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幼い母
転生したら王だった
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駆けつけると先にコーデリアが居た。
「コーデリアさん? 」
「ごきげんよう、新米お父さん」
「あ、ハハハ」
「元気な男の子みたいよ。まだ、見てないけど」
「まだ会えないのですか」
「もうすぐね。今、産湯につけたり、服を着せてるようよ」
「なるほど」
しばらく待っていると、分娩室の扉が開いた。産婆さんなのだろうか、初老の女性が出てきた。
「皆さま、どうぞ」
案内されて入ろうとした時に、フィオナちゃんが息先切って入ってきた。
「あれ、オードリーは?」
「置いて来ました。もう、走れない様子でしたので」
(少し、体力つけさせないと駄目だな)
中に入ると、エリサの横に生まれたての赤ん坊が寝ていた。
(赤毛だな)
ベッドの横には中年の男性。医師ではない感じだな。
「ダン・グレイ侯爵。この度はおめでとうございます」
コーデリアさんが挨拶した。
「誰?」
小声でアンドルーに尋ねる。
「エリサ様の父上です」
「へぇ・・・」
ちょっと痩せ型ではあるが、中々の美丈夫だ。ヒゲを蓄えているせいか随分と威厳がある。そう思ってたら、俺と目があった。
「これは陛下自らお見舞いとは」
「あ、ああ。初めての子供の誕生だからね」
コーデリアさんがベッドから赤ちゃんを抱き上げていた。
「可愛らしいわ。ほら、お父さんですよ」
と、俺に顔を見せて来た。眠っている姿は天使そのものだ。
「俺も抱いても良いですか」
「えっ?」
「陛下がですか」
「大丈夫ですか」
おいおい、心配し過ぎだろう。
腕を伸ばして、ゴーデリアさんから赤ちゃんを受け取る。赤ちゃんを抱いたのは久しぶりだ。
妹の彩香が生まれた時以来だな。あの時は俺もまだ五、六才位の子供で、落としてしまわないか不安だった。また子供の俺には赤ちゃんはかなり重いと感じたが、今は、赤ちゃんはこんなに小さくて軽いものだと全然感じ方が違うのに驚く。
「プニプニだね」
俺は赤ちゃんの頬をつついて見た。手も餃子位で触ると赤ちゃんは手を開いて俺の指を握った。
(幸せの星だ)
開いた時に見えたちいさな黒子。幸せの星を握っている様に見えた。
「私も抱きたいです」
フィオナが赤ちゃんをキラキラした目で覗き込んでいる。
「いいよ」
俺はフィオナの腕に赤ちゃんを渡した。
「左に赤ちゃんの頭が来る様に抱くんだよ。赤ちゃんは心音が聞こえると安心するから」
「そうなんですか」
赤ちゃんは何人もの腕に抱かれたが、眼を覚ますことなくスヤスヤと眠っている。
「そろそろお乳を」
先程の産婆らしき女性が、エリサの胸に触り、母乳を絞る。
「何してるの?」
「最初からのお乳は不純だから捨てるなよ」
「馬鹿な!」
俺は産婆の手を取った。
「初乳は貴重な赤ちゃんの栄養源だから、捨てないであげて下さい」
「はあ?」
「黄色く汚く見えるけど、それ栄養価が高い証拠だから。赤ちゃんを病気から守ったり、成長を助けるものだから、エリサ、ちゃんと与えてね」
母が言っていた事を熱弁してしまった。みろ、皆んなが不思議そうな顔して俺を見てる。
「と、亡くなった母が言ってました。ハハハ」
「分かりました。ちゃんと与えます」
部屋を後にして皆んなで出て来ると、ジェスが沈んだ面持ちで立っていた。
「ジェス」
「あっ、陛下、皇太后様、それに隊長も」
「ジェスは中に入って赤ちゃん見ないの?」
「いいえ、私は・・・」
ジェスの右手には包帯が巻かれている。
「怪我したのかい」
「は、はい。バラの棘にひっかけまして」
「大事にね。護衛が怪我してたら大変だ」
「はい。気をつけます」
ふと見ると、奥からフラフラの状態でオードリーが歩いて来た。
「オードリー! 遅いよ」
「ハァ、ヒィ、ファ、げ、限界です」
「体力なさすぎ」
「情けない」
倒れ込んだオードリーを引き上げてると、エリサの父がジェスに何か話しかけてる様子が見えた。
何か怒っている感じた。ジェス怪我した腕を抱えて項垂れてる。
「名前を決めないといけませんね」
「え?」
「子供のです。跡取りの王子か出来たのですから」
(父親。実感無いよな。だって俺の子じゃなくて、オレの子なんだから)
「私も考えてあげるわ、お兄様。だって初めての甥なんですもの」
「ハハハ・・・」
しかし、俺は不安で堪らない。それが俺の思い過ごしだと良いのだが。
「コーデリアさん? 」
「ごきげんよう、新米お父さん」
「あ、ハハハ」
「元気な男の子みたいよ。まだ、見てないけど」
「まだ会えないのですか」
「もうすぐね。今、産湯につけたり、服を着せてるようよ」
「なるほど」
しばらく待っていると、分娩室の扉が開いた。産婆さんなのだろうか、初老の女性が出てきた。
「皆さま、どうぞ」
案内されて入ろうとした時に、フィオナちゃんが息先切って入ってきた。
「あれ、オードリーは?」
「置いて来ました。もう、走れない様子でしたので」
(少し、体力つけさせないと駄目だな)
中に入ると、エリサの横に生まれたての赤ん坊が寝ていた。
(赤毛だな)
ベッドの横には中年の男性。医師ではない感じだな。
「ダン・グレイ侯爵。この度はおめでとうございます」
コーデリアさんが挨拶した。
「誰?」
小声でアンドルーに尋ねる。
「エリサ様の父上です」
「へぇ・・・」
ちょっと痩せ型ではあるが、中々の美丈夫だ。ヒゲを蓄えているせいか随分と威厳がある。そう思ってたら、俺と目があった。
「これは陛下自らお見舞いとは」
「あ、ああ。初めての子供の誕生だからね」
コーデリアさんがベッドから赤ちゃんを抱き上げていた。
「可愛らしいわ。ほら、お父さんですよ」
と、俺に顔を見せて来た。眠っている姿は天使そのものだ。
「俺も抱いても良いですか」
「えっ?」
「陛下がですか」
「大丈夫ですか」
おいおい、心配し過ぎだろう。
腕を伸ばして、ゴーデリアさんから赤ちゃんを受け取る。赤ちゃんを抱いたのは久しぶりだ。
妹の彩香が生まれた時以来だな。あの時は俺もまだ五、六才位の子供で、落としてしまわないか不安だった。また子供の俺には赤ちゃんはかなり重いと感じたが、今は、赤ちゃんはこんなに小さくて軽いものだと全然感じ方が違うのに驚く。
「プニプニだね」
俺は赤ちゃんの頬をつついて見た。手も餃子位で触ると赤ちゃんは手を開いて俺の指を握った。
(幸せの星だ)
開いた時に見えたちいさな黒子。幸せの星を握っている様に見えた。
「私も抱きたいです」
フィオナが赤ちゃんをキラキラした目で覗き込んでいる。
「いいよ」
俺はフィオナの腕に赤ちゃんを渡した。
「左に赤ちゃんの頭が来る様に抱くんだよ。赤ちゃんは心音が聞こえると安心するから」
「そうなんですか」
赤ちゃんは何人もの腕に抱かれたが、眼を覚ますことなくスヤスヤと眠っている。
「そろそろお乳を」
先程の産婆らしき女性が、エリサの胸に触り、母乳を絞る。
「何してるの?」
「最初からのお乳は不純だから捨てるなよ」
「馬鹿な!」
俺は産婆の手を取った。
「初乳は貴重な赤ちゃんの栄養源だから、捨てないであげて下さい」
「はあ?」
「黄色く汚く見えるけど、それ栄養価が高い証拠だから。赤ちゃんを病気から守ったり、成長を助けるものだから、エリサ、ちゃんと与えてね」
母が言っていた事を熱弁してしまった。みろ、皆んなが不思議そうな顔して俺を見てる。
「と、亡くなった母が言ってました。ハハハ」
「分かりました。ちゃんと与えます」
部屋を後にして皆んなで出て来ると、ジェスが沈んだ面持ちで立っていた。
「ジェス」
「あっ、陛下、皇太后様、それに隊長も」
「ジェスは中に入って赤ちゃん見ないの?」
「いいえ、私は・・・」
ジェスの右手には包帯が巻かれている。
「怪我したのかい」
「は、はい。バラの棘にひっかけまして」
「大事にね。護衛が怪我してたら大変だ」
「はい。気をつけます」
ふと見ると、奥からフラフラの状態でオードリーが歩いて来た。
「オードリー! 遅いよ」
「ハァ、ヒィ、ファ、げ、限界です」
「体力なさすぎ」
「情けない」
倒れ込んだオードリーを引き上げてると、エリサの父がジェスに何か話しかけてる様子が見えた。
何か怒っている感じた。ジェス怪我した腕を抱えて項垂れてる。
「名前を決めないといけませんね」
「え?」
「子供のです。跡取りの王子か出来たのですから」
(父親。実感無いよな。だって俺の子じゃなくて、オレの子なんだから)
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