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麻友の異世界探訪
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教皇は入ってくるなり、王妃の隣に腰を下ろし、ニヤついた顔を王妃の顔に寄せて来た。
「実は国王から良い話を頂きました」
教皇にとって良い話しは王妃にとって良い話しだとは思えない。
「今度新しい王妃を迎えるにあたって、ターニャ様を私めに賜われると申して下さいました」
ターニャ様を王妃の位から外し、教皇の元へやると言う事だ。
「そうですか」
「これで晴れて貴女は私の物。嬉しい限りです」
まだ、自分の物でも無いのに、その手は王妃の胸をまさぐり、首元にいやらしい唇を近づけてキスしそうな勢いだ。
「詳しくはお話はこちらで・・・」
「おー、話が早いですな」
教皇は王妃の腰を抱き、寝室へと消えていく。
(王妃様・・・)
麻友は二人が寝室の中に消えていくのを確認すると、静かに部屋から退室した。しかし、心の中は怒りで煮えたぎっていた。
「あのスケベヒヒジジイめ! 何様のつもりなんだ!
教皇も国王も馬に蹴られて死んじまえ!!」
「儂が何だと?」
「⁈」
急に後ろから声をかけられ、その声に覚えのある麻友は恐る恐る振り向いた。
麻友の後ろにはいつのまにか魔王がいて、上から麻友を見下ろしていた。
「ギ、ギャャャーーー!!」
麻友は思い切り叫ぶと脱兎の如く逃げ出した。
「何なんだ、あの娘は?」
国王は訝しげに首を傾けると、何事も無かったかの様に奥に進んで行った。
魔王の見えない所まで走ってくると、壁に身を隠しそっと後ろを確認する。どうやら魔王は追っては来ない様だ。
「危ない、危ない」
麻友は指輪を覆っていた手を離した。深呼吸を一つ吐くと、厨房に向かって歩き始めた。
「王子様!」
途中、アルベール王子に出くわした。
「ああ、マユ」
王子の腕の包帯は取れていた。
「お怪我は大丈夫ですか?」
「ああ、すっかり」
王子は利き腕をグルグルと回してみせた。
「これから何処かへ出かけるのですか」
「父の命令で、国境近くの村で野党が暴れてるらしいから、その討伐にむかえとの事だ」
「そうですか。ベア様はまた寂しがるでしょうね」
「・・・」
「王子?」
返事が無いので不審に思い、顔を見ると何故か項垂れている。
「王子・・・」
「・・・今、ベアとは面会謝絶だ」
「えー!」
「ベアは隔離されてる。私は会うことは許されないが、マユなら会えるだろうから慰めてやってくれないか」
「は、はい」
少し寂しげに微笑むと、王子は討伐に出掛けて行った。その姿を見送ると厨房に戻った。
「おや、ワゴンは?」
「あ、教皇がいらしたので、慌てて戻って来ました」
「あの女好きの教皇がまた来たのかい。王妃様も嫌な奴に見込まれたもんだね」
「蛇の様に執念深いですね」
「蛇と言えば、今度の儀式に向けて、蛇、蜘蛛、蜥蜴、蛙を各百匹捕まえろって命令が来たんだよ」
「えーー! キモイ!」
「命令だからね。マユも協力してよ」
(ゲッ!)
儀式に使うって。何する気なのだろう?
「マユ。王女がお茶とお菓子を運んで欲しいって、お達しだよ」
別の給仕係の女性から声を掛けられた。
(助かった)
麻友は立ち上がると早速お茶の用意をする。兄と会えないベアトリーチェを慰めたいも思っていたのだ。
「実は国王から良い話を頂きました」
教皇にとって良い話しは王妃にとって良い話しだとは思えない。
「今度新しい王妃を迎えるにあたって、ターニャ様を私めに賜われると申して下さいました」
ターニャ様を王妃の位から外し、教皇の元へやると言う事だ。
「そうですか」
「これで晴れて貴女は私の物。嬉しい限りです」
まだ、自分の物でも無いのに、その手は王妃の胸をまさぐり、首元にいやらしい唇を近づけてキスしそうな勢いだ。
「詳しくはお話はこちらで・・・」
「おー、話が早いですな」
教皇は王妃の腰を抱き、寝室へと消えていく。
(王妃様・・・)
麻友は二人が寝室の中に消えていくのを確認すると、静かに部屋から退室した。しかし、心の中は怒りで煮えたぎっていた。
「あのスケベヒヒジジイめ! 何様のつもりなんだ!
教皇も国王も馬に蹴られて死んじまえ!!」
「儂が何だと?」
「⁈」
急に後ろから声をかけられ、その声に覚えのある麻友は恐る恐る振り向いた。
麻友の後ろにはいつのまにか魔王がいて、上から麻友を見下ろしていた。
「ギ、ギャャャーーー!!」
麻友は思い切り叫ぶと脱兎の如く逃げ出した。
「何なんだ、あの娘は?」
国王は訝しげに首を傾けると、何事も無かったかの様に奥に進んで行った。
魔王の見えない所まで走ってくると、壁に身を隠しそっと後ろを確認する。どうやら魔王は追っては来ない様だ。
「危ない、危ない」
麻友は指輪を覆っていた手を離した。深呼吸を一つ吐くと、厨房に向かって歩き始めた。
「王子様!」
途中、アルベール王子に出くわした。
「ああ、マユ」
王子の腕の包帯は取れていた。
「お怪我は大丈夫ですか?」
「ああ、すっかり」
王子は利き腕をグルグルと回してみせた。
「これから何処かへ出かけるのですか」
「父の命令で、国境近くの村で野党が暴れてるらしいから、その討伐にむかえとの事だ」
「そうですか。ベア様はまた寂しがるでしょうね」
「・・・」
「王子?」
返事が無いので不審に思い、顔を見ると何故か項垂れている。
「王子・・・」
「・・・今、ベアとは面会謝絶だ」
「えー!」
「ベアは隔離されてる。私は会うことは許されないが、マユなら会えるだろうから慰めてやってくれないか」
「は、はい」
少し寂しげに微笑むと、王子は討伐に出掛けて行った。その姿を見送ると厨房に戻った。
「おや、ワゴンは?」
「あ、教皇がいらしたので、慌てて戻って来ました」
「あの女好きの教皇がまた来たのかい。王妃様も嫌な奴に見込まれたもんだね」
「蛇の様に執念深いですね」
「蛇と言えば、今度の儀式に向けて、蛇、蜘蛛、蜥蜴、蛙を各百匹捕まえろって命令が来たんだよ」
「えーー! キモイ!」
「命令だからね。マユも協力してよ」
(ゲッ!)
儀式に使うって。何する気なのだろう?
「マユ。王女がお茶とお菓子を運んで欲しいって、お達しだよ」
別の給仕係の女性から声を掛けられた。
(助かった)
麻友は立ち上がると早速お茶の用意をする。兄と会えないベアトリーチェを慰めたいも思っていたのだ。
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