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宝石を見ていたら
転生したら王だった
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アンドルーの案内で後宮の入り口にたどり着いた。女性の護衛兵が立っていたが、すんなり入れた。そこは大きな広間で、家族が娘に会うための所らしい。ので、王以外もここまでは入れるのだとアンドルーは言った。
その部屋には妃全員が集まっているのではないかと思う位騒がしい。テーブルがあちこちに並べてられ、女性達が群がっている。歩きながら覗き込むと、キラキラ光る宝石が並べられていた。
ネックレス、ブローチ、イヤリングに指輪など、沢山の様な装飾品を何点か手に持ち吟味に余念が無い。王の俺が側にいるのにちっとも目に入らないらしい。
歩いていると、クロエが壁際に立っていた。
「クロエ、こんにちは」
「陛下。珍しいですね」
驚いた表情で俺を見た。
「クロエは買わないの」
「あまり欲しいものが無くて・・・」
そういえばクロエはあまり装飾品を付けていない。
「クロエの黒髪には真珠とか合いそうだね」
「真珠? 何ですかそれ?」
(えっーーー!)
俺はショックを受けた。日本の代表とも言える真珠を知らないのか!
俺はテーブルを覗き込んだ。確かに真珠らしき物は無かった。
(無いのか・・残念・・・)
その中で一際目を引くダイヤがあった。
(大きいな)
手にとってみるとズッシリ重い。でも、コーデリアさん曰く、まがい物なんだよな。
俺はそっと息を吹きかけて見た。
(⁈)
「流石は陛下。お目が高いですね」
急に小柄な男が近くに寄って来た。
「アイラ様の父上のネルドン卿です」
小声でアンドルーが教えてくれた。
「盛況ですね。ネルドン卿」
「はい。これも陛下のお陰でございます。そのダイヤモンドは滅多にお目にかかれない一品ですよ」
揉み手をしながらダイヤモンドを褒めた。買わしたいのが見え見えだ。
「そうだね。貰おうかな」
「ありがとうございます」
箱に入れようとするのを断り、ポケット卿に入れて。そして、皆んなに声をかける。
「買った品物は後で見せてね。どれが一番良い物を買ったかコンテストしよう」
その言葉に妃達はさらに宝石に群がった。
「これは私が先に目をつけたのよ」
「これとこれは私の物よ」
宝石の争奪戦になってしまった。
「ああー、いや・・・」
近くで誰かが誤って宝石を落とすのが見えた。
「だ、大丈夫です」
慌てて卿の配下の者が拾い上げた。
(やっぱり、コーデリアさんの言うことは本当だ)
配下の若者は落とした宝石を布にくるんでしまい込むと何事も無かったかかの様に、高価そうな宝石を勧めている。
「行こうか。アンちゃん」
「は、はい」
俺は部屋を出る時クロエに声を掛けた。
「買わないで成功だよ。クロエ」
「えっ?」
俺は公務の部屋に戻ると、コーデリアさんを呼んで欲しいと頼んだ。
ポケットからダイヤモンドを取り出して、日にかざしたり、転がしたりしてみた。
「陛下?」
「これ、何に見える?」
「ダイヤモンドでは無いのですか?」
「だよね」
「?」
暫くしてオードリーと共にコーデリアさんがやって来た。
「何の様ですの?」
呼び出されてちょっと不機嫌の様だ。そんなコーデリアさんの目の前に石を差し出した。
「?」
黙ってその石を見たコーデリアさんは即言い放つ。「偽物ですね」
「やっぱり」
「やっぱりって、陛下はそれが偽物だと分かったのですか?」
アンドルーが疑問を投げかけて来た。
「以前テレビで、ダイヤモンドは息を吹きかけるとすぐに曇りが消えるって言ってたんだよね。でも、これは直ぐには曇りが消えなかった」
俺はどうだとばかりな言い放つ。
「テレビ?」
三人は同時に同じ言葉を発した。
(! ヤバイ!)
「テレビとは?」
「テレビは、その、あれだよ。四角い顔で背の低い・・」
俺はしどろもどろになって説明する。
「陛下のお友達ですか?」
「そうそう。友達、友達、アハハ」
「陛下のいつもお側に居ましたが、存じないのですが」
「えっ、そう? テレビ君は恥ずかしがり屋だからね」
(もう、追及してこないで、アンドルー!)
その部屋には妃全員が集まっているのではないかと思う位騒がしい。テーブルがあちこちに並べてられ、女性達が群がっている。歩きながら覗き込むと、キラキラ光る宝石が並べられていた。
ネックレス、ブローチ、イヤリングに指輪など、沢山の様な装飾品を何点か手に持ち吟味に余念が無い。王の俺が側にいるのにちっとも目に入らないらしい。
歩いていると、クロエが壁際に立っていた。
「クロエ、こんにちは」
「陛下。珍しいですね」
驚いた表情で俺を見た。
「クロエは買わないの」
「あまり欲しいものが無くて・・・」
そういえばクロエはあまり装飾品を付けていない。
「クロエの黒髪には真珠とか合いそうだね」
「真珠? 何ですかそれ?」
(えっーーー!)
俺はショックを受けた。日本の代表とも言える真珠を知らないのか!
俺はテーブルを覗き込んだ。確かに真珠らしき物は無かった。
(無いのか・・残念・・・)
その中で一際目を引くダイヤがあった。
(大きいな)
手にとってみるとズッシリ重い。でも、コーデリアさん曰く、まがい物なんだよな。
俺はそっと息を吹きかけて見た。
(⁈)
「流石は陛下。お目が高いですね」
急に小柄な男が近くに寄って来た。
「アイラ様の父上のネルドン卿です」
小声でアンドルーが教えてくれた。
「盛況ですね。ネルドン卿」
「はい。これも陛下のお陰でございます。そのダイヤモンドは滅多にお目にかかれない一品ですよ」
揉み手をしながらダイヤモンドを褒めた。買わしたいのが見え見えだ。
「そうだね。貰おうかな」
「ありがとうございます」
箱に入れようとするのを断り、ポケット卿に入れて。そして、皆んなに声をかける。
「買った品物は後で見せてね。どれが一番良い物を買ったかコンテストしよう」
その言葉に妃達はさらに宝石に群がった。
「これは私が先に目をつけたのよ」
「これとこれは私の物よ」
宝石の争奪戦になってしまった。
「ああー、いや・・・」
近くで誰かが誤って宝石を落とすのが見えた。
「だ、大丈夫です」
慌てて卿の配下の者が拾い上げた。
(やっぱり、コーデリアさんの言うことは本当だ)
配下の若者は落とした宝石を布にくるんでしまい込むと何事も無かったかかの様に、高価そうな宝石を勧めている。
「行こうか。アンちゃん」
「は、はい」
俺は部屋を出る時クロエに声を掛けた。
「買わないで成功だよ。クロエ」
「えっ?」
俺は公務の部屋に戻ると、コーデリアさんを呼んで欲しいと頼んだ。
ポケットからダイヤモンドを取り出して、日にかざしたり、転がしたりしてみた。
「陛下?」
「これ、何に見える?」
「ダイヤモンドでは無いのですか?」
「だよね」
「?」
暫くしてオードリーと共にコーデリアさんがやって来た。
「何の様ですの?」
呼び出されてちょっと不機嫌の様だ。そんなコーデリアさんの目の前に石を差し出した。
「?」
黙ってその石を見たコーデリアさんは即言い放つ。「偽物ですね」
「やっぱり」
「やっぱりって、陛下はそれが偽物だと分かったのですか?」
アンドルーが疑問を投げかけて来た。
「以前テレビで、ダイヤモンドは息を吹きかけるとすぐに曇りが消えるって言ってたんだよね。でも、これは直ぐには曇りが消えなかった」
俺はどうだとばかりな言い放つ。
「テレビ?」
三人は同時に同じ言葉を発した。
(! ヤバイ!)
「テレビとは?」
「テレビは、その、あれだよ。四角い顔で背の低い・・」
俺はしどろもどろになって説明する。
「陛下のお友達ですか?」
「そうそう。友達、友達、アハハ」
「陛下のいつもお側に居ましたが、存じないのですが」
「えっ、そう? テレビ君は恥ずかしがり屋だからね」
(もう、追及してこないで、アンドルー!)
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