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学園ロワイヤル編 2日目
1-2-4 女子寮救出?オーク集落の真相?
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周りの上位種を倒し、現在俺はオークジェネラルと一騎打ちをやっているのだが、もうすぐ無傷で倒しきれるだろう。圧倒的な戦力差があるのだ……オークじゃ上位種でももう俺の相手にならない。
20秒ほどでシールドも無くなり、心臓一突きであっけなくジェネラルを倒した。
一番レベルの低いフィリアがまたレベルアップしたようだ。
「フィリアはこの中じゃ一番レベルが低いから上がるのも早いよな。俺なんかもうなかなか上がんない。後2レベで20になれるのに……」
「兄様は種族レベルが20になったら、セカンドジョブは何にするのです?」
「調教師もいいなと思ったんだけど、やはりMP量が少ないので魔術師かな。生産系も好きなんだけど、命が掛かっているからな。じっくりと時間を掛けてやり込むMMOと同じ感覚で鍛冶職人とか取っても、ヨワヨワで死んじゃったら意味ないし」
「でもチート武器作製も面白いかもですね。C班の誰かになってもらいますか?」
「いや、現実的に連れ回してレベル上げするのが大変だろ。お金溜めて買った方が絶対早いよ」
「龍馬の言うとおりじゃ。其方らはAPポイントを振れば簡単に技術系も上げられるが、素材集めが大変じゃからの。レアな武器を造るにはレアな素材が要るのじゃ。それを集める手間を考えると、ダンジョンのフロアボスがよくレア武器を落とすように設定してあるので、そこを攻略した方が良い物が手に入るじゃろう」
「ダンジョンもあるのですね?」
「基本そなた等の創作物的なファンタジー世界設定になっておるからのぅ」
ジェネラルなので何かレアスキルを持ってないかとステータスを確認したのだが何も持っていなかった。
ナイトが【嗅覚鑑識】とか俺好みのレアスキルを持っていたので期待し過ぎていたようだ。
オークたちの所持品の中に数点良いモノがあった。
ミスリルのロングナイフとミスリルソード、劣化した回復剤3本、劣化した魔力回復剤2本……『劣化した』が気になるけどね。
さっそく武器を鑑識魔法で確認だ。
ミスリルナイフは純度96%、ミスリル製の超良品だ……これはかなり良い物だ。
ミスリルソードは俺が持ってるモノと同等品だな……ミスリル含有率62%のものだ。
これも鋼よりははるかに良い物だ。
「フィリア、劣化した回復剤って腐ってるって事か?」
「腐っているわけではないが、劣化と出ておるならおそらくは経年劣化で効果が薄れてしまったものじゃな。オークが持っておったものか?」
「うん、さっき倒したオークプリーストが持っていた物なんだ。回復剤と魔力回復剤なのだけど、どっちも鑑識魔法で劣化と出ていたから使えないのかと思ってね」
「使えるだろうが味の保証はできぬな。もともと苦い物じゃが、古いものはそれに酸味が加わって何とも言えぬ不味さじゃそうだ」
「極力飲まないようにしたいな。ミスリルナイフの超良い物が手に入ったんだけど……これ、菜奈にあげたいところだけど、雅、お前が装備しろ」
「ん! いいの?」
「雅はショートソードとロングナイフの二刀使いだからな。このミスリルのロングナイフならスパスパ切れるぞ」
「ん! でも菜奈にあげなくていいの?」
「菜奈のサブ武器はショートソードだからな。魔法使いだし、ミスリルの杖かミスリルのショートソードが手に入った時に優先させてもらうよ」
「ん! ありがとう♪」
「それと桜にミスリルソードだ。今、俺が持ってるやつと同等品だからそこそこ良い品だ」
「え!? 私にそれくれるの?」
「今日の戦闘を見る限り、上手く立ち回れるようになってた。正直まだ綾ちゃんの方が上手いけど、A班希望で頑張ってる桜に渡す方が良いと判断した。すぐに良いメインアタッカーになれると思う」
「ありがとう! 大事に使わせてもらうわ! それにしても、オークたちはこの武器をどこで手に入れてるのかしら? 鍛冶師とかも巣にいるのかな? でも手入れはされてないようだし、どういうこと? 近くに街道でもあって冒険者を襲って奪ってるとかかな?」
「実は、オークがコロニーを作っている場所は、元々大盗賊団が占拠しておった場所でな。100人ほどの盗賊団だったのじゃが、今のオークのキングが6年ほど前に1000体ほどの集団で攻め落としたのじゃ。そこに盗賊団が溜めこんでおった武器がわんさかあったものじゃから、オークどもが更に力を付けてしまったんじゃな。そのミスリルナイフも元は盗賊団が商人から奪い取ったものじゃ」
「なるほどね、6年間手入れしてないから普通の剣は錆びちゃったんだ」
「回復剤もそういう事じゃな。普通は6か月ほどで処分されるものじゃが6年モノじゃ。どんな味がするのやら……龍馬がそれを飲んだ時の顔が楽しみじゃ、クククッ」
「イヤイヤ、俺は必要ないから! それを飲むとしたら菜奈か沙希ちゃんだろ。後、怪我しそうな桜とか」
「私は嫌よ! 龍馬君、そんなもの早く捨てちゃいなさい!」
「何言ってんだよ、最悪の想定もしないといけないのに、これはその時に必要になるものだぞ。ゲームでも課金回復剤がぶ飲みで高難易度ダンジョンを攻めてレア装備狙わなかったか?」
「当然やってたわよ。確かに各種回復剤はとっておきに要るけど。それは飲みたくないわ」
回復剤は飲みたくないと全員が一致した……でも捨てるのは勿体無いよな。
白黒世界内での物の受け渡しはできない。現実世界に戻ってから武器は早めに2人に渡すとしよう。
現在ナイトもアーチャーも倒し終え、残るは雑魚のみだ。
現実世界に戻り、直ぐに2人を呼び寄せる。
「桜、雅! ちょっと来てくれ!」
【リストア】を発動し、ミスリルのロングナイフとミスリルソードの時間を戻し、新品状態にして雅と桜にそれぞれ手渡す。
「ん! かっこいい! 龍馬ありがとう!」
「凄く綺麗な剣ね。龍馬君ありがとう。大事にするね」
「それにしてもこいつら逃げないよな。普通は頭がやられたら逃げるだろうに。フォゴフゴ言って威嚇しながらまだ襲ってきてる」
「上位種以外あまり賢くないよね」
「命令系統が無くなったら、本当にこいつらってただの雑魚だな」
俺の発言にフィリアが何とも言えないような悲しげな顔を一瞬したのを俺は見てしまった。
フィリアの前で迂闊な発言だったと後悔したが、後の祭りだ。
「菜奈、女子寮に行って、寮の主戦力を呼んできてくれ。残りはそいつらに狩らせる」
「うん、行ってくる。ちょっと待っててね」
残ってた雑魚は俺たちがサポートしつつ、女子寮の主戦力の娘たちに狩らせてあげた。
「龍馬君ありがとう! 助かりました。それにオークまで譲ってくれて本当にありがたいです」
「高畑先生、ヒーラーとメインアタッカーの育成に力を入れてください。このぐらいの数ならうちのメインパーティなら余裕で捌き切りますよ。よく昨日は生き残れましたね」
決して嘘ではない。俺の【マジックシールド】がなくても、今回倒しきっていたはずだ。桜もそれ以外もリバフなしで十分倒しきれていた。種族レベルが10を超え、ジョブを得た辺りでオークは脅威ではなくなるのだ。
「昨日は弓矢や魔法は撃ってこなかったのよ。近接戦闘だけだったから、前衛とヒーラーだけで何とか維持できたのだけど。今日は扉が壊された上に弓矢や魔法がバンバン飛んでくるし、こちらの魔法はいくら撃っても全く効いてないし……すぐにうちの魔術師はMPが無くなって後はじり貧よ。前衛で頑張ってくれていた娘が可哀想に出血死で亡くなったわ」
「種族レベルが50を超えたら蘇生魔法もあるようですが、基本死んで1時間以内までらしいので、復活魔法というより本当に蘇生魔法で、AEDのようなモノかと思われます」
「そんな魔法まであるの? でも彼女はもう助からないのね……」
「後でまた連絡を入れますが、中庭の死体の山とか処理しないとヤバいそうなので、人手とかのほうも話し合ってもらえますか?」
「ペストとかの疫病ね。私たちもそれは話で上がってた案件ね。もっと詰めて話しておくわね」
「いえ、それだけじゃないらしいです。この辺りは魔素が強すぎて何日も放っておくと死人が魔素を吸収し、体内に魔核ができ、ゾンビ化して人を襲うらしいのです。そうならないようにするには、頭を潰すか、首を落とすか、焼却するしかないようです。死んでしまった彼女も早めに荼毘に伏してあげてください」
「そんな情報を誰から聞いたのですか?」
「すみませんが、詳しくはまだ話せません……」
「うちと合併しないかという話も出ているけどどうかな?」
「その話はうちでも出ていますが、今はお断りしておきます。うちに何1つメリットの無い話ですからね」
「確かにそうだけど、はっきり言うのね……」
「合併といえば聞こえはいいですけど、実質そっちは庇護してくださいって事じゃないですか。俺たちは今のメンバーだけでやって行けますからね。受け入れると、弱いあなたたちを守る負担が発生するだけです」
「受け入れは拒否って事?」
「いえ、一度戻って皆と検討はしてみます。見捨てるのは可哀想だから助けてあげてという意見が結構な数出ていますので」
「是非そうしてほしいわ。また今日のように集団で来られたら耐え凌ぐ自信がないの」
「俺たちは一度拠点に戻って話し合いをします。女子寮の方はMPが回復したら主戦力で周辺にいる雑魚を狩って少しでもレベルを上げてください。種族レベルが10を超え、ジョブを得たらそう簡単にやられる事はない筈です。魔法職は魔術師を職業にすればMP量も一気に倍近く増えます。回復職は治癒師を選択でMP消費量が減り回復量も増えます。とりあえず今日中にレベル10を目指してください。それと遊撃担当に探索魔法を必ず取らすようにしてくださいね。そうしないと敵の動きを把握できずに、大部隊とかち合って死ぬ可能性もでてきます」
「解りました。がんばってレベルを上げるようにします」
「MPが有るのなら、とりあえず駐車場付近にオーク8、ゴブリン5の部隊が居ますのでそれを狩ってみてください。武器は提供しますのでこれを使ってください。鋼の剣3本と鋼の槍2本、弓が3組と矢筒が3つ。でも矢はあまりないのでその辺に落ちてるやつを回収してください。杖も2本差し上げます。さっきの戦闘でオークから手に入れた物なんですけど、ちょっと劣化した回復剤です。MP回復剤もあるのでいよいよって時には飲んでください。鑑識魔法でチェックしたら腐っては無いようですが、言っておきますが味は最悪だそうですので覚悟をして飲んでください」
「え!? いいの? うちは助かるけど」
「ちょっと兄様! 提供し過ぎではないですか?」
「そうよ龍馬君、回復剤はいいけど、武器を揃えるのはうちのメンバーが先じゃないの!」
「今日中に女子寮の主戦力がレベル10まで上がれば合併する必要もなくなるんだよ。桜の気持ちも解るけど、足手まといが増えるより、武器を渡して勝手に強くなってもらって、取り込むより自立してもらう方が良いと思うぞ」
「『損して得とれ』そういう考えなのね。うん、そうかもしれない」
「う~~、どんどん兄様が黒くなってきてる気がします」
「とりあえず戻ろう……皆も心配しているはずだ。高畑先生の方はレベル上げですからね」
別館の拠点に帰る途中でナイトから手に入った【嗅覚鑑識】を使ってみる。
「雅ちょっと来てくれ! クンクン……おお! 雅はシトラス系の香りで、【リラックス効果】と【睡眠導入効果】があるようだぞ」
「兄様! また雅ちゃんの匂いを嗅いで! 変態です!」
「そういう菜奈はどうなんだ? クンクン……菜奈もシトラス系で【リラックス効果】と【集中力を高める効果】があるのか。戦闘前に菜奈を嗅いでおくのもありだな。フィリアはどうなんだろ? クンクン……アクアマリン系で【リラックス効果】と【催眠導入効果】に【疲労回復効果】まであるのか。あ~、それで今朝はぐっすり寝れて目覚めスッキリだったんだ。凄く良い匂いだ……クンクン」
「妾の匂いにそのような効果があるとは……妾も知らなんだ」
個人香の効能は一度全員調べた方がよさそうだな。
少し考えがあって、俺たちは理科室に立ち寄って、いろいろ回収してから拠点に帰ったのだった。
20秒ほどでシールドも無くなり、心臓一突きであっけなくジェネラルを倒した。
一番レベルの低いフィリアがまたレベルアップしたようだ。
「フィリアはこの中じゃ一番レベルが低いから上がるのも早いよな。俺なんかもうなかなか上がんない。後2レベで20になれるのに……」
「兄様は種族レベルが20になったら、セカンドジョブは何にするのです?」
「調教師もいいなと思ったんだけど、やはりMP量が少ないので魔術師かな。生産系も好きなんだけど、命が掛かっているからな。じっくりと時間を掛けてやり込むMMOと同じ感覚で鍛冶職人とか取っても、ヨワヨワで死んじゃったら意味ないし」
「でもチート武器作製も面白いかもですね。C班の誰かになってもらいますか?」
「いや、現実的に連れ回してレベル上げするのが大変だろ。お金溜めて買った方が絶対早いよ」
「龍馬の言うとおりじゃ。其方らはAPポイントを振れば簡単に技術系も上げられるが、素材集めが大変じゃからの。レアな武器を造るにはレアな素材が要るのじゃ。それを集める手間を考えると、ダンジョンのフロアボスがよくレア武器を落とすように設定してあるので、そこを攻略した方が良い物が手に入るじゃろう」
「ダンジョンもあるのですね?」
「基本そなた等の創作物的なファンタジー世界設定になっておるからのぅ」
ジェネラルなので何かレアスキルを持ってないかとステータスを確認したのだが何も持っていなかった。
ナイトが【嗅覚鑑識】とか俺好みのレアスキルを持っていたので期待し過ぎていたようだ。
オークたちの所持品の中に数点良いモノがあった。
ミスリルのロングナイフとミスリルソード、劣化した回復剤3本、劣化した魔力回復剤2本……『劣化した』が気になるけどね。
さっそく武器を鑑識魔法で確認だ。
ミスリルナイフは純度96%、ミスリル製の超良品だ……これはかなり良い物だ。
ミスリルソードは俺が持ってるモノと同等品だな……ミスリル含有率62%のものだ。
これも鋼よりははるかに良い物だ。
「フィリア、劣化した回復剤って腐ってるって事か?」
「腐っているわけではないが、劣化と出ておるならおそらくは経年劣化で効果が薄れてしまったものじゃな。オークが持っておったものか?」
「うん、さっき倒したオークプリーストが持っていた物なんだ。回復剤と魔力回復剤なのだけど、どっちも鑑識魔法で劣化と出ていたから使えないのかと思ってね」
「使えるだろうが味の保証はできぬな。もともと苦い物じゃが、古いものはそれに酸味が加わって何とも言えぬ不味さじゃそうだ」
「極力飲まないようにしたいな。ミスリルナイフの超良い物が手に入ったんだけど……これ、菜奈にあげたいところだけど、雅、お前が装備しろ」
「ん! いいの?」
「雅はショートソードとロングナイフの二刀使いだからな。このミスリルのロングナイフならスパスパ切れるぞ」
「ん! でも菜奈にあげなくていいの?」
「菜奈のサブ武器はショートソードだからな。魔法使いだし、ミスリルの杖かミスリルのショートソードが手に入った時に優先させてもらうよ」
「ん! ありがとう♪」
「それと桜にミスリルソードだ。今、俺が持ってるやつと同等品だからそこそこ良い品だ」
「え!? 私にそれくれるの?」
「今日の戦闘を見る限り、上手く立ち回れるようになってた。正直まだ綾ちゃんの方が上手いけど、A班希望で頑張ってる桜に渡す方が良いと判断した。すぐに良いメインアタッカーになれると思う」
「ありがとう! 大事に使わせてもらうわ! それにしても、オークたちはこの武器をどこで手に入れてるのかしら? 鍛冶師とかも巣にいるのかな? でも手入れはされてないようだし、どういうこと? 近くに街道でもあって冒険者を襲って奪ってるとかかな?」
「実は、オークがコロニーを作っている場所は、元々大盗賊団が占拠しておった場所でな。100人ほどの盗賊団だったのじゃが、今のオークのキングが6年ほど前に1000体ほどの集団で攻め落としたのじゃ。そこに盗賊団が溜めこんでおった武器がわんさかあったものじゃから、オークどもが更に力を付けてしまったんじゃな。そのミスリルナイフも元は盗賊団が商人から奪い取ったものじゃ」
「なるほどね、6年間手入れしてないから普通の剣は錆びちゃったんだ」
「回復剤もそういう事じゃな。普通は6か月ほどで処分されるものじゃが6年モノじゃ。どんな味がするのやら……龍馬がそれを飲んだ時の顔が楽しみじゃ、クククッ」
「イヤイヤ、俺は必要ないから! それを飲むとしたら菜奈か沙希ちゃんだろ。後、怪我しそうな桜とか」
「私は嫌よ! 龍馬君、そんなもの早く捨てちゃいなさい!」
「何言ってんだよ、最悪の想定もしないといけないのに、これはその時に必要になるものだぞ。ゲームでも課金回復剤がぶ飲みで高難易度ダンジョンを攻めてレア装備狙わなかったか?」
「当然やってたわよ。確かに各種回復剤はとっておきに要るけど。それは飲みたくないわ」
回復剤は飲みたくないと全員が一致した……でも捨てるのは勿体無いよな。
白黒世界内での物の受け渡しはできない。現実世界に戻ってから武器は早めに2人に渡すとしよう。
現在ナイトもアーチャーも倒し終え、残るは雑魚のみだ。
現実世界に戻り、直ぐに2人を呼び寄せる。
「桜、雅! ちょっと来てくれ!」
【リストア】を発動し、ミスリルのロングナイフとミスリルソードの時間を戻し、新品状態にして雅と桜にそれぞれ手渡す。
「ん! かっこいい! 龍馬ありがとう!」
「凄く綺麗な剣ね。龍馬君ありがとう。大事にするね」
「それにしてもこいつら逃げないよな。普通は頭がやられたら逃げるだろうに。フォゴフゴ言って威嚇しながらまだ襲ってきてる」
「上位種以外あまり賢くないよね」
「命令系統が無くなったら、本当にこいつらってただの雑魚だな」
俺の発言にフィリアが何とも言えないような悲しげな顔を一瞬したのを俺は見てしまった。
フィリアの前で迂闊な発言だったと後悔したが、後の祭りだ。
「菜奈、女子寮に行って、寮の主戦力を呼んできてくれ。残りはそいつらに狩らせる」
「うん、行ってくる。ちょっと待っててね」
残ってた雑魚は俺たちがサポートしつつ、女子寮の主戦力の娘たちに狩らせてあげた。
「龍馬君ありがとう! 助かりました。それにオークまで譲ってくれて本当にありがたいです」
「高畑先生、ヒーラーとメインアタッカーの育成に力を入れてください。このぐらいの数ならうちのメインパーティなら余裕で捌き切りますよ。よく昨日は生き残れましたね」
決して嘘ではない。俺の【マジックシールド】がなくても、今回倒しきっていたはずだ。桜もそれ以外もリバフなしで十分倒しきれていた。種族レベルが10を超え、ジョブを得た辺りでオークは脅威ではなくなるのだ。
「昨日は弓矢や魔法は撃ってこなかったのよ。近接戦闘だけだったから、前衛とヒーラーだけで何とか維持できたのだけど。今日は扉が壊された上に弓矢や魔法がバンバン飛んでくるし、こちらの魔法はいくら撃っても全く効いてないし……すぐにうちの魔術師はMPが無くなって後はじり貧よ。前衛で頑張ってくれていた娘が可哀想に出血死で亡くなったわ」
「種族レベルが50を超えたら蘇生魔法もあるようですが、基本死んで1時間以内までらしいので、復活魔法というより本当に蘇生魔法で、AEDのようなモノかと思われます」
「そんな魔法まであるの? でも彼女はもう助からないのね……」
「後でまた連絡を入れますが、中庭の死体の山とか処理しないとヤバいそうなので、人手とかのほうも話し合ってもらえますか?」
「ペストとかの疫病ね。私たちもそれは話で上がってた案件ね。もっと詰めて話しておくわね」
「いえ、それだけじゃないらしいです。この辺りは魔素が強すぎて何日も放っておくと死人が魔素を吸収し、体内に魔核ができ、ゾンビ化して人を襲うらしいのです。そうならないようにするには、頭を潰すか、首を落とすか、焼却するしかないようです。死んでしまった彼女も早めに荼毘に伏してあげてください」
「そんな情報を誰から聞いたのですか?」
「すみませんが、詳しくはまだ話せません……」
「うちと合併しないかという話も出ているけどどうかな?」
「その話はうちでも出ていますが、今はお断りしておきます。うちに何1つメリットの無い話ですからね」
「確かにそうだけど、はっきり言うのね……」
「合併といえば聞こえはいいですけど、実質そっちは庇護してくださいって事じゃないですか。俺たちは今のメンバーだけでやって行けますからね。受け入れると、弱いあなたたちを守る負担が発生するだけです」
「受け入れは拒否って事?」
「いえ、一度戻って皆と検討はしてみます。見捨てるのは可哀想だから助けてあげてという意見が結構な数出ていますので」
「是非そうしてほしいわ。また今日のように集団で来られたら耐え凌ぐ自信がないの」
「俺たちは一度拠点に戻って話し合いをします。女子寮の方はMPが回復したら主戦力で周辺にいる雑魚を狩って少しでもレベルを上げてください。種族レベルが10を超え、ジョブを得たらそう簡単にやられる事はない筈です。魔法職は魔術師を職業にすればMP量も一気に倍近く増えます。回復職は治癒師を選択でMP消費量が減り回復量も増えます。とりあえず今日中にレベル10を目指してください。それと遊撃担当に探索魔法を必ず取らすようにしてくださいね。そうしないと敵の動きを把握できずに、大部隊とかち合って死ぬ可能性もでてきます」
「解りました。がんばってレベルを上げるようにします」
「MPが有るのなら、とりあえず駐車場付近にオーク8、ゴブリン5の部隊が居ますのでそれを狩ってみてください。武器は提供しますのでこれを使ってください。鋼の剣3本と鋼の槍2本、弓が3組と矢筒が3つ。でも矢はあまりないのでその辺に落ちてるやつを回収してください。杖も2本差し上げます。さっきの戦闘でオークから手に入れた物なんですけど、ちょっと劣化した回復剤です。MP回復剤もあるのでいよいよって時には飲んでください。鑑識魔法でチェックしたら腐っては無いようですが、言っておきますが味は最悪だそうですので覚悟をして飲んでください」
「え!? いいの? うちは助かるけど」
「ちょっと兄様! 提供し過ぎではないですか?」
「そうよ龍馬君、回復剤はいいけど、武器を揃えるのはうちのメンバーが先じゃないの!」
「今日中に女子寮の主戦力がレベル10まで上がれば合併する必要もなくなるんだよ。桜の気持ちも解るけど、足手まといが増えるより、武器を渡して勝手に強くなってもらって、取り込むより自立してもらう方が良いと思うぞ」
「『損して得とれ』そういう考えなのね。うん、そうかもしれない」
「う~~、どんどん兄様が黒くなってきてる気がします」
「とりあえず戻ろう……皆も心配しているはずだ。高畑先生の方はレベル上げですからね」
別館の拠点に帰る途中でナイトから手に入った【嗅覚鑑識】を使ってみる。
「雅ちょっと来てくれ! クンクン……おお! 雅はシトラス系の香りで、【リラックス効果】と【睡眠導入効果】があるようだぞ」
「兄様! また雅ちゃんの匂いを嗅いで! 変態です!」
「そういう菜奈はどうなんだ? クンクン……菜奈もシトラス系で【リラックス効果】と【集中力を高める効果】があるのか。戦闘前に菜奈を嗅いでおくのもありだな。フィリアはどうなんだろ? クンクン……アクアマリン系で【リラックス効果】と【催眠導入効果】に【疲労回復効果】まであるのか。あ~、それで今朝はぐっすり寝れて目覚めスッキリだったんだ。凄く良い匂いだ……クンクン」
「妾の匂いにそのような効果があるとは……妾も知らなんだ」
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