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麻友の異世界探訪
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ベアの軟禁されている部屋は三階にあるのでトレイで運ぶ。部屋の前には警備兵が二人部屋を見張っていた。茶器を検査されて部屋に入る。
入るとベアが抱きついて来た。
「わあ、こ、こぼれる」
「ご、ごめんなさい」
こぼれる前に、無事にトレイはテーブルの上に置くことが出来た。
「マユ、会いたかった」
「ベア、軟禁なんて、どうしたの?」
本当にお茶が飲みたかったのか、ベアは一口お茶を飲んで息を整える。
「実はお兄様が・・・」
「フムフム」
「・・・・・して・・・きたの」
「はあ、聞こえない」
「お兄様がキスしてきたの!」
今度は大きな声ではっきりと言った。
「はあー? キス?」
「もう、マユったら大きな声で・・・」
恥ずかしいのか? 嫌、モジモジしているその姿はむしろ嬉しがっている様に見えるぞ。
「お兄様にキスされたの初めてだから・・・」
「フムフム」
「天にも登る気持ちだったの」
やっぱり嬉しいのかい!
「なんで、王子はキスなんて」
「多分、私の為だと思うの」
「ベアの為?」
ベアはコクリと頷いた。
「もうじき儀式があるの。そうなると私は私で無くなる」
永遠に孕み続けると言う話は王妃から聞いた。ベアもその事は承知していたのか。
「小さい頃から私達は特別だった。周りの人達からは私達を怖がる反面、疎ましく思われていたの」
「そんな・・・」
「ほら、あれが魔王の子供を産んだ女だ。あれが魔王と人間の合いの子だ。そんな声を掛けられたし、皆んな白い目で私達を見てたわ」
魔王の子を産んだ王妃も、その子であるベア達もそんな悲しい思いしてきたのか。
「遊び友達も居ない。何時も私と兄の二人きりだった」
ベアは俯いてとても悲しげな面持ちで語り続ける。
「私にはお兄様しか居なかった。その気持ちはいつの日のずーっと二人で入られたら良いのにと言う気持ちに変わっていったわ」
「王子の事が好きなの?」
コクリとベアは頷いた。
「でも、ある日私は父の王妃になるのだと知らされたの。ショックだった」
それはそうだろう。自分の父なのだ。それも永遠に獣人を産み続ける媒体になるなんて。
「それを知らされた日から、お兄様は何かを探している様だった」
(神剣か!)
「でもそれを手に入らないと知って、私を抱こうとしたとのだと思うの」
「抱いたら何か変わるの?」
「儀式には処女であることが絶対条件なの。初めてを魔王である父に捧げる事が」
(はあ~ん、成る程ね)
処女でなければ儀式は行えないのか。
「キスされて、お兄様の手が私の胸を触って来た時は心臓が止まる程嬉しかった」
(嬉しかったのかい!)
夢見る少女のごとくベアは目を潤ませて喋っている。
「ベッドに押し倒され、お兄様の重みを身体全身で受け止めた時、心臓が飛び出すのではないかと心配するくらいドキドキしたわ」
まさに今のベアは夢見る少女だ。
「その時に侍女が入って来て、悲鳴をあげたのを聞いて我に返ったの」
侍女はドアをノックしたようだが、中々返答がなかったので不審に思って入ったら、そんな現場に出くわし、思わず悲鳴を上げてしまったらしい。
「それで、お父様の知ることになり、お兄様と合う事は禁じられ、私はここから出る事は許されなくなったの」
麻友はベアの肩を抱き寄せた。
「大丈夫。きっと神様は救いの手を差し伸べてくれるわ」
麻友は何度もベアの背中をポンポンと叩き、慰め続けた。
大火傷を負い、今度は抱こうとしてまでも、妹の儀式を妨げようとした兄王子の行動を誰が批判でき様か。
(大丈夫、大丈夫だから)
麻友は心の中で何度もつぶやいた。
入るとベアが抱きついて来た。
「わあ、こ、こぼれる」
「ご、ごめんなさい」
こぼれる前に、無事にトレイはテーブルの上に置くことが出来た。
「マユ、会いたかった」
「ベア、軟禁なんて、どうしたの?」
本当にお茶が飲みたかったのか、ベアは一口お茶を飲んで息を整える。
「実はお兄様が・・・」
「フムフム」
「・・・・・して・・・きたの」
「はあ、聞こえない」
「お兄様がキスしてきたの!」
今度は大きな声ではっきりと言った。
「はあー? キス?」
「もう、マユったら大きな声で・・・」
恥ずかしいのか? 嫌、モジモジしているその姿はむしろ嬉しがっている様に見えるぞ。
「お兄様にキスされたの初めてだから・・・」
「フムフム」
「天にも登る気持ちだったの」
やっぱり嬉しいのかい!
「なんで、王子はキスなんて」
「多分、私の為だと思うの」
「ベアの為?」
ベアはコクリと頷いた。
「もうじき儀式があるの。そうなると私は私で無くなる」
永遠に孕み続けると言う話は王妃から聞いた。ベアもその事は承知していたのか。
「小さい頃から私達は特別だった。周りの人達からは私達を怖がる反面、疎ましく思われていたの」
「そんな・・・」
「ほら、あれが魔王の子供を産んだ女だ。あれが魔王と人間の合いの子だ。そんな声を掛けられたし、皆んな白い目で私達を見てたわ」
魔王の子を産んだ王妃も、その子であるベア達もそんな悲しい思いしてきたのか。
「遊び友達も居ない。何時も私と兄の二人きりだった」
ベアは俯いてとても悲しげな面持ちで語り続ける。
「私にはお兄様しか居なかった。その気持ちはいつの日のずーっと二人で入られたら良いのにと言う気持ちに変わっていったわ」
「王子の事が好きなの?」
コクリとベアは頷いた。
「でも、ある日私は父の王妃になるのだと知らされたの。ショックだった」
それはそうだろう。自分の父なのだ。それも永遠に獣人を産み続ける媒体になるなんて。
「それを知らされた日から、お兄様は何かを探している様だった」
(神剣か!)
「でもそれを手に入らないと知って、私を抱こうとしたとのだと思うの」
「抱いたら何か変わるの?」
「儀式には処女であることが絶対条件なの。初めてを魔王である父に捧げる事が」
(はあ~ん、成る程ね)
処女でなければ儀式は行えないのか。
「キスされて、お兄様の手が私の胸を触って来た時は心臓が止まる程嬉しかった」
(嬉しかったのかい!)
夢見る少女のごとくベアは目を潤ませて喋っている。
「ベッドに押し倒され、お兄様の重みを身体全身で受け止めた時、心臓が飛び出すのではないかと心配するくらいドキドキしたわ」
まさに今のベアは夢見る少女だ。
「その時に侍女が入って来て、悲鳴をあげたのを聞いて我に返ったの」
侍女はドアをノックしたようだが、中々返答がなかったので不審に思って入ったら、そんな現場に出くわし、思わず悲鳴を上げてしまったらしい。
「それで、お父様の知ることになり、お兄様と合う事は禁じられ、私はここから出る事は許されなくなったの」
麻友はベアの肩を抱き寄せた。
「大丈夫。きっと神様は救いの手を差し伸べてくれるわ」
麻友は何度もベアの背中をポンポンと叩き、慰め続けた。
大火傷を負い、今度は抱こうとしてまでも、妹の儀式を妨げようとした兄王子の行動を誰が批判でき様か。
(大丈夫、大丈夫だから)
麻友は心の中で何度もつぶやいた。
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