお喜びなるわよ」
「そうよ。それにテネール国の王妃様の前で歌ったとあれば、エミリアの歌のファンも増えるかもよ」
「俺はテネール国でどんな料理流行ってるとか、あと、宮廷でどんな料理食べてるのか知りたいな」
ジョッシュお前もか!
ドアが開きジュベール王子達が入ってきた。
「おはようございます」
「おはようございます、王子様。良くお休みになれましたか」
「はい。ステキな宿屋を紹介してくださってありがとうございます。おはようエミリア」
「・・・おはよう」
奴らは俺の前の椅子に座ると、にこやかに微笑みかけてきた。 わぁー、やな予感。
「ところでエミリア。昨日の話し考えてくれたかな」
「はっ?」
「一緒に叔母上の誕生日会を祝いたいんだ」
「・・・それはちょっと・・・」
「行って来なさいよ。王宮の誕生日会なんて素敵だわ」
「本当! 私が出席したいくらいよ」
「・・・なら、代わりにどうぞ」
「そ、それは…ほら、私、歌えないし・・・、ねぇ」
「そうそう。そもそも王子はエミリアの歌を聴かせたいとおもってるんだから、ねぇ」
「俺は、宮廷の料理のレシピが欲しい」
三人揃ってしきりにジュベールと行くことを勧める。
(さては買収されたな)
俺はジュベールの顔をキッと見た。みんなの言葉にジュベールはうんうんと頷いている。
(さては買収したな)
結局俺は皆んなの説得に負け、ジュベールと不本意ながらも同行するこになった。善は急げとばかりに馬車に乗せられテネール王国になってしまった。
「いってらっしゃーい」
「料理のレシピお願いしますね!」
皆んな言いたい放題だ。
「ありがとうエミリア」
「・・・どういたしまして・・・」
俺はそっぽを向きながらぶっきらぼうに答えた。
「本当に王妃様に聴かせるのか」
「ん?」
「僕は反対だな。何処の誰とも分からない女の歌なんて」
(おい。随分と差別的な発言だな。綺麗な顔してさ)
「大丈夫。エミリアは何処の誰とも分からない女じゃないから」
「ふん。そう」
気まずい雰囲気の馬車の中、夕暮れにはテネール国との国境近くの町に付いた。ここからは船で移動する様だ。
「大きな川だな。海の様に見える」
「えっ? エミリアは海を見たことあるの?」
「えっ? あ、まぁ・・・」
(日本は島国だからな。海に囲まれてるし・・・)
「凄いな。僕はまだ一度も見た事無いんだ」
「えっ? あ、ああ…そうなんだ。でも、大きな船だな」
話題を切り替える。
「テネール国との貿易は船が不可欠だからね。商売の為の荷物を多数積み込まれるからね」
「なるほど。道理で樽とか木箱が多いと思った」
「あと、誕生日会に出席して歌や芸を披露する人達も多く乗ってると思うよ」
さすが王妃様の誕生日会。
「馬車とはここでお別れだ。さぁ、乗ろう」
ジュベールが手を伸ばして来た。
「おっ、おお・・・」
断るのも何なので俺はその手を取った。しっかり握られ船に掛けられた板の橋を上がっていく。
さすが王族とあって部屋は一般の人とは離れて特別室だ。でも、行き来は自由なので、王子が居ると言うことを聞きつけた人々が一目ジュベールを見ようと遠回しに観に来る。
「さすが王子様だね。大変な人気者だ」
「まあ、滅多に王族にはお目にかかれないからね」
自覚しているジュベールは女性達に手を振っている。そんな女性達の声が聞こえてくる。
「王子様、素敵ね」
「隣にいるお方も凄いお綺麗な殿方ね」
そんな中、俺のことも囁いているのか聞こえた。
「あの女の方は付き添いの方?」
「侍女か何かかしら」
「それにしてはお召し物かみすぼらしくありません」
(みすぼらしい?)
三人は一斉に俺の着ているドレスを見た。
(別に普通の普段着だよな)
そりゃぁ、ジュベールとロアインの高価な服から見れば劣るけど・・・いつも女性はシビアだな。
「気がつかなかった。向こうに着いたら早速ドレスを新調させよう」
「そんなにみすぼらしいか?」
「いや、僕はエミリアらしいと思うけど・・・」
「ククク」
ロアインは面白そうに笑った。
(チッ。嫌な奴だ)
貴族って面倒だな。まぁ、着る物なんてどうでも良いけど。そうこうしている内に街並みが見えて来た。赤い屋根や青い屋根、それが手前から奥へと段々畑の様に連なっている。
「やっと着いたな」
港が近くなって来ると大勢の人影も見える。
「おおーー!」
波止場の真ん中に場違いな馬車がドーンと停まっている。多分、ジュベールを迎える馬車なのだろう。
「ジュベール。良く来てくれたな」
「ジグ」
身分のある男性なのだろう。タメ口だし。
「ロアインも。相変わらず美人だな」
ジグと呼ばれた彼は俺の顔を見て不思議なそうな表情を見せた。
「このご婦人は?」
「彼女はエミリア。叔母上の為に歌を披露しようと思ってね」
「おお。母上も喜ぶよ。歌が大好きだからね」
そう笑顔で答えながらも俺の服装にチラリと目を落とした。
「エミリアです。みすぼらしい姿で失礼します」
「ハハハ。すまない。他意はないんだ」
俺達はジグ王子が用意した馬車に乗り込む。
「僕はジュベールが恋人を同伴したのかと思ったんだよ」
「えっ?」
「無い無い」
俺とロアインが同時に発した。何でこいつも否定するんだよ。
「可愛い方なのに・・・」
まぁ、エミリアは可愛い方だと思うけど、何せ中身は男だからな。
「並だろう」
またもチャチャを入れたのはロアインだ。こいつ何の恨みが? まさか、ジュベールの事好きなのか?
俺はロアインを睨んだが、あいつは窓の外を見ている。俺も仕方ないので、外の風景を楽しむ。空気も爽やかで、街の人達が手を振ってくれてる。
俺も貴族では無いが振り返す。気分はお姫様だ。
「知りません」
店の前には豪華な馬車が横付けされてる。おかげで野次馬が群れて来た。俺は逃げたのにあいつは追って来たのだ。知らん顔するのも限界がある。そこは騒ぎを聞きつけてベラがやってきた。ベラはジュベールの顔を見るなり驚きをあらわにする。まぁ、当たり前か。
「な、何で、ジュベール王子がここに?」
小声でそっと耳打ちしてきた。王子だと知れたらもう大騒ぎでは済まないかもしれないからな。
「わからない」
「エミリア。おかわり頼んでも良いかな」
能天気な王子はカツレツのおかわりをしてきた。王子もよほどカツレツは気に入った様子だ。
「何人前食うんだよ」
「いやぁ、凄く美味しいよ。いつもは食の細いロアンもペロリだ」
ロアンとは濡れた様な瞳をしている美少年だ。恥ずかしそうに下を向いて口元を拭っている。
「それは良かった」
「今は旅の途中なんだ。出来ればお弁当にカツサンドも頼みたいのだが・・・」
「カツを食べたいのはお前達だけじゃ無いんだよ!」
「そうか。残念だな・・・」
「だ、大丈夫です。食材は十分にありますから・・・」
「そうか。無理言ってすまないね。これで足りるかな」
テーブルの上に従者が金貨を大量に置いた。その多さにみんなの目の色が変わる。
「こ、こ、こんなに・・・」
「できれば今夜泊まれる場所も紹介してもらえると嬉しいのですが・・・」
「はい、かしこまりました。お任せ下さい」
お金に目がくらんだベラとステイシーは二つ返事で了承した。全く、これだから平民は・・・人の事は言えないけど。
「それより、どこかへ行かれるのですか?」
「ああ。近く叔母上の誕生日会があるので」
「叔母上様とは?」
「テネール王国のアシアナ王妃なんだけど・・・」
「まあ! それはそれは・・・」
さすが王子。親族も王族なのか。
「叔母上は歌が好きでね。いつも何人かの歌手を招待するのだが・・・」
そう言って俺を見た。見るんじゃ無い!
「エミリアの歌を聴かせたいと思っていたんだ」
「!」
そう言いながら、俺に近づいてきた。
「初めてエミリアの歌を聴いた時に思ったんだ。エミリアの歌を叔母上に聞かせてみたいってね」
そう言うと特上の笑みを浮かべた。
「王子様・・・」
「なんてお優しい・・・」
俺は騙されないからな!
「はぁ~~?」
「だから、王子について行って叔母上様に歌を聴かせてあげたら良いんじゃないの? 叔母上様もきっとお喜びなるわよ」
「そうよ。それにテネール国の王妃様の前で歌ったとあれば、エミリアの歌のファンも増えるかもよ」
「俺はテネール国でどんな料理流行ってるとか、あと、宮廷でどんな料理食べてるのか知りたいな」
ジョッシュお前もか!
ドアが開きジュベール王子達が入ってきた。
「おはようございます」
「おはようございます、王子様。良くお休みになれましたか」
「はい。ステキな宿屋を紹介してくださってありがとうございます。おはようエミリア」
「・・・おはよう」
奴らは俺の前の椅子に座ると、にこやかに微笑みかけてきた。 わぁー、やな予感。
「ところでエミリア。昨日の話し考えてくれたかな」
「はっ?」
「一緒に叔母上の誕生日会を祝いたいんだ」
「・・・それはちょっと・・・」
「行って来なさいよ。王宮の誕生日会なんて素敵だわ」
「本当! 私が出席したいくらいよ」
「・・・なら、代わりにどうぞ」
「そ、それは…ほら、私、歌えないし・・・、ねぇ」
「そうそう。そもそも王子はエミリアの歌を聴かせたいとおもってるんだから、ねぇ」
「俺は、宮廷の料理のレシピが欲しい」
三人揃ってしきりにジュベールと行くことを勧める。
(さては買収されたな)
俺はジュベールの顔をキッと見た。みんなの言葉にジュベールはうんうんと頷いている。
(さては買収したな)
結局俺は皆んなの説得に負け、ジュベールと不本意ながらも同行するこになった。善は急げとばかりに馬車に乗せられテネール王国になってしまった。
「いってらっしゃーい」
「料理のレシピお願いしますね!」
皆んな言いたい放題だ。
「ありがとうエミリア」
「・・・どういたしまして・・・」
俺はそっぽを向きながらぶっきらぼうに答えた。
「本当に王妃様に聴かせるのか」
「ん?」
「僕は反対だな。何処の誰とも分からない女の歌なんて」
(おい。随分と差別的な発言だな。綺麗な顔してさ)
「大丈夫。エミリアは何処の誰とも分からない女じゃないから」
「ふん。そう」
気まずい雰囲気の馬車の中、夕暮れにはテネール国との国境近くの町に付いた。ここからは船で移動する様だ。
「大きな川だな。海の様に見える」
「えっ? エミリアは海を見たことあるの?」
「えっ? あ、まぁ・・・」
(日本は島国だからな。海に囲まれてるし・・・)
「凄いな。僕はまだ一度も見た事無いんだ」
「えっ? あ、ああ…そうなんだ。でも、大きな船だな」
話題を切り替える。
「テネール国との貿易は船が不可欠だからね。商売の為の荷物を多数積み込まれるからね」
「なるほど。道理で樽とか木箱が多いと思った」
「あと、誕生日会に出席して歌や芸を披露する人達も多く乗ってると思うよ」
さすが王妃様の誕生日会。
「馬車とはここでお別れだ。さぁ、乗ろう」
ジュベールが手を伸ばして来た。
「おっ、おお・・・」
断るのも何なので俺はその手を取った。しっかり握られ船に掛けられた板の橋を上がっていく。
さすが王族とあって部屋は一般の人とは離れて特別室だ。でも、行き来は自由なので、王子が居ると言うことを聞きつけた人々が一目ジュベールを見ようと遠回しに観に来る。
「さすが王子様だね。大変な人気者だ」
「まあ、滅多に王族にはお目にかかれないからね」
自覚しているジュベールは女性達に手を振っている。そんな女性達の声が聞こえてくる。
「王子様、素敵ね」
「隣にいるお方も凄いお綺麗な殿方ね」
そんな中、俺のことも囁いているのか聞こえた。
「あの女の方は付き添いの方?」
「侍女か何かかしら」
「それにしてはお召し物かみすぼらしくありません」
(みすぼらしい?)
三人は一斉に俺の着ているドレスを見た。
(別に普通の普段着だよな)
そりゃぁ、ジュベールとロアインの高価な服から見れば劣るけど・・・いつも女性はシビアだな。
「気がつかなかった。向こうに着いたら早速ドレスを新調させよう」
「そんなにみすぼらしいか?」
「いや、僕はエミリアらしいと思うけど・・・」
「ククク」
ロアインは面白そうに笑った。
(チッ。嫌な奴だ)
貴族って面倒だな。まぁ、着る物なんてどうでも良いけど。そうこうしている内に街並みが見えて来た。赤い屋根や青い屋根、それが手前から奥へと段々畑の様に連なっている。
「やっと着いたな」
港が近くなって来ると大勢の人影も見える。
「おおーー!」
波止場の真ん中に場違いな馬車がドーンと停まっている。多分、ジュベールを迎える馬車なのだろう。
「ジュベール。良く来てくれたな」
「ジグ」
身分のある男性なのだろう。タメ口だし。
「ロアインも。相変わらず美人だな」
ジグと呼ばれた彼は俺の顔を見て不思議なそうな表情を見せた。
「このご婦人は?」
「彼女はエミリア。叔母上の為に歌を披露しようと思ってね」
「おお。母上も喜ぶよ。歌が大好きだからね」
そう笑顔で答えながらも俺の服装にチラリと目を落とした。
「エミリアです。みすぼらしい姿で失礼します」
「ハハハ。すまない。他意はないんだ」
俺達はジグ王子が用意した馬車に乗り込む。
「僕はジュベールが恋人を同伴したのかと思ったんだよ」
「えっ?」
「無い無い」
俺とロアインが同時に発した。何でこいつも否定するんだよ。
「可愛い方なのに・・・」
まぁ、エミリアは可愛い方だと思うけど、何せ中身は男だからな。
「並だろう」
またもチャチャを入れたのはロアインだ。こいつ何の恨みが? まさか、ジュベールの事好きなのか?
俺はロアインを睨んだが、あいつは窓の外を見ている。俺も仕方ないので、外の風景を楽しむ。空気も爽やかで、街の人達が手を振ってくれてる。
俺も貴族では無いが振り返す。気分はお姫様だ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる