26 / 184
学園ロワイヤル編 2日目
1-2-2 受入可能?大群襲来?
しおりを挟む
現在隣の部屋で待機中なのだが、あらためて見たフィリアは人間になったというのに神秘さは全く損なわれていない。リアル妖精という言葉がぴったりだ。見た目こそ10歳程度だが、将来美人さんになるのは間違いない。
腰まで伸びた細くて真っ直ぐなライトブルーの美しい髪に、愛らしい整った顔立ち、色白でついつい触りたくなるようなほっぺをしているのだ。
さっきの件もあるし、ちゃんと言っとかないとまずいかな。
「フィリアに今後この世界で一緒に生きていく為に、約束してほしい事がある」
「改まってなんじゃ?」
「今後他の者にはフィリアが女神だという事は内緒にする。フィリアの謝りたいという気持ちも解るけど、言ったからといってどうなるわけでもないんだし、謝って許しを請う行為は、フィリアの自己満足行為にしかならない」
「しかしじゃな……妾のせいで苦境にたたされておるのに、知らぬ存ぜぬはできぬじゃろ?」
「皆に女神だと言って、沙希ちゃんのように張り手1発で済めばいいが、殺しに来たら無抵抗で殺されるのかい?」
「死にたくはないが、それも致し方なかろう」
「それは自殺とどう違うんだ? 俺はフィリアを守ると決めたから、相手がフィリアに害すると判った時点で戦うよ? 殺すのも躊躇はしない……その覚悟はもうできているけど、殺さなくても良い人間を殺すのは俺も嫌なんだけど、その辺も考えてくれている?」
「妾は其方にそのような事をしてほしいとは思っておらぬ。自ら死にたいわけでもない。只どうなるか分からないのは事実じゃが、ただ黙って見ていてほしい」
「そんなの無理に決まってるだろ。俺にとってフィリアは大事な存在だけど、襲ってきた奴らはもうただの敵だ。フィリアを害するのなら殺すよ。これは俺の意思であってフィリアがどう思おうと知った事じゃない。守りたいから守るんだ、守られるのが迷惑だとか、フィリアの感情なんかはっきり言ってどうでもいい」
「兄様が言い出したら何を言ってもダメですよ。私たちに散々迷惑をかけているのです。これ以上迷惑を掛けたくないなら素直に兄様の指示に従ってください」
「ん、女神だと自ら公表するのは只の迷惑行為!」
「私もそう思います。言って何か解決できるのですか? 沙希ちゃんのように元の世界に帰してと泣かれた場合に帰せるのですか? 野球部のマネージャーなら彼氏を生き返らせてくれと言いますよ? あなたに、できるのですか?」
「……すまぬの、今の妾には何ひとつできぬ」
「何もできないのに女神だと公表して、その都度私たちや龍馬先輩に迷惑をかけるつもりなのですか?」
流石のフィリアも皆から責められてぐうの音も出ないようだ。
「フィリア、解っただろ? お前がやる謝罪行為は、只、愚かなだけだ。誰も救われない……むしろこっちの世界に巻き込まれた者たちの感情を逆撫でする行為なんだよ。フィリアの自虐行為で満足するのはフィリアだけだ。沙希ちゃんだって、可哀想に……優しい娘だから殴ったことを一生後悔するかもしれない」
「妾の自己満足と申すのか……」
「兄様の言うとおりです。何もできないのであれば、黙ってあなたにできる事を探すんですね」
『……おはようございますマスター。緊急報告です。オークどもが動き出しました。500体以上の大部隊です。今回、上位種も沢山います』
『おはよう、ナビー。情報ありがとう……今の俺で凌げそうか?』
『……余裕でしょう。ですが油断はなさらないように。それにしてもフィリア様が下界に落とされるとは、創主様はいったい何をお考えなのでしょうね?』
『フィリアは、ナビーの生みの親みたいなモノだから、何かあったらよろしく頼むな』
『……はい。勿論サポートいたします』
「龍馬君、皆で話し合ったわ」
いいタイミングで桜が呼びに来た。
「桜、先に俺の方からだ。すぐに500体以上のオークの大部隊が攻めてくるようだ。各方面に至急連絡を入れてあげてほしい。今回、上位種もかなりの数が混ざっているようだ。どうも昨晩の夜襲組を壊滅させたので、オーク側も本腰を入れてきたみたいだな。連絡網を急いで回してあげてくれ。まだ7時前だし下手したら呑気に寝てるやつらもいるかもしれない」
「解った! それから女神様は仲間に受け入れると全員一致で決まったわ。こっちに来て頂戴」
茶同室に戻り慌ただしく全員で事に当たる。
「とりあえずレイドPTを組むので受諾してくれ。それから、フィリアを受け入れてくれてありがとう」
「全部の拠点に連絡を入れたけど、女子寮が不安がってたわ。前回の30体ぐらいのを相手にしただけでも結構ギリギリだったみたいだし、どうしたら良いと思う?」
「今回は数が多いから、こっちにもかなり来るんじゃないか? 他に気を回す余裕はないと思うぞ? 初日にも同じ規模で攻めてきてたけど、オーク的には獲物が多かったから気配のないこの棟にはあまり来なかったようだけど、今日は数百体がこっちにも来るぞ」
「そうね。人の心配してる場合じゃないか……」
「武器を配るけど、近くに予備を置くようにする。切れ味が必ず鈍るから、随時交換するように。それとA班・B班で時々疲れが来る前にスイッチするからそのつもりで。MPは極力温存で頼む。廊下に弓と矢を置いておくので、レベルが上がったら誰か率先して【弓術】を獲得してほしい」
「龍馬先輩! 私、弓覚えたいです」
「優ちゃんか……優ちゃんは、支援系ヒーラーだけど。シールドがあるから現状ヒールはあまり使ってないしね。うん、レベルが上がったら優ちゃんは弓のレベルを上げようか」
「はい!」
「じゃあ、優ちゃんは【弓術】の熟練度がレベル3になるまでは矢がもったいないから後方で待機ね。レベルが3になったら廊下から外のオークを減らしてくれるかな? 矢尻が競技用だから遠いと刺さらないので、近くのだけで頼む。頭も多分刺さらないと思うがよろしく頼む」
「解りました」
すぐに1番オークの巣に近い格技場が戦闘に入った。
「格技場の戦闘が始まったみたいだね。位置的にあそこが1番の激戦区になりそうだけど大丈夫かな……もうすぐこっちにもやってくるけど最初は前回同様A班がメインで戦闘をするね。シールドを張るけど、桜は回避を忘れずに、こないだぐらい躱せれば早々シールドが剥げる事はないから頑張って」
「うん、周りを見て回避を心掛けるようにするね」
「後、フィリア。まず1匹オークを捕らえるのでとりあえずレベルアップしてもらう。その後レイドPTに誘うのでそれまでは部屋の中に居てくれ。レベル0だと、投石ですら危険だからね」
「了解じゃ。じゃが其方のシールドがあれば心配無いと思うのじゃがのぅ……」
「念のためだ!」
この別館の戦闘が始まって1時間が過ぎた。
俺のレベルもその間に3つ上がっている。
C班の非戦闘員がレベル6になった時点でレイドパーティーから外した。
戦闘をするA・B班のレベル上げが優先の為だ。
「龍馬君! 高畑先生から連絡があって、MPが完全に切れてもう持たないそうなの! 何とかならないかな?」
「美弥ちゃん先生、後5分凌いでくれって言ってくれ。目の前の10体を屠ったら救援に行くと伝えてくれ」
「いいの? じゃあ、伝えるね! でもかなりの数に囲まれてるそうなので気を付けてね」
「美弥ちゃん先生にリーダーを移すので、俺が戻るまで指揮をお願い! 桜・菜奈・雅・フィリア・未来・沙織で救援に行く。向こうに着いたら未来と沙織で女子寮組の回復をしてあげてくれ。桜は全方位に注意がいるようになるので、ここ以上に周りの状況を見るようにな。菜奈、今回【多重詠唱】10連まで解禁にする。MPに注意して蹴散らせ」
「解った! いいのですね?」
「女子寮前までだぞ、中のやつには教えないからな」
「うん、頑張るね」
「よし、そいつを倒したら女子寮まで一気に駆け抜けるぞ! 途中で遭う雑魚は無視していい! 走れば付いてくるだろうが、向こうについてから纏めて倒せばいいからな。待機組にも一度全員にリバフしておくので、俺たちが戻るまでは上手く回避してシールドをもたせるように。強そうな上位種とかがきてヤバそうならすぐに美弥ちゃんは連絡してくるんだぞ!」
「皆、気を付けてね! こっちは皆で抑えるから安心して」
レイドPTから抜け、再度PTを組み直し、女子寮が瓦解する前にと急いで向かった。
途中で10体ずつで移動しているオークに2回遭遇したが、中級の【ウィンダラカッター】1発で全て首を落としていった。
俺の体の周りには20個の目視できるほど濃密な空気の塊が衛星周回している。
敵を見かけたら即発動で首が飛ぶのだ。後ろで雅と桜が騒いでいるが説明は後だ。
女子寮のA棟に来たのだが……。
「兄様凄い数が居ますね……」
「龍馬君、指示頂戴!」
「菜奈は弓を持った奴を先に仕留めていってくれ。桜と雅はこっちに向かってくる奴を順次撃破。フィリアと沙織ちゃんは攻撃魔法でそのアシスト。未来ちゃんは後で女子寮の回復の為に待機でMP温存だ。俺は雑魚を減らしながらあの2回りほどデカい上位種の相手をする」
「「「了解!」」」
今、レベルが上がって例の白黒世界なのだが、俺は3人の美少女と1人の美幼女に質問攻めでタジタジになっている。
「龍馬君さっきのあれ何よ!」
「龍馬先輩、魔法が2個のリング状に20個回ってますよね? どうしてですか? 私はできないですよ?」
「菜奈も10個回ってました! 私もそんな魔法知りません? どうやって獲得するのですか? しかも【無詠唱】でしたよね?」
「ん! かっこいい! けど理解不能、説明して!」
桜、沙織、未来、雅の順の発言だが、詰め寄って今にも胸ぐらを掴んで『吐け!』とか言いながら揺すられそうな雰囲気だ。
「俺のオリジナル魔法なんだけど、悪いけど皆に説明する気はない」
「菜奈ちゃんも使ってるって事は、教えてもらえれば習得できるって事よね?」
「教えて習得できるものもあるが、連弾魔法については教えられるものじゃないので聞かれても答えられない」
「菜奈ちゃんも知っているのでしょ? 教えてよ、凄く気になるじゃない!」
「30分しか時間が無いんだぞ! フィリアはレベル10に今回なったのだろ? ファーストジョブ、何にするんだ?」
「妾はこの世界では水を司る女神じゃった。当然水に関する魔法は得意じゃ、攻撃に回るなら魔術師が良いじゃろうし、回復職に就くなら回復師か治癒師が良いじゃろう」
「フィリアはどうしたい?」
「妾は癒しの女神とも言われておったが、すでに回復職はおるようじゃし、其方の【マジックシールド】が優秀過ぎて、そもそも回復なぞ要らぬでな。攻撃魔法を率先して獲得しようと思う。なのでファーストジョブは魔術師を選択しようかの」
「菜奈が火と雷なら妾は水と風が良いじゃろうな。土も便利じゃが3系統を同時に伸ばすと上級を覚えるのが遅くなるでの」
「私の時は何もアドバイスくれなかったのに、ずいぶん親切なのね」
【無詠唱】での【多重詠唱】を教えないのが気に入らないのか、桜がやたらと絡んでくる。
「桜、皆にも言っておくが、お前たちの事は死線を一緒にくぐって、ある程度は信用はしているけど、全てを委ねられるほどの信頼関係はまだないと思っている。雅はMMOで4カ月ほどの付き合いがあるし、未来ちゃんは菜奈と同部屋という事でちょくちょく話に出てきたので、2人に関しては皆以上に信頼できるけど、それ以外は昨日初めて知り合った娘ばかりだ。何から何まで心の内や手の内まで教えろと言われても、はっきり言って迷惑だ」
「困った奴じゃのう。折角桜は其方の事を信頼しておるのに、なぜ自分から拒絶するような事を言うのじゃ? やはりあの井口とかいう女子の事が蟠っておるのかのう?」
「そうですよ兄様、皆、兄様の事を信頼して付いていこうとしているのですよ? 信頼を拒絶するのはダメです」
「ん! 信頼はお金で買えないもの! それを自分から拒否るのは勿体無い!」
「MMO経験者にするアドバイスはない。前にも言ったけどスキル獲得は今後の人生を左右する事だ。そこに俺の意見を入れて後悔されたくないからね。ちゃんと自分で決めてほしい」
「ちょっとショックだけどもういいわよ。でも信用できると思った時にちゃんと説明してよね」
「分かった。俺の性格なのであまり気にしないでほしい……」
「気にするなって言っても気になるわよ。だって、ある意味お前の事信用できないって言われてるんだもの、ちょっとカチンときてもしょうがないんじゃないかな?」
桜の言い分が正しいので何も言い返せなかったが、俺の性格なのでしょうがない。
各自スキルを割り振り、残りのオークを殲滅するべく現実世界に戻るのであった。
腰まで伸びた細くて真っ直ぐなライトブルーの美しい髪に、愛らしい整った顔立ち、色白でついつい触りたくなるようなほっぺをしているのだ。
さっきの件もあるし、ちゃんと言っとかないとまずいかな。
「フィリアに今後この世界で一緒に生きていく為に、約束してほしい事がある」
「改まってなんじゃ?」
「今後他の者にはフィリアが女神だという事は内緒にする。フィリアの謝りたいという気持ちも解るけど、言ったからといってどうなるわけでもないんだし、謝って許しを請う行為は、フィリアの自己満足行為にしかならない」
「しかしじゃな……妾のせいで苦境にたたされておるのに、知らぬ存ぜぬはできぬじゃろ?」
「皆に女神だと言って、沙希ちゃんのように張り手1発で済めばいいが、殺しに来たら無抵抗で殺されるのかい?」
「死にたくはないが、それも致し方なかろう」
「それは自殺とどう違うんだ? 俺はフィリアを守ると決めたから、相手がフィリアに害すると判った時点で戦うよ? 殺すのも躊躇はしない……その覚悟はもうできているけど、殺さなくても良い人間を殺すのは俺も嫌なんだけど、その辺も考えてくれている?」
「妾は其方にそのような事をしてほしいとは思っておらぬ。自ら死にたいわけでもない。只どうなるか分からないのは事実じゃが、ただ黙って見ていてほしい」
「そんなの無理に決まってるだろ。俺にとってフィリアは大事な存在だけど、襲ってきた奴らはもうただの敵だ。フィリアを害するのなら殺すよ。これは俺の意思であってフィリアがどう思おうと知った事じゃない。守りたいから守るんだ、守られるのが迷惑だとか、フィリアの感情なんかはっきり言ってどうでもいい」
「兄様が言い出したら何を言ってもダメですよ。私たちに散々迷惑をかけているのです。これ以上迷惑を掛けたくないなら素直に兄様の指示に従ってください」
「ん、女神だと自ら公表するのは只の迷惑行為!」
「私もそう思います。言って何か解決できるのですか? 沙希ちゃんのように元の世界に帰してと泣かれた場合に帰せるのですか? 野球部のマネージャーなら彼氏を生き返らせてくれと言いますよ? あなたに、できるのですか?」
「……すまぬの、今の妾には何ひとつできぬ」
「何もできないのに女神だと公表して、その都度私たちや龍馬先輩に迷惑をかけるつもりなのですか?」
流石のフィリアも皆から責められてぐうの音も出ないようだ。
「フィリア、解っただろ? お前がやる謝罪行為は、只、愚かなだけだ。誰も救われない……むしろこっちの世界に巻き込まれた者たちの感情を逆撫でする行為なんだよ。フィリアの自虐行為で満足するのはフィリアだけだ。沙希ちゃんだって、可哀想に……優しい娘だから殴ったことを一生後悔するかもしれない」
「妾の自己満足と申すのか……」
「兄様の言うとおりです。何もできないのであれば、黙ってあなたにできる事を探すんですね」
『……おはようございますマスター。緊急報告です。オークどもが動き出しました。500体以上の大部隊です。今回、上位種も沢山います』
『おはよう、ナビー。情報ありがとう……今の俺で凌げそうか?』
『……余裕でしょう。ですが油断はなさらないように。それにしてもフィリア様が下界に落とされるとは、創主様はいったい何をお考えなのでしょうね?』
『フィリアは、ナビーの生みの親みたいなモノだから、何かあったらよろしく頼むな』
『……はい。勿論サポートいたします』
「龍馬君、皆で話し合ったわ」
いいタイミングで桜が呼びに来た。
「桜、先に俺の方からだ。すぐに500体以上のオークの大部隊が攻めてくるようだ。各方面に至急連絡を入れてあげてほしい。今回、上位種もかなりの数が混ざっているようだ。どうも昨晩の夜襲組を壊滅させたので、オーク側も本腰を入れてきたみたいだな。連絡網を急いで回してあげてくれ。まだ7時前だし下手したら呑気に寝てるやつらもいるかもしれない」
「解った! それから女神様は仲間に受け入れると全員一致で決まったわ。こっちに来て頂戴」
茶同室に戻り慌ただしく全員で事に当たる。
「とりあえずレイドPTを組むので受諾してくれ。それから、フィリアを受け入れてくれてありがとう」
「全部の拠点に連絡を入れたけど、女子寮が不安がってたわ。前回の30体ぐらいのを相手にしただけでも結構ギリギリだったみたいだし、どうしたら良いと思う?」
「今回は数が多いから、こっちにもかなり来るんじゃないか? 他に気を回す余裕はないと思うぞ? 初日にも同じ規模で攻めてきてたけど、オーク的には獲物が多かったから気配のないこの棟にはあまり来なかったようだけど、今日は数百体がこっちにも来るぞ」
「そうね。人の心配してる場合じゃないか……」
「武器を配るけど、近くに予備を置くようにする。切れ味が必ず鈍るから、随時交換するように。それとA班・B班で時々疲れが来る前にスイッチするからそのつもりで。MPは極力温存で頼む。廊下に弓と矢を置いておくので、レベルが上がったら誰か率先して【弓術】を獲得してほしい」
「龍馬先輩! 私、弓覚えたいです」
「優ちゃんか……優ちゃんは、支援系ヒーラーだけど。シールドがあるから現状ヒールはあまり使ってないしね。うん、レベルが上がったら優ちゃんは弓のレベルを上げようか」
「はい!」
「じゃあ、優ちゃんは【弓術】の熟練度がレベル3になるまでは矢がもったいないから後方で待機ね。レベルが3になったら廊下から外のオークを減らしてくれるかな? 矢尻が競技用だから遠いと刺さらないので、近くのだけで頼む。頭も多分刺さらないと思うがよろしく頼む」
「解りました」
すぐに1番オークの巣に近い格技場が戦闘に入った。
「格技場の戦闘が始まったみたいだね。位置的にあそこが1番の激戦区になりそうだけど大丈夫かな……もうすぐこっちにもやってくるけど最初は前回同様A班がメインで戦闘をするね。シールドを張るけど、桜は回避を忘れずに、こないだぐらい躱せれば早々シールドが剥げる事はないから頑張って」
「うん、周りを見て回避を心掛けるようにするね」
「後、フィリア。まず1匹オークを捕らえるのでとりあえずレベルアップしてもらう。その後レイドPTに誘うのでそれまでは部屋の中に居てくれ。レベル0だと、投石ですら危険だからね」
「了解じゃ。じゃが其方のシールドがあれば心配無いと思うのじゃがのぅ……」
「念のためだ!」
この別館の戦闘が始まって1時間が過ぎた。
俺のレベルもその間に3つ上がっている。
C班の非戦闘員がレベル6になった時点でレイドパーティーから外した。
戦闘をするA・B班のレベル上げが優先の為だ。
「龍馬君! 高畑先生から連絡があって、MPが完全に切れてもう持たないそうなの! 何とかならないかな?」
「美弥ちゃん先生、後5分凌いでくれって言ってくれ。目の前の10体を屠ったら救援に行くと伝えてくれ」
「いいの? じゃあ、伝えるね! でもかなりの数に囲まれてるそうなので気を付けてね」
「美弥ちゃん先生にリーダーを移すので、俺が戻るまで指揮をお願い! 桜・菜奈・雅・フィリア・未来・沙織で救援に行く。向こうに着いたら未来と沙織で女子寮組の回復をしてあげてくれ。桜は全方位に注意がいるようになるので、ここ以上に周りの状況を見るようにな。菜奈、今回【多重詠唱】10連まで解禁にする。MPに注意して蹴散らせ」
「解った! いいのですね?」
「女子寮前までだぞ、中のやつには教えないからな」
「うん、頑張るね」
「よし、そいつを倒したら女子寮まで一気に駆け抜けるぞ! 途中で遭う雑魚は無視していい! 走れば付いてくるだろうが、向こうについてから纏めて倒せばいいからな。待機組にも一度全員にリバフしておくので、俺たちが戻るまでは上手く回避してシールドをもたせるように。強そうな上位種とかがきてヤバそうならすぐに美弥ちゃんは連絡してくるんだぞ!」
「皆、気を付けてね! こっちは皆で抑えるから安心して」
レイドPTから抜け、再度PTを組み直し、女子寮が瓦解する前にと急いで向かった。
途中で10体ずつで移動しているオークに2回遭遇したが、中級の【ウィンダラカッター】1発で全て首を落としていった。
俺の体の周りには20個の目視できるほど濃密な空気の塊が衛星周回している。
敵を見かけたら即発動で首が飛ぶのだ。後ろで雅と桜が騒いでいるが説明は後だ。
女子寮のA棟に来たのだが……。
「兄様凄い数が居ますね……」
「龍馬君、指示頂戴!」
「菜奈は弓を持った奴を先に仕留めていってくれ。桜と雅はこっちに向かってくる奴を順次撃破。フィリアと沙織ちゃんは攻撃魔法でそのアシスト。未来ちゃんは後で女子寮の回復の為に待機でMP温存だ。俺は雑魚を減らしながらあの2回りほどデカい上位種の相手をする」
「「「了解!」」」
今、レベルが上がって例の白黒世界なのだが、俺は3人の美少女と1人の美幼女に質問攻めでタジタジになっている。
「龍馬君さっきのあれ何よ!」
「龍馬先輩、魔法が2個のリング状に20個回ってますよね? どうしてですか? 私はできないですよ?」
「菜奈も10個回ってました! 私もそんな魔法知りません? どうやって獲得するのですか? しかも【無詠唱】でしたよね?」
「ん! かっこいい! けど理解不能、説明して!」
桜、沙織、未来、雅の順の発言だが、詰め寄って今にも胸ぐらを掴んで『吐け!』とか言いながら揺すられそうな雰囲気だ。
「俺のオリジナル魔法なんだけど、悪いけど皆に説明する気はない」
「菜奈ちゃんも使ってるって事は、教えてもらえれば習得できるって事よね?」
「教えて習得できるものもあるが、連弾魔法については教えられるものじゃないので聞かれても答えられない」
「菜奈ちゃんも知っているのでしょ? 教えてよ、凄く気になるじゃない!」
「30分しか時間が無いんだぞ! フィリアはレベル10に今回なったのだろ? ファーストジョブ、何にするんだ?」
「妾はこの世界では水を司る女神じゃった。当然水に関する魔法は得意じゃ、攻撃に回るなら魔術師が良いじゃろうし、回復職に就くなら回復師か治癒師が良いじゃろう」
「フィリアはどうしたい?」
「妾は癒しの女神とも言われておったが、すでに回復職はおるようじゃし、其方の【マジックシールド】が優秀過ぎて、そもそも回復なぞ要らぬでな。攻撃魔法を率先して獲得しようと思う。なのでファーストジョブは魔術師を選択しようかの」
「菜奈が火と雷なら妾は水と風が良いじゃろうな。土も便利じゃが3系統を同時に伸ばすと上級を覚えるのが遅くなるでの」
「私の時は何もアドバイスくれなかったのに、ずいぶん親切なのね」
【無詠唱】での【多重詠唱】を教えないのが気に入らないのか、桜がやたらと絡んでくる。
「桜、皆にも言っておくが、お前たちの事は死線を一緒にくぐって、ある程度は信用はしているけど、全てを委ねられるほどの信頼関係はまだないと思っている。雅はMMOで4カ月ほどの付き合いがあるし、未来ちゃんは菜奈と同部屋という事でちょくちょく話に出てきたので、2人に関しては皆以上に信頼できるけど、それ以外は昨日初めて知り合った娘ばかりだ。何から何まで心の内や手の内まで教えろと言われても、はっきり言って迷惑だ」
「困った奴じゃのう。折角桜は其方の事を信頼しておるのに、なぜ自分から拒絶するような事を言うのじゃ? やはりあの井口とかいう女子の事が蟠っておるのかのう?」
「そうですよ兄様、皆、兄様の事を信頼して付いていこうとしているのですよ? 信頼を拒絶するのはダメです」
「ん! 信頼はお金で買えないもの! それを自分から拒否るのは勿体無い!」
「MMO経験者にするアドバイスはない。前にも言ったけどスキル獲得は今後の人生を左右する事だ。そこに俺の意見を入れて後悔されたくないからね。ちゃんと自分で決めてほしい」
「ちょっとショックだけどもういいわよ。でも信用できると思った時にちゃんと説明してよね」
「分かった。俺の性格なのであまり気にしないでほしい……」
「気にするなって言っても気になるわよ。だって、ある意味お前の事信用できないって言われてるんだもの、ちょっとカチンときてもしょうがないんじゃないかな?」
桜の言い分が正しいので何も言い返せなかったが、俺の性格なのでしょうがない。
各自スキルを割り振り、残りのオークを殲滅するべく現実世界に戻るのであった。
41
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる