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入れ替わり・・か?
転生したら王だった
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違和を感じたのは、エリサが赤ちゃんと後宮に戻り、しばらく経って面会しに行った時だ。
「エリサ、元気かい」
「! 陛下」
部屋の中でエリサはポツンと椅子に座っていた。
「あれ、赤ちゃんは?」
エリサは奥に視線を移した。奥の赤ちゃん用のベッドの側には若い女性がいて、腕に赤ちゃんを抱いていた。
「あの人は?」
「・・・乳母です」
「乳母?」
見た目は乳母と赤ちゃんが母子の様に見える。
「お乳出ないの?」
エリサは下を向いて返事をしない。
(なんだろう?)
なんか変な感じだ。俺は赤ちゃんを抱く乳母の元に近寄って行った。
「こんにちは」
「これは陛下」
乳母という女性は赤ちゃんをベッドに移し、かしこまって挨拶を返して来た。
「赤ちゃん抱いて良いかな」
「どうぞ」
俺は赤ちゃんを抱き上げた。
(髪の毛の色が茶色だ)
生まれた時は赤毛だったと思ったが。でも、子供って成長するたびに変わるからな。
「結構重くなったね」
「はい。沢山お乳を飲みますので」
「健康な証拠だね」
甘い乳の匂いを漂わせて、キャッキャッと笑い声をたてている。
「可愛いなあ」
小さな手に指を伸ばすと、丸い指を開いて握って来た。
(あれ?)
黒子が無い。確かに手のひらにあった幸せの星が無くなっている。
俺は赤ちゃんをベッドに戻すと、乳母に名前を尋を尋ねた。
「シンシアと申します」
「シンシアさん。この子の事、よろしくお願いします」
「はい。かしこまりました」
俺は元気の無いエリサに、「また来るよ」と言って退室した。その際に、ドアの前で控えていたエリサ付きの侍女を手招いた。
「何かご用事でございますか」
「あの乳母って、エリサが雇ったのかな」
「いいえ。エリサ様のお父上のダン・グレイ様が連れて参りました」
「そう。エリサって母乳出ないの」
「その様な事は無いと思ったのですが、ダン・グレイ様の要望ですので」
「そうか。君の名前は」
「はい。ジーナと申します」
「ジーナ。悪いけど、エリサの事で何か気がついた事があったら何でも良いから知らせてくれないかな。俺が見つからない時は、アンドルーでもフィオナでも良いので。頼みます」
「は、はい。陛下のお頼みとあらば」
「頼みます」
俺はジーナの肩をポンポンと叩いた。彼女は赤面して慌ててお辞儀をした。
(まさかとは思うけど、入れ替わってる?)
俺はアンドルーを探した。どうやら剣の稽古してるらしい。俺は稽古場に急ぐ。
稽古場にはフィオナも居た。活発なフィオナは軽い剣を持って女だてらに剣を振り回して居た。相手は運動神経が鈍いオードリーだ。
「あ、危ないですよ、フィオナ様」
「オードリー様。ちゃんと剣を持って下さい」
「いや、俺は頭脳派なので・・ワァ!」
子供のチャンバラだな。そんな二人を見守っているアンドルーに声を掛けた。
「陛下。エリサ様のお見舞いにはお済みですか」
「うん。それよりジェスの部隊は何処かな」
「ジェスは用人の護衛部隊ですね。確か部隊長がいつも城の大門で仕事してるはずですが、何か?」
「うん。ちょっと会いたくて」
「では案内致します」
多分、道順知らないと思ったのか、アンドルーは先に立って歩き出した。
「ジェスがどうかしたのですか」
「ちょっと気になる事があって・・・」
大門までは思いのほか近く、直ぐに着いた。部隊長は大門で、出入りしてる人達をチェックしていた。
「ハンス!」
アンドルーが部隊長を呼んだ。ハンスと言うのか。アンドルーより年上に見えるが、身分的にはアンドルーの方が上らしい。
「これはアンドルー将軍。如何されましたか」
(将軍? アンドルーって将軍だったのか)
改めて知る新しい真実にビックリ。
「陛下が君に聞きたい事があるらしい」
「陛下! 自らお出ましとは恐れ入ります」
ハンス隊長は跪く。
「堅苦しい挨拶は抜きで。ジェスの事聞きたくて」
「ジェスですか。ジェスは体調が悪いと休んでおります」
「体調が・・・。ここは、城に出入りする人をみんなチェックするのかな」
「はい。全員チェック致します」
「じゃあ、ダン・グレイ侯爵も」
「ダン・グレイ様は貴族の身分ですから、あちらの特別な門から入ります」
「チェックは」
「恐れ多い。ダン・グレイ様や貴族の身分の方々はチェックが入りません」
「そうなんだ。ありがとう」
「いいえ。とんでもございません」
貴族の身分を持つ者はスルーと言う事が分かった。
「ジェスがどうかしたのですか」
「うん。子供が入れ替わっている可能性がある」
「はいーーー!!?」
その言葉にアンドルーも驚きを隠せない。
「エリサ、元気かい」
「! 陛下」
部屋の中でエリサはポツンと椅子に座っていた。
「あれ、赤ちゃんは?」
エリサは奥に視線を移した。奥の赤ちゃん用のベッドの側には若い女性がいて、腕に赤ちゃんを抱いていた。
「あの人は?」
「・・・乳母です」
「乳母?」
見た目は乳母と赤ちゃんが母子の様に見える。
「お乳出ないの?」
エリサは下を向いて返事をしない。
(なんだろう?)
なんか変な感じだ。俺は赤ちゃんを抱く乳母の元に近寄って行った。
「こんにちは」
「これは陛下」
乳母という女性は赤ちゃんをベッドに移し、かしこまって挨拶を返して来た。
「赤ちゃん抱いて良いかな」
「どうぞ」
俺は赤ちゃんを抱き上げた。
(髪の毛の色が茶色だ)
生まれた時は赤毛だったと思ったが。でも、子供って成長するたびに変わるからな。
「結構重くなったね」
「はい。沢山お乳を飲みますので」
「健康な証拠だね」
甘い乳の匂いを漂わせて、キャッキャッと笑い声をたてている。
「可愛いなあ」
小さな手に指を伸ばすと、丸い指を開いて握って来た。
(あれ?)
黒子が無い。確かに手のひらにあった幸せの星が無くなっている。
俺は赤ちゃんをベッドに戻すと、乳母に名前を尋を尋ねた。
「シンシアと申します」
「シンシアさん。この子の事、よろしくお願いします」
「はい。かしこまりました」
俺は元気の無いエリサに、「また来るよ」と言って退室した。その際に、ドアの前で控えていたエリサ付きの侍女を手招いた。
「何かご用事でございますか」
「あの乳母って、エリサが雇ったのかな」
「いいえ。エリサ様のお父上のダン・グレイ様が連れて参りました」
「そう。エリサって母乳出ないの」
「その様な事は無いと思ったのですが、ダン・グレイ様の要望ですので」
「そうか。君の名前は」
「はい。ジーナと申します」
「ジーナ。悪いけど、エリサの事で何か気がついた事があったら何でも良いから知らせてくれないかな。俺が見つからない時は、アンドルーでもフィオナでも良いので。頼みます」
「は、はい。陛下のお頼みとあらば」
「頼みます」
俺はジーナの肩をポンポンと叩いた。彼女は赤面して慌ててお辞儀をした。
(まさかとは思うけど、入れ替わってる?)
俺はアンドルーを探した。どうやら剣の稽古してるらしい。俺は稽古場に急ぐ。
稽古場にはフィオナも居た。活発なフィオナは軽い剣を持って女だてらに剣を振り回して居た。相手は運動神経が鈍いオードリーだ。
「あ、危ないですよ、フィオナ様」
「オードリー様。ちゃんと剣を持って下さい」
「いや、俺は頭脳派なので・・ワァ!」
子供のチャンバラだな。そんな二人を見守っているアンドルーに声を掛けた。
「陛下。エリサ様のお見舞いにはお済みですか」
「うん。それよりジェスの部隊は何処かな」
「ジェスは用人の護衛部隊ですね。確か部隊長がいつも城の大門で仕事してるはずですが、何か?」
「うん。ちょっと会いたくて」
「では案内致します」
多分、道順知らないと思ったのか、アンドルーは先に立って歩き出した。
「ジェスがどうかしたのですか」
「ちょっと気になる事があって・・・」
大門までは思いのほか近く、直ぐに着いた。部隊長は大門で、出入りしてる人達をチェックしていた。
「ハンス!」
アンドルーが部隊長を呼んだ。ハンスと言うのか。アンドルーより年上に見えるが、身分的にはアンドルーの方が上らしい。
「これはアンドルー将軍。如何されましたか」
(将軍? アンドルーって将軍だったのか)
改めて知る新しい真実にビックリ。
「陛下が君に聞きたい事があるらしい」
「陛下! 自らお出ましとは恐れ入ります」
ハンス隊長は跪く。
「堅苦しい挨拶は抜きで。ジェスの事聞きたくて」
「ジェスですか。ジェスは体調が悪いと休んでおります」
「体調が・・・。ここは、城に出入りする人をみんなチェックするのかな」
「はい。全員チェック致します」
「じゃあ、ダン・グレイ侯爵も」
「ダン・グレイ様は貴族の身分ですから、あちらの特別な門から入ります」
「チェックは」
「恐れ多い。ダン・グレイ様や貴族の身分の方々はチェックが入りません」
「そうなんだ。ありがとう」
「いいえ。とんでもございません」
貴族の身分を持つ者はスルーと言う事が分かった。
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「はいーーー!!?」
その言葉にアンドルーも驚きを隠せない。
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