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麻友の異世界探訪
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麻友はすることも無くウロウロしていた。ベアは兄のアルベール王子が、討伐から久し振りに戻って来て会えるのを待ちきれずに迎えに行ってしまった。本当に兄の事が大好きみたいだ。話題にもよく兄の自慢話しをする事からも分かる。
「何かお手伝いする事有りませんか」
暇を持て余した麻友は、厨房に入り声を掛けた。
「あら、今日はお姫様の相手はお休み?」
「遊び相手も大変よね」
「い、いやぁ・・・」
(そんな事無いけど)
獣人と言うだけで評価は厳しい。
「後でそのお酒、王妃様の部屋まで運んでくれる?」
「お酒ですか?」
「そうよ。あのピザン教皇が見えてるのよ」
魔王を蘇らせたと言う事で、国の皆んなは教皇を憎んでいる。でも、王妃様の部屋なんて・・・。
「教皇は良く王妃様の部屋に来られるんですか」
働いている人達の手が止まる。ヤバイ事聞いたかな。
「教皇が魔王を蘇らせた事は知ってるかしら?」
「は、はい。聞きました」
「その原因になったのが王妃様なのよ」
「はあ~?」
「亡くなったアルベルト国王とターニャ様は美男美女のお似合いのカップルだったわ」
「本当、お似合いだったわよね」
「素敵な二人だったわね」
皆んな集まって当時の事を思い出している様だ。
「ターニャ様は美し過ぎたわ」
(うん、それは分かる)
二人の大きな子がいてもあの美しさ。麻友はその美しさに圧倒されたのだ。
「教皇はターニャ様に懸想したのよ。自分の欲望を満たす為に魔王を蘇らせた。憎んで憎み足りないわ!」
どうやら教皇は魔王を蘇らせた代償として、王妃ターニャを望んだが、蘇った魔王もまたターニャの美しさに魅せられ教皇との約束を破り、自分の王妃にしてしまったらしい。そのお詫びでは無いが魔王が居ない時はいつでも抱いても良いと約束したらしい。
「あのスケベ教皇は一日と開けずにターニャ様を抱きにやって来るのよね」
「本当。教会にも何人も愛人囲っているくせに、どんだけ絶倫なんだか」
麻友は顔を上げられなかった。昨夜、その教皇に犯られたから。
(昨日の、今日かよ!)
本当に女を性の道具としか考えて居ない様だ。
「あら、いけない。討伐の一行が戻ってらしたわ」
「早く、食事用意しないと」
固まってお喋りをして居た人達はパッと散らばり、各仕事場に戻って行った。
「そのお酒頼むわね」
(ええ~~!)
あの教皇の顔を見るのは嫌だが仕方ない。重い足取りで王妃の部屋に向かう。
「すー、はー、すー」
部屋の前で立ち止まり、深呼吸をする。
コンコンコン
ドアを何度か叩くが返事はない。ので、ドアの取っ手に手をかけると、開いた。
「失礼しまーす」
恐る恐る中に入り、テーブルにお酒を置く。
(居ないのかな・・・)
好奇心に負け、奥の部屋を覗いて見る。
「!!」
そこは寝室らしい。大きなベッドの上で、王妃が教皇の上にまたがり、腰を揺らしている。乳房が上下に大きな揺れている。
「おー、おー、ターニャ様、し、締まる!」
「ああ、あん、あん、ああーー!」
二匹の獣の交わる声が混声する。王妃の白い肌がうっすらとピンク色に染まってとても艶かしい。
「イキ、イキますぞ、ターニャ様!」
「ヒィ、ヒィ、あああっーーー!」
絶頂が近いのだろう。教皇は手を伸ばし円やかな王妃の乳房を鷲掴みにした。
「ヒギィィィーー!」
短い悲鳴の後、王妃はガクリと教皇の胸の中に倒れた。
二人の性交に見とれていた麻友は後ろから近づいて来る影に気がつかない。影は手を伸ばし、麻友の肩を掴んだ。
「何をしている」
「!」
掴まれたと、同時に地の底から響いてきた声に心臓が飛び上がる。
(・・こ、怖い・・・)
振り向くのがためらわれる。その様子にベッドの二人は気がつき、慌てて服を着る。
「おお、王様でしたか」
王妃の目が麻友とその後ろの人物を冷めた目で見た。
「お帰りでしたか」
「あ楽しみを覗いてるのがいたのでな」
王・・・と言うことは魔王なのだろう。
「し、失礼致しました!」
ここはさっさと退散しようしたが、麻友の肩を掴んだ手は外れない。
「麻友、下がりなさい」
王妃が助けの言葉をかけたが、ガッチリと掴まれ動けない。
「フォフォフォ、今度は王がその娘と楽しみたいのでは? ねえ」
(冗談じゃない)
「さあ、ターニャ様。王にベッドを譲りましょう」
教皇は王妃を促し、ベッドから降りる。そして、シーツのよれを直して離れる。そして、麻友は強い力で部屋の中に押される。王と麻友、王妃と教皇。二組がすれ違う時、王妃はスッと麻友の手に指を伸ばして、麻友の指から指輪を引き抜いた。
(えっ?)
抜けるはずのない指輪が抜けた。
考える間もなく力強く手でベッドに投げ出され、王の姿を始めて目にした。
「!!!」
麻友は初めて見る姿に驚愕する。
「何かお手伝いする事有りませんか」
暇を持て余した麻友は、厨房に入り声を掛けた。
「あら、今日はお姫様の相手はお休み?」
「遊び相手も大変よね」
「い、いやぁ・・・」
(そんな事無いけど)
獣人と言うだけで評価は厳しい。
「後でそのお酒、王妃様の部屋まで運んでくれる?」
「お酒ですか?」
「そうよ。あのピザン教皇が見えてるのよ」
魔王を蘇らせたと言う事で、国の皆んなは教皇を憎んでいる。でも、王妃様の部屋なんて・・・。
「教皇は良く王妃様の部屋に来られるんですか」
働いている人達の手が止まる。ヤバイ事聞いたかな。
「教皇が魔王を蘇らせた事は知ってるかしら?」
「は、はい。聞きました」
「その原因になったのが王妃様なのよ」
「はあ~?」
「亡くなったアルベルト国王とターニャ様は美男美女のお似合いのカップルだったわ」
「本当、お似合いだったわよね」
「素敵な二人だったわね」
皆んな集まって当時の事を思い出している様だ。
「ターニャ様は美し過ぎたわ」
(うん、それは分かる)
二人の大きな子がいてもあの美しさ。麻友はその美しさに圧倒されたのだ。
「教皇はターニャ様に懸想したのよ。自分の欲望を満たす為に魔王を蘇らせた。憎んで憎み足りないわ!」
どうやら教皇は魔王を蘇らせた代償として、王妃ターニャを望んだが、蘇った魔王もまたターニャの美しさに魅せられ教皇との約束を破り、自分の王妃にしてしまったらしい。そのお詫びでは無いが魔王が居ない時はいつでも抱いても良いと約束したらしい。
「あのスケベ教皇は一日と開けずにターニャ様を抱きにやって来るのよね」
「本当。教会にも何人も愛人囲っているくせに、どんだけ絶倫なんだか」
麻友は顔を上げられなかった。昨夜、その教皇に犯られたから。
(昨日の、今日かよ!)
本当に女を性の道具としか考えて居ない様だ。
「あら、いけない。討伐の一行が戻ってらしたわ」
「早く、食事用意しないと」
固まってお喋りをして居た人達はパッと散らばり、各仕事場に戻って行った。
「そのお酒頼むわね」
(ええ~~!)
あの教皇の顔を見るのは嫌だが仕方ない。重い足取りで王妃の部屋に向かう。
「すー、はー、すー」
部屋の前で立ち止まり、深呼吸をする。
コンコンコン
ドアを何度か叩くが返事はない。ので、ドアの取っ手に手をかけると、開いた。
「失礼しまーす」
恐る恐る中に入り、テーブルにお酒を置く。
(居ないのかな・・・)
好奇心に負け、奥の部屋を覗いて見る。
「!!」
そこは寝室らしい。大きなベッドの上で、王妃が教皇の上にまたがり、腰を揺らしている。乳房が上下に大きな揺れている。
「おー、おー、ターニャ様、し、締まる!」
「ああ、あん、あん、ああーー!」
二匹の獣の交わる声が混声する。王妃の白い肌がうっすらとピンク色に染まってとても艶かしい。
「イキ、イキますぞ、ターニャ様!」
「ヒィ、ヒィ、あああっーーー!」
絶頂が近いのだろう。教皇は手を伸ばし円やかな王妃の乳房を鷲掴みにした。
「ヒギィィィーー!」
短い悲鳴の後、王妃はガクリと教皇の胸の中に倒れた。
二人の性交に見とれていた麻友は後ろから近づいて来る影に気がつかない。影は手を伸ばし、麻友の肩を掴んだ。
「何をしている」
「!」
掴まれたと、同時に地の底から響いてきた声に心臓が飛び上がる。
(・・こ、怖い・・・)
振り向くのがためらわれる。その様子にベッドの二人は気がつき、慌てて服を着る。
「おお、王様でしたか」
王妃の目が麻友とその後ろの人物を冷めた目で見た。
「お帰りでしたか」
「あ楽しみを覗いてるのがいたのでな」
王・・・と言うことは魔王なのだろう。
「し、失礼致しました!」
ここはさっさと退散しようしたが、麻友の肩を掴んだ手は外れない。
「麻友、下がりなさい」
王妃が助けの言葉をかけたが、ガッチリと掴まれ動けない。
「フォフォフォ、今度は王がその娘と楽しみたいのでは? ねえ」
(冗談じゃない)
「さあ、ターニャ様。王にベッドを譲りましょう」
教皇は王妃を促し、ベッドから降りる。そして、シーツのよれを直して離れる。そして、麻友は強い力で部屋の中に押される。王と麻友、王妃と教皇。二組がすれ違う時、王妃はスッと麻友の手に指を伸ばして、麻友の指から指輪を引き抜いた。
(えっ?)
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考える間もなく力強く手でベッドに投げ出され、王の姿を始めて目にした。
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