14 / 21
王妃の首飾り
転生したら王だった
しおりを挟む
「えっ? 何これ?」
帰りの馬車の中には大量のワインのケースが置かれていた。
「あっ、それ、お土産ですって」
フィオナちゃんは嬉しそうにワインのケースを撫でた。お土産にしては多くないか?
「どうしても持っていって欲しいって。お母様にこのワイン飲ませたくて、ウフフ」
ウフフって。俺達男三人は顔を見合わせた。
「ほら、お兄様にはジュース頂きましたよ」
「あ、ああ、ありがとう・・・」
「では、出発しましょうか」
「そ、そうだね」
見送ってくれるダッド一家に手を振り、俺達は城に戻る帰路に着いた。
広がる葡萄畑がだんだんと遠くなり、ガタゴトと揺られながら今度は城下町が近づいて来たのだろう、建物が増えて来た。
「ほら、お城が見えて来ました」
もう日も低い中、城の灯りが見えてきて、本当の家ではないが、不思議と我が家に戻って来たと言う感じがした。
(もう、ここが俺の家なんだな)
見覚えのある庭を抜けると、正門には大勢のお迎えが・・・多すぎるとは思うが・・・待っていた。
「陛下、お帰りなさい!」
「お帰りなさい!」
ワラワラと皆んなが集まって来た。
「皆んな、出迎えありがとう!」
「陛下、大変な事が起きました」
「へっ?」
なんか雲行きが・・・怪しくなって来た。
必死な顔で訴えて来たのはエリサの様子を見てもらったジーナさんだ。
まさか、エリサの事がバレた?
「王妃の首飾りが無くなりました」
(へっ?)
「王妃の首飾り?」
「何ですって!」
素早く反応したのはフィオナちゃんだった。
「首飾りが無くなったて? 盗まれたのですか?」
「分かりません。一昨日確認したら無くなっていて」
俺達男三人は訳が分からず、ただ立ち尽くしていた。
「なにボーッとしているのですか、お兄様。早く来て下さい!」
「は、はい」
フィオナちゃんに促されるまま後に着いて行く。
城の俺の寝室の更に奥に綺麗な部屋が。
「ここは?」
「王妃の間です」
「コーデリアさんの?」
「母は今は王妃ではないので、本来はレイ様が使用される部屋なのですが・・・」
しかし、普段使用している様子は無いように見える。
「レイ君はここを使用してないのか」
「レイ様は城に住む事を嫌って、裏庭の更に奥ににある林の中にある小さな別荘に寝泊まりしてます」
「そんな場所で・・・不自由してないのかな」
「お食事は運んだいます。迷い込んで来たトラ模様の子猫と住んでおります」
「噂ではたまに林を抜けて街中に出る事もあるようです」
「ふうん」
王妃の間の頑丈な宝物をしまってある金庫が開けられた。
「この真ん中に王妃の首飾りが入った箱があったのですが、箱ごと無くなっていました」
「首飾りがある事を知っているのは?」
「城にいる者なら皆んな知っていると思います。見た人は少ないかも知れませんが、豪華な事で有名でしたから」
「そんなに有名だったんだ」
「当たり前です。あなたの父である先王が、あなたの母である王妃のために、世界中から選りすぐった宝石であつらえた首飾りなのですから」
後ろに硬い表情でコーデリアさんが立っていた。
「お母様!」
「コーデリアさん?」
「これは重大な事件です。全く男とはいえ、王妃の身分である者がこの部屋に不在なんて・・・居ればこんな事は起きなかったのに」
(わー、コーデリアさん怒ってる)
「リューク!」
いきなりコーデリアさんが俺に振り向いて名前を呼んだ。
呼ばれ慣れていない名前にボケ~っとしていると、 アンドルーに脇を小突かれ気がつく。
「これは王家に対する謀反と同じです。絶対に盗んだ者を捕らえなさい!」
「は、はい!」
コーデリアさんの気迫に押されて、俺とアンドルーは背筋を伸ばし姿勢を正して返事をした。だって怖いんだよ。
その表情とは別に娘のフィオナには優しい顔で、
「旅はどうだった」
と、尋ねている。おい、差別はし過ぎだろう。と、思ったが言える訳もない。
「お母様、お土産がありますの」
「そう。それは楽しみね」
にこやかに会話しながら出て行った。
「ほぉ~・・」
「緊張しましたね」
俺とアンドルーは顔を見合わせて、緊張から解き放され安堵のため息を吐いた。
「でもこれからが大変だ。犯人を見つけないと」
「見つけられないと城から追い出されそうですね」
本当に。どちらが真の城主なのか分からない。
「まずは、聞き取りから始めるのが良いでしょう」
「そうだね」
アンドルーの意見に賛同する。
「ジーナさん。この部屋に出入りした人達の事分かりますか」
「はい。先週は私と侍従長が確認した時はありましたので、その後確認しに来たのは・・・」
実に頼りになる人物だ。その後に確認しに来た人物を全て周知しているようだ。
「では、書き出して下さい」
「はい」
さあ、これからが大仕事。果たして犯人を見つけられるのか? 不安がよぎる。
帰りの馬車の中には大量のワインのケースが置かれていた。
「あっ、それ、お土産ですって」
フィオナちゃんは嬉しそうにワインのケースを撫でた。お土産にしては多くないか?
「どうしても持っていって欲しいって。お母様にこのワイン飲ませたくて、ウフフ」
ウフフって。俺達男三人は顔を見合わせた。
「ほら、お兄様にはジュース頂きましたよ」
「あ、ああ、ありがとう・・・」
「では、出発しましょうか」
「そ、そうだね」
見送ってくれるダッド一家に手を振り、俺達は城に戻る帰路に着いた。
広がる葡萄畑がだんだんと遠くなり、ガタゴトと揺られながら今度は城下町が近づいて来たのだろう、建物が増えて来た。
「ほら、お城が見えて来ました」
もう日も低い中、城の灯りが見えてきて、本当の家ではないが、不思議と我が家に戻って来たと言う感じがした。
(もう、ここが俺の家なんだな)
見覚えのある庭を抜けると、正門には大勢のお迎えが・・・多すぎるとは思うが・・・待っていた。
「陛下、お帰りなさい!」
「お帰りなさい!」
ワラワラと皆んなが集まって来た。
「皆んな、出迎えありがとう!」
「陛下、大変な事が起きました」
「へっ?」
なんか雲行きが・・・怪しくなって来た。
必死な顔で訴えて来たのはエリサの様子を見てもらったジーナさんだ。
まさか、エリサの事がバレた?
「王妃の首飾りが無くなりました」
(へっ?)
「王妃の首飾り?」
「何ですって!」
素早く反応したのはフィオナちゃんだった。
「首飾りが無くなったて? 盗まれたのですか?」
「分かりません。一昨日確認したら無くなっていて」
俺達男三人は訳が分からず、ただ立ち尽くしていた。
「なにボーッとしているのですか、お兄様。早く来て下さい!」
「は、はい」
フィオナちゃんに促されるまま後に着いて行く。
城の俺の寝室の更に奥に綺麗な部屋が。
「ここは?」
「王妃の間です」
「コーデリアさんの?」
「母は今は王妃ではないので、本来はレイ様が使用される部屋なのですが・・・」
しかし、普段使用している様子は無いように見える。
「レイ君はここを使用してないのか」
「レイ様は城に住む事を嫌って、裏庭の更に奥ににある林の中にある小さな別荘に寝泊まりしてます」
「そんな場所で・・・不自由してないのかな」
「お食事は運んだいます。迷い込んで来たトラ模様の子猫と住んでおります」
「噂ではたまに林を抜けて街中に出る事もあるようです」
「ふうん」
王妃の間の頑丈な宝物をしまってある金庫が開けられた。
「この真ん中に王妃の首飾りが入った箱があったのですが、箱ごと無くなっていました」
「首飾りがある事を知っているのは?」
「城にいる者なら皆んな知っていると思います。見た人は少ないかも知れませんが、豪華な事で有名でしたから」
「そんなに有名だったんだ」
「当たり前です。あなたの父である先王が、あなたの母である王妃のために、世界中から選りすぐった宝石であつらえた首飾りなのですから」
後ろに硬い表情でコーデリアさんが立っていた。
「お母様!」
「コーデリアさん?」
「これは重大な事件です。全く男とはいえ、王妃の身分である者がこの部屋に不在なんて・・・居ればこんな事は起きなかったのに」
(わー、コーデリアさん怒ってる)
「リューク!」
いきなりコーデリアさんが俺に振り向いて名前を呼んだ。
呼ばれ慣れていない名前にボケ~っとしていると、 アンドルーに脇を小突かれ気がつく。
「これは王家に対する謀反と同じです。絶対に盗んだ者を捕らえなさい!」
「は、はい!」
コーデリアさんの気迫に押されて、俺とアンドルーは背筋を伸ばし姿勢を正して返事をした。だって怖いんだよ。
その表情とは別に娘のフィオナには優しい顔で、
「旅はどうだった」
と、尋ねている。おい、差別はし過ぎだろう。と、思ったが言える訳もない。
「お母様、お土産がありますの」
「そう。それは楽しみね」
にこやかに会話しながら出て行った。
「ほぉ~・・」
「緊張しましたね」
俺とアンドルーは顔を見合わせて、緊張から解き放され安堵のため息を吐いた。
「でもこれからが大変だ。犯人を見つけないと」
「見つけられないと城から追い出されそうですね」
本当に。どちらが真の城主なのか分からない。
「まずは、聞き取りから始めるのが良いでしょう」
「そうだね」
アンドルーの意見に賛同する。
「ジーナさん。この部屋に出入りした人達の事分かりますか」
「はい。先週は私と侍従長が確認した時はありましたので、その後確認しに来たのは・・・」
実に頼りになる人物だ。その後に確認しに来た人物を全て周知しているようだ。
「では、書き出して下さい」
「はい」
さあ、これからが大仕事。果たして犯人を見つけられるのか? 不安がよぎる。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ヤンデレ女神と征く開拓スローライフ。
山椒
ファンタジー
両親に、友達に、恋人に、嫁に裏切られ続けた男、神室千照は絶望して自ら命を絶った。
すべてが終わるという安堵感であったが次に目覚めた時には女神が目の前にいた。
千照のことをずっと見ていた女神、アマテラスは千照に異世界転生を提案する。
まだ人生に未練があった千照はそれを受け入れ、二度目の人生を送ることになる。
だが千照は知らなかった。千照にはとてつもない才能が秘められていることを。
千照は知らなかった。アマテラスがヤンデレであることを。
千照は知らなかった。彼を裏切らないものはとてつもない人格の持ち主であることを。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
異世界異話 天使降臨
yahimoti
ファンタジー
空から天使が降って来た。
落ちたんだよ。転生かと思ったらいきなりゲームの世界「ロストヒストリーワールド」の設定をもとにしたような剣と魔法の世界にね。
それも面白がってちょっとだけ設定してみたキャラメイクのせいで天使族って。こんなのどうすんの?なんの目的もなければ何をしていいかわからないまま、巻き込まれるままにストーリーは進んでいく。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる