女神様から同情された結果こうなった

回復師

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王都街道編 4・5日目

2-4-4 山本先生?新たな被験者?

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 前門の虎に後門の狼状態で身動きが取れない。一応皆と相談するか……。

「高畑先生ちょっと良いですか? 他の皆も聞いていてほしい。後ろから黒狼が来ているのは伝えていますが、これから行こうとしていた進路上に、平原地帯ではかなりの上位に位置するライオンのような魔獣が、バッファローの群れを追って移動し始めたようです」

「先に進むとまずいって事ですか?」

「ええ、倒せない事は無いのですが、時間的に黒狼も追いついてきちゃうんですよね。そして戦闘をして血の匂いが充満すると、その周りにいるハイエナの魔獣が匂いで集まっちゃう可能性大です」

「このまま進むと三つ巴になりそうなのですね?」
「最悪それにハゲタカやジャッカルなんかが加わってきますね……」

「龍馬君、なにか最善案はあるの?」
「最善かどうかは分からないけど、今日はこの場で留まって、追いついてきた黒狼を撃退してから進んだらどうかなと思っています」

「ライオンたちを迂回できないのかな?」
「先日まで利用していた小川の本流にあたる大きな川があって、危険なピラニア系の魚や巨大ワニなんかが沢山いるから、【フロート】で重力魔法を操っての空中移動になってしまう。数日のロスになるので、それなら多少危険でもキング・キャットを狩った方が早くて良いんだよね。毛皮や牙が高く売れるそうだし」

「「「キング・キャットって……ダサッ!」」」

「この世界のネーミングセンスは置いといて……実際どうします?」
「待機で良いんじゃないかしら? 進んでいろんな魔獣を巻き込んで大乱戦とか先生ちょっと怖いです」

 高畑先生は乱戦だと死人が出そうなので、慎重に待機してから1種ずつ倒す方が良いとの意見だ。

「俺もそれが賢明な判断と思います。でも、スカヴェンジング・キャットというハイエナのような魔獣は、ネコの仲間のくせに鼻が黒狼並みに聞くので、狼との戦闘時に血の匂いを嗅ぎつける可能性はあります」

「何か対策とかないの?」
「あるにはあるけど……」

「あるんだ……でも、なぜ言いよどむの?」

「理科室で、アンモニアを手に入れているのだけど……俺たちも【身体強化】で嗅覚が鋭くなってるから、狼ほどダメージはないにしても自滅技なんだよ……それにハティがちょっと可哀想だしね」

 ハティが被害に合うと聞いた瞬間、女子一同から即却下された。
 ハティ、愛されてるな……。

 皆で議論した結果、本陣はここに待機して、牛の時のように精鋭部隊でこちらから黒狼に襲撃を掛けるという案が採用された。


「では、柴崎先輩が出した案を採用して、こっちから精鋭部隊で黒狼を襲撃という事でいいですね?」

 自分の案が通った柴崎先輩は、超嬉しそうなオーラが出まくっている……感情が表に出やすく、分かりやすい人だ。

「黒狼は、牛の時のように密集隊形をとって行動する魔獣ではないので、残す戦闘員がB班組だけだとちょっと不安です。分散してこっちに来る可能性もありますので、格技場の男子は残ってもらいます。男子はそれで良いですね?」

「そうだな、そういう事ならこっちに残るよ」
「俺も残って女子を守るよ」
「俺はできればそっちに行って沢山経験値が欲しい!」

 三田村先輩、三月先輩、水谷先輩の順での発言だが、モテない男にアドバイスだ。

「水谷先輩がモテない理由が今解りましたね。他の男子も参考にしてください。危険な狼が来るというのに、女子を置いて経験値欲しさに戦闘に行きたいとかいう脳筋は、今の女子の冷たい視線を見ればお分かりですね? 三月先輩との男子力の差が歴然としましたね」

「なっ!? ち、違うんだ!」

「「「言い訳とか女々しい!」」」

 あ、またいつぞやみたいに隅っこに行って、体育座りでメソメソ始めちゃったよ……顔は格技場の中で一番良いと思うんだけど、中身がちょっと残念な人だ。そういえば最初は三田村先輩より水谷先輩の方がまともに見えたんだよな……他の空手部員たちに肩をポンポンされてる姿が哀れだ。

「うちのB班の美弥ちゃん先生が、優秀な探索魔法を所持していますので、もし襲撃組を掻い潜って本陣に来た狼がいたら、美弥ちゃん先生の指示に従って行動してください。元女子寮組の岡村先輩のパーティーも、美弥ちゃん先生とレイド登録しておいてください」

「「「はーい!」」」

「では、狼が追いつくまで4、5時間はあるので、ここに野営地を設置して自由に休憩としましょう」


 風呂も今日は先に提供しておく。1時間ほど余裕をみて、今日は3時間だけの提供だ。
 念のために、戦闘班は今日は入浴なしで【クリーン】で我慢してもらう。


『……マスター、抑止剤が完成していますが、どうされますか?』
『今のうちに、高畑先生にでも渡しておこう』

「それから、朝、男子に提供してもらったモノで、例の抑止剤が出来ています。提供者によって効果が違うそうなので、初回は薄めていません。沢山の人に使って効果のほどを教えてほしいです。強すぎれば薄めますし、あまり効果が無いようなら、提供を違う人にお願いする事にします」

「三月君のは、吉井さんが実証済みなので効果はあるんですよね?」
「そうですね。そうなります。一応俺の知ってる範囲での知識を伝えておきますね。この抑止剤は避妊に使っている【クリーン】同様、薬師ギルドの者が苦肉の策として開発したそうです。創造神という神の総大将のような御方が、人口増加の為に排卵周期になると異常に性欲が高まるという特性を、この世界の人族に持たせたのが事の始まりだそうです。1人出産すればその性衝動はかなり治まるみたいです」


 性衝動について、簡単にまとめてホワイトボードに掲示してあげた

 ・排卵日の前後1日は性衝動が強くなる(通常で日本に居た頃の3倍ほど)
 ・性衝動は年齢によって異なる
 ・初潮前の幼女には、この性衝動は起こらない
 ・子供を出産すれば生んだ人数に比例して、性衝動も緩和される
 ・男性経験の無い者は、人口増加に貢献しろという意味を込めて、ペナルティーとして性衝動が強くなる
 ・初潮~16歳頃までは軽度
 ・16歳~25歳までの出産適齢期間が、この世界基準の性衝動がおきる
 ・26歳~35歳までの間は、年齢に比例して性衝動が強くなる
 ・35歳を過ぎれば、性衝動は緩やかに起きなくなってくる
 ・閉経後はこの世界特有の強い性衝動は起きなくなる
 ・エクスタシーを迎えれば、性欲は治まる
  1、男性とSEXして、精を膣で受けてエクスタシーを得る
  2、SEXにてエクスタシーを得る
  3、SEXはしないが、第三者にエクスタシーを与えてもらう
  4、注入器で精を膣内に取り込みエクスタシーを得る
  5、自慰にてエクスタシーを得る
  6、精飲(抑止剤)にて抑止効果を得る


「大体こんな感じらしいんだけど、俺たちの感覚だとなんだそれ? と思うかもしれないですが、この世界の人からすれば、誕生した時点でこの定めが決まっている事なので、これがこの世界の常識と思って諦めてください。そう嫌がらずに抑止剤を利用してみてはどうですか? 使用者の話では、随分楽になるそうですよ。この世界では生理痛が酷い時に飲む、鎮痛薬やピルと同じ感覚だそうです」


 抑止剤の効能についてのまとめも掲示した

 ・精液に含まれる強い魔素成分が、膣内で反応して強いエクスタシーが得られる
 ・精飲する事によって、精液中の魔素成分を内部から取り込んで抑止効果が得られる
 ・効果・匂いなどは、提供者によって違いが出る
 ・一般的に効能は24時間ほどでなくなる
 ・受精しないように精子自体は加工してある


「小鳥遊君、エクスタシーって言葉で濁しているけど、注入するだけでイクって事なの?」

 質問してきたのは30歳ぐらいの中等部の先生だ。
 俺とはあまり話したことはないのだが、美弥ちゃん先生と良く会話しているところを見かける。

「そうです。ぶっちゃけちゃうと、オナニーと一緒でイクと満足するのと同じ感覚だそうです……」

「聞いている限りでは、人によっては快楽を得るためだけに使う人とか出るんじゃない? 中毒性とか依存性とかの安全性はどうなのかな?」

「中毒性は全くないのですが、依存性はオナニー同様個人差があるとしか言えないですね……男女ともそうですが、週に1、2回の人もいれば、寝る前にオナニーしないと就寝できないって人もいるそうですから、何とも言えません。確かに先生の言う通り、貴族の中には絶頂効果を得るためだけに効果の高い男子を数名囲っているご婦人も居るそうですが、そんなのは極一部の人だけだと思います」

「煙草やお酒のように、中毒性がないのなら、確かに個人の問題ですね……私が被験体になって皆に解説しましょうか?」

「え!? 良いのですか?」
「高畑先生や、森里先生のように教師らしいことを何もできていないので、私でもできる事は協力しようかなって……」

 それは有り難いな……そういえば俺、この先生の名前知らないや……。

『……山本洋子、28歳。中等部では社会科を担当していました。2歳になる子供が居ましたので、今でも向こうに帰りたいという気持ちがとても強い方ですね』

『2歳か……一番可愛い頃だよな』 

「山本先生、先生の排卵周期はいつ頃ですか?」
「もうそろそろだと思うけど……一応子供が1人いたので、高畑先生や森里先生より性衝動は少ないのよね?」

「そうなのでしょうけど、その辺も個人差があるようなので何とも言えません。元々性欲の強い人とか居るそうですからね」

 山本先生はいろいろ試してくれるそうで、俺のも含めて注入タイプを5本渡した。
 三田村先輩・水谷先輩・三月先輩・俺の半分に薄めたモノ・俺の薄めていないモノの5本だ。

 約束通りラべリングして誰のモノか分かるようにしてある。
 排卵周期ではないが、さっそく1本試してみてくれるそうで、山本先生はテントに1人入って行った。

「あっああ~~!」

 しまった……【音波遮断】をテントに掛けてあげたらよかった。かなりの人数に先生の艶めかしい声を聴かれてしまった。

『……マスター、行ってあげてください。高畑先生のように気絶こそしていませんが、腰が抜けて失禁したようです……マスターの薄めてないモノを注入したようですね』

『なんで、俺の薄めてないヤツを真っ先に試すのかな!』

「先生、大丈夫ですか?」
「小鳥遊君! ああ~こんなみっともない姿見ないで!」

「そんな事を言っている場合じゃないでしょ? 【クリーン】【アクアラヒール】どうです?」

「あ、ありがとう……はい、なんとか起き上がれそうです。まさか腰が抜けるほどとは思っていませんでした。ちょっとこれ、マズいかもしれませんね。高畑先生が絶頂薬って言った意味が解りました」

「違うから! 抑止剤だからね! 変な名前付けて、皆が誤解したらどうするんですか?」
「恥ずかしいけど、ちゃんと正直に感想を言うわね。これはちょっと依存しそうでヤバいです……」

 とりあえず俺のは薄めるの決定で、他の人のも明日試してくれるそうだ。

 ***************************************************
 お読みくださりありがとうございます。

 今回のお話は、誰とは言いませんが、ある人を弄る為の布石回ですw
 最近料理部以外にサービスし過ぎだという意見も聞かれますが、次話でその辺も少し触れていますので、次回更新までお待ちください。
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